「パスポートの申請をしなければならないけれど、手続きはどうやるんだっけ?」と、お悩みの方はいらっしゃいませんか?
パスポートは5年または10年更新なので、過去に手続きをしたことはあっても方法を覚えていないという方は多そうです。
また、はじめて申請するという人は、そもそも申請方法がわからないのではないでしょうか。
そこで、この記事ではパスポートの申請方法をまとめました。
近年可能となったオンライン申請のやり方や海外から手続きする方法も紹介します。
この記事で申請方法を知っておけば、スムーズにパスポートを受け取れるでしょう。
1.パスポート申請の種類と手続きに必要な日数
最初に、パスポートの申請をする前に必要な日数と手続きの種類を確認しましょう。
パスポートの新規発給でも更新でも、必要な日数は申請日を含み1週間ほどです。
ただし、詳細な日数は市町村によって異なり、場所によっては1週間以上かかる場合がありますので、事前に最寄りの窓口に確認しておくと安心です。
年末年始やGWなど連休があるときは、通常よりも日数がかかる場合があるので、早めに申請しましょう。
パスポート申請の種類には、新規発給と更新があり、それぞれ該当するケースと必要書類が異なります。
【新規発給に当てはまるケース】
以下のケースに当てはまるのが新規発給です。
・はじめてパスポートを申請する
・既に有効期間が切れている
・有効期間が残っているが紛失した、または盗難にあった
・著しく破損・汚損している(著しい破損・汚損の目安は次を参照)
破損や汚損が軽微な場合はそのまま使用できますが、次のような状態のパスポートは有効とみなされず、新規発行しなければなりません。
・写真がはがれている、または摩耗して認識できない
・氏名・生年月日・発行年月日等が識別できない
・パスポートが完全に分断されている、裁断されている
【更新(切り替え)に当てはまるケース】
次のケースに該当する場合は、パスポートの有効期間内に更新手続きする必要があります。
・有効期間が1年未満
・査証欄に余白がなくなった(余白部分が見開き3ページ以内)
・本籍地や戸籍上の氏名・性別を変更した
2.パスポート申請の手続き方法と必要な書類
次からパスポートの申請方法を見てみましょう。
新規発給・更新どちらも次のような手順を踏みます。
1.パスポート申請に必要な書類を揃える
2.パスポートを申請する
3.パスポート申請窓口でパスポートを受け取る
なお、2023年よりオンラインでパスポートの申請が可能になりました。
詳しい手続き方法は3章で解説し、この章では従来の申請方法を解説します。
2-1.パスポート申請に必要な書類を揃える
パスポートの申請には次の書類と手数料が必要です。
新規発給と申請ごとに必要なものを見てみましょう。
2-2-1.新規発給に必要な書類
パスポートを申請するときに必要な書類は次の通りです。
1.一般旅券発給申請書 1通
※申請書はパスポート申請窓口で入手できるが、事前にダウンロードしておくとスムーズ
2.顔写真(縦45mm✕横35mm) 1枚
3.本人確認書類
※マイナンバーカード、運転免許証など
4.有効期間が失効したパスポート(なくても良い)
また、次に該当する人は、戸籍謄本(全部事項証明書)の原本が1通必要です。
・住民基本台帳ネットワークシステムの利用を希望しない人
・住民登録をしていない都道府県で申請する人
長期出張や単身赴任などで住民登録をしていない都道府県でパスポートを申請する場合、都道府県によって対応が異なるため、最寄りの窓口でどのように手続きをすべきか確認しましょう。
【パスポートを紛失した場合】
パスポートを紛失した場合は、新規発給に加えて紛失手続きも必要ですので、次の書類も用意しなければなりません。
なお、紛失届の申請は新規発給の手続き時に同時にできます。
1.紛失一般旅券等届出書
パスポート申請窓口またはダウンロードで入手可能
2.警察署発行の紛失届出を証明できる書類
※災害などでパスポートを紛失した場合は、消防署などが発行した罹災証明書等
2-2-2.更新に必要な書類
パスポートの更新手続きをする際は、新規発給の際に必要な本人確認書類が不要で、用意すべきは次の3つです。
1.一般旅券発給申請書 1通
2.顔写真(縦45mm×横35mm) 1枚
3.有効なパスポート
ただし、結婚などで本籍地や戸籍上の氏名を変更した、または性別を変更した場合は次の書類も提出する必要があります。
