いまや海外出張の必需品となっているレンタルモバイル、Wi-Fiルーター。現在ではさまざまな会社が提供しており、価格競争も激しくなっています。安いものを選んでしまって落とし穴は無いのでしょうか? Wi-Fiルーターの借り方、使い方、返し方、そして「賢い選び方」を解説します。
Wi-Fiルーターの使い方・返し方
目的地に到着したらWi-Fiルーターの電源をONにします。ルーターに記載してあるSSID(ルーターの識別番号)とパスワードを確認します。とパソコン/スマホのWi-Fi設定をONにするとルーターのSSIDが表示されるので、これを選択してパスワードを入力します。これで設定完了。国内の公衆Wi-Fiと違いはありません。
高速通信ですが使えるデータ量に限りがあるので、動画などを見る場合は無料の公衆Wi-Fiを使った方がよいです。一方、ビジネス上のやり取りにはレンタルルーターを使った方がセキュリティ的に安心です。
空港に戻ったら、レンタル会社のカウンターか専用の返却BOXに返却します。時間が無い場合は後から宅急便で返すこともできます。
Wi-Fiルーターは海外出張の必需品
出張先でもネットに繋いで仕事をするのが当たり前になってきました。しかし、海外ではいつも使っている国内通信会社のサービスが使えません。携帯電話の大手キャリアも海外で使える通信サービスを提供していますが、おおよそ上限25MBで1980円~2980円/日と非常に割高になっています。
そこで、海外出張の必需品になっているのが、モバイルWi-Fiルーターのレンタルサービスです。現地の通信会社の回線を利用できる小型のWi-Fiルーターを出発空港などでレンタルし、これを使ってPCやスマホからネットに接続をします。
レンタル業者もテレビCMで見るような大手から格安価格の会社、航空会社系などさまざまあり、価格体系もオプションサービスまで含めると複雑になります。
サービス種類 | 通信料/日 | 料金(1日あたり) | オプション | 受取り・返却できる空港 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アメリカ | 中国 | イギリス | 受取り手数料 | 宅配受取り | 宅配返却 | 金額補償 (1日あたり) | ||||
イモト | 大容量 | 500MB | 780 | 700 | 900 | 0 | 450 | 実費 | 200 | 成田・羽田・関空・中部国際・新千歳・福岡 |
超大容量 | 1GB | 980 | 1120 | -- | ||||||
グローバルWiFi | 通常 | 300MB | 150 | 285 | 350 | 0 | 500 | 実費 | 500 | 成田・羽田・関空・中部国際・新千歳・福岡ほか |
大容量 | 600MB | 190 | 400 | 390 | ||||||
超大容量 | 1.1GB | 380 | — | 820 | ||||||
WI-HO! | 通常 | 300MB | 340 | 80 | 240 | 0 | 540 | 実費 | 200 | 成田・羽田・関空・中部国際・新千歳・福岡 |
大容量 | 600MB | 340 | 400 | 290 | ||||||
超大容量 | 1GB | 580 | 750 | 580 | ||||||
フォートラベル | 通常 | 300MB | 170 | 275 | 340 | 0 | 0 | 実費 | 500 | 成田・羽田・関空・中部国際・新千歳・福岡ほか |
大容量 | 600MB | 340 | 390 | 380 | ||||||
超大容量 | 1.1GB | 370 | — | 810 | ||||||
JAL ABC | — | 無制限 | 1000 | 1000 | 1000※2 | 0 | 750 | 実費 | 210 | 成田・羽田・関空・中部国際 |
(2018年8月6日現在)
※ネット申込みの最安価格
※原則として通信速度4Gで比較
※2:通信速度3G
Wi-Fiルーターの申込み方
レンタルWi-Fiルーターの申込みは必ずネットから行いましょう。比較サイトなどのリンクから申込みをすると、「代理店割引」・「ネット申込み割引」が効いて最安値で借りられます。
渡航先、期間、受取り・返却方法などを指定して申込みをします。このとき、ルーターが品切れで申込みできないこともあるので、余裕を持って早めに申込みを行うように気を付けてください。
支払い方法はクレジットカードがメインですが、会社によってはコンビニ払い(後払い)も選択できます。
Wi-Fiルーターの受取り方
空港に着いたらレンタル会社のカウンターへ行きWi-Fiルーターを受取ります。会社によってはパスポートや支払いに使ったクレジットカードの提示を求められることもあるので、受取りに必要なものは事前に調べておいた方がよいでしょう。
受取り方法は「宅配」を選ぶこともできます。空港のカウンターは混雑することがあるので、前日までに自宅か会社でルーターを受け取っておくと余裕を持って出発できます。会社によっては、宅配日時を指定できるところもあります。スケジュールに合わせて申込みをし、ルーターを確実に受け取れるようにしましょう。
Wi-Fiルーターの選び方
レンタルWi-Fiを申し込むときには、訪れる国から機能、オプションなどいろいろ選ばなければならないことがあります。
何を基準に選んだらよいか迷うところですが、まずは価格を重視するか、容量を重視するか、安全性を重視するかを基準にして考えるとよいでしょう。
