ビジネス基礎知識

2018.09.25

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中国ではお酒の席は大きなビジネスチャンス! 中国ならではのポイントを押さえればうまくいく

中国出張で、現地の仕事関連の人に「飲みに行きましょう。(食事に行きましょう。)」と誘われたら?
積極的に行きましょう! 今後の仕事に大きく影響するためです。
…というと身構えてしまうかもしれません。
でも、いくつかのポイントさえ守れば大丈夫。
中国ならでは宴会をのぞいてみましょう。

宴会はビジネス最前線

日本では、会議や商談を重要視し、宴会は二の次ですが、中国では逆。
お酒の席も重要なビジネスとみなされます。
場合によっては、公式の会議よりも充実した内容になることも。
中国人は、「まず、お酒(または食事)でも。」と関係を作る場を設け、相手がどのような人物かを見極めた上で仕事をするため、案件の内容だけでなく、相手の人格にもとても興味があるのです。

また、お酒を飲みながら、新たな案の提案や交渉をされることもあり、公式の会議よりも話が進む場合が多々あります。
よって、「お酒の席での話だから」と話半分で聞いていると、「話を聞いていたのか。」と信用を失うことも。

会議中にできなかった話をしたい場合や、新しい案が浮かんだ場合は、遠慮なくどんどん発言するのがお勧めです。
新しいビジネスチャンスにつながるかもしれません。

宴会ではどこに座ったら良い?

日本同様に、中国では席次が大切とされています。
入口に遠い席が上座、近い席が下座であるのは、日本と同様。
また、絵画や高価そうな装飾品がある場合は、その前が上座です。

異なるのは、ホストが上座に座ること。
ホストが上座に座り、料理や酒を勧め、ゲストをもてなします。
そのため、もてなす側になる場合は、うっかりゲストを上座に座らせないよう注意が必要です。

後は、ゲストの中で最も地位が高い人(または年長者)が、ホストから見て左、次に右…と左、右と順に席に着きます。
入口に最も近い座席に座った人が、オーダーや店員とのやりとりを受け持ちます。

酒は飲んでも飲まれるな!

中国人のお酒の飲み方は豪快。
宴会では、たくさん飲むと喜ばれ、場が盛り上がります。
(そして、もっと飲めとお酒を注がれます。)
お酒が好きな人や強い人にはうれしいかもしれません。
しかし、酔いつぶれることや、酔っぱらっておかしな行動をしてしまうのは、日本以上に恥ずかしい行為とみなされるため、盛り上がっていても気を抜いてはいけません。

また、飲み方にはマナーがあります。

まず、乾杯をしたら、グラスのお酒はすべて飲み干しましょう。
飲み干さず、チビチビと飲む行為は、失礼とみなされます。

「乾杯」は、日本では最初の一回だけですが、中国では、何度も乾杯をします。
そのため、何度もお酒を飲み干すことになり、気が付いたらお酒を大量に飲んでいたということも。

これ以上飲めないな、と感じたら早めに「酔っぱらった。もう飲めない」とはっきり伝えましょう。

このような飲み方であるため、お酒があまり強くない人は、最初から「お酒は飲めません。」と伝え、一切飲まない方が賢明です。
また、「一杯だけ。」と最初の乾杯の時だけ飲んで、その後まったく飲まないでいると、「飲めるのになぜ飲まないんだ?」と悪い印象を与えることに。

※乾杯:乾杯(ガンベイ)/酔っぱらった:我喝醉了(ウォーフーズイラ)/お酒は飲めません:我不能喝酒(ウォーブーナンフージョウ)()内は近い発音。

料理は思いっきり楽しもう

中国料理は、世界三大料理の一つと言われているだけあり、中国人は自国の料理が自慢。
「おいしい!」とおいしそうに食べると大変喜んでくれ、関係が深まります。

中国料理はバリエーションが豊富で、日本人の口に合う料理が多いため、食事の席で困ることは少ないかもしれません。

ただし、鶏の足を使った料理や、鶏の頭がついた鶏肉料理…とギョッとしてしまう見た目の料理が出てくることも。
見慣れない料理でも、可能であれば挑戦してみると良いでしょう。
見た目に抵抗があっても、おいしくてお気に入りの料理になることもあります。

また、中国では「すべて食べずに少し残すのがマナー。残さないと“まだ足りない”という意味になる」ということは日本でも知られています。
実際、お皿が空になると、追加で注文をしてくれます。

その一方、中国でも食べ物を残すことがもったいないと考えている人もいるので、必ず食べ物を残すのが正しいマナーと言い切ることはできません。
しかし、改まった席では、実際少し残すことが多いので、迷ったときは残した方が無難と言えるでしょう。

中国の会食の場では、大抵は食べきれないほどの料理をオーダーするので、すべて食べきれない場合がほとんどです。

また残った食べ物は、持ち帰ることも可能です。
お店の人に持ち帰りたいと言うと、タッパーに詰めてくれます。

※おいしい:好吃(ハオチー)/お腹がいっぱい:飽了(バオラ)/料理の持ち帰り:打包帯走(ダーバオタイゾウ)または打包(ダーバオ)のみでも通じます。

割り勘はNG! 気持ちよくおごられよう

中国では、割り勘の文化がありません。
ホストがすべて支払いをします。
これは、プライベートでも同様。
気を使って、「割り勘にしましょう。」「私もいくらか支払います。」と言ってしまうのは、ホストの面子を潰すことになり、大変失礼な行為に。
「あなたはお金がなさそうだから、私も支払いますよ。」と言っているのと同様にとられてしまうのです。
財布を出す行動もNGです。

ゲストの場合は、おごられるつもりで参加しましょう。

また、上座にグラスにナプキン(または紙ナプキン)が置いてある場合があります。
これは、「このグラスに座った人が支払いをします。」という意味。
しかし、このグラスが置かれていることは、減ってきているようで、現在はほぼ見られません。

「謝謝」を言うのは一回だけ

日本では、おごられたら「ごちそうさまでした。」とお礼を言い、次の日も「昨日はごちそうさまでした。」と何度もお礼を言うことも。
中国では、その場の一回のみで十分です。
次に会った時に改めてお礼を伝えてしまうと「またおごってくださいね。」という意味になるためです。

また、中国人は親しい間柄では、あまりお礼を言いません。
何度も「ありがとう。」ばかり言っていると、「この人はなかなか心を開いてくれないな。」と思われてしまうのです。

日本では、お礼を言わないと失礼にあたりますが、中国人からみると、「他人行儀」と受け取られてしまします。

もし、中国人にごちそうした際に、相手からお礼を言われなくても、そこは気を悪くしないようにしましょう。
親しい間柄であると認められた証なのです。

ただし、仲間ではない相手には壁を作るため、親しくなるまではしっかりお礼を伝えましょう。

最後は相手を敬う気持ち

基本的におおらかで、細かいことは気にしないところが魅力的な中国人。
ただし、「面子」については、日本人以上に大切にしています。
相手を敬う気持ちを忘れずに、後は楽しんで宴会に参加していれば、気持ちが伝わり関係が深まるはず。
中国人は、一度仲良くなった相手を、とっても大切にしてくれます。
そうなれば、仕事もうまくいくでしょう!

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