取材記事

2023.03.17

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ANA企画担当者に聞く!新ビジネスクラスシート「THE Room」の裏側

全日本空輸株式会社(以下、ANA)では、2019年8月に長距離国際線主力機のボーイング777-300ER型機の機内空間を一新。
なかでも新ビジネスクラス「THE Room」は、その革新的なシートが生み出す最上級のくつろぎ空間が注目を集めています。
BTHacks編集部では、シートなどの機内プロダクトの開発担当しているANA CX推進室 商品企画部 機内商品企画チームの牧克亘さんに取材。
シートの魅力はもちろん、気になる開発の舞台裏についても詳しくお聞きしました。

1.自宅のようにくつろげるドア付個室型シート「THE Room」


画像提供:ANA

ANA約10年ぶりの機内刷新により誕生した「THE Room」。
同社初のビジネスクラスにおけるドア付個室型シートで、2019年8月からニューヨーク線で運航を開始しています。
これまでにない〝最上級のくつろぎ空間〟を実現したシートの魅力に迫ります。

1-1.世界最高レベルの広さとプライベート感を提供する個室スタイルのシート


画像提供:ANA

「THE Room」の一番の特徴は、牧さんも「世界最高レベル」と自負するその広さ。
進行方向と逆向きのシートと前後の向きを互い違いに配列することで、最大幅は現行シートの約2倍ともなるANA史上最大の広さを実現しています。
さらに、各シートがドア付きの個室スタイル。これまでにないプライベート空間でゆっくりとくつろぎながらお休みいただけます。
また、各シートには24インチの大型モニターを装着。
機内のパーソナルモニターとしては世界初となる4K対応のモニターにより高解像度な4Kで機内番組(一部)の視聴が可能です。


画像提供:ANA

隣接する座席の間に上下開閉する動式パーティションを設けることで、ペア利用も可能になりました。

1-2.ANAのおもてなしを演出する機内食やバーカウンター


画像提供:ANA

日本らしさとともにANAのおもてなしの精神を詰め込んだ、機内設備の充実度にも注目が集まっています。
いつでも立ち寄れる憩いの場として、ビジネスクラス専用のモニター付きバーカウンターを設置。
冷蔵庫から冷えたワインや飲み物を自由に選んで楽しむことができます。
※23年3月時点、停止中


画像提供:ANA

機内食では、一新した和食器に加え、新しい洋食器へのリニューアルも行いました。
伝統的なフレンチスタイルにモダンと日本を感じるアクセントを加えた新洋食器で、厳選のメニューに舌鼓。

2.ANAが語る「THE Room」誕生までのエピソード

このような革新的なシート「THE Room」について、シートなどの機内プロタクトの企画・開発を担当している牧さんにそのコンセプトや開発の背景についてお聞きしました。


ANA 機内商品企画チーム牧克亘さん

Q.とても素敵なシートが誕生しました。開発に至った経緯を教えてください
――牧さん
航空機のシートというのは、約10年のスパンで刷新していくものです。
航空機の経済寿命は一般的に20年ともいわれており、その中間地点である10年を目安にリニューアルするのが主流となっています。
2010年にスタッガードシート配列へのリニューアルを行い、そこから約10年たった2019年が、新しいシートを生み出すタイミングだったということです。
東京2020オリンピック・パラリンピックの開催も影響しています。
オリンピック・パラリンピックに合わせて羽田空港の国際線発着回数も拡大され、
航空ビジネスが大きく拡大するタイミングに合わせて話題性のあるシートをリリースできればと考えました。

Q.「THE Room」のコンセプトを教えてください
――牧さん
「THE Room」は、ANAがお客様の満足を追求するため、ゼロから企画したシートです。
一般的なビジネスクラスシートとしては世界最大クラスの面積(フルフラット時)による快適性と、
個室空間が生み出すプライバシー感が、一番のセールスポイントになります。

時代をさかのぼれば、1980年代のビジネスクラスは、今のエコノミークラスより少しだけシートが広くて前後ピッチに余裕がある、
という程度のものが主流でした。今でいうプレミアムエコノミーみたいなものですね。

90年代はシートにテレビが備え付けられ、より快適になります。
2000年ごろには直航便化も進んで飛行時間も長くなり、ゆっくり寝たいという需要が高まりました。
そこでANAではライフラットシートという斜めに真っすぐになるシートを導入。

