SNSを使った広報活動をする上で、利用する企業やサービスが増えているLINE。
毎日使うSNSの中でも、利用者の年齢層が幅広く、気軽に使われています。
メッセージを送り合うだけでなく、ショップのポイントカードやお知らせの配信、さらにはステップメールや顧客対応までできるようになっています。
消費者の中には「パソコンのメールは使っていないけれどLINEなら」という方も少なくないかもしれません。
このように利用者層が幅広くかつ利用頻度の高いLINEこそ、見込み客や既存顧客の育成に使わない手はありません。
そこで今回は、LINEが広報のどんなシーンで使えるのか、そのメリットや具体的な導入の仕方までご紹介します。
1. LINEが広報ツールとして注目され続けている理由

メッセージアプリとして家族や友人とのやりとりだけでなく、仕事の連絡チャットとして使う方も多いLINE。
広報のシーンでも活用される理由は、利用者数の多さだけではありません。
LINEというSNSが、なぜ今企業の広報で注目され続けているのかその理由を紐解いてみましょう。
1-1. 国内での圧倒的な利用者数
2026年1月末にLINE公式が発表した情報によれば、国内の月間利用者数は1億ユーザーを超えています。
また、総務省が発表している「令和7年版 情報通信白書」によれば、ユーザーの年齢層も10代から60代以上まで幅広く、どの年代でも利用率90%を超えています。
このように年代による偏りがなく、かつどの年齢層でも高い利用率を誇っていることは、ほかのSNSとの大きな違いです。

画像出典:総務省「令和7年版 情報通信白書」
特に60代の利用率はここ10年で急激に増加していますので、「高齢者層には届かないかも」と躊躇していた広報担当者の方も、改めて注目してみる価値がある媒体とも言えるでしょう。
利用者層の幅広さにおける違いはInstagramやX(旧Twitter)の年齢層の統計と比べてみても明らか。
広報シーンにおいて、広い年齢層にリーチさせたい場合には、LINEというSNS媒体がいかに魅力的かがわかるのではないでしょうか?

画像出典:総務省「令和7年版 情報通信白書」
1-2. SNSの中でも「連絡ツール」に近い存在
また、InstagramやXと違い、LINEは企業とユーザーが直接つながり、継続的にコミュニケーションが取れるという大きな特徴があります。
また、ユーザーも使い方に馴染んでいることや、日常的にLINEアプリを使う習慣がある点も魅力です。
メールと違い、LINEユーザーの多くはスマートフォンからLINEを利用しています。
このことからわかるのは、通知がいつも手にしているスマートフォンに届くため、メッセージの開封率が高いという点です。
LINE公式が発表しているデータによれば、LINE公式アカウントを作成し、友達追加したユーザー宛に配信するメッセージを、その日のうちに開封する人の割合は約80%。
そもそも公式アカウントとDMでのやり取りが一般的ではないInstagramなどの他のSNSと比べると、「メッセージを直接届ける」ことに消費者側の抵抗感も少なく、かつ開封率が高いことは大きな魅力と言えるでしょう。
このように、LINEは重要な情報を確実に届けたい場合に適した媒体となっています。
1-3.ユーザーとの距離が近い
LINEは1対1のメッセージのやり取りができるため、企業とユーザーの距離を縮めやすいツールです。
ユーザーからの問い合わせに対応したり、イベントやレッスンなどの予約管理、顧客フォローなど顧客満足度を高める活動にも活用できます。
実際に、レストランや病院の診察予約、ヨガなどの教室の予約などで使ったことがある方も多いのではないでしょうか?
1-4.新規顧客から販売・予約管理まで対応

画像出典:LINEヤフーforBusiness公式サイトより
LINE公式アカウントを作成すれば、単にメッセージを配信するだけでなく、クーポンの発行やステップメールの配信、ショップカードの作成、アンケートなど様々なマーケティングツールとして活用できるのも、広報担当者にとっては嬉しいポイントです。
使い勝手に応じた拡張ツールも多く、顧客管理に基づいたステップメールの設定や、予約管理なども一元化できるため、活用の幅が広がります。
2.LINEと相性が良い広報活動

