ヘルスケア

2026.06.24

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コーヒーは健康に良い!その理由と効能に合わせた飲み方を徹底解説

コーヒーは健康に良いことが近年は科学的に解明されており、死亡リスクの低減や抗酸化作用といった効果があるとされています。
一方で、カフェインは摂りすぎると身体に良くない影響を及ぼすリスクがあることも事実です。
コーヒーの健康への作用を詳しく知って、もっと効果的に楽しんでみませんか。
本記事ではコーヒーが健康にもたらす影響について、近年の研究結果をもとに整理して解説します。
日常的に飲んでいるコーヒーが、身体にどのように影響するのか見てみましょう。

1. コーヒーの健康へのメリット

コーヒーは、発がん性など健康への悪影響が強調されたこともありましたが、最近の研究では、適量であれば、メリットがデメリットを上回るとされています。

まずは、コーヒーの健康へのメリットを詳しく見てみましょう。

1-1. 死亡リスク低減や生活習慣病・がんなど病気の予防効果

コーヒーが健康に与える影響について、死亡リスクの低減や心筋梗塞といった病気の予防に効果的だと言われています。
ここでは、健康について研究を行う「国立がん研究センター」で行われた調査を元に、コーヒーがどのような病気の予防につながるのか、また、どのような作用で病気を予防するのか解説します。

1-1-1. コーヒーと病気による死亡リスクの関係

国立がん研究センターでは、1990年から2011年にかけて、コーヒーの摂取量と死亡リスクとの関連を調査しました。

調査開始時にコーヒーを飲む量に応じて対象者を5段階に分けて、1日あたりのコーヒー摂取量と死因との関連を分析。
分析の結果、コーヒーを日常的に飲む人ほど死亡リスクが低い傾向が見られました。
下の表にあるように、特に一日3〜4杯飲んでいた人は、ほとんど飲まない人と比べて、心筋梗塞などの心疾患、脳卒中といった脳血管疾患、肺炎などの呼吸器疾患による死亡リスクが大きく低下しています。

【コーヒー摂取と死因別の死亡リスク】

画像出典:国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所「コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について」

同センターでは、ほかの病因でも調査を行っており、膵がん、肝臓がん、女性の子宮体がん、肝硬変などの肝疾患、2型糖尿病、ぜんそく発作の予防や緩和につながる可能性も見られました。

1-1-2. クロロゲン酸やニコチン酸による死亡や病気リスク低下

コーヒーが死亡や病気のリスクを抑える理由として、次のようなコーヒーの成分の働きが大きいと言われています。

<コーヒーに含まれる主な成分>

・ポリフェノール(クロロゲン酸やタンニンなど)
ポリフェノールはコーヒー特有の酸味や渋み、色味などに関係している。
ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸は焙煎すると最終的にピロカテコールに変化。

・NMP
NMP(N-メチルピリジニウムイオン)は、コーヒー豆に多く含まれるトリゴネリンが変化したもの

・ニコチン酸
NMP同様にトリゴネリンから変化したもので、ビタミンB群の一種。

・ジテルペン
コーヒー豆の脂質成分の一部。
ジテルペンの構成成分である「カフェストール」と「カーウェオール」はコーヒーを入れる過程で抽出され、ドリップコーヒーでペーパーフィルターを使うと、ほとんど除去される。

・メラノイジン
コーヒー豆の焙煎でアミノ酸と糖質が結合して作られる褐色成分で食品の風味にも関わる。

・カフェイン
コーヒー豆をはじめ、茶葉、カカオ豆などに天然に含まれている苦味のもと。

これらの成分が健康に与える良い効果について、詳しくチェックしてみましょう。

【抗酸化作用】
ポリフェノール(クロロゲン酸・タンニンなど)やNMP、メラノイジンには、細胞や血管のダメージを抑える抗酸化作用があります。
これにより、老化や日焼けダメージの軽減に加え、動脈硬化や生活習慣病の予防にも期待できます。
さらにカフェインが、その働きをサポートします。