そこからさらに時代が進み、2010年には「より平らなシートで休みたい」というお客様のお声に応え、
フルフラットになるスタッガードシートを日本の航空会社として初めて導入しました。

スタッガードシートを導入した当時は大変ご好評をいただき、多くの方にご利用いただきました。
ただ、やはり導入して10年もたつと、ビジネスクラスではフルフラットシートが主流となり、
またお客様のディマンド(需要)や過ごし方なども徐々に変化していきます。

Q.お客様のディマンドはどのように変化したのでしょうか?
――牧さん
次世代のシートとして求められたのは、スタッガードシートからの発展です。
そこで「寝返りが打てるほどのゆとりのある上半身部分の広さ」と「パーソナルスペースが作れることによるプライバシー感」を考え、
他社との差別化を図って生まれたのが今回の「THE Room」です。

Q.「THE Room」の名前の由来を教えてください
――牧さん
これはとてもシンプルで、「部屋」という意味です。
この背景には、先ほどもお話したとおり、時代によって変わっていったビジネスクラスシートの変遷があります。

ビジネスクラスのシートは、椅子(1980~90年代)からベッド(ライフラットシート、スタッガードシート)へ。
そして今、あらたに誕生したのが「部屋」という概念のシートです。
これこそが「まさに、部屋」という意味で「THE」をつけて「THE Room」と名付けました。

Q.総合監修を現代日本を代表する建築家の一人である隈研吾氏に依頼されました。その理由を教えてください
――牧さん
隈先生は東京2020オリンピック・パラリンピックの国立競技場の設計を担当されるなど、目覚ましい活躍を続けておられます。
その手腕において私たちに大きな示唆を与えてくれるだろうと考え、お願いするに至りました。

今回の機内刷新では、基本設計やコンセプトにおいては、
イギリスのデザインチーム「アキュメン デザイン アソシエイツ」に担当していただき、隈研吾先生には全体監修をお願いしました。

弊社はこれまで、アジアのナンバーワンエアラインであることを目標に掲げていましたが、
今はアジアだけでなく世界のリーディングエアラインを目指しています。
隈先生は日本を代表する建築家でありながら、世界でも広く活躍していらっしゃる。
そのご活躍が私たちの目指すところと重なるという点も大きな理由となりました。

3.初めての試みだからこそ多かった課題と困難

向かい合わせに配置されたシートやドア付き個室など、これまでにないシート空間を生み出すためには、開発現場での苦労も多かったでしょう。
知られざる開発の裏側についてもお聞きしました。

3-1.リリースするまでの道のり

Q.リリースするまでに、どんな困難がありましたか?
――牧さん
通常のシート開発は、メーカーのカタログモデルをカスタマイズして作っていきます。
ですが今回は、ANAがお客様の満足を追求するため、ゼロから企画したものです。
「こういうものを作りたい」と自分たちでコンセプトを作った上で、シートメーカーに製作を依頼しました。

そのため、課題や困難は数えきれないほどありましたが、中でも次の3点が大きな課題となりました。

・後ろ向きシートがあることへの懸念
・ドア付きであることによる客室乗務員や安全性確保の課題
・お客様が向かい合わせになること

どれをとっても、簡単にクリアできる課題ではありませんでした。


画像提供:ANA

Q.ひとつずつ教えてください。まず、後ろ向きシートがあることの懸念とは?
――牧さん
面積を最大限に有効活用して幅広いシートを実現するためには、シートを向かい合わせにする必要がありました。
そこで問題となったのが、後ろ向きのシートの存在です。

国内外の電車などでは後ろ向きシートが標準的に採用されていますが、航空機ではまだ例は少なく、慎重に検証する必要がありました。
動いている景色と加速度が逆になることで、人によっては乗り物酔いが助長されてしまうのではないか、
お客様に敬遠されるのではないかという懸念事項があったためです。

Q.その懸念をどのように解消したのでしょうか。
――牧さん
後ろ向きシートを採用している他社の飛行機にも乗ってみるなど、自分たちなりに検証を重ねながら開発を進めていきました。
私も9回ほど搭乗して乗り心地を確認しましたが、前後が気になるのは離陸・着陸の約20分間程度で、
それ以外の飛行時間は自分の向きは気にならないことが検証の結果からわかりました。

後ろ向きシートの導入は初めての試みでしたが、お客様が快適に過ごせる幅広のシートを実現するためにはどうしても必要なことでした。
大変な挑戦ではありましたが、シートの向き一つとってもおろそかにせず、
慎重に検証を重ねて進めていくことで今回のシートを完成することができました。

