取材記事

2026.07.10

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【高校生の挑戦に学ぶ】開智未来高校「未来共創ラボ」7つの探究と非認知能力の価値

著者:BTHacks編集部 S(一般社団法人 地方WEB3連携協会) | カテゴリ:取材記事・アントレプレナーシップ教育

【本記事のポイント】

  • 埼玉県加須市の開智未来高校が実践する、主体性を育む独自の探究学習「未来共創ラボ」の現場に密着。
  • 学年やコースの垣根を越え、生徒自らがゼロから問いを立てて社会と繋がる7つのユニークなプロジェクトとは?
  • 地方WEB3連携協会が同校を「アントレプレナー認定校」に指定。なぜ今、ビジネスにも教育にも「非認知能力」が必要なのかを解説します。

予測困難な時代において、指示を待つのではなく「自ら問いを立て、行動する人材」をどう育てるべきか。それは教育現場のみならず、現代 of 企業マネージャーにとっても最大のテーマです。今回は、私(BTHacks編集部 S)も一般社団法人 地方WEB3連携協会の活動として伴走してきた、開智未来高等学校の「未来共創ラボ」の熱い取り組みをレポート。自発的な挑戦がもたらす「非認知能力」の価値を紐解きます。

1.「思考力」と「高い志」を培う。埼玉県加須市・開智未来高校が挑む先進的エデュケーション


埼玉県加須市にある開智未来高等学校は、「国際社会に貢献する心豊かな創造型・発進型リーダーの育成」を教育方針に掲げ、単なる大学受験指導にとどまらない「哲学(フィロソフィ)」教育や独自の「探究活動」で全国から注目を集める中高一貫の私立学校です。
同校の最大の特徴は、自ら問いを立て、徹底的に考え抜く「思考力」の育成を学校全体のカリキュラムに組み込んでいる点にあります。週に1時間の「哲学」の授業をはじめ、日頃から生徒たちが物事の本質を疑い、自分の言葉で表現する習慣が根付いています。
そんな開智未来高校で、さらに一歩踏み込んで社会課題の解決や新しい価値創造に挑戦する実践の場が、今回ご紹介する「未来共創ラボ」活動です。

コースや学年の垣根を越え、シナジーを生み出すチームビルディング

未来共創ラボ活動の面白いところは、そのフラットな組織構造にあります。今年度は1年生と2年生の生徒たちが、クラスやコースの枠を超え、自身の「興味・関心」や「解決したい地域課題」を起点として自主的にグループを結成します。
多様なバックグラウンドを持つメンバーが揃うからこそ、アイデアの衝突や視点の補完が生まれ、大人顔負けの協働が生み出されています。

2. 高校生自身がゼロからアイデアを実行!「未来共創ラボ」で動く7つの独創的プロジェクト


現在、未来共創ラボでは生徒たちの強い初期衝動を起点とした、バラエティ豊かなプロジェクトが同時に立ち上がり、実現に向けて猛進しています。ここでは、私が現地で実際に熱量に触れたものをふくめた、代表的な7つのプロジェクトをご紹介します。

1.世界一の紙飛行機で地域の交流を生み出したいグループ
ただの遊びにとどまらず、「紙飛行機」という誰しもが一度は触れたことのあるツールを使って、世代や国籍を越えた多文化・多世代な地域コミュニティの創出を目指しています。
2.海外の学校に鯉のぼりを送りたいグループ
学校のある埼玉県加須市は、日本一の「鯉のぼり」の生産地。この地元のシンボルを活用し、海外の姉妹校や教育機関へ鯉のぼりを送ることで、独自の国際交流と日本文化の普及を狙っています。
3.学生らしいコスメを開発したいグループ
「自分たちが本当に使いたい、安心・安全で学生の生活に寄り添ったコスメ」をゼロから企画。成分選定からパッケージデザインまで、マーケティング視点を持って開発に取り組んでいます。
4.加須名物「鯉のぼり焼き」×特産フルーツの新たな名産品開発グループ
加須市のローカルフード「鯉のぼり焼き」に、地元特産のフルーツ(イチジクや梨など)を組み合わせた新メニューを考案中。地産地消の促進と、新たな観光資源化を目指す本格的なビジネスモデルです。
5.介護施設などでのイベント運営グループ
超高齢社会における地域課題に直接アプローチするため、介護施設を訪問。高校生ならではのみずみずしいアイデアを取り入れたレクリエーションやイベントを自主企画し、対話と笑顔を届けています。
6.加須に新たな名物を作ろうとしているグループ
加須市の有名な食品(うどん・イチゴ・味噌・米など)を組み合わせ、新たな名物を生み出そうと試行錯誤中。地域のうどん店とコラボして校内での試食会を開くなど精力的に活動しています。
7.認知症対策のアプリ開発に取り組むグループ
AIを駆使したノーコード(バイブコーディング/Vibe Coding)で認知症対策アプリを開発。地域の老人ホームに納品し、アンケートを集計中。活動の総まとめとして、文化祭での発表を企画しています。


教室に集まり、グループごとにまとまってを真剣に話し合う開智未来高校の生徒たちの様子

3. 悩める10代に大人ができることとは?社会人・先輩として伴走する「サポート役」の心得

自分たちが「やりたい」と思ったことを、単なる 夢物語で終わらせずに実行に移すのは簡単ではありません。予算はどうするのか、地域の人たちとどう交渉するのか、どうすれば認知してもらえるのか。壁に突き当たる生徒たちを前に、私たち大人はどう接するべきでしょうか。