【血糖値の抑制】
ポリフェノールのクロロゲン酸は糖質の吸収を穏やかにして、食後血糖値の急上昇を防ぐとされます。
インスリンの機能低下などで発症する2型糖尿病の予防に効果的です。

【抗炎症作用】
コーヒーが焙煎、抽出される過程で生み出されるピロカテコールや、ジテルペン、メラノイジンなどに抗炎症作用があると言われます。
特に、弱い炎症が長期間続いて細胞や組織にダメージを与える慢性炎症への効き目があるとされ、糖尿病など生活習慣病のリスクを下げる可能性が大きいです。

【コレステロール低下】
ニコチン酸やメラノイジンは、LDL(悪玉コレステロール)の増加を防ぎ、HDL(善玉コレステロール)を活性化するとされます。
これは、心筋梗塞などの心臓病の予防につながる働きです。

【中性脂肪低下】
ニコチン酸は肝臓で中性脂肪の合成を抑制し、中性脂肪を低下させる効果があります。
糖尿病、高脂血症などの予防に期待できます。

【血管機能改善や血管保護】
カフェインの働きで血管内皮の機能が改善され、動脈硬化など血管の老化防止や偏頭痛を緩和。
コーヒー豆に含まれるトリゴネリンは血管の柔軟性を向上させ、焙煎によって生成されるニコチン酸は体がストレスを受けたときの血中脂肪酸の濃度を調整して、血管を保護する役割を果たします。

【呼吸器機能改善】
カフェインには気管支を広げて呼吸を楽にする機能があり、呼吸器機能の改善効果があります。
これにより、ぜんそくの発作のほか、呼吸器疾患死亡につながる危険因子を調整可能です。

健康へ複数の作用が重なり、長期的な病気のリスクを下げるのではないかと考えられています。

1-2. 自律神経のバランスを整える効果

コーヒーは、適量であれば自律神経のバランスを整えるサポートに有益です。
自律神経とは、心臓の動きや呼吸、発汗、血圧の調整などに関わる神経のこと。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、この2つがうまく切り替わることで、心や身体の健康が保たれています。

コーヒーはどのように交感神経や副交感神経と関わり、健康に影響を与えているのでしょうか。

1-2-1. 交感神経への影響

コーヒーに含まれるカフェインは、交感神経を活性化して中枢神経に刺激を与えて、脳を覚醒させる力があります。
交感神経を活性化するカフェインは、私たちの体に次のような作用をもたらします。

・眠気を覚ます
・注意力や集中力を高める
・持久運動能力を高める
・運動中の疲労感を軽減する
・倦怠感を抑える
・胃酸分泌・消化を促進する

一般的に、カフェインを摂った後、約30分後から効果が現れ、およそ1時間後にピークとなり、数時間効果が持続します。
量は100mg(コーヒーマグカップ1杯弱)程度で十分であり、一度に2杯、3杯と飲んでも、その効果が強まるわけではないようです。
一度に多量のコーヒーを飲むよりも、何度かに分けて飲む方が健康に効果的であることもわかっています。

1-2-2. 副交感神経への効果

コーヒーのカフェインが交感神経を活性する一方で、コーヒーの香りはリラックスモードとなる副交感神経を優位にします。

コーヒー好きであれば、コーヒーの香りを嗅ぐだけで、ほっと落ち着いた気分になりませんか。
これは、脳内にリラックス状態を示す「α波」が出現して、ストレスの軽減に効果を発揮するからです。
つまり一杯のコーヒーは、やる気を出しつつ、心を落ち着かせ、自律神経のバランスを整えてくれるのです。

プレゼンや商談の前など、緊張しやすいシーンにコーヒーを飲んでみてはいかがでしょうか。
リラックスしつつ、やるべきことに集中できて、実力を発揮できるかもしれません。

