家計簿アプリはDX化の波が様々な場所に押し寄せている中で、私たちの身近なところで役に立つツールとなっています。
スマートフォンなどから簡単にお金の管理ができ、資産運用や電子決済が主流派の人にとっても使い勝手がいい家計簿アプリ。
今まで家計簿をつけようと挑戦して挫折した経験がある方も、意外に簡単に継続できるのが魅力となっています。
今回は、日々のお金の管理を自動化できる家計簿アプリの魅力や、使ってみる際のポイント、注意点などを解説します。
実際に家計簿アプリを活用している筆者の体験もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.家計簿アプリ活用の本質は節約ではない!

これから家計簿アプリについて話を進める上でまず頭の中に入れておいて欲しいのが、家計簿をつける真の目的は「何にいくら使っているかを把握」するということです。
ノートや手書きの家計簿を使う場合でも、アプリで管理する場合でも、この本質は変わりません。
あくまでも、家計簿は自分や家庭のお金の使い道をいつでも分かる状態にするための手段。
お金は今の使い方を把握できて初めて「減らす・増やす・維持する」の選択ができるようになります。
こう考えると、よく家計簿をつけるのは、節約目的だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そうとは限らないことがわかりますよね。
家計簿の目的は「我慢」や「切り詰め」ではなく、もっとよりよくお金を使い、貯めるための手段なのです。
2.家計簿が続かない人の構造的な原因と対策

この記事をお読みの方の中には、過去に家計簿にチャレンジしたけれど続かなかった、という方もいらっしゃるかもしれません。
実は筆者自身も、何度も家計簿に挑戦したものの数ヶ月で挫折した経験があります。
では、家計簿が続かないのは一体なぜなのでしょうか?
家計簿アプリのメリットを知る上でも、この部分はとても大切な視点となりますので、ぜひ一緒に見ていきましょう。
2-1.手書きやExcelの家計簿が続かないのは仕組みの問題
家計簿が続かない原因の一つが「大変さ」です。
実際に手書きや手作業によるExcelなどへの打ち込みで家計簿をつけるのは、毎回入力する手間が大きく、忙しいと後回しになってしまうという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際、手作業で家計簿をつけようと思うと、一つひとつレシートやクレジットカードの履歴を確認しながら進めていくことになるので、レシート管理や集計に時間がかかってしまいます。
また、最近は現金だけでなくクレジットカードや電子マネーなど支払方法も多様化しているため、食費・レジャー費などの項目別にお財布を分けて管理するのも難しくなっています。
こうして見てみると、「家計簿を続けにくい」要因はたくさん。
家計簿をつけることに手間と時間がかかってしまうと、忙しい毎日の中でどうしても続けにくくなるのは当たり前のことです。
つまり、家計簿が続かない原因は意志の弱さではなく、その「手間がかかる運用方法」にあるのです。
家計簿を「手間暇かけてつけるもの」にしていること自体が失敗の原因。
ぜひここからは、家計簿をつけるのに「頑張る必要はない」ものだという思考に頭を切り替えて見てください。
実は筆者自身も、様々な家計簿に挑戦して挫折を繰り返してきた一人です。
20代の頃は、職場の先輩がExcelで家計簿をつけていると聞いて、挑戦したはいいものの1ヶ月で挫折。
また、YouTubeの手帳術動画でマンスリーカレンダーを家計簿代わりにする方法を紹介されていたのを見て始めてみたものの、手帳を使う習慣がそもそもなかったため2ヶ月で断念。
家計簿はもう自分には合わないものなのだと諦めかけていました。
ですが、フリーランスとして独立後、経費管理をするのにクラウド会計システムを使ったことをきっかけに「これはプライベートでも活かせる」と確信。
5年前に家計簿アプリに出会ってからは、家計簿を無理なく続けられ、NISAなどの資産運用にも挑戦できるようになりました。
2-2.お金管理もDXで自動化を
それでは、頑張らない家計簿を続けるためにはどうしたらいいのでしょうか?
まず意識として変えていきたいのが、家計簿はつける作業から「確認する作業」にするということです。
例えば、家計簿アプリであれば自動でクレジットカードや銀行引き落としなどの明細や金額が反映され、一度登録すれば同じ項目の支出は「食費」「交際費」「日用品費」などに分類してくれます。
後は、この反映されたデータを隙間時間にアプリ上で確認し、支出額や内訳の傾向を把握するだけで家計簿管理が続けられます。
この「自動化できる」という点が、家計簿アプリの大きな魅力。
ビジネスと同じように、日々のお金管理もDXで効率化する発想はビジネスパーソンとして取り入れてみたいところではないでしょうか。
時代は変わり、記録は自動、見るのは人間という役割分担がこれからのスタンダードです。
毎日手作業で記帳する家計簿から、月に数分確認する家計簿へシフトできれば、忙しいビジネスパーソンほど自動化の恩恵を大いに感じられるはずです。
3.家計簿アプリでお金のDX化をすると起きること