SNSとしての側面だけでなく、メールのような連絡ツールとしても定着しているLINE。
ここからは、LINEと相性がいい広報活動を見ていきましょう。
2-1.キャンペーンやクーポン配信
LINEはクーポンやキャンペーン情報の配信もしやすいことから、来店や購入のきっかけを作りやすいのが特徴です。
店頭でのLINE友達追加でクーポンを発行して、顧客との接点を維持するなどさまざまな施策に活用できます。
また、これまで紙で発行していたポイントカードをLINEの機能で作ればペーパーレスに。
ポイントカードを印刷するためのデータの作成や印刷発注業務、印刷後の在庫管理などの手間も省略できます。
2-2.イベント開催や新商品告知
メッセージの開封率が高いLINEは、イベントの開催告知や新商品の紹介などを確実に届けるのにも向いています。
配信するメッセージに電話番号を入れればスマホのタップでそのまま電話ができたり、
送る画像にリンクを入れておけば商品の販売サイトにすぐアクセスしてもらえたり、などの機能も活用すれば、告知や紹介したトピックスに対するユーザーの反応も期待できます。
「情報をよりタイムリーに届け、興味を持った人が詳しい情報にリーチしやすい環境を作れる」ことがLINEの大きな魅力です。
2-3.新規顧客や問い合わせ・予約獲得
LINEは、スマホユーザーが多く使っているため、気軽にスマホ経由で予約や問い合わせするための動線を整えやすくなっています。
たとえば従来型のHP経由の予約では、予約確認などのメッセージはメールから送信することが多く、メールを普段使っていないユーザーにとっては使いにくさが生じてしまいます。
また、営業時間に左右される電話予約と比べても、見込み客がコンタクトを取るためのアクションハードルが下がるため、エンゲージ獲得がよりつながりやすくなります。

上の画像にあるようなリッチメニュー機能は、トーク画面を開いたらすぐにイベントや来店予約にアクセスできる画面デザイン。
こちらを取り入れることで、予約獲得までのステップが減り、ユーザーにもメリットがあります。
3.シーン別でさらに深掘り!LINEの活用術

LINEのメッセージ機能などを使いこなすと、新規顧客獲得だけでなくその後の予約管理の効率化や、見込み顧客や顧客のステージ別にステップ配信できるなどとても便利です。
ここからは、広報活動の具体的なシーンごとに、LINEのどんな使い方ができるかをご紹介します。
3-1.新規顧客獲得
公式LINEアカウントを作成し、友だち追加後に自動でクーポンや特典を配布する体制を整えれば、顧客との接点作りや、来店・購入を促す導線を構築できます。
たとえば広告チラシなどにQRコードからLINE公式アカウントの友達追加を促すのも一つの手。
また、実店舗があれば店頭で「お得なクーポン配信をする」などのメリットを伝えながら友達追加を促すことで、顧客と接点を持ち続けることが可能になります。
このように、LINEはリアル環境・オンライン双方から効率よく顧客リスト獲得が可能になるSNSツールです。
3-2.予約管理の効率化
電話やメール、対面など色々な方法で、レッスンや施術などの予約を受け付けていた方は、LINEを活用するのもおすすめです。
たとえば、LINE公式アカウントの無料プランで、予約受付をLINEチャットに1本化するだけでも予約確認ややりとりをシンプルかつ効率化できるでしょう。
また、LINE公式アカウントサービスの有料プランや外部システムを取り入れれば、LINE上で予約受付からリマインドまでを自動化することも可能です。
キャンセル防止のためのリマインド通知や、電話対応、予約状況の確認など工数を削減できればサービスの質向上にも繋げられるでしょう。
ユーザー側もチャット感覚で予約が完結するため利便性が高く、予約獲得にも繋がりやすくなるというメリットもあります。
3-3.顧客を育てるステップ配信

LINE公式ツールやサードパーティーのツールなどを使いしながら、LINEのお友達登録直後から段階的にメッセージをステップ配信することで、商品理解やブランド認知を自然に深められます。
同じ内容を一斉配信するよりもユーザーの状況に合わせた情報提供ができるため、エンゲージメント向上にも繋げられます。
3-4. 商品販売・決済の導線づくり
オンライン販売を手がけるビジネスであれば、LINE内で商品紹介から購入ページへの誘導までを設計することで、スムーズな購買体験を提供できます。
たとえば、メッセージで送信した画像にリンクを設置して、新商品のお知らせを見て興味を持ったユーザーがすぐに販売サイトにアクセスできれば、購買を促進できます。
採用シーンでも使えるLINE
企業の採用活動においても、LINEはとても便利です。
例えば、エントリーした人に対して定期的にインターンのお知らせや会社の活動を紹介するのもその一つ。
また、内定後も内定者向けの研修案内などの連絡もLINEで送れれば、人事の手間も軽減されます。
4.LINE広報に活用したいツールと選び方