Q.次に、ドア付きであることによる客室乗務員や安全性確保の課題とありますが、これはどういうことでしょうか?
――牧さん
アメリカのジェットブルー航空では、早い段階でドア付きシートを導入していましたが、比較的席数の少ない仕様でした。
今回、ANAでは席数の多い上位クラス全て導入し、全212席のうち約3分の1にあたるファースト(8席)とビジネスクラス(64席)
併せて72席をドア付きシートにするという機内空間を実現しました。

これは画期的であると同時に、あらたな課題も生み出しました。

Q.どんな課題でしょうか?
――牧さん
客室にドアがあることで、客室乗務員のオペレーションを大きく見直す必要がありました。
特に客室乗務員はお客様へのサービス時にドアがあることでどんな変化が生まれるのかを細かくチェックすると同時に、
就航開始予定の約半年前からモックアップ(実物大のキャビン模型)を使ってシミュレーションを重ね訓練をしました。

安全性に対応したドアの設計にも苦労しました。弊社以上にドアが付いている航空機は他にありませんから(笑)。

・ドアが故障した場合の代替手段をどうするか
・離着陸時はドアを開けて緊急時に備えるという要件があるが、そのためのオペレーションはどうするのか
・追加で必要となる客室乗務員の人数はどのくらいか
・追加となった客室乗務員の配置はどうするか

こういった細かい点を全てクリアにして対応していくのは大変な作業でした。

Q.3つ目の懸念事項、お客様が向かい合わせになることで生じた課題についても教えてください
――牧さん
お伝えした通り、「THE Room」のシートは向かい合わせで配置しています。
例えばお客様がお手洗いに立ったときなどは、どうしても向かいの席が視界に入ります。
このときにお客様がどのような感情を持たれるか、快適性は損なわれないだろうか、などの不安もありました。

通路に立ったときにほかの乗客が見えるのは、ドアがなかったこれまでのビジネスクラスでは当たり前のことです。
しかし、ドア付き個室タイプと謳っている以上、お客様の快適性に問題がないかという点は丁寧に検証する必要がありました。

Q.なるほど。お客様の目線に立って、本当に細かな点にまで気を配られているんですね。
――牧さん
そうありたいと心がけています。
この件に関しても、自分たちなりにいろいろと検証してみて、結果問題ないと判断してデザインに進みましたが、
こういった小さな不安や懸念事項を丁寧に検証していく作業はここでは言い尽くせないほどたくさんありました。

3-2.開発の裏にあるANAの「3現主義」

Q.今回、「THE Room」のような革新的なシートが誕生しました。開発の上で大切にしたものはどんなことでしょうか?
――牧さん
お客様に驚きや感動をお届けしようと思うと、お客様の概念にないもの、期待を超えたものをお届けしようといけないと考えています。

例えばお客様のアンケートは、足りないものへの気づきやサービスの改善などには大変役立ちますが、
大胆なイノベーションにはさらに別なアクションが求められるでしょう。

かっこよく言えば「未来の空の旅ってどうなるんだろう」と考え続けることこそが、
次世代のプロダクトを生み出していくことにつながるのだと思います。

Q.ものづくりの発想はどこから生まれているのでしょうか?
――牧さん
日ごろから「色々なモノをみる」ことを心がけています。
業界内のモノはもちろん、クロスインダストリー・カンファレンスの機会を持ち、
全く関係のない異業種のモノにも積極的に触れることで、発想のヒントを得るようにしています。

私が所属していた整備・技術部門には、3現主義というものがあります。
現場・現物・現実の3つの「現」が、プロダクト開発においてとても重要であるという考え方です。

どの開発でも、例えばパーツの試作品ができれば絶対に見る、絶対に触るなど3現主義を意識して行ってきました。
どれだけデジタルが進化しても、実際にモノを見る、触る、行く、が大事。
実際に見て初めて気づきがあるのです。

3-3.リリース後のコロナ禍で受けた障害と恩恵

Q.リリース後の困難はありましたか?
――牧さん
入念に時間をかけて準備をしてサービスインしたおかげで、リリース後に大きな困難はありませんでした。
ただ一つ残念だったのは、就航して数か月で新型コロナウイルスが流行し、
乗りたいというお客様にお応えできない状態になってしまったことです。

