ChatGPTは英会話学習に使える！便利な使い方と注意点を紹介

対話ができるAI・ChatGPTを利用して英会話の勉強ができることをご存じでしょうか。
質問をすると回答してくれる機能を活用して、AIに英語を教えてもらうという方法です。
有料版のほうが機能が充実していますが、無料版でも英語学習が可能。
試しにChatGPTで勉強してみたいという方でも、気軽に使えます。
では、どのようにChatGPTを使って英会話を学べばよいのでしょうか。
この記事では、ChatGPTを使った英会話学習の方法と注意したいポイントを解説します。

1.ChatGPTについておさらい

2022年11月のリリース時に大きな話題となったChatGPT。
OpenAI社が開発した対話型AIチャットサービスです。

使ったことがなくても、その存在自体は知っている人は多いのではないのでしょうか。
2024年4月に野村総合研究所が実施したアンケート調査によると、回答者のうち約60%がChatGPTを知っているという結果に。
一方、実際に利用したことのある人は、約12%とそう多くはありません。

この数字を見ると「名前は知っているけれど、実態はよくわかっていない」という人も多そうです。
そこで、ChatGPTで英会話を学ぶ前に、ChatGPTについて改めておさらいしてみましょう。

1-1.ChatGPTはAIと対話ができるサービス

ChatGPTとは、AIと対話ができるサービスのことで、ChatGPTに質問したり指示したりすると、AIが回答してくれます。

利用方法はさまざまで、この記事で紹介するように英会話を学べるほか、次のように使われています。

・情報収集
・文章作成
・文章要約

たとえば、メール文の作成が苦手な方は、次のように指示（プロンプト）してみましょう。

「取引先から接待を受けた次の日に送る御礼のメール文章を作成して」

すると、次の画像のようにメールのフォーマットを作成してくれます。

画像：筆者作成

1-2.無料版（ChatGPT3.5）

ChatGPTは「ChatGPT3.5」なら、基本的に無料で利用可能です。

ただし、無料版ユーザーのアクセスが集中すると、回答に時間がかかる場合があります。
場合によっては、動きが止まる場合も。

また、次のような制限があります。

・生成可能な文字数：最大2,048まで（日本語の場合）
・可能なリクエスト数：1分60回、1日4000回まで

上記の制限を超えると、一時的に利用ができなくなります。

1-3.有料版（ChatGPT4)

快適にChatGPTを利用したい方や、より正確な回答が得たい方は有料版「ChatGPT4」の使用を検討してみてはいかがでしょうか。。
プロンプトに対して素早く回答してくれるうえ、より正確性の高い回答を返してくれます。

また、有料版の制限は次のとおりで、無料版と比べると遥かに少ない制限で利用できます。

・生成可能な文字数：最大4,096文字
・可能なリクエスト数：1分600回、1日100,000回まで

さらに、ChatGPTが提供しているツールを使えば、動画や画像の生成が可能です。

2.ChatGPTで英会話を学ぶメリット

ChatGPTを利用した英会話の学習は、次のように英会話スクールにはないメリットがあります。

・時間や場所を選ばず学べる
インターネット回線とデバイスさえあれば、いつでもChatGPTを利用できます。
通勤時間や会社の昼休みなど、スキマ時間を使って英語の勉強が可能です。

・緊張せず英語を話せる
英語を話す友人や同僚、英会話講師と英語で会話すると緊張してしまうという人でも、AI相手ならリラックスして話せるのではないでしょうか。
英語を話すことに抵抗を感じる人は、まずはChatGPTで英会話に慣れるのがおすすめです。

英会話スクールに通っているなら、ChatGPTで予習・復習すれば、英語が身につくスピードがアップするでしょう。

3.ChatGPTでできる英会話学習の方法6つ

ここからは、ChatGPTを使用した英会話の学習方法を見てみましょう。
この章では、次の6つの方法をご紹介します。

1.英語のフレーズを学ぶ
2.単語を学ぶ
3.正しい文法を学ぶ
4.表現の幅を広げる
5.ChatGPTと英会話をする
6.英語の発音を学ぶ

どのようにChatGPTを使うか、プロンプトの例を出して解説します。

3-1.英語のフレーズを学ぶ

最初に紹介するのが、英会話で使えるフレーズをChatGPTに教えてもらう方法です。
次のように「こんなときはなんて言うの？」と知りたいときに、ChatGPTにたずねてみましょう。

（例）人に何かを依頼するときのフレーズを知りたい場合

1.ChatGPTに次のように質問してみましょう。

【プロンプト】
「あなたは私の英会話の先生です。
人にお願いをするときの英語のフレーズを教えてください。」

2.すると、次の画像のように依頼するときの表現と例文を教えてくれます。

【回答】
1.Could you (do something)？
・Could you please send me the report by the end of the day？
「今日中にレポートを送っていただけますか？」