それでは、実際に家計簿アプリで日々の支出をDX化すると、一体どんなことができるようになるのでしょうか。
具体的に家計簿アプリでできることもご紹介しながら、家計をDX化した後の変化をご紹介します。
3-1.クレジットカードや銀行口座との連携で管理を一元化
家計簿アプリでは、銀行口座やクレジットカードなどと連携させることで、銀行口座への入出金情報やクレジットカードの使用情報、電子マネーの支出などを自動で家計簿に反映できます。
家計簿アプリなら、現金以外の支払いをほぼ網羅できるため、後は現金で支払った分を隙間時間に入力するだけ。
アプリの中には、レシートを写真に撮ってアップロードするだけで自動で内訳を反映してくれるものもあります。
このように、アプリでお金の流れの記録を自動化・一元化できれば、入力漏れや記録忘れを防げるため、最初に設定した後は反映される数字を確認するだけでよくなります。
実際に、5年ほど前から家計簿アプリを使っている筆者。
クレジットカードの引き落とし履歴も連携できるので、携帯電話の回線切り替えを検討する際にも、今までいくら払っているかをすぐに確認。
「これなら切り替えたほうがやすくなる」と、過去の固定費を遡って判断できました。
3-2.支出の自動記録と分類でミスや漏れを防止
家計簿アプリでは、支出内容に応じて自動でカテゴリー分けができるため、分類ルールを統一することで家計全体を把握しやすくなります。
例えば、スーパーでの買い物を一度「食費」として登録すれば、その後も同じ買い物先なら「食費」として分類されるなど、支出先に応じて自動仕分けされます。
これによって、毎回家計簿アプリを開いて支出内容を確認し、勘定科目を選択する必要がありません。
自動仕訳のメリットは、入力が簡単になるだけではありません。
人為的な入力ミスや分類ブレがなくなり、毎月の家計チェックが短時間で完了するのも家計簿アプリのメリットなのです。
加えて家計簿アプリの中には、AIによって固定費の見直しを提案してくれる機能がついているものもあります。
例えば保険料や電気代、インターネット代、スマホ代など項目別に定期的に提案してもらえるのでとても便利です。
3-3.支出を見える化できる
家計簿アプリで客観的に支出を見える化すると、今までのお金の使い方がとてもクリアになります。
たとえば、毎月の支出を見返したとき、固定費・変動費の内訳が一目で分かれば、思っていたより使っている支出、逆に使っていない支出に気づけます。
また、動画配信サービスや雑誌読み放題、スマホアプリ利用料などのサブスクサービスや少額支出の積み重ねでの無駄遣いが明確になれば、頑張らない節約も叶えられるでしょう。
実際に、筆者も家計簿アプリを使って実践できたのが、使っていないサブスクサービスの解約です。
「お得かな?」と入っていたものの、半年以上使っていなかった「Kindle unlimited」(月額980円)を解約することで、年間11,760円の節約になりました。
こうした「入っていたことを忘れたサブスク」を解約するだけで、大きな節約になりますし、無駄がなくせます。
このように、家計管理を「節約しなくては!」と感覚で進めるものではなく、具体的な数字ベースですすめることで、お金の使い方に納得感が生まれます。
3-4.自動化でストレスなく続けられる
家計簿アプリの魅力は、ここまでご紹介してきたように支出・収入項目を自動で記録・集計される点にあります。
これによって「この支出はどの科目かな?」と考える負担が減ります。
あとは、「この支出は必要か?」と判断するだけの状態になれば、あとは不要なものをカットしていくだけです。
「家計簿をつけなくてはいけないのに、つけられていない」という罪悪感がなくなりますし、「あとで見ればいい」という気楽さがストレスなく家計管理を続ける後押しになります。
4.おすすめ家計簿アプリ5選