なお、リラックス効果を与えるコーヒーの量は、病気の予防や集中力と同様に、1日3杯程度が限度だと言われています。
飲みすぎないよう、気をつけましょう。

1-3. 脂肪燃焼効果

コーヒーに含まれるカフェインは、交感神経を刺激して、脂肪燃焼や代謝を高める作用があるため、ダイエットのほか、メタボリック症候群の予防にも有効です。
コーヒーを飲んだ後、カフェインの血中濃度が低下するまで4〜5時間、カフェインに刺激された交感神経の機能が持続し、その間に中性脂肪の分解が進みます。

コーヒーと運動を組み合わせると、内臓脂肪を減らす効果が増大するという研究もあります。
糖尿病を持つ肥満のラットにカフェインを与えて運動させるという実験を行った結果、「運動しない」「カフェインを与えない」など、ほかのラットと比較して、内臓脂肪が減少し、筋肉の量が増加しました。
この結果を見ると、脂肪燃焼を促したいときには、運動の前にコーヒーを飲むと良いことがわかります。

また、コーヒーに含まれるクロロゲン酸は脂肪を体内に貯め込むインスリンの分泌を抑えるので、ダイエットにも効果的です。
炭水化物の多い食事の後は、血糖値が急上昇し大量のインスリンが分泌されるので、ごはんやパンをよく食べる人は、コーヒーを飲むと良いでしょう。

コーヒーの美容効果

コーヒーの抗酸化作用は、美肌など美容にも効果的だと言われています。

ある研究で健康かつ非喫煙者の30〜60歳の日本人女性131名に対して、コーヒーの摂取量と肌の状態を調査。
すると、コーヒーを1日2杯以上飲む習慣がある人は、飲まない人と比べて紫外線による顔のシミが少ないという結果が出ました。
コーヒーに含まれるポリフェノール(クロロゲン酸やタンニン)が、シミの発生をおさえてくれると考えられています。

コーヒーの焙煎によって増えるニコチン酸にも傷ついた細胞を修復する力があり、アンチエイジング効果が期待できます。
ほかの研究では、コーヒーを飲み続けることによって肌の水分量が増加するという結果が見られ、肌の潤いにも良い効果を与えるようです。

コーヒーについては現在も研究が進められており、次のような健康効果もあるのではないかと考えられています。

・ポリフェノール(クロロゲン酸):善玉腸内細菌の増殖
・トリゴネリンやジテルペン:認知症の抑制、高齢者の筋力低下防止

2. コーヒーを飲むときに注意が必要な人

コーヒーは適量ならリラックスや集中力向上に役立つ一方、飲み方次第や飲むタイミング、体調などによって不調の原因にもなり得ます。
そのため、ケースによってはコーヒーを飲まないほうが健康に良いでしょう。
次からは、飲むときに注意が必要な人、またその理由を解説します。

2-1. 質の良い睡眠を取りたい人

一般的によく知られているように、コーヒーに含まれるカフェインは覚醒作用が強く、集中力のスイッチを入れてくれる一方で、寝る前に飲むと、睡眠の質を下げるもとになります。
カフェインは脳内の眠気物質の働きをブロックし、眠気を覚ましてしまうからです。

カフェインの影響が持続する時間は約4時間程度と言われますが、個人差があり、効果が長引いて、眠るべき時間に目が冴えてしまうことがあります。
カフェインの持続時間を把握することは難しいので、寝る前の6〜7時間前より後にコーヒーを飲むならカフェインレスを選ぶなど、対策を取ることをおすすめします。

2-2. 不安障害のリスクが高い人

不安障害の症状がある、またはリスクの高い人がコーヒーを飲むと、カフェインの効果で動悸や不安感が高まりやすくなる可能性があります。
なぜなら、カフェインは中枢神経を刺激する物質なので、交感神経を優位にするため。