少人数でも効率よくLINE運用を行うために使いたいのが、LINE公式やサードパーティーでリリースされている配信ツールです。
ここからは、実際にLINEでの広報を始める際におすすめのツールを5つご紹介します。
それぞれのツールごとに主な機能もまとめていますので、導入時の参考にしてみてください。
4-1.まずは基本のLINE公式アカウント
LINEを広報で活用するにあたって、最初のステップとなるのがLINE公式アカウントの開設です。
無料で始められることに加えて、基本的な機能に絞られている分シンプルで使いやすく、初めてのLINE運用でもすぐにスタートできます。
また、2026年夏頃からレストランやヘアサロン向けに、顧客管理ができるCRM機能のリリースも予告されています。
これからLINEを使った広報を始める方で今後、サードパーティーのツールを活用するか迷っている方は、まずはLINE公式アカウントを開設して、無料の範囲でできることを使ってみることから始めてみるのが良いでしょう。
<LINE公式アカウントでできること>
・一斉配信
・簡単な絞り込み配信
・チャット対応(自動返信機能あり)
・クーポン・ショップカード
・簡易ステップ配信
4-2.使いこなすと便利なLメッセージ
LINEの公式アカウント機能で物足りなく感じている方や、もっと効率化させたいと考えているなら、サードパーティのツールを使ってみましょう。
サードパーティーツールは色々ありますが、そのなかでも導入しやすいのがL Message(エルメ)です。
ステップ配信や予約管理、メッセージの自動応答機能など様々な機能が搭載されているほか、まずは無料で使用感を確かめられるのも魅力です。
<L Message無料版でできること>
・エルメ月間配信1,000通
・チャット閲覧履歴・検索 180日間
・総友達数上限 5万人
・1to1チャット
・自動応答
・友達のタグ管理(ユーザーごとに分類)
・リッチメニュー切替
・フォーム作成(アンケートなど)
・予約管理(カレンダー1つまで)
・商品販売や決済連携(無料プランでは販売点数等制限あり)
例えば、顧客を「見込み客」「既存顧客」「リピーター顧客」などタグ付けすることで、配信するメッセージをそれぞれ設定できるなど、Lメッセージでは友達追加してくれたユーザーに対して細かくどんなメッセージを送るかを使い分けられます。
L Message
月額無料〜
4-3. 見込み顧客の育成に強いLステップ
Lステップは、国内の企業が提供しているLINEのサードパーティーツールです。
高機能なシナリオ配信やタグ管理が可能で、細かい顧客管理を行いたい企業に向いているのが大きな特徴です。
ユーザーごとの行動に応じた配信設計ができるため、マーケティング施策を強化したい場合に有効。
また、有料版にアップグレードすると流入経路の分析や行動分析などができるため、他の広告を展開している場合には広告ごとの成果を測定できるなど、売り上げをより伸ばすための広報設計や戦略を作りやすくなります。

<Lステップでできること>
無料プラン
・ステップ配信
・リマインド配信
・セグメント配信
・キーワード応答
・カルーセルボタンパネル
・個別トーク
・回答フォーム
・タグ管理
・予約機能
など
有料プラン(無料プランに加えて)
・リッチメニュー
・流入経路分析
・クリック計測
など
Lステップ
月額無料〜
4-4.現場での運用に強いLiny
自治体などでも導入しているところが多いLiny(リニー)は、企業の運用形態に合わせたカスタマイズや外部連携にも強い有料のサードパーティーツールです。
担当者がついてくれることから、どんな設定がいいかやどんな機能が使えるかなどを随時相談できる点が魅力。
また、スタッフ複数人でLINE対応する場合、スタッフごとに権限が設定できたり、やり取りの担当者アイコンを変えられます。
そのため、クリニックやスクール、住宅会社など予約や問い合わせ、顧客とのやり取りなどで活用したい場合に向いています。
<Linyでできること>
・シナリオ配信、ステップ配信、セグメント配信
・顧客管理
・スタッフごとの対応権限設定
・チャットのスタッフごと振り分け
・予約管理
・カレンダー連携
・外部システム連携
など
Liny
料金は要問い合わせ
4-5. シンプルな機能が魅力のプロラインフリー
こちらもLステップ同様、LINE運用をサポートするサードパーティーツールです。
自動応答機能や、シンプルなステップ配信機能、顧客管理ツールなどがあり、シンプルな機能なのが特徴です。
L MessageやLステップと比べると機能が少ないものの、無料で始められるほか、設定が簡単で慣れていない人でも使いやすいのが魅力です。
初めてのLINE運用を考えている方や、返信などの自動化でどんなことができるのかを試してみたい方にはおすすめです。
<プロラインフリー無料版でできること>
・自動応答機能
・簡易なステップ配信
・顧客管理
・一斉送信
・リッチメニュー
・イベント予約フォーム
など
プロラインフリー
月額無料〜
5.LINE広報を成功させるポイント4つ