それでは実際に、家計簿アプリを始めて使う方向けにおすすめのアプリをご紹介します。
様々な家計簿アプリが登場している今、どれを選ぼうか迷ってしまうかもしれません。
大切なのは、まずは使ってみること。
今回ご紹介したものの中から、試しに家計簿アプリに挑戦してみてはいかがでしょうか。
4-1.マネーフォワードME

画像出典:マネーフォワードME 公式サイト
家計簿アプリの代表格といえば、『マネーフォワードME』。
筆者も使っている家計簿アプリです。
使い方は簡単。
まずは銀行口座やクレジットカード、電子マネー、証券口座など使っている金融サービスと連携することでセットアップ完了です。
これによって、日々の家計管理から資産管理まで一元化でき、毎月や年ごとの支出、支出と収入のバランス、株や投資信託などの資産運用の推移なども確認できるようになります。
また、現金での支払いを管理しやすいのもマネーフォワードMEが使いやすい理由の一つ。
レシートをスマホから撮影すれば、現金支出を取り込みでき、自動でカテゴリー分けされるため、抜け漏れや記帳の手間がかかりません。
使い続けると、自動で毎月の収支や指定期間の収支の変化がグラフ化されるので視覚的にもわかりやすく、節約のために家計を見直すのが楽しくなります。
月額540円の有料プランを活用すれば、連携口座の数が無制限に。
また、980円プランになると、資産形成に役立つ株の配当やポートフォリオもレポートで見える化する機能が利用できます。
2020年から家計簿アプリ「マネーフォワードME」を使っている筆者。
少しずつ貯めることが可視化できるので楽しくなり、利用しはじめてから平均して年間200万円ほど貯金できています。
また、投資信託や確定拠出年金にいくら積み立てる余裕があるかも判断しやすくなりました。
スマホ代の見直しや、動画サブスクの加入状況を確認して切り替えも軽やかに。
サブスクは、使わない期間はオフにするなどの選択もできるようになりました。
5-2.Zaim

画像出典:Zaim公式Facebookページ
『Zaim』は、クレジットカードや銀行との連携はもちろんのこと、レシート撮影で支出の自動読み取りもできる家計簿アプリです。
ユーザーが多い理由はシンプルでわかりやすいUIデザイン。
使い方が簡単なので、キャッシュレス派も現金派も初めての家計簿アプリとしてデビューしやすいのが魅力です。
また、有料のプレミアムプランに加入すると「貯金体質コース」「資産管理コース」など、家計管理の方針に合わせて資産形成に関するアドバイスが受けられます。
5-3.Dr.Wallet

画像出典:Dr.Wallet公式サイト
支出の多くが現金で、レシートがどうしても溜まってしまうという方におすすめなのが、撮影したレシートをオペレーターが手作業で入力・整理してくれる家計簿アプリ『Dr.Wallet』です。
手作業でレシートを登録するため、AIレシート読み取り機能では不安という方にも安心です。
もちろん、クレジットカードの利用明細や銀行口座などとの自動連携機能も利用できます。
こちらのアプリは、現金派の方やミスなく家計簿をきっちりと作りたい方に向いています。
月額600円の有料プランに加入すれば、追加の課金なく読み取れるレシートが120枚になり、レシートに記載されている品名や商品ごとの金額までデータ化してもらえるなど、さらに使いやすくなります。
6-4.Moneytree

画像出典:Moneytree公式サイト
『Moneytree』は、銀行口座やカード、電子マネー、ポイントなども自動で連携できる家計簿アプリです。
基本的にどのプランも広告なしなのでストレスなく使いやすいデザイン。
無料プランの他に、収支レポートを作ってくれるMoneytree Growプラン(月額360円)や、フリーランサーや事業を営む人向けのMoneytreeWorkプラン(月額500円)など、使う目的に合わせて選べます。
仕事の経費もプライベートの収支も一元管理したいフリーランサーや、副業をしている方もおすすめです。
5-5.OsidOri