交感神経は闘争・逃走反応と呼ばれる身体の緊張状態を引き起こし、心拍数を上げ、呼吸を速くさせます。
この反応は、本来危険を感じた時に体を準備させるためのものですが、少量のカフェイン摂取でも体が過剰に反応してしまうケースがあります。
この過剰反応が、不安障害の症状に似た状態を引き起こすのです。

不安障害のある人や似た症状を自覚しているのであれば、コーヒーを控える、ノンカフェインコーヒーに変えるなど、対策を講じましょう。

2-3.貧血が気になる人

コーヒーの飲み過ぎは貧血のリスクを高めると言われます。
コーヒーに含まれるポリフェノールの一種・タンニンやカフェインが、食事で摂った非ヘム鉄の吸収を阻害するためです。

鉄不足が進むと鉄欠乏性貧血となり、疲労感や頭痛などの症状が出ることがあります。
鉄剤を飲んでいる人や月経中の人、閉経後の女性は、コーヒーを1日2杯程度までに抑えるなど、注意が必要です。
特に食事中や食後すぐにコーヒーを飲むと貧血のリスクが高まるので、食後1〜2時間空けて飲むなど、タイミングを考慮しましょう。

なお、タンニンやカフェインの量は、コーヒーの焙煎時間の長い深煎りになるほど減少します。
コーヒーを飲むときは、カフェインレスや深煎りのコーヒーを選ぶと安心です。

2-4. 胃腸が弱い人

コーヒーに含まれるポリフェノールの一種であるクロロゲン酸は、胃酸の分泌を促進するために、胃壁を刺激し、胃のむかつきや胃の荒れ、胃痛などを引き起こすことがあります。
クロロゲン酸は、コーヒー豆を焙煎することで減少するため、胃が弱い人は、焙煎時間の長い深煎りのコーヒーを飲むことを意識するといいでしょう。

コーヒーの苦味成分の一つであるタンニンも、胃の粘膜を荒らし、健康を害する要因となります。
人によっては、消化不良を起こして吐き気や下痢を起こすこともあります。

また、コーヒーが劣化すると、胃の荒れ、胃痛の原因になり得ますので、古いコーヒーは避けたほうが安心です。

胃腸が気になるときは、深煎りでカフェオレにする、コーヒーの保存に気をつけるなど注意してみてください。

コラム:コーヒーの保存方法

コーヒーによる健康効果を得るために、劣化しにくい保存方法を知っておきましょう。
コーヒーの粉は、水分や酸素に触れる面積が豆の状態より多いため、コーヒーが早く酸化します。
そのため、コーヒーを豆で購入して、飲む直前に挽くのがおすすめ。
鮮度を保ちやすく、味や香りも良いです。

コーヒーの粉であっても、工夫次第で劣化を食い止められます。
コーヒーは温度、湿気、紫外線に弱いため、包装を開封したら密閉容器に入れて、2週間程度で飲む場合は冷蔵庫に、1か月以上置くときには冷凍庫に入れると、劣化のスピードを抑えられます。

ひと工夫するだけで、コーヒーの鮮度を保てるので、試してみてくださいね。

2-5.日常的にコーヒーを飲みすぎている人

コーヒーをはじめ、カフェインの入った食品を毎日多量に摂っていると、動悸、頭痛、不安感、吐き気、下痢、立ちくらみといったカフェイン依存に陥り、健康に影響が出ます。
重度になると精神錯乱や幻覚、パニックの発作のほか、摂取を減らすと禁断症状が出ることもあります。
コーヒーを飲まないと、頭痛や倦怠感、集中力が持続しないという症状があれば、カフェインの依存状態になっているかもしれません。

カフェインの摂りすぎには、ほかのリスクも潜んでいます。
肝機能が低下している人は高血圧に、カルシウム摂取量が少ない人は骨粗しょう症になりやすいなど、健康に重大な支障が出る可能性も無視できません。

