1.日本はフリーWi-Fiが整っていない
日本に訪れた外国人観光客の多くは、日本の観光地や食事、治安の良さ、ホスピタリティなどに満足しているものの、
Wi-Fi環境に対しては不満を持っていると言われています。
実際に、世界中の都市をインターネットの速度や治安の良さ、
英語の通じやすさなどさまざまな要素からリモートワークのしやすさを採点したサイト「NomadoList」では、
東京、大阪、名古屋いずれもフリーWI-Fiのスコアが「Bad」という結果です。
では、なぜ日本はフリーWi-Fiが少ないのでしょうか。
日本のフリーWi-Fi環境が整っていないのは、
モバイルデータ通信をインターネット回線代わりに使う人が多いためと言われています。
例えば、自分のスマートフォンをルーター代わりにするテザリングをしてPCに繋げれば、
Wi-FiがなくてもPCでインターネット通信が可能になります。
よって、カフェなどでフリーWi-Fiを提供するサービスが一般的になりませんでした。
携帯電話キャリアを契約している日本人なら、Wi-Fiがなくても不便を感じないでしょう。
しかし、出張や観光で訪日した外国人の多くは、日本で携帯電話を契約していません。
よって、Wi-Fi対策をしておかないと困ってしまうのです。
2.外国人観光客向けWi-Fi対策3つ
出張や観光で訪日している外国人には、
インバウンド向けに提供しているレンタルWi-FiやプリベイトSIMを紹介して対策を講じてもらうのがおすすめです。
どちらもWebサイトや問い合わせが英語や中国語などの多言語対応が可能。
日本語がわからない外国人でも安心して使えます。
次から紹介するようにそれぞれに特徴があるので、滞在期間や通信量などを基準にして選ぶと良いでしょう。
2-1.【対策1】英語対応のレンタルWi-Fi
インバウンド向けのレンタルWi-Fiなら、英語表記のサイトが用意されています。
また、空港で受け取れるだけでなく滞在先ホテルに配送できるサービスを提供しているものもあります。
ほとんどがセキュリティが強化されているうえ高速回線を使えるので、ビジネス利用でも安心して使えるでしょう。
通信量はあらかじめ使用できる容量が決まっているものと、無制限のものの2種類。
動画を楽しみたい、仕事で大容量のファイルを送受信するといった場合は、無制限のレンタルWi-Fiを契約すると良いでしょう。
ただし、どこでもWi-Fiを使う可能性がある方はルーターを持ち歩く必要があります。
【レンタルWi-Fi利用が向いている外国人】
・ビジネスでも利用したい
・動画やゲームなどを楽しみたい
・複数のデバイスを同時につなげたい
・SIMカードの入れ替えや初期設定が面倒
2-2.【対策2】外国人観光客向けプリペイドSIM
プリペイドSIMとは、通信料金を前払いし支払った分だけ利用できる通信回線のことです。
必要なデータ量のみ購入すればよいので、あまりインターネットを利用しないという方は、
プリペイドSIMなら通信コストを節約してWi-Fi対策ができます。
SIMカードをデバイスに差し込んで使うため、Wi-Fiルーターを持ち運ぶ必要がないのもメリットです。
レンタルWi-Fi同様、英語や中国語などに対応しているSIMがあります。
【プリペイドSIMに向いている外国人】
・あまりインターネットを利用しない
・荷物を増やしたくない
2-3.【対策3】Wi-Fi完備のカフェ・ファストフード店
Wi-FiルーターもプリペイドSIMもないけれど、インターネットを使いたいという時の対策としては、
Wi-Fiが備わっているカフェやファストフード店を利用するのも手。
近年は、無料でWi-Fiが使える大手チェーンのカフェやファストフード店が増えてきました。
フリーWi-Fiが使えるお店はこの記事後半で紹介します。
3.外国人観光客におすすめのWi-Fiルーター3選
日本語がわからない、または苦手な外国人でも使いやすいWi-Fiルーターをピックアップしました。
外国人観光客にWi-Fiルーターをレンタルしたいと言われたら、次の3つを紹介すると良いでしょう。
3-1.無制限で高速通信が利用できる【Japan Wireless】
ビジネス利用などデータ容量を気にせずWi-Fiを使いたいなら、無制限の「Japan Wireless」がおすすめです。
通信速度も早く、「プレミアムWi-Fi」は最高速度187Mbps、と「ビジネスWi-Fi」は120Mbpsなので、ストレスなく利用できます。
また、日本に長期滞在するならプレミアムWi-Fiの「Super Long Plan」がお得。