1.戸籍謄本(全部事項証明書)の原本 1通
参考:外務省HP「パスポート(旅券)日本国内及び海外でパスポートに関する申請手続きに通常必要な書類」
仕事の都合などで戸籍謄本などを区役所に取りに行けないという人は多いでしょう。
しかしマイナンバーカードを持っていれば、コンビニに設置されてあるマルチコピー機を利用して取得できます。
【使い方】
1.マルチコピー機のメニュー画面で「行政サービス」を選び、必要な書類を選択する
2.所定の位置にマイナンバーカードをかざす
3.プリントする
※マルチコピー機で取得可能な書類は自治体によって異なります。また自治体によっては、コンビニ取得サービスを提供していない場合があります
※マイナンバーカードを使用してコンビニで戸籍謄本などを取得する場合、役所で事前にコンビニ交付サービスの登録、またはマイナンバーカードに「利用者証明用電子証明書」を搭載する必要があります
2-2-3.申請に必要な手数料
パスポートの新規受給・更新ともに手数料は同じで、有効期間によって金額が異なります。
また、手数料には都道府県へ収める手数料2,000円が含まれています。
・10年用:16,000円
・5年用:11,000円
※ページの余白が少なくなったなど、現在持っているパスポートの有効期間が同じものを発行する場合は、残存有効期間に関係なく手数料6,000円が必要
手数料は、パスポート受領時に現金で支払いますが、電子申請でパスポートの更新をした場合のみ、クレジットカードで手数料の支払いが可能です。
なお、QRコードや交通系ICカードなどでは支払えません。
2-3.パスポートを申請する
先に紹介した必要書類がそろったら、住民登録をしている都道府県のパスポート申請窓口にて手続きを行いましょう。
申請窓口は、外務省の次のページで確認できます。
外務省公式サイト「都道府県旅券事務所のホームページ」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/page22_004041.html
ここでは東京都と神奈川県の申請窓口の場所を紹介します。
【東京都の申請窓口】
有楽町、新宿、池袋、立川にあり、各パスポートセンターへの行き方は東京都生活文化スポーツ局のサイトにまとめられています。
窓口は混み合うことがあり、特に有楽町の窓口は混雑していることが多いので、このページから確認してから行くとよいでしょう。
【神奈川県の申請窓口】
神奈川県の窓口は、住民登録・住居がある市町によって異なります。
横浜:神奈川県パスポートセンター本所(横浜)
相模原市:相模大野パスポートセンター/橋本パスポートセンター
藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町:湘南パスポートセンター
※橋本パスポートセンターは2024年12月27日で廃止され、相模大野パスポートセンターに集約される
上記以外に住所がある場合は、以下の常設窓口で申請が可能です。
・本所(横浜)
・川崎支所
・県央支所(厚木)
・小田原出張所
以下の出張窓口では申請のみ可能で、受取は本所(横浜)または県央支所(厚木)で行います。
・横須賀出張窓口
・平塚出張窓口
参考:神奈川県パスポートセンター
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/h6d/passport/index.html
仕事が忙しいなどの理由でパスポートの申請手続きをしに窓口へ行けないというときは、どうしたら良いのでしょうか。
申請だけであれば、代理人が必要書類を提出し手続きをすることが可能です。
その際、申請書を用意し記入して窓口に提出します。
申請書は窓口などで入手できますが、外務省のサイトからダウンロードするとスムーズです。
2-4.パスポートを受領する
パスポート申請受付の際に渡される「旅券(パスポート)引換書に記載されている交付予定日以降に、手続きをした窓口へ出向き受け取ります。
その際は、次の書類を窓口に提出し、前述した手数料を支払いましょう。
【受領に必要な書類・手数料】
1.旅券(パスポート)引換書
2.申請時に窓口で提示したパスポート
3.手数料
なお、パスポートの受領は旅券(パスポート)引換書に記載されている交付予定日から6ヶ月以内に行わなければなりません。