コーヒーを飲まないと辛いという状態になっていたら、週に数日だけでも、ノンカフェインのコーヒーやほかの飲み物に切り替えてはいかがでしょうか。

2-6. 妊婦や子供・高齢者

妊婦や授乳中の女性、子供の場合、上記で解説したカフェインやタンニンが健康に悪影響を及ぼす可能性が高いため、コーヒーの量に注意が必要です。
妊婦の場合、本人の健康だけでなく、赤ちゃんの低体重、流産、死産のリスクが指摘されています。
カフェインが胎盤を通過して胎盤の血管が収縮する、肝臓機能が未熟な胎児の心拍数が上がるといった恐れがあるからです。
18歳位までの子供は小さい体に対してカフェインが与える影響が大きく、睡眠不足から成長ホルモンの分泌が妨げられて体の成長に支障をきたすこともあります。

日本では、妊婦や授乳中の女性、子供に推奨されるカフェインの量は定められていませんが、海外では、次のように定められています。

カフェインの海外での主なリスク評価等

画像出典:独立行政法人 国民センター「飲料のカフェイン含有量に関する調査」

また、高齢者もコーヒーの量を控えた方が良いと言われることがあります。
年齢を重ねて代謝能力が落ちてくると、少量でもカフェインの効果が長く続き、動悸や不眠などの副作用が強く働く可能性があるからです。

カフェインは、コーヒーだけでなく、緑茶や紅茶、コーラ、眠気防止用のガムなどにも含まれるため、注意が必要です。
妊娠中など、カフェインを控えた方が良いときにコーヒーが飲みたくなったら、ノンカフェインコーヒーを飲むようにしましょう。

3. コーヒーの種類による健康への効能の違い

一般的に、コーヒーの焙煎時間が長いほどポリフェノールは減少し、抽出時間が長いほどカフェインは多く抽出される傾向にあると言われています。
コーヒーの焙煎時間や抽出時間などで、どのように健康に影響を与える物質が変化するのでしょうか。
次に、コーヒー豆の種類や焙煎時間などによる違いをまとめました。

3-1. コーヒー豆の種類ごとに異なる成分と期待できる効能

コーヒー豆の種類は大きく分けて数10種類とも言われますが、多く飲まれているのはアラビカ種とカネフォラ種の2種類です。
この2つには、主に次のような違いがあります。

【アラビカ種】
香りに優れ、カフェなどの専門店でドリップコーヒーなどに使われる種類。
世界で一番広く飲まれており、世界三大コーヒーと呼ばれるブルーマウンテン、キリマンジャロ、コナのほか、ブラジルサントス、グァテマラ、マンデリンなどがアラビカ種に含まれます。
認知症予防などに期待が持たれるトリゴネリンは、次に紹介するロブスタ種より多いです。

【カネフォラ種】
カネフォラ種は病害虫に強く、収穫量が多いため、アラビカ種よりも安価で取引されることが多いです。
なかでも多く流通しているのはロブスタ種という種類で、酸味が少なく、炒った麦のような香りが特徴。
インスタントコーヒーや缶コーヒーなどの製品に用いられる傾向があります。
ロブスタ種のカフェインの量はアラビカ種の約2倍あるため、眠気覚ましにぴったり。
クロロゲン酸もアラビカ種より多い傾向にありますが、インスタントコーヒーや缶コーヒーの場合、製造過程で抗酸化作用などを失う可能性が高いです。

コラム:コーヒー豆の種類が違うと集中力とリラックス効果も異なる?

コーヒーの香りが脳に与える効果は、豆の種類によって異なると言われます。
ある実験によると、コーヒーの豆によって集中力とリラックス効果が異なるという結果が出ました。
これは、20代の女性10人が5分間隔で6種類のコーヒーの香りを数十秒間ずつ嗅いで、その間の脳波を分析したもの。

実験により、脳の働きが活性化したのはブラジルサントスやマンデリン、ハワイ・コナ、逆に、α波が多く出現し、リラックス効果が高くなったのはグァテマラやブルーマウンテンとなりました。

