海外出張に休暇をプラスして、仕事の前後に旅を楽しむ新しい旅のスタイル「ブレジャー」。
欧米ではすでに一般へ浸透しつつあり、世界的にも注目されている習慣ですが、日本ではまだ馴染みのない海外出張の形です。
それだけに、「体験してはみたいが、やり方がよくわからない」と悩むこともあるでしょう。
ここでは、そんな方のための「海外出張でブレジャーを成功させるためのポイント」について、海外での事例を交えながらご紹介します。
1.ブレジャーを申請するにあたって
海外出張の予定を組むとき「事前に会社へ有休を申請して承認を取り、出張業務前後に現地で別活動」をした経験のある人は少なくないのではないでしょうか。
日本では、こういう流れに多少の後ろめたさを感じてしまう向きもありますが、それをビジネス活動の一環として捉えるのがブレジャーです。
となれば、ビジネス上のルールをある程度取り入れてプランを立てることが必要です。ここでは、ブレジャーを申請するにあたって念頭に置いておくべき点を見ていきましょう。
1-1.日本におけるブレジャーへの期待
2018年のエクスペディア社調査によると、日本は世界19カ国中年休取得率が3年連続最下位という結果が出ました。
ここから浮き彫りにされているのは「休まないで働くのが当たり前」という日本人のメンタリティと言えます。
そんな「働きすぎの日本人」のイメージを払拭するかのように、2015年から労働基準に関する法の整備が始まり、有給休暇取得の義務付けなどを取り入れた「働き方改革関連法」が2019年4月1日より施行されました。
この流れから見ると、最近日本でもブレジャーという言葉に注目が集まるようになったのはごく自然なこと、と言えるでしょう。
仕事優先という思考から、リアルライフも充実させるという180度に近い方向性の転換は一見ハードルが高そうですが、仕事とプライベートの境界をぼかしたブレジャーなら、上質なワークライフバランスの取り方を考える時間も増え、仕事に対してのモチベーションを上げる動機にも繋げられる、と期待されています。
1-2.周囲の理解は必要不可欠
働き方改革関連法が施行され始めたばかりの今が、ブレジャーを積極的に取り入れるチャンスと言えますが、やり始めるにあたっての周囲の理解は欠かせません。
理解を得られないままプランニングしても、海外出張する人に対しての風当たりが強くなるだけで、その後の仕事で自分のモチベーションを上げることは難しくなるからです。
プランを立てる際、社内規定に抵触しないかの事前チェックは必須です。判断が難しい場合は、上司に確認を求めましょう。
また、出先で休暇を取るための事前申請はもちろん、オフィスに自分が不在の間同僚に負担してもらう仕事のことも考慮に入れておく必要があります。
吹聴して回ることはないですが、上司だけでなく同僚等自分の仕事に関わってくる人々にはプランを正直に話して、理解を求めておきましょう。
2.取り入れたい海外のブレジャートレンドについて
ビジネスとプライベートの融合であるブレジャー。その発信地である欧米諸国では、働く人々の間で急速に認知されてきています。
どのようなトレンドのもとにブレジャーが行われているのか気になるところですが、働き方も違えば生活習慣及び文化が異なる日本に置いて、その全てを取り入れるのは難しい話です。ですが、日本でも活かすことのできるポイントは少なくありません。
それでは、上手にブレジャーを楽しむため、日本で働くビジネスマンのニーズを満たせるようなトレンドとはどんなものでしょうか。
2-1.自分に近しい人々を巻き込む
一人で海外出張・ブレジャーを楽しんで帰ってくる以外にも、ブレジャー先に家族や恋人、友人を呼び寄せて一緒に楽しむスタイルが人気です。
こういったブレジャーならば、近しい人々から自分の仕事への理解や尊敬を得られ、応援してもらえる効果を充分見込めることでしょう。
「自分はたった一人で働いている訳ではない」という安心感、ひいては働く人自身の職場や仕事への愛着もわき、自然とモチベーションのアップにもつながります。
費用の面での線引きはきっちりと行う必要がありますが、日本でも積極的に取り入れたいポイントです。