以下の画像は実際のChatGPTの回答です。
画像を見ると、さまざまな表現と例文を教えてくれることがわかるでしょう。

画像：筆者作成

3-2.単語を学ぶ

次に紹介するのは、Chat GPTに知りたい単語を教えて貰う方法です。

例）「環境問題」という単語を知りたい場合

【プロンプト】
次の単語を英語で教えてください。
「環境問題」

【回答】
「環境問題」は英語で “environmental issues” もしくは “environmental problems” と言います。

画像：筆者作成

ChatGPTに例文を作ってもらい、例文と単語をセットで覚えると効果的です。
ここからは、社内での外国人社員との雑談など、日常会話で使えるフレーズを教えてもらいましょう。

【プロンプト】
あなたは私の英会話の先生です。
次の単語を使って、日常会話で使える英会話フレーズを教えてください。
「environmental issues」

【回答】
1.We need to start recycling more to help with environmental issues.
・環境問題に対処するために、もっとリサイクルを始める必要がありますね。

画像のように、日常会話で使えそうなフレーズをいくつか紹介してくれます。

画像：筆者作成

3-3.正しい文法を学ぶ

英語で人に何かを伝えるとき、「この言い方で合っているかな？」と不安な方は、会話する前にChatGPTで英会話フレーズが正しいかチェックしてもらうと安心です。

例）「今日中に環境問題に関するレポートを送ってもらえますか？」と英語で伝えたいが、自分で考えたフレーズの文法が正しいか確認したいとき

【プロンプト】
あなたは私の英会話の先生です。
次の文章の文法が正しいか教えてください。
間違っている場合は、正しい文法を教えてください。
“Could you please sent me the report in environmental issues at the end of the day?”

【回答】
提供された文は少し修正が必要です。正しい文法で表現すると以下のようになります。
“Could you please send me the report on environmental issues at the end of the day?”

修正したポイントは次のとおりです：
1.”sent”を“send”に修正しました。”send”が動詞の原型であり、この文脈では正しい形です。

…など、以下の画像を見るとわかるように、　以下3つの間違いを指摘してくれました。

1.sentの正しい形はsend
2.report in （something） は、report on （something)が正解

このように、なぜ間違っているかも理解できます。

画像：筆者作成

3-4.表現の幅を広げる

同じ意味でも異なる言い方を知りたいときも、ChatGPTを利用すれば言い換えができるようになり、英会話の表現が広がりそうです。

（例）以下フレーズの別の言い方を知りたいとき。
”Deal with this situation pronto”（この状況をすぐに早急に対応してください）

【プロンプト】
あなたは私の英会話の先生です。
以下の英語フレーズの別の言い方を教えてください。
”Deal with this situation pronto”

【回答】
もちろんです！以下のように言い換えることができます：

“Address this situation immediately.”

または

“Handle this situation right away.”

画像：筆者作成

3-5.ChatGPTと英会話をする

ChatGPTと英語でチャットをするのも有効です。
2024年5月13日、OpenAI社はChatGPT-4o（フォー・オー）を発表。
人間と会話しているように、話しかけるとリアルタイムで回答してくれるようになりました。

利用に制限はあるものの無料版でも利用が可能ですので、ぜひ使ってみたい機能です。

画像出典：OpenAI公式チャンネル

無料版でChatGPT-4oの上限に達してしまったときや、通勤中など声が出せないときには、テキストで会話の練習をするという方法があります。

【プロンプト】
英会話の練習がしたいので、私と英語で会話をしてくれませんか。

【回答】
もちろんです！英会話の練習をしましょう。最初のトピックとして、好きな趣味について話してみませんか？

I’ll start: What are some of your favorite hobbies?

上記のように” What are some of your favorite hobbies?（趣味は何ですか？）”と聞かれたので、英語で趣味を答えます。
すると、以下の画像にあるようにChatGPTが会話を膨らませてくれます。

画像：筆者作成

チャットができることを利用して、次のようにある状況を想定した会話をすることも可能です。

例）英語で面接を受ける場合

【プロンプト】
英語で面接をする練習に付き合ってください。
まず、何か質問してください。

【回答】
もちろんです！それでは、面接の質問をさせていただきます。

“Can you tell me about a time when you faced a challenging situation at work and how you handled it?”