効果は好みなどでも異なると思われますが、集中力を高めたいとき、リラックスしたいときと、目的によってコーヒーの豆を変えてみても良いでしょう。

3-2. コーヒー豆の焙煎時間による成分の違い

コーヒーの成分は焙煎時間によって変化するため、健康への効能が変わると言われます。
コーヒー豆の焙煎には、大きく分けて、「浅煎り」「中煎り」「深煎り」の3つがありますが、これは、主に焙煎時間の違いです。

抗酸化作用などのあるクロロゲン酸や認知機能改善効果が期待されるトリゴネリンは熱に弱いという性質があるため、生豆に一番多く含まれ、浅煎り、中煎り、深煎りと焙煎時間が長くなるにつれ量が少なくなります。

しかし、焙煎時間が長くなると、クロロゲン酸はピロカテコールに、トリゴネリンはニコチン酸とNMP(N-メチルピリジニウムイオン)に変化し、抗炎症作用やリラックス作用をもたらします。
また、カフェインは、焙煎時間が長くなると量がやや減少します。

焙煎時間によって、健康効果にどのような違いがあるのか、いくつか例を紹介します。

【浅煎り】
酸味が際立ち、豆本来の味わいを楽しめるのが特徴で、コーヒー専門店などで飲める確率が高い傾向にあります。

浅煎りはクロロゲン酸やトリゴネリンの効果が大きいため、食後の急激な血糖値の上昇や、血管内のコレステロールの蓄積、認知症の予防などが期待できます。
また、覚醒効果や脂肪燃焼効果が高いとされているカフェインを多く含みます。

浅煎りを選びたいとき
・動脈硬化や血糖値が気になるとき
・ダイエット中
・眠気をさましたいとき
・脳の老化に不安があるとき
・集中力を挙げたいとき

【中煎り】
酸味、甘み、苦味のバランスが良く、市販のレギュラーコーヒーに多いと言われます。

中煎りはコーヒーの成分が変化する過程にあります。
コーヒーの生豆に多く含まれるクロロゲン酸やトリゴネリン、焙煎する過程で生成されるピロカテコールやニコチン酸、NMPなどをバランス良く摂れるのが特徴。
生豆に多い抗酸化作用と、焙煎効果で高まる抗炎症作用やリラックス作用、どちらも得たいときに飲んでみるといいでしょう。

中煎りを選びたいとき
・バランス良くコーヒーのさまざまな効能を取りたいとき
・浅煎りの酸味が苦手でも美肌効果を得たいとき

【深煎り】
香ばしさやコクが強いフレンチローストやエスプレッソなどに多い傾向です。
焙煎時間が増えるとカフェインがやや減少し、ジテルペンやメラノイジン、ピロカテコールが増えて、抗炎症作用やリラックス効果がより強く働くと考えられています。

深煎りを選びたいとき
・リラックスしたいとき
・胃腸にあまり刺激を与えたくないとき
・生活習慣病の予防をしたいとき

3-3. コーヒーの抽出方法・時間による成分の違い

コーヒーの抽出方法や時間によっても、カフェインや認知症予防成分として期待されるジテルペンの量は変化します。
そのため、コーヒーの淹れ方などを変えるだけでも健康への影響も異なります。

カフェインは、抽出時間が長いほど量が多くなります。
これまで見てきたように、カフェインはコーヒー豆の種類や焙煎時間でも異なります。
参考として、主なコーヒーに含まれるカフェインの目安量を、多い順に上から見てみましょう。

・フレンチプレス:一杯約120mlに約130mg
・市販の缶コーヒー(ブラックコーヒー):一缶185ml中約110mg
・ドリップコーヒー:一杯140mlに約80mg
・インスタントコーヒー:スプーン一杯2gで約80mg
・エスプレッソ:一杯約50mlに約50mg

また、コーヒーの脂質成分であるジテルペンはフィルターを通すと少なくなります。
ドリップコーヒーではほぼカットされますが、ペーパーフィルターを使わないフレンチプレスなどはジテルペンがそのまま抽出されます。
ジテルペンは認知症予防成分として期待されていますが、飲みすぎると血中コレステロール値を上昇させる可能性があるため注意しましょう。

