「出張」という単語からイメージできるものは人それぞれですが、必ずしもポジティブなイメージだけではない場合もあります。
行き先によっては「出張でなければ、積極的に行きたい場所と思わない」と考える人もいるでしょう。
しかしそんなイメージを180度転回できるような、新しい出張の形が欧米から始まっています。
それは「ブレジャー(BLEISURE)」と言われるスタイル。
ここでは、ブレジャーの基礎についてご紹介します。
1.ブレジャーとは何か
2016年にBooking.com社が発表した「2017年度旅行ビッグトレンド予想」によると、次に大きなブームが来ると予想されているのが「ブレジャー(BLEISURE)」です。
ブレジャーとは、「ビジネス(BUSINESS)」と「レジャー(LEISURE)」の2つの単語が合わさった合成語。
出張のスケジュールに休暇をプラスして、仕事の前後に出先や周辺地を旅行することを指します。
1-1.欧米で一般化するブレジャー
同調査によると、世界のビジネス旅行者のうち49%が出張期間中に延泊し、仕事も休暇も楽しむ傾向にあると報告されています。
ひと昔前なら、経営者等のエグゼクティブな人々に独占されていそうなスタイルですが、
今は欧米で一般的なものとして広がり始めました。
1-2.日本には浸透していないブレジャー
しかし、こちらの調査でブレジャーを経験したことがある日本人の割合は22%と、参加国中最低の水準をマーク。
この結果からわかるように、まだ日本ではブレジャーが浸透していないと言えます。
2.欧米でのブレジャーの傾向とは
あるホテルグループの調査によると、調査協力したビジネス旅行者のうち75%にブレジャーを行った経験があるという結果が出ました。
このように、昨今の旅行トレンドとなっているブレジャーですが、発信元となった欧米諸国ではどのように取り入れられているのでしょうか。ここではその傾向についてお伝えします。
2-1.一人でブレジャーをする
前述の調査によると、ブレジャー旅行者のうち半数近い44%が1人で行く傾向にあります。
あるフォトグラファーは、遠方へ取材旅行をする時はできるだけ週末にぶつけられるよう日程を組むそうです。
そうすることで週末の時間は、それまで行ったことのない場所で過ごして、新しい取材地の開拓に繋げられるのが強みです。
2-2.同僚とブレジャーをする
1ヶ月以上もバカンスをとって旅行に出かけることが普通のこととして認知されていたバカンス大国のイタリア。
それだけに、ブレジャーという言葉が生まれる以前から、出張に休暇を合わせて出先を旅することは、海外出張スタイルの一つとされています。
そんな中、最も支持されているビジネス情報誌「millionaire」では、同僚と出張するときに気をつけたいポイントとして、「程よい距離感を保つ」「お互いを見張り合わない」「一人になれる時間を確保する」等を挙げています。
ブレジャーにもこのポイントは取り入れられているようで、出先の仕事が終わったら「基本的に同僚とは別行動、帰る時に落ち合う」ことが多い傾向にあります。
2-3.家族を呼んでブレジャーをする
欧米では、家族で共に過ごす時間を重視します。オーストラリアの環境保護会社で働くあるビジネスマンの話は、それがブレジャーにも取り入れられていることがよくわかるエピソードです。
仕事でシカゴとイリノイ州へ行った彼は、妻を出先に呼び寄せて一緒にブレジャーを過ごしました。
彼が仕事中の時間帯は、彼の妻はショッピングや街歩きをして過ごし、仕事が全て終わってからは一緒にサイクリングやドライブ、美術鑑賞で出先の旅を満喫したそうです。
仕事の合間に家族と過ごしてリフレッシュすることで、その後の仕事のパフォーマンスも上げることができ、また家族の絆を深める良い機会にもなったと言えます。
3.ブレジャーの効果とは?
仕事とプライベートを分けて考える人は少なくありません。そうなると「出張=業務」と「休暇の旅行=プライベート」と、一方は公的のもの、一方は私的なもので一見相反しています。
先述したように、日本ではブレジャーがまだ浸透していませんが、欧米においては急速に広がりつつあるトレンドです。それは、海外出張で取り入れるべき効果がブレジャーにあると認知されているからに他なりません。
それでは、「仕事とプライベート」この2つをあえて合わせたブレジャーには、どんな効果が生まれるのでしょうか。
3-1.モチベーションの向上
出張先が海外等、出先が遠距離になればなるほどストレスに感じる要素が増えがちですが、出先で楽しみを見つける時間があるとしたらどうでしょうか。出張とは言え、心が弾むことでしょう。
ブレジャーでは仕事の時間とプライベートの境界が曖昧であるがゆえに、楽しみながら仕事のヒントになるものを得られます。
また、普通に過ごしていては体験できない、新しい場所・物・人々に触れ合う機会を見出すことで、ビジネスチャンスや仕事に対するモチベーションの向上をもたらすと言われています。
3-2.QOLの向上
ブレジャーは、ビジネスへの好影響をもたらすだけでなく、働く人自身にとっての QOL(quality of life、生活の質)を上げてくれます。
例えば、ブレジャー先に家族を呼び寄せて休暇を一緒に過ごせる環境があれば、仕事もプライベートも満たされている実感をより強く感じられることでしょう。仕事にも心身にも充実感を与えてくれるのが、ブレジャーのいいところです。
4.ブレジャーの注意点
旅行の一つとは言え、仕事の一環であることを忘れてはならないのがブレジャーです。それだけに、義務と責任が常についてまわります。
無事にブレジャーを楽しむことができるよう、気をつけておきたいポイントはどこにあるのでしょうか。
4-1.上司や同僚の理解が必要
出張に休暇をプラスする以上、上司の許可や同僚へ理解を求めておくことは欠かせません。
コンプライアンス上問題がないかの上司の確認は必ず必要ですし、自分が休暇中の仕事を同僚に肩代わりしてもらうケースも出てくるからです。
自分のプランを率直に話し、周囲の理解を取り付けておきましょう。
4-2.費用の管理を怠らない
出張の交通費で、休暇の交通費などの一部をカバーできるのがブレジャーの魅力の一つですが、その他休暇中の食事代や宿泊費など、プライベートにかかる費用を会社が負担することはほとんどありません。
ブレジャーのプランを立てる時は、社内規定に抵触しないかのリサーチを忘れないでおきましょう。
5.ブレジャーの価値に今後も注目
ブレジャーが、ビジネスだけでなくひいては生活や人生にもたらす効果は大きく、「仕事もプライベートもエネルギッシュで充実したものにしたい」と考える欧米のビジネスマンの間で普及し始めているのも納得がいきます。
これからますます広がることが予想されるこのトレンドは、注目していく価値が大いにありそうです。
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