6か月：5,580円／月
12か月：4,980円／月
24か月：4,580円／月
…というリーズナブルな価格で利用できます。
次に紹介するSAKURA Mobileの長期ブランは
45日間：15,590円／月
60日間：17,600円／月
90日間：26,400円／月
…で提供していることを考えると、破格だと言えるでしょう。
尚、30日以内の短期利用はSAKURA Mobielの方がリーズナブル。
滞在日数に合わせて使い分けると良いでしょう。
Webサイトは日本語や英語を含めて16の言語に対応しているので、さまざまな国の人が使いやすいのも特長です。
料金：「ビジネスWi-Fi」2,570円／1日、17,040円／30日
「プレミアムWi-Fi」3,160円／1日、18,110円／30日
受取方法：空港内郵便局で受取、またはホテル・オフィス・自宅などの指定の場所へ配送
（対応空港：成田、羽田、関西、中部国際、福岡、新千歳）
通信量：ビジネスWi-Fi、プレミアムWi-Fiともに無制限
回線速度：「ビジネスWi-Fi」120Mbps、「プレミアムWi-Fi」187Mbps
同時接続数：「ビジネスWi-Fi」 5台、「プレミアムWi-Fi」10台
利用キャリア：Softbank 4G LTE
公式サイト：https://www.japan-wireless.com/jp
※Webサイトは日本語、英語、中国語、スペイン語など16か国語に対応
Wi-Fiの通信速度は「Mbps（メガビーピーエス）」で表します。
通信速度が速いほど、多くのデータ量を送受信でき、快適に利用できます。
では、どのくらいの速度があればストレスなくインターネットが利用できるのでしょうか。
一般的には、以下の速度があれば快適に通信ができると言われています。
・テキストのみの通信（メールなど）：1Mbps
・SNSへのテキスト・画像投稿：1～3Mbps
・一般的なWebサイトや標準画質の動画閲覧、SNSへの動画投稿：10Mbps
・Web会議：10～15Mbps
・高画質動画の閲覧：30Mbps
尚、レンタルWi-Fiルーターの通信速度は、利用場所によって速度が変わります。
レンタルWi-FiルーターのWebサイトに「最大通信速度〇Mbps」と記載されていても、
必ずしもその速度が担保されているわけではありませんので、ご注意ください。
3‐2.使用可能エリアが幅広い【Sakura Mobile】
画像出典：Sakura Mobile公式サイトより
日本国内をあちこち移動する予定のある外国人観光客には、Sakura Mobileが便利です。
Sakura Mobileは他のキャリアと比べて広範囲をカバーしているNTT Docomo回線を使用しています。
特に、郊外などで通信が繋がるか心配な方は、こちらのSakuraMobileを使うと安心でしょう。
Sakura Mobileも、前述したJapan Wireless同様に無制限で使用可能。
尚、Sakura MobileはSIMカードや光回線のホームインターネットも提供しています。
日本国内を移動したり長期間日本に滞在したりするなら、チェックしておいて損はないでしょう。
料金：4,950円／8日間、7,150円／15日間、9,900円／30日間
※45日以上の長期プランもあり
受取方法：空港カウンターまたはSakuraMobileオフィスにて受取、ホテル・オフィス・自宅などの指定の場所へ配送も可能
（対応空港：成田、羽田、関西国際、SakuraMobileオフィス：新宿、渋谷、横須賀、厚木、岩国）
通信量：無制限
回線速度：-
同時接続数：15台
利用キャリア：Docomo 4G/LTE
公式サイト：https://www.sakuramobile.jp/
※サイトは英語のみ（日本語なし）
3-3.データ通信量が少ないなら【Wi-Fi RENTAL.COM】
レンタルWi-Fiは大容量でなくて良いという方なら、Wi-FiRENTAL.COMを利用して通信コストを抑えるとよいでしょう。
5GBまで利用できる「Usage Data: 5GB」プランなら、1か月3,190円とリーズナブル。
「WiMAX W06 10GB per 3 days」と「SoftBank T06 Unlimited」も無制限で1か月6,000円台で利用できます。
ただし、無制限ではあるものの一定のデータ通信量を超えると低速となってしまいます。