4. 健康に良いコーヒーの飲み方

これまで見てきたように、コーヒーは健康へのメリットが大きいですが、その量や飲み方、状態、年齢などで悪影響を及ぼす可能性があります。
大切なのは、自分の体質やライフスタイルに合わせた飲み方を知ることです。

ここでは、健康な成人におすすめの飲み方を紹介します。

4-1. 一日の適量はマグカップ約3〜4杯

健康な大人の場合、コーヒーの健康効果を得るには、一日でマグカップのドリップコーヒー約3〜4杯(カフェイン400mg程度)が目安です。
コーヒーを飲みすぎると、カフェインの摂り過ぎだけでなく、コーヒーに含まれる脂肪が影響して、コレステロール値が上昇する可能性があります。
動悸や不眠、貧血気味の人や妊婦や授乳中であれば、少なめにしましょう。

エナジードリンクや緑茶などにもカフェインは含まれるため、コーヒーだけでなく、カフェインの合計量を意識することをお忘れなく。

誰もが毎日約3〜4杯飲めばいいというわけではなく、自分に合った量を知ることが大切です。
「ちょっと物足りない」程度で止めるのが、コーヒーと長く付き合うコツとも言われます。

4-2. 一気に大量にではなく数回に分けて飲む

コーヒーの健康へのメリットや仕事中の集中力維持を意識するのであれば、一日のなかでも数回に分けて取り入れるのがポイント。
抗酸化作用やカフェインの覚醒作用は4時間ほどで消えるため、数回に分けることで、カフェインの血中濃度を一定に保ち、食事後の急激な集中力切れを防げます。

コーヒーを飲むタイミングはさまざまですが、目が覚めてすぐ飲む人は多いのではないでしょうか。
コーヒーを飲む前に何も食事を摂らない場合は、カフェインによる刺激が強いので、牛乳を入れてカフェオレにするなど、胃を荒らさないように意識してください。

ダイエットを意識していたら、仕事や家事などで体を動かす前に取り入れると脂肪燃焼に最適。
貧血気味であれば、食事から1時間後を目安に飲むようにしましょう。
お酒を飲む人は、飲酒前に飲むと、コーヒーに含まれるクロロゲン酸、カフェイン、トリゴネリンなど多くの物質が肝臓に良い作用を及ぼすとも言われます。

無理のない時間に飲むのが一番ですが、コーヒーの効能を意識して取り入れるのも手です。

コラム:仕事効率を上げる「コーヒーナップ」

コーヒーを飲んでから短時間の昼寝「パワーナップ」をすると、その後の仕事でより良い集中力が得られると言われています。
これは、カフェインが脳に届いて覚醒効果を発揮し始めるのが、コーヒーを飲んでから約20〜30分後という性質を利用したものです。
コーヒーを飲んだ直後に15〜20分の仮眠を取ると、ちょうど起きたタイミングでカフェインが効き始め、驚くほど頭がクリアな状態で午後の業務に戻れるというのです。
午後の業務に集中したいときに、試してみてはいかがでしょうか。

4-3. カフェインレスコーヒーを選ぶ

「カフェインレス」「デカフェ」「カフェインフリー」「ノンカフェイン」と、さまざまな呼び方があるカフェインレスコーヒーは、カフェインを90%以上取り除いたものを指します。
クロロゲン酸などのポリフェノールは残されているので、カフェインの影響を抑えてコーヒーの効能を得られます。
たとえば、2型糖尿病については、カフェインレスコーヒーを一日一杯以上飲むと、病気へのリスクが低下する傾向があると言われます。

