ビジネス基礎知識

2019.03.15

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海外で荷物が届かない!対処法は??

飛行機での海外渡航時に懸念されるトラブルに荷物の紛失があります。
知らない土地で、仕事に必要なものも含めた大切な荷物が手元に届かないと、特に不安を感じるものです。
そこで、いざというときに備えて知っておきたい、海外で荷物が届かなかったときの対処法について解説します。

どの状態で「荷物がない」と判断すべき?

荷物を機内持ち込みではなく預け入れする場合、出発地の空港に設置されている航空会社のカウンターに一度預けたら、受け取りは到着地の空港にある荷物受取所となります。
カウンターで預けられた荷物はカウンター裏のコンベアに載り、フライトごとに分けられたコンテナに積み替えられると、飛行機へと運ばれ、乗客とともに目的地まで飛ぶことが通常です。
そして、到着地の空港で降ろされたコンテナから取り出された荷物は、その後、フライトごとに指定された荷物受取所のターンテーブルに順に乗せられていくのが流れとなります。
ただし、乗客が別の便に乗り継ぐ場合であれば、乗り継ぎ便にそのまま運ばれる荷物もあります。
出発地で預けられた行き先がバラバラな大量の荷物をそれぞれの目的地へと正確に仕分ける作業が、乗客の乗り降りする短時間のうちに行われているのです。

ところが、そのような複雑な作業のなかで、ときに荷物の運搬に誤りが生じ、通常のタイミングで受け取りができなくなることもあります。
荷物の紛失が起きているかを確認できるのは、荷物受取所のターンテーブルです。
通常であれば、飛行機が到着してからおよそ30分以内に荷物がターンテーブルに流れてくるため、自分の荷物を見つけだしてピックアップします。
ただし、数多くの荷物を作業員がひとつひとつコンベアに載せているので、自分の荷物が自分の待つ場所まで回ってくるのに時間がかかることもあります。
すぐに回ってこないからといって荷物がなくなったと慌てるのは早まった考えです。
まずは、慌てず自分の荷物が来るのを辛抱強く待たなければいけません。
荷物がすべてターンテーブルに載り一定の時間が過ぎるとターンテーブルが止まります。
テーブルが止まっても荷物がなければ、そのタイミングでロストバゲージの可能性が高いと考えましょう。

ロストバゲージとディレイドバゲージとは?

荷物が届かなくなるトラブルを示す言葉は、主に2つあります。
ひとつは、「ディレイドバゲージ」で、到着が遅れてしまうことです。
もうひとつが「ロストバゲージ」で、荷物がなくなってしまうことを意味します。
また、ロストバゲージは荷物が届かない場合に広義で使用される言葉で、ディレイドバゲージが意味する到着の遅れを原因とした場合も含んで使われることが一般的です。

ロストバゲージが起きる原因には、たとえば、出発空港で荷物を積むのを忘れられたり、間違った飛行機に載せられてしまったりといったことが挙げられます。
そもそもカウンターで荷物を預けた際にタグをつけ間違えられてしまったり、輸送作業の途中でタグが外れてしまい行き先がわからなくなってしまったりして届かないケースもあるのです。
加えて、無事に到着空港に荷物が届いたものの、輸送作業途中で盗まれてしまう場合もあります。
また、ターンテーブルに流れているときに、ほかの乗客が自分の荷物と間違えて持っていってしまうこともあるのです。
一方、ディレイドバゲージは、出発空港で荷物を積むのが間に合わなくなってしまうことなどが原因です。
完全に紛失したわけではなく、通常であればその後のフライトで運ばれてきます。
このため、荷物の所在がわからなくなったロストバゲージとは異なり、ディレイドバゲージは補償されないケースが多い傾向です。

荷物が届かなかった時の対処法

荷物がないと判断したら、まずは荷物受取所にいる航空会社のスタッフに問い合わせをしてみましょう。
スタッフが再度、荷物の有無を確認し、荷物がないことが確認できると手続きへ案内してくれます。
ロストバゲージの手続きには手荷物受領証の提示が必要です。
手荷物受領証とは、チェックインカウンターで荷物を預けた際に航空券の半券に貼り付けられるバーコードが印刷されたシール状のものをいいます。
通常であれば、バーコードを使って荷物の現在の輸送状況を確認できますが、場合によっては発見までに数時間から数日がかかるケースがあることも知っておきましょう。

確認した結果、荷物が空港に届いておらずロストバゲージが確定されると、紛失の手続きです。
自分の名前や荷物の大きさ・色、そのほか材質や形状、ブランドなどの特徴があれば、所定の手荷物紛失証明書(PIR)に記載します。
また、荷物が発見された際の連絡先や届け先の記入も必要です。
必要事項を書き終わると控えを渡されるので、荷物を受け取るまで失くさないように大切に保管しておきましょう。

さらに、荷物の捜索依頼と併せて、航空会社からの補償を受けることもできます。
預けた荷物のなかには、着替えや衛生用品など滞在に必要なものが含まれていることが通常です。
緊急で必要となるような生活必需品については規定に則り購入代金を請求することができます。
ただし、請求内容は航空会社によって異なるため、きちんと確認が必要です。
加えて、海外保険に入っている場合には保険会社にも連絡をします。
クレジットカードに保険が付帯されているのであれば、クレジットカード会社への連絡も忘れずに行いましょう。
契約内容に合わせた補償を受けることができます。

荷物をなくさないための対処法は?

出張時にロストバゲージに遭うと、必要なものが手元にないことで予定通りに業務を進めることができなくなるなど仕事に大きな影響を与えます。
このため、荷物をなくさないように事前の対策を取っておきたいことでしょう。
根本的な対処法となるのは、そもそも荷物を預けないことです。
しかし、荷物が多くて預けないことが難しいのであれば、せめて出張の際には、貴重品や仕事で必ず使用するものなど最低限必要なものについては手荷物として自分で管理したほうがよいでしょう。

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