2-2.見聞を広める機会を持つ
オーストラリアのメルボルンにあるゲストハウスの経営者は「ブレジャー宿泊者のために必ずガイドブックを用意し、販売している」そうです。
スマートフォンで簡単に滞在地の情報を検索することができる時代にも関わらず、直に触れられる情報源として本は欠かせないアイテムのようです。
このエピソードからわかることは、ブレジャー旅行者は「異なる文化に触れる機会を求めている」ということ。
普段の生活から離れ、知らない場所で体験する全てが、自分の見聞や知見を広めることでしょう。
それが、仕事のモチベーションアップへと還元されていくサイクルを作り出すだろうことは、想像に難くありません。
例えブレジャー先が人気の観光地でなかったとしても、地元の人と触れ合う機会を求めてみれば、何か仕事へのヒントやチャンスを得られる可能性は十分あるのです。
2-3.プライベートとの線引きを決めておく
ブレジャー大国の一つ、アメリカ。先進国では珍しく、実は年次有給休暇制度が法律で決められていません。
労働者は組織と労働契約を結び、その契約内で職務内容や給与、休暇について定めることとなっています。
契約の範囲内とは言え、その分フレキシブルに休暇を取るのが可能なため、忙しいビジネスマンほどブレジャーを上手に楽しむ傾向にあります。
そうなると、仕事とプライベートの融合はどこまでか、の線引きはある程度考えておかなくてはなりません。
つまり、「仕事とプライベートの切り替えをすること」が大事なのです。
ブレジャーがいくら仕事の一環とは言え、しっかりリフレッシュできないのではブレジャーの意味がありません。
ブレジャー後、仕事のパフォーマンスをさらに上げられるようにオンオフの境界線を考えておきましょう。
3.ブレジャーの注意点
ワークライフバランスが保たれた有意義なブレジャーを実現するために、注意すべきことがあります。
ここでは、プランニングする前に抑えておきたいポイントをご紹介します。
3-1.交通費の規定を確認する
交通費をはじめ、海外出張先での業務に絡む費用を会社が負担するのは欧米でも同じです。
そのため、ブレジャーだとしても往復の交通費は自費ではありません。
中には、プライベートの費用を一部負担する会社もあるので、交通費についての解釈は個々の企業の裁量に委ねられている部分が大きいです。
本来出張としてかかる交通ルート以外の経路をブレジャーに利用して往復(または片道)した場合の交通費は、本来のルート分のみ会社が負担しそれ以外の出費については本人負担となることが通常です。
とは言え、企業によって捉え方が異なる場合もあるので、うやむやにせず出張規定を確認しておきましょう。
3-2.労災の認定不可も想定する
出先でトラブルに遭うことは、海外出張した経験のある人なら思い当たることが1つはあることでしょう。
ブレジャー中でも同じことが言え、事故やケガなど深刻な事態が予想されるなら「労災がどうなるか」が気がかりなポイントとなります。
目安の1つになるのが「アクシデントが起こったとき、業務中だったかどうか」です。
ブレジャー後の現地からの帰路も原則として労災対象となりますが「海外での出張業務終了後ブレジャーで隣接国の観光地へ行った帰り、事故にあった」等の場合は労災がおりないケースもあり、注意が必要です。
【まとめ】
日本では「先進7カ国中労働生産性が最下位である」状況が、データ集計可能となった1970年以降、30年間近く続いています。(公益財団法人 日本生産性本部)
「ブラック企業」という言葉が流行語になるほど、ワークライフバランスを無視した長時間労働は、労働者からモチベーションだけでなく人生への意欲も奪い取っていきかねません。
そんな状況を回避し、企業と労働者の双方にメリットの大きな働き方を実現できるのが、ブレジャーです。
より良い未来への投資として、今から「ブレジャー元年」をスタートさせてみましょう。
・新しい海外出張の形「ブレジャー(BLEISURE)」の基礎知識
・シンガポールでブレジャー! プランの立て方のコツとおすすめスポット
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