「答えを教える」のはNG。社会人・先輩として伴走し主体性を引き出す問いかけ

未来共創ラボにおいて、私たち「地方WEB3連携協会」のメンバーや関わる社会人サポーターの役割は、決して「正解を与えるコンサルタント」ではありません。生徒たちが困った時や煮詰まった時に、一歩先を行く社会人の先輩として、自分たちの実体験や仕事の経験をフラットにシェアすることに徹しています。

「それなら、以前私たちが地方での実証実験でこんなアプローチをしたよ」
「大人の企業を巻き込むなら、相手にとってどんなメリットがあるか考えてみるのはどうかな?」

こうした「答えを教えるのではなく、別の切り口や問いを置いてみる」姿勢こそが、生徒たちの主体性の芽を摘まず、さらに大きな思考のジャンプを引き出すエネルギーとなっています。これは、企業のマネジメント層が部下の主体性を引き出す「1on1コーチング」の現場とも、まったく同じ本質を共有しています。


メンターが生徒のノートやiPadの企画画面を一緒に覗き込みながら、温かくアドバイスを交わしているメンタリング風景(メンター 一般社団法人地方WEB3連携協会 後藤理事)

4. 開智未来高校を「アントレプレナー認定校」に!地方WEB3連携協会が贈る認定書授与式

こうした開智未来高校の先進的な探究活動と、社会にイノベーションを起こそうとする姿勢を称え、この度、一般社団法人 地方WEB3連携協会は、同校を「アントレプレナー認定校」として正式に認定いたしました。活動の合間を縫って、現地にて認定書授与式が執り行われました。

なぜ高校生にアントレプレナーシップ(起業家精神)が必要なのか

「アントレプレナーシップ」と聞くと、「全員が起業家になるための英才教育なのか?」と思われるかもしれません。しかし、本質は異なります。私たちが考える高校生のための起業家精神とは、「身の回りにある課題を見つけ、その解決に向けて、多様な人と協力しながら自ら行動を起こす姿勢」そのもののことです。

地方WEB3連携協会は、地域社会の分散型・自律的な発展を目指して活動しています。開智未来高校の生徒たちが「加須市の特産品を使って何ができるか?」「世代間の隔たりをどう埋めるか?」と問いを立ててアクションする姿は、まさに私たちが理想とする地域発のアントレプレナーそのものです。


「アントレプレナー認定書」授与の様子。左から一般社団法人WEB3連携協会(後藤理事、上田代表理事)、学校法人開智学園 開智未来中学・高等学校(藤井校長、新居先生、宮入先生)

5. 目標達成だけがすべてじゃない。挫折や試行錯誤のプロセスで鍛えられる「非認知能力」とは

生徒たちの探究活動は、毎年8月に開催される「文化祭」が大きなマイルストーンとなっています。この8月の発表を起点として、2年生は未来共創ラボの活動から一線を退き、バトンを1年生へと繋いでいきます。先輩から後輩へとプロジェクトの熱意とノウハウが引き継がれていくこの持続可能なエコシステムも、開智未来高校が誇る素晴らしい文化です。

もちろん、活動を続ける中では、当初思い描いていたような完璧な目標達成(大ヒットコスメの開発や、紙飛行機での大規模フェスの成功など)に届かないこともあるでしょう。時には途中で計画が頓挫したり、グループ内で意見が食い違って大きな挫折を味わうこともあるはずです。

目標達成の「その先」へ。行動と試行錯誤の過程こそが「最高の武器」になる

しかし、私たちは強く確信しています。たとえ途中でプロジェクトが思い通りにいかなくても、「どうにかして自分たちのやりたいことを実現したい」ともがき、走り抜いたプロセスそのものに、とてつもない価値があるということを。

これらは、テストの点数では測ることのできない力――すなわち「非認知能力」です。

💡 実践プロセスで磨かれる、非認知能力のコア要素

  • 行動力と主体性:ゼロから企画を立ち上げ、自らの意志でファーストステップを踏み出す力。
  • レジリエンス(回復力):予期せぬ失敗や拒絶に直面した時、折れずに代替案を考え出す力。
  • 協働力と合意形成:世代や価値観の異なるチームの中で、粘り強く対話し合意を形成する力。

ビジネスの現場でも、成功するイノベーターやリーダーは、必ずこの非認知能力に優れています。開智未来高校の生徒たちは、学生のうちからこの最も尊い社会人基礎力を、身をもって体感しているのです。

実現したいという強い目標に向かって、目を輝かせて努力し、壁を乗り越えようとする高校生たちの姿を目の当たりにし、伴走していた私自身が、逆に大人としての学び、挑戦への純粋な衝動を教えられたような気がしてなりません。

彼らが8月の文化祭でどのような「共創の景色」を見せてくれるのか。バトンを渡された1年生たちがどのようにさらに活動を進化させていくのか。地方WEB3連携協会は、これからも開智未来高校の挑戦を全力でサポートし、共に新しい時代のアントレプレナーシップを育ててまいります。


笑顔で話し合う開智未来高校の生徒たちの様子
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働く親のリアル・トークVol.2(前編)

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ー完璧主義を手放す勇気ー



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