コロナの影響で一部の飛行機の改修スケジュールに変更が生じ、それによりお客様にご希望の機種に乗っていただけないなど、
ご期待に添えなかった部分が発生してしまったことは悔やまれてなりません。

Q.コロナ禍は航空業界にも未曽有の危機となりましたね
――牧さん
そうですね。ただ、思わぬ恩恵もありました。
コロナ禍で私たちスタッフに時間の余裕ができたことから、チームで開発の舞台裏を撮影し動画を制作しました。
動画では100日にわたる格納庫での客室改修の様子を納めています。

この動画は、2021年5月から9月までの5カ月の間、国内線・国際線の機内エンターテイメントコンテンツとして放映されました。
大変好評をいただき、ANA機内ドキュメンタリー部門で毎月TOPを獲得するまでに至りました。
ANA YouTube公式チャンネルでも公開していますので、ぜひこの機会にご覧ください。

(779) ANAの客室ができるまで 〜B777国際線 開発と改修の舞台裏〜 – YouTube

4.「THE Room」に対するお客様の反響は?

サービスインして3年。「THE Room」に対する反響はどうでしょうか。
直接お客様と接している客室乗務員の天本さんと、開発を担当された牧さんからそれぞれお話を聞いてみましょう。


ANA 客室乗務員 天本 恵梨香さん

――天本さん
2014年度入社、これまでにロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス線などを担当し、
「THE Room」は就航開始の2019年から乗務しておりますので、特に思い入れのある機材です。
現在、国内線ではチーフパーサー、国際線ではビジネスクラス・エコノミークラスのパーサーも務めています。
また、J.S.A.ソムリエの資格を取得し、お客様の嗜好に合わせて、ミールとのマリアージュもお楽しみいただけるようご提案なども行い、お客様満足の向上に努めています。

『小さなことほど丁寧に 当たり前のことほど真剣に』をモットーに、初心を忘れず真摯な姿勢で、
お客様に寄り添った丁寧で温かみのあるサービスを心がけています。

Q.天本さんからみた「THE Room」のおすすめのポイントを教えてください。
――天本さん
総合監修は日本を代表する建築家の隈研吾さんです。
機内に入った瞬間からすぐに実感いただけると思いますが、スタイリッシュでありながらも木のぬくもりがある落ち着いた空間を演出しています。
全席がドア付き個室型シートですので、「THE Room」のその名の通り、部屋のようにゆったりとくつろいでいただけるプライベート空間をご提供致します。

シートは西川株式会社と共同開発したワイドなシートクッションで快適にお過ごしいただけます。
リラクシングウェアやキャビンウェアもお貸ししていますので、搭乗後すぐにお着替えになり、
フルフラットでぐっすりお休みになる方もいらっしゃいます。

ライティングはパナソニック株式会社のPremium Seat Lighting機能を採用しており
「目覚めのあかり」という設定を行うことで、爽やかな目覚めをサポート致します。

隣接するシートのパーティションを開けていただくと、おふたりの空間としてお過ごしいただけることも魅力のひとつだと思います。

お客様との会話やご様子などからニーズや背景を汲み取り、
フライトを通して、お客様の「個」を尊重した空間・時間づくりで「ANAに乗って良かった」と思っていただけるよう努めています。

Q.お客様からはどんな声が聞かれますか
――天本さん
出張や駐在のビジネスパーソンの方をはじめ、新婚旅行や家族旅行に出掛けられる方、
乗り継ぎで日本を経由される外国籍の方…と、様々なお客様にご利用いただいています。

「自分の部屋にいるかのようにくつろげました」
「快適であっという間に到着しました」
「まだまだ乗っていたいです」
など、沢山のありがたいお言葉を頂戴しております。

以前、モックアップ(実物大の模型)で「THE Room」をご体験いただく機会がありました。

「まるでファーストクラスのような空間ですね」
「ぜひこの飛行機で旅行してみたいです」
「こんなに綺麗な大型モニターで映画を観ながら機内食も楽しみたいです」
など、ワクワクされているシーンも拝見しました。

また、「THE Room」は、これまでファーストクラスにお乗りいただいていた方にもご満足いただけるシートとなっております。
そのため、ボーイング777型機の「THE Room」のフライトでは、あえてビジネスクラスをお選びになるというお客様もいらっしゃいます。
お客様はもちろんのこと、関わる全ての方々の想いを受けて、感謝の気持ちを持って一便一便を大切にフライトしています。


