マーケティングにおいてZ世代とα世代に注目する企業が増えています。
その理由は、Z世代はすでに消費の中心を担っており、α世代は10年後には主要な消費層として市場に台頭してくる世代だからです。
両世代はどちらもデジタルネイティブですが、育った環境や価値観、消費行動には大きな違いがあります。
本記事では、Z世代とα世代の共通点と相違点を整理し、有効な次世代のマーケティング戦略を考察します。
すでに実施している最新マーケティングの事例も解説しますので、長期的に有効な戦略を打ち出すためのヒントをえられるでしょう。
1. Z世代とα世代の基本定義

現在と未来の消費を左右する存在として、マーケティングで注目されているのがZ世代とα世代です。
Z世代はすでに購買力やSNSでの発信力を持ち、トレンド形成に大きな影響を与えています。
企業が今すぐ成果に繋げられるターゲットといえるでしょう。
一方、α世代は、2026年の現時点では12歳以下であり、今のところ消費の決定権を持ちにくいです。
しかし10年後には最大の消費者層となるほか、すでに親の購買意思決定にも影響を及ぼしているケースも少なくありません。
こうした背景から、企業は両世代の価値観や消費行動の変化を予測し、将来の市場を見据えたマーケティング戦略の構築が求められています。
本章では、Z世代とα世代それぞれの基本的な定義と特徴を解説します。
日本と海外での区分の違い
α世代やZ世代などの世代区分は日本だけでなく、海外でもマーケティングで用いられています。
日本では「団塊世代」「バブル世代」「就職氷河期世代」など、社会や経済的な出来事を基準に区分する傾向にあります。
一方、海外(特に米国)では「ベビーブーマー」「X世代」「ミレニアル世代」「Z世代」など出生年を基準に分類するのが一般的です。
そのため、海外発の世代区分をそのまま日本市場に適用する際は、生活環境や社会背景の違いを考慮することが重要です。
なお、日本でも海外でもZ世代とα世代は共通した呼び方ですが、それ以外は次のように異なります。
・団塊世代(生まれ年:1946〜1950年頃)
海外での呼び方:ベビーブーマー(生まれ年:1940年代終盤〜1960年代序盤)
・バブル世代(生まれ年1960年〜1970年)・団塊ジュニア(生まれ年:1971年〜1974年)・就職氷河期世代(生まれ年:1970年代〜1980年代半ば頃)
海外での呼び方:X世代
・ゆとり世代・さとり世代(生まれ年:1981〜1996年頃)
海外での呼び方:Y世代またはミレニアル世代
1-1.Z世代とは
1996〜2012年頃生まれで、2026年現在で13〜29歳の層をZ世代と呼び、世界人口の約25%を占めます。
Z世代の最大の特徴は、生まれたときからスマートフォンとSNSが身近にある「デジタルネイティブ」であることです。
情報収集から友人への拡散まで、あらゆる行動がSNS上で完結しています。
なかでもTikTokやInstagramは単に娯楽にとどまらず、商品を知り、評価し、購買を決める主要な情報収集ツールとして活用されています。
消費行動の面では、モノを所有することへの関心が薄く、体験・経験に価値を置く「コト消費」を好む傾向にあります
例えば、旅行やライブ、ワークショップなど、記憶や感情に残る体験にお金を使う傾向が強いのが特徴です。
また、ブランドの姿勢にも敏感です。
環境配慮(ESG)や多様性・包括性(D&I)への取り組みが購買判断に直接影響する「価値観消費」が定着しており、企業が社会課題に対してどのようなスタンスをとるかを重視します。
さらに、SNSやネット検索などで自ら情報を収集し、複数の口コミを比較、検討してから購買する習慣が身についているため、従来の広告には懐疑的です。
企業からの一方向のメッセージよりも、実際のユーザーが投稿したコンテンツ(UGC)や、信頼できるインフルエンサーの口コミのほうが、購買意欲を動かしやすい傾向があります。
節約・コスパ重視でありながら、「推し活」のように熱量を注げる対象には惜しみなく課金するという、二面的な消費スタイルもZ世代でよく見られます。
