急な海外出張で、忙しい中急いでパッキング。
そんな時に一番悩むのが、現地で着用する服ではないでしょうか?
出張先の国の気温やシーン別での服装など、一歩間違えてしまうと自分一人が浮いてしまう、という可能性もあります。
そこで今回は、海外でもスマートに活躍できるよう、簡単な服装の注意点をご紹介。
ちょっとしたルールを覚えるだけで、取引先からも信頼を得られるかも知れません。
快適な空旅! 見落としがちな機内での服装
出張先での服装の前に、まず皆さんに気をつけて欲しいのが“機内での服装”です。
ここでは以降、出張ビギナーに向けて、話をわかりやすくするために、ざっくりとアジア圏と欧米豪圏に分けて解説していきます。
欧米圏:
ヨーロッパなどでの出張となると飛行時間は多くの場合10時間以上かかることもあります。
そんな時は、手荷物で現地着替え用のスラックスやシャツ、ジャケットを持ち込み、機内ではジャージやTシャツなど出来るだけリラックスできる服装で過ごすことをオススメします。
実際のビジネスのシーンでは、ジャケット等に着替えるなど、オンとオフを切り替えるといいでしょう。
アジア圏:
比較的飛行時間の短いアジア圏でしたら、機内ではビジネスシーンでも履けるスラックスにTシャツで良いでしょう。
現地に着く直前にシャツやジャケットを軽く羽織るだけで、飛行場ですぐに現地の人に合う場合でも、ビジネスマンとして示しがつきます。
なお、ポロシャツは襟がついているのでオンとオフをある程度兼用できて便利です。
地域によって好まれる“ビジネスファッション”は異なる?
欧米圏:
欧米圏は多様性を許容する考え方が浸透しているためビジネスシーンでの服装にも比較的寛容です。
業界によって違いはありますが、“ビジネスカジュアル”は一般的に許容範囲と言えるでしょう。
ノーネクタイでもジャケットがあればOK。
トップスは、シャツやポロシャツなど襟付きのものが良いでしょう。
エンタメ業界やベンチャー企業の経営者が集まる場などではTシャツの方もいますが、金融業界などの比較的堅めの業種では“襟付きシャツ”の着用が一般的なので、自分が商談で会う相手によって使い分けましょう。
よく分からないというときは、基本的にTシャツは避け、襟付きのシャツかポロシャツの着用が無難です。
アジア圏:
日本に近いビジネスウェアのルールを持つ国の韓国は、比較的どんなビジネスシーンにおいてもスーツの着用が普通です。
日本同様、夏のクールビズ化もある程度進んでいるので、夏の時期はカジュアルダウンした服装でも失礼には当たりません。
その他のアジア諸国、主に東南アジアでは、基本的にビジネスの場でも季節に関わらずビジネスカジュアルな装いが一般的です。
もちろんスーツでも悪くはないのですが、よほど重要な会合でない限りビジネスカジュアルで十分でしょう。
実際、日中の気温が冬でも30度を超える東南アジアでは、チノパンに半袖シャツやポロシャツでも十分なことが多いです。
宗教によって避けるべき服装もある?!
滞在日数が長めだと、関係者とのカジュアルなディナーやランチ、観光視察など、ビジネスとは少し離れたスケジュールが入る可能性があります。
そんなときは、スーツでビシッと決めるというよりは、少しリラックスした服装が好ましいでしょう。
ただ、カジュアルとは言え、常に清潔感は大事です。
奇抜なカジュアルウエアで相手に不快な印象を与えないように注意しましょう。
また、カジュアル着用時に注意しなければならないのが、宗教の問題です。
宗教の信仰上、タブーと言われることが多くあるので、事前に確認しておきましょう。
欧米圏:
普通に滞在する上で、服装のマナー等はほとんどありませんが、神聖な場所とされるキリスト教の教会などを見学する場合には、ミニスカートやショーツ、サンダル、半ズボンなどの軽装は避けたほうがよいでしょう。
膝が見える服装は宗教施設に望ましくないとされています。
また宗教施設だけでなく、ドレスコードのあるレストランにおいても、場合によって入場を拒否される場合がありますので注意しましょう。
アジア圏:
インドネシアなどイスラム教徒の多い国々では、極端に肌を露出する服装は好まれない傾向にあります。
女性のノースリーブやショーツは好まれない場合がありますので事前に注意しましょう。
男性でも休日のカジュアルな服装として持参するならば、ランニングシャツや半ズボンよりも、ジーンズやTシャツ程度がオススメです。
なお、人前で酔っ払ってしまうことはアジアにあるメジャーな宗教で恥だとされます。
宗教上アルコール自体が禁止されている場合もあるので、現地の方と食事をとる際の飲み過ぎにはくれぐれも注意しましょう。
季節・気候に合わせた服装にも注意!
欧米圏:
欧米圏では寒い冬の時期の装いに注意が必要です。
冬期は、多くのビジネスマンがスーツの上にジャケットやコートを重ね着することがあります。
その際に特に注意して欲しいのは“毛皮”を使用したアウターを避けること。
欧米を中心に、動物愛護の観点からリアルファーを毛嫌いする方々が一定数います。
必要のない不快感を与えないためにも気に留めておくと良いでしょう。
アジア圏:
一年中暖かい気候の東南アジアなどでは、ジャケットを着用している現地のビジネスマンはほとんどいません。
例えば、インドネシアでは「バティック」と呼ばれる、色鮮やかな半袖シャツが正装とされています。
そのため、スーツに固執せず現地のビジネスマンに合わせた正装をしていくと、相手側にも喜ばれるかも知れません。
1着あると安心 TPOに合わせてスーツも
欧米圏、アジア圏共通:
海外では思ったよりもカッチリとしたスーツの着用だけでなく、最近ではビジネスカジュアルも許容されるなど服装については寛大になってきています。
それでも、やはり重要な交渉の場であったり、役職の高い方と顔を合わせたりする時のスーツ着用はどの国も同じく推奨されます。
もちろん、ネクタイも必要です。
必要な場面が無さそうでも万が一に備えて、最低でも1着はフォーマルなスーツを持参しておくのが懸命でしょう。
スリにも注意! 訪れる国に合わせた対策が必要
欧米圏、アジア圏共通:
聞いたことがあるかも知れませんが、特にヨーロッパや比較的貧しい国々では外国人をターゲットにしたスリ被害が頻繁に発生しています。
荷物が多いビジネスマンは恰好の的にされることも少なくありません。
そのため、日本では通勤の際によく見かける“リュックサック”は避けた方が良いとされています。
両手が空くので便利ではありますが、死角となる部分が多いため知らない内にチャックが開けられ大事な資料が盗まれてしまう可能性も。
ビジネスバッグは自分の目が届く、ハンドバックやロック付きのものを選びましょう。
カジュアルな服装の際にも、ボディバッグやショルダーバッグなど体の前面に持ってこられるものを選んで下さい。
服装がビジネスの成否を分ける!
現地の人を相手にする商談の場合、相手にとって非常識な服装をしてしまうことは第一印象に大きく関わる問題になり得ます。
訪れる国に合わせてカジュアルダウンすることもあれば、TPOに応じてスーツで決めることもある臨機応変さが必要です。
ちょっとしたことではありますが、少しの気遣いがビジネス成功のチャンスになることも。
是非、今後の海外出張では服装まで気にして、一目置かれるグローバルビジネスマンを目指して下さい。