そうなると、動画だけでなく画像やテキストなどの読み込みスピードが遅くなり、ストレスに感じるかもしれません。
そのため、データ通信量は必要最低限で良いという方向けのWi-Fiルーターです。
料金：「Usage Data: 5GB」3,190円／1か月、「WiMAX W06 10GB per 3 days」6,930円／1か月、「SoftBank T06 Unlimited」6,600円／1か月
受取方法：空港カウンタ―
（対応空港：成田、羽田、関西国際、大阪国際、中部国際、福岡、新千歳）
通信量：「Usage Data: 5GB」5GB
「WiMAX W06 10GB per 3 days」無制限（3日あたり10GBまで高速回線利用可。10GBを超えた場合は低速利用可能）
「SoftBank T06 Unlimited」無制限（1日５GBまで高速回線利用可。5GBを超えた場合は低速で利用可能）
回線速度：「Usage Data: 5GB」最大300Mbps、「WiMAX W06 10GB per 3 days」最大1,2Gbps、「SoftBank T06 Unlimited」最大150Mbps
同時接続数：-
利用キャリア：「Usage Data: 5GB」及び「SoftBank T06 Unlimited」Softbank 4G LTE、「WiMAX W06 10GB per 3 days」WiMAX2＋
公式サイト：https://wi-firental.com/
※サイトは英語のみ、日本語・英語・中国語対応のサポートセンターあり
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4.外国人観光客におすすめのプリペイドSIM2選
Wi-Fiルーターだけでなく、プリペイドSIMも外国人に教えると親切です。
ルーターを持ち歩くことなく、Wi-Fiを利用できる点が特長。
荷物を極力増やしたくない、身軽に動き回りたいという外国人観光客やビジネスパーソンに喜んでもらえるでしょう。
ここでは、比較的長期間使えるプリペイドSIMを紹介します。
4-1.音声通話もできる【JAPAN TRAVEL SIM】
JAPAN TRAVEL SIMはインバウンド向けに販売されているSIMカードです。
30日間1GBと、3ヵ月で2GB使えるタイプの2種類で、リチャージも可能。
初期費用550円と電話番号維持費550円が6ヵ月ごとに発生しますが、「050」から始まる番号を付与してもらえ音声通話が可能になります。
日本国内でインターネット利用だけでなく、電話を掛けたいという外国人には、何かと便利でしょう。
料金：オープン価格
購入場所：成田空港内の「BLUE SKY」、「ビックカメラ」「ヨドバシカメラ」など家電量販店など。詳細はこちらを参照
通信量：1GB／30日間、2GB／3か月
回線速度：4G LTE（下り最大988Mbps/上り最大75Mbps）
利用キャリア：NTTDocomo
公式サイト：https://t.iijmio.jp/index.html
※サイトは日本語、英語、中国語など6つの言語に対応、問い合わせ窓口は日本語・英語・中国語が対応可能
4-2.制限なしで利用できる【SAKURA Mobile TRAVEL SIM】
画像出典：SAKURA Mobile公式サイト
3章で紹介したSAKURA MobileはSIMカードも提供しています。
こちらのTRAVEL SIMの特筆すべき点は、高速回線を無制限で使える点。
データ容量を気にせず通信したいけれど、Wi-Fiルーターを持ち歩きたくないという外国人には、こちらをすすめると良いでしょう。
1か月以内の短期間利用だけでなく、45日間と60日間、そして90日間利用できるプランもあります。
滞在日数に合わせて選べるのがうれしいですね。
料金：4,950円／8日間、7,150円／15日間、9,900円／30日間
※ほか、45日間以上のプランあり
購入場所：公式サイトより購入（購入のみ。受取方法はSAKURA MOBILEを参照）
通信量：無制限
回線速度：-
利用キャリア：NTTDocomo
公式サイト：https://www.sakuramobile.jp/travel/travel-sim/
5.便利な公共のフリーWi-Fi3選
フリーWi-Fiのアクセスポイントを知っておくと、いざというときにも困らないでしょう。
Wi-FiルーターやSIMを持っていない、または利用可能な容量を超えてしまったというときでも通信できます。
使える範囲は限られるものの、知っておくと便利な公共のフリーWi-Fiをまとめました。
