取材記事

2024.06.14

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仕事旅行社の体験が従業員の”やる気”を引き出すワケ


株式会社仕事旅行社代表取締役 田中翼氏

みなさん、部下や後輩の”やる気”や”情熱”を引き出すのって、なかなか一筋縄ではいかないですよね。
「自分からやりたいと思ってもらわないと、本当の力は発揮できない」なんてよく言われますが、じゃあ一体どうすればいいのでしょうか。
そんなみなさんの疑問に、今日はお答えしましょう。

仕事体験サービスを展開する「仕事旅行社」のプログラムには、実は従業員の内発的な動機付けを確実に高める効果があるんです。
その秘密は、デシ&ライアンの自己決定理論が説く「内発的動機付けの3大要因」を
しっかりと満たしているからなんですよ。
ちょっと難しい理論かもしれませんが、一緒に簡単におさらいしてみましょう。
この自己決定理論によると、人間には「自律性」「有能性」「関係性」の3つの基本的欲求があって、
これらが満たされると内発的動機付けがぐんぐん高まるそうなんです。
1つ目の「自律性」というのは、自分で判断して自由に行動できること。
自分の意思でイキイキと動ける環境があれば、
外からの報酬や制裁に頼らなくても、本物の内発的動機がムクムクと湧いてくるんだとか。
2つ目の「有能性」は、新しい場所や役割でも自分なりの貢献ができるという手応えを感じられること。
いつもの職場とは違う環境に飛び込むことで、
新鮮な視点からアイデアや改善提案ができれば、すごく達成感が得られるはず。
そうなったらもっと挑戦したくなりますよね。
そして3つ目の「関係性」は、大切な人々とつながって、その中で自分の存在をしっかり認めてもらえること。
家族や友達、同僚とか。自分にとって大事な人からの承認があると、内発的動機付けがどんどん高まるんだそうです。

で、肝心の仕事旅行社のプログラムは、この3つの要因をどう満たしているのかというと…
まず「新しい体験への挑戦」は、「有能性」を満たすのに一役買っているんです。
仕事旅行って大抵1日体験だから、具体的な物やサービスを最後まで仕上げるのは難しいけれど、
その代わり外部の人間として新たな職場に飛び込めるわけです。
そうすると、いつもの職場とは違う環境の中で、目新しい視点からアイデアや改善提案ができるはず。
「自分ならこうするな」と感じたり、実際に提案を口に出したりすることで、
大きな達成感や有能感を得られるんです。

次に「自己選択の尊重」は、「自律性」を満たしています。
仕事旅行社のプログラムは従業員の自由な選択によって決められるからです。
興味や適性に合わせて、自分から進んで体験先を選べるわけですね。
こんな風に意思決定の自由がしっかり保証されているから、
プログラムへの参加そのものが自発的な動機に基づいている。
だから主体的な内発的動機付けが着実に高まっていくのが特徴なんです。

最後に「多様な働き手との交流」は、「関係性」を満たすチャンスになっています。
体験プログラムでは、枕職人とか農家の人、起業家、NPO活動家など、
色んな生き方や考え方を持つ人たちと出会えるでしょう。
自分とはまったく違うバックグラウンドを持った人々とじっくり対話することで、
承認欲求も満たされるし、新しい絆だって生まれる。
こうした多様性に触れる経験から、もっと内発的動機付けが促進されるんだそうです。


このように仕事旅行社のサービスは、自己決定理論が挙げる内発的動機付けの3大要因をバッチリ満たしているんです。
新たな視点から「有能感」を、自らの選択で「自律性」を、
そして多様な人々との交流から「関係性」を。
だからこそ内発的動機付けをしっかり高められるわけですね。

企業が従業員の自律的な動機付けを引っ張り出したいなら、
こういうサービスをうまく取り入れるのがおすすめですよ。
根っこにあるのは、こうした内発的動機なんですから。

デシ&ライアンの理論が教えてくれた通り、
人間には内発的動機付けを引き出す素地がちゃんと備わっているんです。
仕事旅行社みたいなサービスは、まさにその素地を呼び覚ますきっかけをくれるってわけ。
もちろん、体験プログラムが終わって本来の職場に戻ったら、
自律性が損なわれたり、有能感や関係性が満たされにくくなるリスクだってあります。
だからこそ企業としては、プログラム導入と同時に、こんな職場環境の整備にも力を入れる必要があるわけです。

従業員の自己決定を尊重して、ある程度の自由度を与える
スキルアップを応援する能力開発の機会をどんどん設ける
価値観の多様性を認めて、オープンなコミュニケーションを促す

体験で内発的動機付けに火が点いたら、それが本務でもずっと燃え続けるよう、
常に職場環境をベストな状態にキープしていく。
そうすることで、企業は従業員一人ひとりの”やる気”を効果的に、そして継続的に引き出せるはず。
仕事へのやる気も創造力も、パフォーマンスも、その根っこにあるのは内発的動機づけなんですから。
その内なる素地をしっかり呼び起こして、思い切り後押しする。そこがとても大事なポイントなんです。
人間の可能性を最大限に引き出すには、新しい体験を与えるだけじゃ物足りない。
常に職場環境を整えていくことも忘れてはいけません。
その両方の車輪がしっかり回ってこそ、本当の意味での従業員の活性化につながるんですから。
みなさんの職場でも、ぜひ一度仕事旅行社のプログラムを導入してみてはいかがでしょうか。
きっと部下やメンバーの心に、新しい火が燃え上がるはずですから。
みなさんも一緒に、やる気の引き出し方をマスターしてみませんか。

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