画像：筆者作成

英会話のフレーズが思いつかないときは、ChatGPTに英文を作ってもらうのも手。
次のように自分の状況に適した英文を作ってもらうと、実際に使えそうです。

例）職場での雑談時に話題がなくて困っています。相手に笑ってもらえるような英会話フレーズを教えて。

【回答】
職場での雑談を楽しくするために、相手を笑わせることができるような軽いジョークや興味深いフレーズを使うと良いですね。以下はいくつかの例です：

“Why don’t scientists trust atoms? Because they make up everything!”
（科学者が原子を信頼しないのはなぜだと思いますか？それは、すべてを作り上げるからです！）

“I used to play piano by ear, but now I use my hands.”
（以前は耳でピアノを弾いていましたが、今は手を使っています。）

画像：筆者作成

3-6.英語の発音を学ぶ

ChatGPTの有料版で音声読み上げ機能を使用するか、ChatGPT-4oで会話をすれば、ヒアリングの練習が可能なうえ、英語の発音も学べます。

しかし、無料版には読み上げ機能がありません。
それでも発音をチェックしたいというときは、ChatGPTに国際音声記号（IPA）で発音を示してもらうという方法があります。

例）
ユーザー：”How have you been keeping?”この英文の発音を国際音声記号（IPA)で示してください

ChatGPT：申し訳ありませんが、私は発音を聞くことはできません。ただし、英文の発音に関しては次のようにIPAで表現できます：

/hɑʊ hæv juː bɪn ˈkiːpɪŋ/

画像：筆者作成

IPAを学ぶ必要はありますが、無料版のChatGPT-4oの上限が達してしまったときや音声を出せないときに便利でしょう。

3.ChatGPTを使った英会話学習の注意点3つ

ChatGPTを使って英会話を学ぶときには、次の点にご注意ください。

3-1.回答が間違っている可能性がある

ChatGPTの回答は100％正しいとは限らず、精度の高い有料版・ChatGPT4でも間違った回答をする可能性があります。
よって、ChatGPTの回答が正しいかどうか自分自身でネットや書籍などで調べると、より正確な英語が身につくでしょう。

ChatGPTが間違った回答をするのは、次が要因だといわれています。

・Web上の情報が少ない
ChatGPTはWeb上の情報を集めて回答をするため、Web上の情報が少ないと正しく回答ができません。

・日本語で書かれた情報が少ない
Web上の情報は、英語で書かれたものと比べると日本語の情報は少ないです。
前述したように、情報が少ないと誤った回答をする可能性が高まります。

なお、回答が間違っている場合は回答欄下部にあるサムズダウン（親指を下向きにしたハンドサイン）をクリックしすると表示される「もっと詳しく伝える」の”Not factually correct（事実ではありません）”を選択します。

画像：筆者作成

このように間違いを指摘すると、徐々に精度が高まり正確な回答を得られやすくなるでしょう。

また、できるだけ正確な回答を得るには、ChatGPTに役割を与えることが有効だといわれています。
たとえば、質問の前に「あなたは私の英会話の先生です」と入力すると、英会話の先生という立場で回答してくれます。

3-2.タイムラグがある

ChatGPTと英会話をする場合は、テンポ良く会話できるとは限りません。
ChatGPTがユーザーの会話を理解し、回答するまでタイムラグが生じる可能性があるためです。
また、インターネット回線速度が遅いと、回答に時間がかかる場合もあります。
特に、回線の利用者が増える20時から24時の間はサーバーに負荷がかかって、ChatGPTの動きが遅くなることは少なくありません。
ですので、タイムラグが気になる方は、混み合う時間帯を避けるとよいでしょう。

ChatGPTとの英会話に慣れたら、英語ができる友人や同僚などと実際に話すと、より実践的な英会話スキルが身につきます。

3-3.ChatGPTを再起動すると会話が一新される

ChatGPTを再起動すると、再起動前までの会話は消されてしまいます。
よって、ChatGPTを閉じる前に行った会話を踏まえて英会話の学習がしたいときは、次のように指示しましょう。

1.ChatGPTを閉じる前に、行った会話の内容をコピペしてメモなどに貼り付けておく
2.ChatGPTを立ち上げたら、次のようにプロンプトを入力する。

（例）昨日、英語での面接の練習と雑談で使えるフレーズをChatGPTから教えてもらった。

【プロンプト】
以下は、過去にあなたと行った英会話の内容です。この内容を踏まえて、今日も英会話を教えて下さい。

※過去に行った会話の内容をペースト

【回答】
面接の質問
Question: “Can you tell me about a time when you faced a challenging situation at work and how you handled it?”

模範解答
Answer: “Sure. There was a time when we had a major project deadline approaching, and our team was short-staffed due to unexpected illnesses. I took the initiative to reorganize the workload, delegated tasks more efficiently, and coordinated with another department for temporary support. Through effective communication and teamwork, we managed to complete the project on time and met all the client’s expectations.”

画像を見るとわかるように、英語の面接や雑談で使えるフレーズを教えてくれます。

画像：筆者作成

まとめ　ChatGPTで英会話を学べば英語に対する自信がつく

ChatGPTは使い方次第でさまざまな英会話学習が可能です。
また、リアルタイムの会話が可能となったように、今後も新たな機能が開発され、学習できる内容も増えるかもしれません。

とはいえ、英会話は語学力だけでなくコミュニケーション能力も問われます。よって、ChatGPTを使った英会話に慣れたら、英語を話す人と会話してみましょう。
ChatGPTで英語学習をすれば、英語での会議や海外出張でも自信を持って話せるでしょう。