5-1.2回目以降は再登録なしで使える【TOKYO FREE Wi-Fi】
東京に滞在するなら知っておきたいのが、東京都が提供している「TOKYO FREE Wi-Fi」です。
メールアドレス、またはSNSのアカウントで一度登録すれば、再登録なしで何度でも利用できます。
また、他の東京都内にあるフリーWi-Fiと提携しているので、都内なら広範囲でインターネットが使えます。
公式サイトにある地図上にWi-Fiスポットが表示されるので、
出かけるときにチェックするとWi-Fiを探し回らずに済むでしょう。
利用可能エリア：東京都内の街中、公園、美術館、空港など
ネットワーク名：FREE_Wi-Fi_and_TOKYO
公式サイト:https://www.wifi-tokyo.jp/ja/partner.html
※サイトは、日本語、英語、中国語（簡体字・繁体字）、韓国語に対応
5-2.アクセスポイントが豊富な【OSAKA Free Wi-Fi】
大阪を訪問する外国人観光客におすすめなのが「OSAKA Free Wi-Fi」です。
大阪府内に多くのアクセスポイントがあるので、Wi-Fiを探し回らなくて済むでしょう。
以下のようにWi-Fiの種類は3つ。
「Osaka_Free_Wi-Fi_Lite」のみ利用に制限があるので、短時間だけWi-Fiを使いたいという方向けです。
・Osaka_Free_Wi-Fi：利用制限なし 1時間ごとにリセット
・Osaka_Free_Wi-Fi_New：利用制限なし 1時間ごとにリセット
・Osaka_Free_Wi-Fi_Lite：1日8回まで 30分ごとにリセット
「Osaka_Free_Wi-Fi」は主に施設に設置されており、他の2つはお店などで利用できます。
Wi-Fiの接続画面は英語表記ですが、言語設定を変更すれば、中国語（繁体字・簡体字）のほか韓国語、タイ語表記にも切り替え可能です。
利用可能エリア：大阪府内の施設、店舗など
※以前は関西国際空港第1ターミナルビル及び鉄道駅でも利用できたが、2023年3月31日をもって提供終了している
ネットワーク名：Osaka_Free_Wi-Fi、Osaka_Free_Wi-Fi_New、Osaka_Free_Wi-Fi_Lite
公式サイト：https://ofw-oer.com/
※サイトは、日本語、英語、中国語（簡体字・繁体字）、韓国語、タイ語に対応
5-3.緊急時に知っておきたいカフェ・ファストフード店のWi-Fi
前述したようにWi-Fiが使えるカフェやファストフードを利用しても良いでしょう。
いざというときのために、Wi-Fiがあるお店を知っておくと便利です。
Wi-Fiがあり全国に店舗が多いのは以下のとおりです。
【Wi-Fiが利用できる全国展開しているチェーン店】
・スターバックス
・タリーズコーヒー
・マクドナルド（1日1時間のみ利用可能）
・モスバーガー（こちらのサイトからWi-Fiが使えるお店を検索可能）
特にスターバックスやマクドナルドは世界各地にあるので、馴染み深いという外国人も多いでしょう。
一方、「せっかく日本にいるなら日本のお店でWi-Fiを使いたい」という外国人には、
日系企業のタリーズやモスバーガーを教えると喜んでもらえるかもしれません。
Wi-Fiのアクセスポイントを探すのが億劫だという方におすすめなのが、こちらのアプリです。
登録すればログインしたりWi-Fiスポットで何らかの操作等をせず、自動的にフリーWi-Fiに繋いでくれます。
セキュリティ面で安心できるWI-Fiにのみ繋げてくれるうえ、
電波の強いWi-Fiを優先してつなげる（Android版のみ）ため、安心して快適に通信ができます。
日本語や英語、中国語を含む16の言語に対応可能です。
外国人観光客向けWi-Fiサービスは訪日時の必須アイテム
外国人観光客から「日本は先進国だから、もっとWi-Fiが自由に使えると思った」と言われることはめずらしくありません。
海外の取引先の外国人スタッフが出張で日本に来るときや、外国人の友人が訪日するときには、
この記事で紹介したサービスやフリーWi-Fiスポットを紹介してみてください。
Wi-Fi対策を講じることで快適にインターネットが利用でき、
観光の合間に仕事をしたり自由にSNSをチェックできたりして、
日本に対して良い印象を持ってもらえることでしょう。
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