Q.印象的なお客様のエピソードなどがあれば教えてください。
――天本さん
「THE Room」は、最大幅が現行のビジネスクラスのシートの約2倍ともなるANA史上最大の広さとなっています。
小さなお子様連れのお客様の場合、ベビーベッドをリクエストなさることが多いのですが、
「THE Room」では、お母さまやお父さまのお隣に赤ちゃんが添い寝をされていらっしゃり、
十分なスペースがありますので、ご自宅のように安心してお休みになれるようです。

また、人生最後の海外旅行と仰るご高齢のご夫妻が仲睦まじく、ペアシートでお食事を取り分けながら楽しんでいらっしゃったり、
長期の駐在から帰任なさるお客様が日本を感じられてほっとしてお過ごしになれたということを笑顔でお話くださったり…
と思い出深いエピソードは数えきれないほどにあります。

「THE Room」は過ごし方の幅が広がりましたので、部屋(=座席)の数だけストーリーがあると実感しています。
お客様お一人おひとりのストーリーが安全安心でより快適なものとなるよう、
ハード面を最大限に活かし、柔軟性と想像力を働かせて工夫を凝らしながら、日本らしいきめ細やかなサービスを心がけています。
お客様の笑顔や感動に繋がった時には、嬉しくもあり冥利に尽きます。

――牧さん
私がボーイング777型機に搭乗した際、客室に乗り込んだお客様が「わお!」と喜ぶシーンを目撃したことですね。
これはとてもうれしい体験でした。

私たちANAが掲げる新サービスブランド「Inspiration of JAPAN」では、
・Sparkling(驚きや感動)
・Caring(もてなし)
・Japan Quality(日本品質)

という3つの顧客体験を目指しています。

まさに「Sparkling」にあたる驚きや感動をお客様に提供することができたと実感できた瞬間でした。

Q.世界からの評価は?
――牧さん
世界中の空港や航空会社を対象に様々な指標から格付けしているSKYTRAX社というイギリスの評価機関があるのですが、
そのSKYTRAX社による評価で、2020年、「THE Room」はビジネスクラスシート部門で第二位を獲得することができました。

第一位のカタール航空に比べ、「THE Room」はまだまだ機数は多くありません。
機数自体がまだ少ない中でこの評価を得ることができた、その点からも「THE Room」は自信をもってお勧めできるシートだと確信しています。

また、ANA全体の評価として、SKYTRAX社による最高評価「5スター」を2013年以降10年連続で獲得することができました。
機内および空港におけるプロダクトやサービスなどが一貫して高品質であることが評価されての受賞ということで、大変感謝しています。

5.「THE Room」の目標と機内プロダクトの今後の展望


Q.「THE Room」は、今後どのような方に使ってもらいたいですか?
――牧さん
ビジネスパーソンはもちろん世界中の様々な国々の方々にご利用いただきたいと思っています。
「THE Room」は、長い年月をかけてANAがゼロから作り上げてきたシートであり、
今世界中の空を飛んでいる航空機のビジネスクラスの中でも本当に高い品質を誇るプロダクトだと自負しております。
ぜひその魅力を味わっていただきたいと心から願っています。

弊社には、アジアナンバーワンのエアラインから、世界のリーディングエアラインへ、という大きな目標があります。
革新的なシートであるこの「THE Room」を〝世界のANA〟として認知を広げる足掛かりにしたいです。

Q.今後の機内プロダクトの展望は?
――牧さん
そうですね…。
今後に関してはたくさんの計画はあるのですが、まだどれも計画段階でお話しできる部分は少ないというのが実のところです(笑)。
我々のチームは常に5年先10年先を見据え、お客様にどのような客室に乗っていただきたいか、どんなプロダクトを提供すればよいのかを考えています。
今回の「THE Room」企画開発の経験をもとに、これからもお客様に驚きと満足をお届けできるプロダクトを投入していきたいです。ぜひご期待ください。

ANAの進化したビジネスクラス「THE Room」で最高級の空間を味わおう

世界のリーディングエアラインへと歩みを進めるANAが、ゼロから企画開発し、自信をもってリリースしたビジネスクラスシート「THE Room」。
これまでのビジネスクラスの概念を覆すほどに進化したという、最高級のくつろぎ空間をぜひ味わってみたいものです。
海外出張や海外バケーションの際には、ぜひ利用してみませんか。

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