海外旅行の初心者の場合は、価格などよりも「確実にルーターを受け取る」「海外でのインターネット接続のトラブルに備える」といった基本的なことを頭に入れて選んだ方がよいでしょう。
それでは、選ぶポイントをいくつか見ていきます。
(各社比較表参照:2018年8月6日現在)
1.国・地域を選択
まず渡航する国・地域を選びます。ビジネスで訪れるような欧米やアジアの主要国はおおむねどの会社もカバーしていますが、事前に確認しておくとよいでしょう。注意したいのは複数の国を訪れる場合です。この場合は国をまたいで使える周遊プランを選択しなければなりません。料金的には4G・500MB/日のプランで700円~1500円と単独の国より割高になります。
2.速度・容量
通信速度は国内のスマホと同じ4G・LTEの国が多いですが、国・会社の組合わせによっては1世代前の3Gの速度になることがあります。周遊プランだと選べるプランが3Gのみになりやすいようです。
通信容量は、レギュラー(250MB/日くらい)、大容量(500MB/日くらい)、超大容量(1GB/日)の3ランクのプランを用意している会社が多いです。動画などを見ない限りはどのプランでもそれほど問題になりません。
それでも、1日で使える通信量を気にせず使いたいならJAL ABCがおすすめです。通信量が無制限なのが特徴です。他社でも通信量無制限のプランを用意している場合がありますが、価格的にもJAL ABCがお得です。
3.受取り方
基本的には空港カウンターか宅配での受取りになります。成田、羽田、関空、中部はどの会社もカバーしており、福岡・新千歳ほか地方空港でも受け取れる会社もあります。
注目したいのはグローバルWi-Fiです。成田、関空といった主要空港では「スマートピックアップ」というロッカー受取りのオプションがあります。空港カウンターでの受取りは時間によっては混雑してしまうので嬉しいサービスになります。
4.補償制度
ルーターなどレンタル品が盗難・紛失・破損したときの、いわゆる保険です。海外のことなので付けておいた方が安心です。
全額補償のオプションはイモトとWI-HO! が1日200円と最安です。
CMでもおなじみのイモトは価格的にはやや割高感がありますが、補償制度や日本語サポートなど老舗ならではの安心サービスが充実しており、出張初心者にはおすすめです。
5.料金
そして、もちろん1日あたりのレンタル料金も大事な要素です。
多くの国でグローバルWi-Fi、フォートラベル、WI-HO! の3社が最安水準です。「10円でも安い方がいい」という人にはフォートラベルがおすすめ。ほとんどの国で最安値になります。
受取・返却のきめ細かさや繋がりやすさなども含めた総合力ならグローバルWi-Fiがおすすめです。
WI-HO! は海外旅行の人気国に力を入れており、国によってはかなりお得な値段設定になります。出張でよく利用する国でも中国は断トツの最安値。アメリカ本土、ベトナムでもお得な値段です。
選ぶときにはここに注意
1.余裕を持って予約をする
Wi-Fiルーターは国によって規格が異なるのでレンタル会社が十分な数を用意しにくい商品です。特に格安価格の場合は直前に申し込んでも品切れの可能性があるので、できるだけ早めに余裕を持って申し込みましょう。
2.補償も含めた金額で比較する
ルーターのレンタル料金はびっくりするくらい差があることもありますが、反射的に飛びつかず、オプションや受取り・返却経費も含めた総額で比較して判断した方がよいです。補償を付けると1日あたり数百円かかるのでルーターの料金だけ極端に安くても意味がありません。オプションも含めた「1日の料金」と考えた方が分かりやすいです。
3.空港カウンターの場所に注意
Wi-Fiレンタルのカウンターは、空港の中で分かりにくい場所にある場合があります。国際線の発着は早朝や深夜のことも多いので、時間に余裕が無いときは受取り・返却での時間のロスが命取りになる可能性すらあります。事前にきちんと場所を調べておくか、宅配で前日までに受け取ってしまうようにした方が安全です。
4.中国出張ならVPNオプションを検討
中国ではインターネットで海外サイトへの接続が一部制限されており、たとえば、Gmail、フェイスブックなどに接続できないことが知られています。クラウド上にビジネスの資料を置いている場合は注意が必要になります。こうした通信制限を回避するために、レンタルWi-FiルーターにオプションでVPN(仮想プライベートネットワーク)を付けるサービスがあります。料金は高くなりますが、中国への出張の際には検討してみた方がよいでしょう。
海外出張の成功はWi-Fiルーター選びから
Wi-Fiルーターのレンタルサービスにはさまざまなサービスの種類があります。渡航先の国・地域によってもWi-Fiの事情は異なってきます。安さだけに注目するのではなく、必要な容量や通信速度、必要なオプション、まさかのときの備えなども考えてサービスを選びましょう。
まずは、今回の出張の行先・目的から自分に合ったサービスをはっきりさせることが大切です。その上で、料金を比較して賢くレンタルWi-Fiを選びたいものです。
ネット環境はもはやビジネスのインフラです。Wi-Fiルーター無くして海外出張はありえません。よいWi-Fiルーターを選んで、海外出張を成功させましょう。
通信料が大容量のWi-Fiルーター
通信料が大容量のWi-Fiルーターは「イモトのWiFi」です。
4G対応で通信料は1日あたり500MBと大容量。
成田・羽田・関空・中部国際・新千歳・福岡で受け取りできるので利便性抜群!
日本語サポート、補償最安など老舗ならではの安心感。
初心者にもおすすめです。