画像出典:OshidOri公式サイト
最近は夫婦で別財布の家庭も増えています。
そうなると、夫婦それぞれの趣味やプライベートの支出までパートナーに知られたくないということもありますよね。
夫婦共同のお金管理と、自分自身のお金の管理を同時かつ別々に進めたい方におすすめなのが、夫婦共同の項目とそれぞれの項目を分けて管理できる家計簿アプリ『OsidOri』です。
このアプリの嬉しいところは、家族用ページと個人ページがあり、個人ページはパートナーには見えない設定機能です。
パートナーには内緒の趣味の支出や、サプライズのプレゼント購入費などを知られたくない人にも嬉しい機能です。
無料でも充実の機能を使えますが、有料のプレミアムプランを利用すれば家賃などの固定費を自動で作成する機能や仕分けカテゴリーの作成や編集などを細かく設定できるようになります。
銀行口座やクレジットカードなどと連携する家計簿アプリ。
心配なのがセキュリティ面です。
セキュリティを確認する際には最低限押さえておきたいのが、2段階認証やAPI連携機能。
2段階認証は不正ログイン対策になりますし、API連携機能はIDやパスワードをアプリ提供者側に教えなくても自動連携ができる仕組みです。
加えて、金融機関のサービスもログイン通知などを設定してセキュリティを高めておくことが大切です。
情報漏洩のリスクを避けるためにも、信頼できるディベロッパーから提供されているかなどを確認しましょう。
6.家計簿アプリで浮いた時間とお金の活かし方

家計簿アプリを使うメリットは、日々の支出の無駄をなくせるだけではありません。
今まで家計簿の記録・集計にかかっていた時間がほぼゼロになることで、お金管理に対する「考えるストレス」も減るという点にあります。
また、日々の家計管理にかける時間が減らせることに加えて、お金のことを考えなければという心理的負担が減れば、気持ちにもゆとりが生まれます。
まさにこれが、家計簿アプリを使う最大の価値とも言えるでしょう。
では実際に、家計簿アプリを使って浮いた時間やお金をどう活かせるのか、見ていきましょう。
6-1.浮いた時間を自己投資に回す
日々の家計簿入力に使っていた時間を、家計簿アプリで自動化できれば、浮いた時間を学びやスキルアップのために使えます。
また、月々の「学び」に対する投資金額も家計簿アプリで可視化できるため、本の購入やオンライン講座・資格取得などにお金を使うかどうかの判断がしやすくなるのもいいところ。
例えば、スキルアップに「いくら使えるか」を家計の状況からすぐに判断できるため、自己投資に踏み切りやすくなるでしょう。
つまり、家計簿アプリでお金管理を効率化することにより、将来の収入アップにつながる好循環を生む可能性があるのです。
6-2.節約したお金を満足できる支出に使う
家計簿アプリでは、項目ごとの支出額の推移や内訳が、スマートフォンから簡単に確認できます。
そのため、こまめに見返すことで無駄な支出を把握しやすく、自然と節約に繋げられます。
月1,000円程度の何気なく入っていたサブスクサービスを使っていないから、と解約できれば年間で1万2,000円の節約に。
その分セミナー受講費に充ててもいいかもしれません。
このように、細かく無駄を減らすことで「使っていいお金」が明確になり、スキルアップだけでなく趣味・旅行・外食などにお金を回せるようになります。
しっかりと無駄を減らした上での支出ですから、罪悪感もなく、人生の満足度が上がります。
また、家計簿アプリによってお金を使う優先順位がはっきりするのもいいところではないでしょうか。
家計管理は家計簿アプリで「頑張るもの」から「任せるもの」へ!
家計簿アプリは、単なる節約ツールではありません。
記帳から見直しまでお任せすることで、頑張らずにお金の使い方を「見える化」し、暮らしの選択肢を広げるためのDXツールです。
日々の収支を記録して集計するところまで自動化できれば、家計管理にかかる時間やストレスを最小限に抑え、本当に大切な「お金の使い道」を考えることに集中できるようになります。
一つ一つは小さな項目かもしれませんが、積み重なっていくとその効果はきっと大きく感じられるはずです。
毎日の小さな支出を把握することで、無駄を減らし、浮いた時間とお金を自己投資や満足度の高い支出に回せるのです。
この好循環こそが、家計簿アプリを使う最大の価値!
今まで「家計簿が続かなかった自分」を責める必要はありません。
今の時代に合った仕組みを取り入れるだけで、お金の管理は驚くほど楽になるはずです。