また、パスポートを代理人が受け取ることはできず、必ず本人が受領しに行く必要があります。
パスポート発行後6ヶ月を過ぎると新たなパスポートは未交付失効となり、新たに手続きをしなければなりません。
また、5年以内に改めて申請の手続きをすると次のように手数料が高くなってしまうので、ご注意ください。
【パスポートが未交付失効となり5年以内に再申請する場合の手数料】
10年有効のパスポート:22,000円
5年有効のパスポート:17,000円
3.パスポートをオンラインで申請する方法
前述したように、2023年3月よりパスポートの申請手続きがオンラインでできるようになりました。
パスポートの申請をオンラインで行えば、申請時と受取時の2回窓口へ行かなくてはならないところを、1回で済ませられます。
また、オンライン申請なら24時間なので、窓口が開いている時間帯は仕事で手続きに行けない、というビジネスパーソンにとってもうれしい制度ですね。
パスポートの更新申請はすべての都道府県で可能で、新規申請や氏名・本籍地の変更は一部の都道府県でのみ可能です。
3-1.オンラインでパスポート申請に必要なものを揃える
まず、オンラインでパスポート申請の手続きをするときに必要なものを用意しましょう。
【用意するもの】
・マイナポータルアプリをインストールしたスマートフォン
・マイナンバーカード
・利用者証明書用電子証明書パスワード(数字4ケタ)
・マイナンバーカードの署名用電子証明書暗証番号(半角6から16文字の数字、及び大文字の英語)
・有効期間が残っているパスポート
マイナポータルアプリは以下よりダウンロードできます。
Google Play:
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.go.cas.mpa&pcampaignid=web_share
3-2.マイナポータルでパスポートを申請する
マイナポータルの操作方法は次のとおりです。
1.マイナポータルアプリにログインし、「さがす」の画面で「#パスポート」を選択します。
2.パスポート(旅券)申請トップページが表示され、申請する手続きを選択
3.画面の案内に従い、以下を実施します
・受取窓口の選択(市区町村を選択すると、オンライン申請対応の窓口が表示される)
・顔写真撮影
・署名の撮影
・申請者情報の入力(氏名や本籍など)
4.マイナンバーカードやパスポートのICチップを読み取り、署名用電子証明書を付与して申請データを提出します
5.審査が完了するとマイナポータルに交付予定日の案内通知が届きます
※手数料をクレジットカードで納付する場合は、通知に記載されている「クレジットカード専用納付サイト」にアクセスして、カード情報を登録してください。
利用可能なクレジットカード:Visa/Master/JCB/Diners Club/American Express
3-3.窓口でパスポートを受領する
2章で解説した従来のパスポートの受取方法と同様に、パスポート受取窓口で受領します。
その際、マイナポータルに届いた通知に添付されている受付票のQRコードを窓口で提示し、手数料を支払います。
なお、マイナポータルで選択した受取窓口でなければ、受領できません。
4.海外でパスポートを申請する方法
長期出張や海外赴任などで、日本国外にいるうちにパスポートの有効期限を迎えてしまったり、査証欄がスタンプでいっぱいになってしまうこともあるでしょう。
そのようなときは、海外からパスポートの更新ができます。
ここでは海外でパスポートを更新する場合の申請方法を紹介します。
4-1.大使館や領事館などで申請する場合
日本で申請するときと同様に、次の書類を持って大使館や領事館などで申請し、発給されたら申請した場所で受け取ります。
【海外で申請する際に必要な書類】
1.一般旅券発給申請書 1通
2.顔写真(縦45mm×横35mm) 1枚
3.有効なパスポート
4.滞在資格を確認できるもの
紛失した、有効期限が切れてしまったなどで新たに発給する場合は、上記に加えて以下も必要です。
・戸籍謄本(全部事項証明書)
・有効期限が切れたパスポート(なくても可)
海外から戸籍謄本を取り寄せることもできますが、国際郵便などで送付されるため、時間がかかります。早めに取り寄せる手続きをしましょう。
