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2019.09.02

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海外出張後のもう一仕事! 報告書の作成に使えるテクニック&おすすめアプリ

国内出張と同様、海外出張でも必要な報告書。海外出張報告書は、基本的に国内出張と書き方が大きく変わることはありません。ただし、海外出張ならではともいえる、気をつけたいポイントやテクニックがあるのも事実です。
タイトなスケジュールだったり、慣れない環境で書くことも多かったりする報告書をスムーズに作成できるよう、役立つテクニックやお役立ちアプリをご紹介します。

1.海外出張の報告書、なぜ必要?


出張中の業務を社内で共有するとともに「業務を滞りなく遂行できたか」「問題はなかったか」「今後のアクションプランは?」などの確認、ならびに業務進捗を整理できる出張報告書の作成は、面倒に感じがちですが、出張後のビジネスをスムーズに進めるためにも大切なアクションです。
出張報告書を作成する前に、なぜ報告書が必要なのかを改めて考えてみましょう。

1-1.出張報告書をめぐる社内事情あれこれ

国内であれ海外であれ、基本的に出張報告書の作成は一般的。ただし、企業によっては海外出張の場合のみ報告書作成が必要になるというところもあります。
「国内出張では経費精算のみ、報告書は日々の日報で…」というスタイルに慣れていると、海外出張時に報告書作成の必要に迫られ戸惑ってしまうこともあるかもしれません。会社が用意している報告書のフォーマットがあれば、作成にそれほど悩むことはありません。しかし、フォーマットがない場合は、何を書けばいいか迷うのも当然です。

報告書を会社が求めるのは、出張での成果や出張中にわかった課題を社内で共有し、今後のビジネス展開の判断材料として残すため。そして資産とするためです。もちろん、出張者が滞りなく業務を遂行できたかどうかを示す資料にもなります。

1-2.国内出張と書き方は違う?

この記事を読んでいる方の中には「国内出張時と海外出張時、報告書は違うの?」という疑問を抱いた方もいるかもしれません。
結論から言ってしまえば、国内であれ海外であれ、基本的に出張報告書に盛り込むべき事項は同じです。ただし、気をつけたいのが海外出張ならではの視点や現地情報、追加項目があるとより良いという点です。

また、海外出張は長期になることも多いため、帰国後にいざ報告書を作成しようと思っても「いつのことだったっけ?」と記憶がおぼろげになってしまうことも。ぜひ、滞在中から出張報告書にも使えるメモや記録を取っておきましょう。

さらに、長期で海外出張に出かける場合、よりリアルタイムで業務の進捗や情報を社内へ共有するために、日報などでこまめに報告する必要があるケースもあります。出張に出かける前には、どの報告スタイルが良いかを確認しておくと良いでしょう。

2.早速実践! 海外出張報告書の作成方法

テクニックや便利なツールをご紹介する前に、まずは海外出張報告書の基本的な作成方法とフォーマットをご紹介します。どんな報告書を書くべきかが分かれば、対策もしやすいというもの。早速見ていきましょう。

【出張報告書の基本項目】

・記入/作成日
・出張者/作成者
・出張先
・期間
・同行者
・出張の目的
・出張の成果ならびに決定事項、確認事項
・所感
・添付書類(あれば)

2-1.基本の項目とフォーマット

海外出張報告書に書くべき必須事項は大きく分けて次の通りです。状況に応じて追加したい事項があれば、必須事項と合わせて加えても良いでしょう。数日間の出張であれば、各日の訪問先や業務内容を詳細に記載するのも分かりやすくて良いでしょう。

例えば、海外の展示会に自社製品を出展、合間の日程でショップや販売代理業者などを訪問、打ち合わせした場合の作成例は次の通りとなります。

【出張報告書の作成例】

<出張報告書>
作成日:2019年9月30日
作成者:営業促進部 A山B男

・出張先:タイ・バンコク
・期間:2019年9月23日(月)〜27日(金)
・同行者:営業促進部 海外マーケット担当 C川D美、F木D郎
・出張の目的
 当社製品「○○」ならびにサービスの販売促進、販売店舗視察
・内容/スケジュール
 9月23日(月)移動、夕方現地到着(++hotel宿泊)
 9月24日(火)展示会準備ならびに現地店舗視察
 9月25日(水)展示会出展・運営
 9月26日(木)展示会出展・運営
 9月27日(金)販売店舗との打ち合わせ、売り場確認。競合ブランドの売り場視察