1-2.α世代とは
α世代とは、現在12歳以下で2013年以降生まれの子どもたちのことを指します。
少子化が進む日本では、日本人口のうちα世代は約11%ですが、世界では約26%を占めます。
物心ついたときからAIアシスタントや音声操作、タブレット学習が日常にある環境で育つ初めての世代です。
テクノロジーは当たり前にあるものとして自然に内面化されており、デジタルとリアルの境界線を意識しない傾向にあります。
また、α世代はコロナ禍を幼少期に経験した世代でもあることから、オンライン授業やリモートでの人との交流が当たり前の感覚として身についています。
場所や距離を超えたコミュニケーションへの適応力が高く、バーチャル空間での体験や繋がりは日常の一部です。
現時点ではまだ自ら購買を行う年齢ではありませんが、家庭内での商品選びや外食先の決定など、親の消費行動に対する影響力はすでに無視できません。
ミレニアル世代の親は上の世代と比べて子どもの意見を尊重する傾向が強く、その影響力はさらに高まっているためです。
10年後には主要な消費者層として市場の中心に立つ世代であることを踏まえると、今からブランドとの接点をつくり、好意的な印象を育てておくことはマーケティング上の重要な先行投資です。
2.Z世代とα世代の共通点と相違点
Z世代とα世代をターゲットとしたマーケティング施策を検討する際には、両世代の共通点と相違点を把握することが出発点となります。
両世代に共通するのは、デジタルへの高い親和性、多様性の重視、そして従来型の広告を信頼しない姿勢です。
宣伝色が強すぎる広告や、メリットを誇張したキャッチコピーなど「売られている感」には両世代とも敏感に反応します。
いかに自然な形でブランドと関わる機会を設計できるかが、両世代へのマーケティングに共通する鍵です。
一方、情報との向き合い方には本質的な違いがあります。
Z世代は膨大な選択肢のなかから自分で情報を集めて判断することに慣れた世代です。
対してα世代は、AIが最適な答えを提示してくれることを前提として育っており、情報との接し方がZ世代とは根本的に異なります。
この違いは、マーケティング施策にも直接影響します。
Z世代にはショート動画やUGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用した共感・参加型の施策や、ブランドの社会的姿勢を前面に出したコンテンツが有効です。
α世代には、ゲームやメタバースなどデジタル空間での自然な接点づくりや、AIを活用したパーソナライズ体験の提供をすると良いでしょう。
マーケティングで世代区分を考慮する理由
人は育った時代背景や社会環境によって、価値観・情報収集の方法・購買行動が大きく異なります。
マーケティングで世代区分を用いるのは、「生まれた時代の社会環境」をもとに人々の行動傾向を大まかに把握し、より効果的な戦略を立てるためです。
たとえば、同じ製品を販売する場合でも、ターゲットが団塊世代であれば、品質の高さやブランドの信頼性をアピールするテレビ・新聞広告が有効です。
一方、ミレニアル世代向けには、ブランドのストーリーや価値観をInstagramやYouTubeで発信するといった戦略が効果的です。
このように、同じ製品を販売する場合でも、ターゲットとなる世代によってマーケティング戦略は大きく異なります。
世代区分は、限られたリソースで最大の効果を生み出すための、マーケティングの基本的な思考軸のひとつです。
3.マーケターが知っておきたいα世代の実像

現在、多くの企業がZ世代を主要なマーケティングターゲットとして位置づけ、SNSやショート動画を活用した施策に注力しています。
しかし、ビジネスの視点で一歩先を見据えるなら、次に注目すべきはα世代です。
2026年現在はまだ子どもであっても、10年後には主要な消費者層として市場に登場します。
Z世代へのアプローチを継続しながらも、α世代を視野に入れたマーケティング戦略を今から構築しておくことが、将来の競争優位につながります。
本章では、α世代が育った時代背景や価値観、親世代からの影響など、その実像をさらに詳しく解説します。