LINEは開封率の高さやユーザーとの距離の近さが強みである一方で、メッセージの配信頻度や内容など、運用の仕方次第で友達追加してくれたユーザーからブロックされやすい側面もあります。
そのため、LINEを使った広報では、単なる情報発信ではなく「ユーザー視点での設計」が成功の鍵となってきます。
5-1.配信頻度は慎重に調整する
気軽に一斉配信などでメッセージが送れるLINEですが、配信頻度が多すぎるとユーザーにとって「またメッセージが届いた」とネガティブな印象を与えてしまいます。
配信をストップする方法は、ブロック以外ありません。
そのため一度ユーザーが「このアカウントからの配信は不要だ」と判断すれば、即ブロックにつながるリスクが高まってしまいます。
一方で、配信が少なすぎると存在を忘れられてしまうため、適切なバランスが重要。
週1回や月数回など、自社の業種や配信内容に応じて最適な頻度を見極める必要があります。
配信をする際には、この内容がユーザーにとって「役立つ情報かどうか」を基準に、内容の質を重視することと配信頻度を戦略的に設計することがポイントとなります。
5-2.ほかのSNSとも連携する
少人数広報になると、SNSを複数使いこなすのはハードルが高いと感じてしまいがちかもしれません。
ですが「InstagramやXは認知拡大をする媒体、LINEはユーザーとのコミュニケーション媒体」など、それぞれのSNSの役割を明確化することで、運用負担を最低限に抑えながら、連携することによってより効果を高められます。
例えば、Instagramなどの投稿でお得なクーポン配信や先行発売情報を受けたい人にはLINE登録を促すのも一つの手。
また、LINE以外のSNSのプロフィールやストーリーズに導線を設置するなど、複数チャネルを連携させる設計も有効でしょう。
5-3.コミュニケーションツールとして認識する
LINEは一方的な情報配信ツールではなく、ユーザーと対話できるチャットツールという側面があります。
だからこそ、この特性を活かして問い合わせ対応やリアクションへの返信など、双方向のコミュニケーションを意識することが重要になってきます。
例えば問い合わせには迅速に返信したり、自動応答でストレスを感じさせない設計にしておくことも一つの手です。
5-4.友だち追加導線を作る
LINE運用の成果は「友だち数」に大きく左右されるため、登録導線の設計が不可欠です。
そのため、自社サイトやほかのSNS、店頭でのPOP、チラシなどの広告媒体での友達追加誘導など、ここまでお話ししてきたポイントを意識しながら友だち追加を促す仕組みを整えていくことが大切です。
友達追加したくなる仕組みはどんなものかを、戦略的に考えてみましょう。
たとえば、LINE限定クーポン配布や限定情報の提供など、ユーザーが登録したくなる動機づけを明確にするのも一つの手。
サロンや教室なら、電話や口頭での予約よりも「LINEからならいつでも予約できる」「空き状況を営業時間外でも確認できる」などメリットがあることを伝えるのも良いでしょう。
最初は面倒に感じることもあるかもしれませんが、イベント開催時に電話予約・メール予約・店頭での口頭予約など、予約経路がバラバラだと取りまとめや管理に時間がかかってしまいます。
結果的にLINEを活用することで、少人数広報の現場での負担を軽減することにも繋げられるでしょう。
LINEはSNSの中でも双方向コミュニケーションができる広報の頼れる味方!
LINEはメッセージの高い開封率を誇るSNSとして、広報では欠かせないツールになりつつあります。
ユーザーにとって馴染みがあり、使いやすいLINEの特性を活かし、情報発信だけでなく対話を通じた関係構築ができる点が大きな強みです。
広報活動でLINEを有効利用するには、まずは「どんな機能が使いたいか」を明確化し、適切な配信設計と導線づくりが鍵となります。
また、他のSNSは認知拡大、LINEはコミュニケーションツールとして使うなど役割分担することで、少人数でも効率的に成果にきっと近づけるはず。
LINEを使ったSNS広報を出発点に、ビジネスの可能性を広げる一歩を踏み出してみましょう。