・出張の成果ならびに決定事項、確認事項

今回の出張の主たる目的は、東南アジア地域への当社「〇〇」販路拡大の為の展示会出展であった。合わせて、東南アジアのバイヤー担当からの生の声を聞き、今後の販促戦略のヒントを得るのも大きな目的だった。

展示会は来場者が○千人を超え、当社ブースにも延べ800組以上の企業・バイヤーが足を止めた。今後、取引先となりそうな企業数は25日(水)にxx社、26日(木)にyy社あった(うち、zz社とアポイントメント済、のこり企業は後日さらなる詳細資料の送付とフォロー予定)。

現地店舗視察では、タイのマーケット状況を踏まえてショップ担当者と以下の課題感を共有した。
 課題1:〜〜〜
 課題2:〜〜〜
 課題3:〜〜〜

・所感
展示会での反応はそれなりにあったものの、日本との商習慣の違いとして〜〜があった。ライバル企業の動向、現地店舗視察を経て見えてきたのは、販売量が特に増えている品目は〜〜であるという点。当社でも〜〜は今後力を入れていく必要があるとともに、差別化を図るために、〜〜などの戦略が必要ではないかと推測される。
また、店内ディスプレイでは他ブランドとの差別化がうまくされていない点が課題。パッケージ、POPなどに関して今後検討が必要。現地スタッフへの商品の魅力訴求も急務と考えられる。

・添付書類
資料A:展示会資料
資料B:○○店 店内写真ならびに、ディスプレイ実態
資料C:△社の売り場(〜〜Bangkok店)
資料D:経費報告書

上記の例は、商談や展示会のための出張ですが、現地開発者や生産ライン担当者との打ち合わせなど、出張の目的に応じて項目も変えていきましょう。また、出張の経費精算は別途提出方法がある場合には、そちらを使用しましょう。

2-2.状況に応じて追加すべき事項

なかなか国内とは商習慣や文化が違う海外。せっかく出張するなら、現地でしか得られない知見や気づきもしっかりと報告書に盛り込んでおきましょう。
また、出張を「ただ行っただけ」で終わらせないためには、社内のプロジェクトメンバー間で共有しておきたい事項も書くのがおすすめ。目的を事前に整理し、課題意識や今後のアクションプランも盛り込めば、自分自身の業務にも生かすことができるでしょう。

特に出張報告書を作成する際に、意外と忘れがちなのが今後の課題やアクションプランです。出張の結果を踏まえて、今後どうするべきかを課題意識を持って伝えている報告書は、その後のプロジェクト運営においても説得力のある資料となります。

3.出張中の行動で変わる! 報告書作成を効率よくするコツ


当たり前のことですが、出張は報告書作成のために行くわけではありません。あくまでも“報告”のための資料ですから、なるべく時間をかけず、早く出すのも大切です。そこでここからは、報告書をスムーズに作成するためのテクニックや、海外出張に便利なアプリをご紹介します。

3-1.出張前にダウンロード! 便利なアプリ&ツール


Evernote
ビジネスに役立つ定番のアプリといえば「Evernote(エバーノート)」です。メモや書類、スケジュール、名刺などを一元管理できる為、すでにビジネスシーンで活用している方もいるのではないでしょうか?

Evernoteが海外出張にオススメの理由はいくつかありますが、最大のポイントが「オフライン機能」(Evernoteプラス・プレミアム機能/有料)があるという点です。モバイルやタブレットからもオフライン機能を使えば、アクセス不良や編集できないという事態も防げます。
また、ノートブックを作ってスケジュール、資料、連絡先、打ち合わせ中のメモなどを整理整頓できるのもいいとろ。

例えば、出張報告書を作成する上では、取引先の名刺やパンフレットをスキャン(もしくはスマホから撮影)して保存。打ち合わせ資料も同様に入れておけば「出張中にカバンの中で書類が行方不明になってしまった」という心配もありません。万が一、PCなどが破損・紛失してしまっても、データをEvernoteのクラウド上に保存しておけば、最悪の場合でもデータそっくり丸ごと紛失ということもなくなります。