3-1. α世代を形成した時代背景
α世代は、これまでのどの世代とも異なる時代環境のなかで育っています。
幼少期にコロナ禍を経験し、登園・登校が制限されるなかで、オンライン学習やリモートでのデジタル交流が当たり前の日常となりました。
また、ChatGPTをはじめとする生成AIが社会に急速に浸透した時期と、彼らの成長期が重なっています。
さらに、気候変動や自然災害といった環境問題も、ニュースや学校教育を通じて幼い頃から身近なテーマとして認識しています。
こうした危機と変化の時代を原体験として持つことが、α世代の価値観の根底にあります。
3-2. 親(ミレニアル世代)からの影響
α世代は親であるミレニアル世代(1981〜1995年頃生まれ)から影響を受けていることも特徴の一つです。
口コミやレビューを徹底的に調べ、コストパフォーマンスと品質を見極めたうえで購買判断を行うミレニアル世代のもとで育つα世代は、幼い頃から質の高い消費への目線を自然と養っています。
また、ミレニアル世代の親は、子どもの意見を尊重する傾向があることから、家庭内の購買場面においてα世代の意見が反映されやすい傾向もあります。
「どの商品を選ぶか」「どこへ行くか」といった判断にα世代が実質的な影響を与えるケースは、上の世代が親であった頃よりも増えています。
親子でブランドや商品に接する機会が多いこうした構図は、幅広い世代に訴求したい企業にとって見逃せないポイントです。
3-3. 市場への影響
α世代の多くはまだ自ら購買を行う年齢ではありません。
しかし、子ども向け玩具・教育サービス・エンターテインメントなどの市場では、α世代の好みや関心が親の購買行動を動かす形で、すでに無視できない影響を与えています。
10年後を見据えれば、α世代は最大の消費者層として市場の主役となります。
今の段階からブランドとの接点をつくり、好意的な印象を積み重ねておくことは、将来のロイヤルカスタマーを育てるための長期投資です。
変化の速いマーケティングの世界において、α世代への視点を持つことは、もはや先取りではなく、市場で勝ち続けるための必須戦略です。
4. Z世代・α世代へのマーケティング戦略

Z世代とα世代は、メリットを前面に押し出すキャッチコピーや、雑誌広告、チラシといった従来のマーケティング手法が通用しにくい世代です。
両世代の特性を踏まえたうえで、コンテンツ戦略・チャネル選択・ブランド発信など、複数の観点からロードマップを設計することが求められます。
本章では、実践に役立つ6つのアプローチを解説します。
4-1. 共感・参加させるコンテンツ戦略へ転換する
従来のマーケティングは、企業が一方的にメッセージを発信し、消費者に「伝える」ことを前提としていました。
しかしZ世代・α世代に対しては、この発想を根本から転換する必要があります。
両世代に共通するのは、広告への懐疑心が強く、企業の「売ろうとしている感」に敏感であるという点です。
それよりも、実際のユーザーが発信するUGCや、ブランドと消費者が一緒につくる共創型のコンテンツに対して、強い信頼と共感を持ちます。
キャンペーンへの参加、ハッシュタグでの拡散、レビューや体験談の投稿など、消費者自身が関わる機会を設けることが、両世代へのアプローチにおける重要な鍵となります。
4-2.世代に適したプラットフォームを選択する
どれだけ優れたコンテンツでも、届かなければ意味がありません。
Z世代とα世代では情報に触れる主要なプラットフォームが異なるため、チャネル選択を世代ごとに使い分けましょう。
Z世代へのアプローチには、TikTokやInstagramリールといった短尺動画プラットフォームが有効です。
短時間で直感的に共感を生み出せるコンテンツが、この世代の情報消費スタイルに合致しています。
一方でα世代に対しては、YouTubeの子ども向けコンテンツやゲーム内広告、メタバース空間での接点がますます重要になります。
デジタルとリアルの境界を意識しないα世代にとって、ゲームや仮想空間はすでに生活の一部です。