カフェインレスコーヒーにどんな作用があるのか気になったら、下の表の「デカフェ」の項目に注目してください。

画像出典:ネスレ日本株式会社「”コーヒー博士”福島先生に聞く!コーヒーのある生活について」

カフェインによる交感神経の刺激がないため、妊娠中や夕方以降にコーヒーを飲みたいとき、胃腸に不安があるときなどにおすすめです。
積極的にカフェインレスコーヒーを取り入れてみてください。

4-4. コーヒーブレイクで健康効果をアップする

前述したように、コーヒーは自律神経や脳に働きかけて、仕事への集中力とほっとした気分をもたらしてくれます。
コーヒーに含まれる成分の直接的な影響ではありませんが、一旦作業の手を止めてコーヒーブレイクを取ることも健康に効果的です。

こうした瞬間は、「ストレスホルモン」とも言われるコルチゾールの低下や、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンなどの分泌を促す可能性があります。
オフィスワークで長時間座っているときも、コーヒーブレイクをとるために席を立てば、腰痛、肩こり、生活習慣病などに効きます。
職場でコーヒーを飲むときには、コーヒーを淹れながら、同僚とコミュニケーションを取る機会にもなるでしょう。

仕事中にコーヒーを飲むときには、一度でも数分のコーヒーブレイクを取るように心がけてはいかがでしょうか。

思考をクリアにするコーヒーマインドフルネストレーニング

仕事の休憩時間に脳をリラックスさせ、思考をクリアにするコーヒーマインドフルネストレーニングを試してみませんか。
コーヒーマインドフルネストレーニングとは、コーヒーを淹れて飲むまでのプロセスに五感を集中させる手法です。
コーヒーを自分で淹れて五感で味わうことで心が落ち着く、免疫力が向上するといった効能が期待できます。
リラックスできるコーヒーの香りやカフェインの覚醒作用などの相乗効果も期待できます。

【やり方】
1. できるだけ静かな場所でコーヒーを淹れる
豆を挽く音、お湯を注ぐと膨らむ豆(コーヒーの粉)、漂う香り、カップに滴り落ちる音など、コーヒーを淹れることによって起こる一つひとつのことに意識を向けます。

2.コーヒーを飲む
コーヒーを飲む前にカップから手に伝わる暖かさ、香りを全力で感じてみましょう。
コーヒーを口に含んだら、味や香り、口の中に広がる暖かい感触に集中します。
最後の一口まで飲み終わっても、コーヒーが喉を通る感覚、口の中に残る香りや味の余韻まで忘れずに味わってください。

コーヒーは、これまで述べてきたように多くの効能がありますが、医薬品ではありません。
コーヒーブレイクを上手に取り入れて、穏やかに暮らすことも健康に繋がるのではないでしょうか。

コーヒーの健康効果を実感するためにひと工夫加えてみよう

コーヒーの健康効果は、飲み方や量、タイミングのほか、選ぶ豆の種類や焙煎時間などによって変化します。
例えば、仕事中にカフェインの多い浅煎りを選べば、脳が覚醒して集中力があがり、生産性がよりアップするでしょう。
仕事が終わった後は、カフェインレスの香りの良いものを選べば、リラックス効果が期待できます。
この記事を参考にして、飲むコーヒーの種類や量、タイミングなどを工夫してみてください。
日常生活のなかで上手にコーヒーを取り入れれば、気持ちや体調が整い、仕事の成果につなげられるかもしれません。

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働く親のリアル・トークVol.2(前編)



働く親のリアル・トークVol.2(前編)
ー完璧主義を手放す勇気ー


仕事も育児も全力でがんばりたい。
でも、すべてを完璧にこなそうとすると、息が詰まってしまう ——。
今回のBTHacks座談会は、そんな“がんばりすぎる自分”と戦ってきた、働く親たちのリアルな声をお届けします。
第2回のテーマは――「完璧主義を手放す勇気」。
日々の仕事、家庭、そして自分自身と向き合う中で、
どのように「ほどよい諦め」や「ゆるめる勇気」を持てるようになったのか。
にこちゃん編集長と、3人のゲストが本音で語り合いました。