Evernoteには、議事録やプロジェクト管理、カレンダーなどビジネスシーンで使える様々なテンプレートも用意されていますから、ぜひ活用してみましょう。
出張報告書のためだけでなく、いろいろ使えるEvernote。営業資料や写真などもノートブックに入れておけば、出張の荷物も最小限になりますよ。

参考:Evernote
https://evernote.com/intl/jp/

Microsoft OneNote

Microsoftの「OneNote(ワンノート)」は、Officeユーザーならぜひ試してみたいソフトの一つ。Windowsユーザー以外も無償で使えるのが嬉しいところ。
ノートブックを用途ごとに作れるため、出張ごとにノートを作っておけば、後から見返す際にも便利です。
1枚1枚ページの目次が作れ、他のメモアプリのようにテキスト入力できたり、タブレットから手書きの文字入力も可能です。さらに、写真などの画像や表、会議中の録音メモも一元管理できますので、Evernote同様、使い慣れるととても便利なアプリです。

参考:Microsoft OneNote
https://www.onenote.com/

Apple公式 メモアプリ

Appleユーザーに特にオススメしたいのが、Apple公式の「メモ」アプリです。
オフラインでも編集できますし、iCloudに自動で同期することもできるため、アカウントにログインさえしていれば、デバイスが変わっても同じ情報にすぐにアクセス可能です。

Apple公式のメモアプリは、新規メモが簡単に作れる他、アプリ内でカメラを使って書類をスキャンしたり、写真を挿入したりできるため、現地視察などの出張に便利です。メモ内に手書きのメモを入れることができる点も嬉しいポイント。

すでにiPhoneやiPadなどApple製品を使っていれば、最初からダウンロードされているアプリなので、ダウンロードする手間も省けます。

いちいち書類名をつけなくても、メモ冒頭の文字がファイル名になるため、あとから検索しやすく、忙しいビジネスパーソンにこそオススメ。また、フォルダ管理ができるので出張中に作ったメモを出張ごとに管理でき、後から報告書を作成する上でも便利です。ぜひ一度使ってみましょう。

参考:メモ(Apple)
https://apps.apple.com/jp/app/%E3%83%A1%E3%83%A2/id1110145109

3-2.出張中にサクッと済ませられる作成テクニック


海外出張が長くなったり、出張中にたくさんの人と会う予定があったりすると、どうしても報告書の作成が後回しになりがちです。いざ報告書を作成する際に、「あれどうだったっけ」とわからなくならないように、タイムスケジュールや、訪問先、クライアント先などは、アプリなどを活用してこまめにメモしておきましょう。

また、出張前にフォーマットを作っておいて(もしくはPCに入れておいて)、移動時間に少しずつ必要項目を埋めていくのも報告書作成の時短につながるテクニックです。

3-3.写真や動画を引用するなら?

長い文章よりも、1枚の写真や1本の動画がより説得力を持ち、相手に的確な情報が伝わるというのはよくあることです。海外出張の報告書で「なかなか現地の様子を言葉で上手く伝えられない」と感じる方こそ、写真や動画をぜひ有効活用してみましょう。
例えば写真を撮る際には「何を伝えたいのか」を考えながら、アングルと被写体との距離を変えながら複数枚撮っておくのがおすすめ。また、現地の様子を伝える動画なら、長くなりすぎないように気をつけて撮影しましょう。

報告書にこうした写真やデータを引用する場合には、写真であれば添付資料や報告書の文章の中に挿入するのが一般的です。動画の場合は、データファイルを添付するとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたか? 海外出張の報告書は、国内出張と基本は同じ。しっかりとした報告書を作る過程は、自分たちの仕事を改めて振り返り、課題などを抽出するチャンスです。また、日本とは、環境も違う海外ならではの情報を、社内メンバーと共有する有用なツールになります。
報告書を作るためではなく、自分の業務をしっかり把握して業務を効率化させるために、ぜひ今回ご紹介したテクニックを活用してみてくださいね!

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