そこにブランドが自然な形で存在することが、α世代へのアプローチにおいて求められます。
4-3. ブランドの姿勢を見せる
Z世代・α世代は、商品やサービスの品質だけでなく、そのブランドが社会に対してどのような姿勢をとっているかを購買判断の基準にします。
環境問題への取り組み、多様性への配慮、社会課題への真摯な向き合い方といった要素が、ブランド選択に直結する時代になっています。
具体的には、以下のような取り組みが該当します。
【環境問題への取り組み】
・アパレルブランドが再生素材を使用した商品ラインを展開し、製造過程のCO2排出量を公開する
・飲料メーカーがプラスチックボトルの削減を宣言し、リターナブル容器への切り替えを進める
・ECサイトが配送時のCO2排出量をユーザーに開示し、カーボンオフセットの選択肢を提供する
【多様性への配慮】
・化粧品ブランドが広告に多様な人種・体型・年齢のモデルを起用する
・企業が性別・国籍・障がいの有無にかかわらず活躍できる職場環境を積極的に発信する
・商品のサイズ展開や言語対応を広げ、より多くの人が使えるよう設計する
【社会課題への取り組み】
・スポーツブランドが売上の一部を途上国の教育支援に充てる取り組みを継続的に行う
・食品メーカーがフードロス削減に向けた具体的な数値目標を掲げ、進捗を定期的に報告する
・企業がサプライチェーン全体の労働環境を見直し、適正な賃金が支払われているかを第三者機関に監査させる
ただし、表面的な取り組みは通用しません。
両世代は情報リテラシーが高く、発信するメッセージと実態のギャップを敏感に察知します。
発信する言葉と実際の企業行動が一致していることが、信頼獲得の絶対条件です。
社会課題への取り組みを広報施策としてではなく、経営の核として位置づける姿勢が問われています。
4-4. パーソナライズとAI活用
Z世代はSpotifyやNetflixなどを通じて日常的にAIによるパーソナライズ体験を当たり前のものとして育ちました。
そのため、自分に合った体験への期待値が高く、それが満たされないと離脱や購買見送りにつながりやすい傾向があります。
α世代はさらに一歩進み、AIによる個別最適化を当たり前のものとして育つ世代です。
共通しているのは、両世代にとって「自分の好みをAIが理解し、最適な提案をしてくれる」体験はすでに標準であること。
AIを活用したパーソナライズの精度と体験品質(CX)が、競合との差別化において決定的な要素となります。
レコメンドの精度、コンテンツの出し分け、購買体験のカスタマイズなど、「自分のためにつくられた」と感じさせる体験設計が求められます。
具体的には、以下のような取り組みが該当します。
【パーソナライズの精度】
・Netflixが視聴履歴をもとに、ユーザーが興味を持ちそうな作品を精度高く提示する
・ECサイトが過去の購買履歴や閲覧行動から、次に欲しいものを先回りして提案する
・SpotifyがリスニングデータをもとにカスタムプレイリストをAIで自動生成する
【体験品質(CX)】
・チャットボットが問い合わせ内容を正確に理解し、ストレスなく解決まで導く
・アプリの操作がシンプルで、欲しい情報にすぐたどり着ける
・購入から配送までの進捗がリアルタイムで把握でき、不安を感じさせない
Z世代はすでに購買力を持つ世代であるため、上記のようなパーソナライズの強化は今すぐ成果につながる施策として有効です。
そしてα世代が本格的な消費者となる前にパーソナライズの基盤を整えておくことは、先行投資として非常に合理的な判断といえるでしょう。
4-5. 親世代(ミレニアル)を巻き込む
α世代はまだ自ら購買を行う年齢ではなく、実際の購買は親であるミレニアル世代が担っています。
つまり、α世代へのアプローチは、同時にミレニアル世代へのアプローチでもあります。
ミレニアル世代は情報収集力が高く、口コミやレビューを重視する合理的な消費者です。
この世代の信頼を得るためには、透明性の高い情報発信と、実績や評判の積み上げが欠かせません。
さらに、子どもが「好き」と感じるブランドを親が購入するという構図も多く、子どもの感情と親の判断基準の両方を満たすコミュニケーション設計が理想的です。