なお、海外でパスポートを紛失し、至急帰国しなければならない場合は、パスポートの代わりとなる「帰国のための渡航書」を発行してもらえます。
4-2.海外からオンラインで申請する場合
2023年より「オンライン在留届(ORRネット)」に登録すれば、オンラインでパスポートの申請ができるようになりました。
【申請準備】
まず、申請前に次を済ませておきましょう。
・オンライン在留届(ORRネット)の登録
・パスポート申請(海外在留邦人用)アプリのインストール
アプリは以下よりインストールできます。
Google Play:
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.go.mofa.passport.eap.assistant&hl=bs
App Store:
https://apps.apple.com/us/app/%E3%83%91%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E7%94%B3%E8%AB%8B-%E6%B5%B7%E5%A4%96%E5%9C%A8%E7%95%99%E9%82%A6%E4%BA%BA%E7%94%A8/id6443712967
【申請手順】
1.ORRネットの「パスポート・証明のオンライン申請を行う」をクリック
2.ORRネットにログインし、案内に従って受取領事館の設定や顔写真・署名の撮影などを行い、本人情報などを入力する
※
3.ORRネット上で顔写真と署名の読み込み終了後、パスポート申請アプリが自動起動する
4.パスポート申請アプリで、現在所持しているパスポートのICチップ埋め込みページをスキャンする
5.再度ORRネット画面に戻るので、連絡先や本籍地など本人情報を入力し申請終了
手続きが完了すると、申請に関する通知メールが届き、審査が完了すると交付予定日や納付手数料が記載されたメールが配信されます。
併せて、アプリの通知バッジの「審査完了」のメッセージにも同じ内容と、QRコードが表示されるので、受領窓口でこのQRコードを提示し、パスポートを受け取り、手数料を支払います。
QRコードはメールでは配信されないので、必ずアプリをご確認ください。
なお、事前にクレジットカード払いをORRネット上で選択しておけば、納付料のクレジットカード決済ができます。
クレジットカードの情報は、上記の申請に関する通知メール内に記載されたクレジットカード情報登録専用URLから登録すると、パスポート受け取り時に決済が完了する仕組みです。
パスポートの自分の顔写真が気に入らないという人は少なくないかもしれません。
一度申請すると、5年または10年にわたって使用するうえ、渡航時には入国審査員などに提示しなければならないため、きれいに写真を取りたいものですよね。
次のポイントを押さえれば、納得できる仕上がりに近づけられるでしょう。
1.白い布や紙を膝のうえにおいてレフ板代わりにする
光の反射により影が消え、全体を明るく撮影できます。
白いシャツを着て撮影するのもおすすめです。
2.アゴを引かずにおでこを少し前に出すように意識する
アゴを引くと二重アゴになってしまう人は、ぜひお試しください。
カメラに対しておでこを少しだけ前に出すと、顔のラインがきれいに見えます。
3.メイクで立体感を出す
鼻やおでこなどにハイライトを乗せ、髪の生え際や鼻筋の横にシェーディングを入れると立体感がでます。
4.首周りにゆとりのある服を着る
タートルネックや首が詰まった服は、顔が大きく見えてしまいます。
また、丸顔の人は顔の丸みがさらに強調されてしまうことも。
鎖骨が見え、ややゆとりのある服を着ると顔が小さくスッキリと見せられるでしょう。
パスポート申請は方法を把握して効率よく行おう
パスポート申請の手続きは、申請から受取まで約1週間ほどですが、書類などの準備期間を入れると、もう少し時間が必要でしょう。
また、オンラインで申請が可能ですが、受領は窓口に出向く必要があります。
このようにパスポート申請は、仕事などで忙しいビジネスパーソンにとっては手間も時間もかかると感じてしまうかもしれません。
しかし、この記事で紹介した申請方法を知っておけば、いつまでに書類を揃えるか、いつ受け取りに行くか、など予定を組みやすくなり、仕事の合間に準備や手続きが可能です。
パスポートの申請はできるだけ効率よく行い、海外出張や旅行の準備をスムーズに行いましょう。