家族単位でブランドとの関係を築くという視点こそが、α世代マーケティングの核心といえます。
4-6.ブランド哲学を発信する
ブランドの哲学や姿勢への共感が消費につながる行動は、Z世代によく見られます。
自分の価値観と合うブランドを選ぶという意識が強いため、世界観や理念を明確に発信することが購買の後押しになります。
一方、α世代はまだ購買力を持たない年齢ですが、幼少期からブランドに触れた経験は、長期的な記憶や感情として蓄積されていきます。
子どもの頃に好きだと感じたブランドへの親しみは、成長して実際に購買できる年齢になったとき、自然なロイヤリティとして表れやすいものです。
また、AIによる情報フィルタリングや膨大なコンテンツのなかで育つα世代は、無数の選択肢に常にさらされる環境にあります。
そのような環境では、機能や価格だけでなく「このブランドが好き」「この世界観に共感できる」という感情的なつながりが、選ばれる理由となります。
さらに、α世代の親であるミレニアル世代もブランドの姿勢や価値観を重視する消費者です。
親子で同じブランドに好意を持つ状態をつくれれば、現在の購買(親経由)と将来の購買(α世代本人)の両方を取り込める可能性があります。
ブランド哲学の発信は、Z世代には今すぐ売上に直結する施策として、α世代には10年後の市場を見据えた先行投資として、いずれの世代にとっても有効な戦略です。
Z世代・α世代へのマーケティングを行う上での注意点
Z世代・α世代、特にα世代はAIを問題を解決してくれる存在として自然に受け入れる傾向があります。
これはマーケティング上の大きな利点である一方、見過ごせないリスクも伴います。
たとえば、AIが提示する情報を無批判に受け入れることで、本来必要のないものを購入してしまうなど、誤った意思決定につながる可能性があります。
また、個人情報の無意識な共有による情報漏洩や、仕組みを十分に理解しないままの課金トラブル、さらにはAIを装った詐欺への巻き込まれといったリスクも、現実的な問題として浮上しています。
だからこそ企業には、AIを活用して購買を促すだけでなく、こうしたリスクを先回りして排除する誠実な設計が求められます。
個人情報の適切な管理、わかりやすい課金説明、不適切なコンテンツへの接触防止など、安心・安全な体験設計への責任は、次世代をターゲットにするブランドほど重くなります。
利便性の追求と利用者保護の両立が、これからのマーケティングに不可欠な視点です。
こうした安心・安全な体験設計の徹底は、α世代の親からの信頼も得やすくなり、より消費につながる可能性があります。
5.Z世代とα世代をターゲットとしたマーケティング例

4章で解説した戦略は、すでに多くの企業が実践しており、メタバース活用や参加型SNS、ブランド哲学の発信、AIの活用まで、アプローチはさまざまです。
本章では国内外の4事例を通じて、次世代マーケティングの実像を具体的に見ていきます。
5-1.【事例1】 メタバースでユーザーをファン化するNike(ナイキ)

画像出典:https://www.nike.com/jp/kids/nikeland-roblox
ナイキはメタバースプラットフォーム「Roblox」上に「Nikeland」という仮想空間を構築し、ゲームを楽しみながらブランドと接点を持てる体験を提供しています。
仮想空間内ではナイキのウェアやシューズを身につけたアバターで遊べる設計になっており、購買を直接促すのではなく、ナイキを好きになってもらう場として機能しています。
Robloxのユーザー層は9歳から24歳といわれており、まさにα世代・Z世代に該当します。
購買を目的としない自然な接点をデジタル空間に設けることで、幼少期からブランドへの親しみを育てるナイキの戦略は、4章で解説したメタバース活用とブランド哲学の発信を体現した好例といえます。
Nikeland公式サイト
https://www.nike.com/jp/kids/nikeland-roblox
5-2.【事例2】 SNSでブランドの愛着心を育てるLEGO(レゴ)

画像出典:https://kids.lego.com/ja-jp/play-app
レゴはα世代向けに「LEGOプレイアプリ」という独自のソーシャルプラットフォームを展開しています。
子どもたちが自分の作品を投稿したり、同世代のユーザーと交流したりできる設計になっており、遊びを通じてブランドへの愛着を自然に育てる仕組みとなっています。
創造性を刺激するこのアプローチは、α世代のインタラクティブな体験志向とも合致しており、「売る場」ではなく「好きになる場」を設計するという点で、4章で解説した共感・参加型のコンテンツ戦略を体現しています。
LEGOプレイアプリ
https://www.lego.com/ja-jp/apps/play-app
5-3.【事例3】 サステナブルな姿勢を見せるPatagonia(パタゴニア)

画像出典:https://www.patagonia.jp/one-percent-for-the-planet.html
4章で解説したブランドの姿勢の発信、親世代への訴求、そして長期的なブランド哲学の発信、すべてを体現した事例として紹介するのが、アウトドアブランドのパタゴニアです。
パタゴニアは、購買を促すのではなく、価値観を発信し続けることで自然とファンを増やすアプローチを行っています。
例えば、売上の1%を環境保護団体に寄付する「1% for the Planet」への参加や、衣類の修理サービス「Worn Wear」の展開など、環境保護を目的とした取り組みをブランドの核としています。
なかでも「買わないでください」というキャッチコピーの広告は、消費を煽るのではなく、長く使うことを推奨する姿勢が、環境意識の高いZ世代とα世代、その親であるミレニアル世代の双方から強い共感を集めました。
パタゴニア公式サイト
https://www.patagonia.jp/home/
5-4.【事例4】AI活用と参加型コンテンツでZ世代・α世代にアプローチする明治

画像出典:https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2026/04_04/index.html
「きのこの山」と「たけのこの里」のどちらがおいしいかという論争は、1980年頃から消費者の間で語り継がれてきました。
明治はこの自然発生的な論争をマーケティングに活用し、2001年には「きのこ・たけのこ総選挙」というキャンペーンを実施。
低迷していたきのこの山の売上回復に成功した歴史を持ちます。
そして2025年、きのこの山発売50周年を機に、この施策はさらに進化しました。
顔写真から潜在的な嗜好を判定するAIツール「KINOTAKE MOTHER」の導入や、AIとの対話をもとに開発・デザインされた合体新商品「きたきたのこのこの山里」の発売は、参加型体験を好むZ世代のエンゲージメントを高めると同時に、AIを身近な存在として育つα世代の感性にも自然に響く施策です。
また、親世代であるミレニアル世代にも馴染み深いブランドであるため、親子で話題にしやすく、家族単位のブランド接点という観点でも効果的です。
世代を超えたロングセラーブランドが、AIと参加型コンテンツを武器に次世代へと進化するパタゴニアやナイキとは異なるアプローチの好例であり、4章で解説した共感・参加型のコンテンツ戦略、AI活用、親世代の巻き込みを同時に実現した事例といえます。
株式会社明治公式サイト
https://www.meiji.co.jp/
まとめ:Z世代・α世代に向けたマーケティングのため新たな戦略を知ろう
Z世代・α世代を対象としたマーケティングは、今後の市場戦略において欠かせない視点です。
Z世代はすでに消費の中心を担い、α世代は10年後の主要な消費者層となるため、両世代へのアプローチは、この先の企業の成長に直結します。
そのためにまずは、従来の手法にとらわれず、Z世代やα世代に訴求できる戦略を知ることが大切です。
将来を見据えたマーケティング戦略のために、ぜひこの記事を参考にしてみてください。









