こんにちは。仕事旅行社の田中翼です。
今回は、大手電機メーカーでお勤めのAさん(58歳)に、仕事旅行体験についてお話を伺いました。
Aさんは、現在の会社で定年までの雇用が約束されていたため、
65歳までは今の仕事を続けるものだと考えていました。
しかし会社の環境変化をきっかけに、「本当にやりたいこと」について考えるようになったのだとか。
今の仕事に不満があるわけではないものの、同じことを続けていくのは物足りなく感じ、
人生を振り返った時に後悔しそうだと思ったそうです。
そんな中、仕事旅行のモニター募集を知ったAさん。
これまで1社での経験しかなく、他の仕事を考えたこともなかったそうですが、
人生100年時代を見据え、もっと可能性を広げたいと感じたのだとか。
会社を辞めたり副業を始めたりするのはハードルが高いと感じていましたが、
仕事旅行なら今の仕事を続けながらも新しい世界を体験できる点に魅力を感じ、迷わず応募したそうです。
Aさんが選んだのは、手話カフェ「Sign with Me」での接客体験と、占い師の仕事体験の2つ。
手話カフェは社内のダイバーシティ推進活動で興味を持ったことがきっかけで、
占い師は「参加者の未来について作戦会議しよう」という誘い文句に惹かれて選んだのだとか。
「Sign with Me」は、手話という言葉を通してスープという温かみのある料理に彩りを添えながら、
憩いや学び、相談ができるユニークなカフェ空間です。
公用語は日本手話と書記日本語で、スタッフ全員が手話を使えるのが特徴。
手話ができない人でも、壁全体がホワイトボードになっているので、広々と筆談でコミュニケーションを取ることができます。
さらに、ろう者・聴覚障害者のポータルサイト「しかく」とコラボし、
カフェ内に交流や学びの場「しかくスペース」も提供しているそうです。
そんな「Sign with Me」で、Aさんは料理を作る際にスタッフの方から1つ1つの工程を丁寧に教わる経験をしました。
最初は非効率に感じたものの、手話での説明は一度に全ての工程を伝えるのが難しく、
コミュニケーションには工夫が必要だと気づかされたのだとか。
この体験から、Aさんは「相手の立場に立って考える」ことの大切さを学んだと言います。
お客様や社員とのコミュニケーションにおいても、
相手の状況を理解し柔軟に対応することが良い関係構築に欠かせないと実感したそうです。
一方の占い師体験では、Aさん自身が占ってもらうことに夢中になったそうです。占いがここまで自分を惹きつけるとは思わず、
もう1度占い師について学びたいと感じるほど楽しかったのだとか。
特に印象に残ったのは、占い師の方から「あなたはもっと自分を信じていい」と言われたこと。
今の自分に何ができるのか自信が持てずにいましたが、
占いを通して自分の良さを再確認でき、それが新しいことにチャレンジする勇気にもつながったそうです。
仕事旅行を通して、Aさんは「まだまだ自分にもできることがある」と自信を取り戻したと言います。
これまで何か新しいことを始めるにはスキルや経験が足りないと考えがちでしたが、その考えが変わったのだとか。
仕事旅行で他業界の方と話をする中で、自身の経験は十分価値があると気づかされ、
あとは自信を持って一歩踏み出す勇気だけだと感じたそうです。
この経験を社内の同世代とも共有したいと考えているAさん。
今の職場には、これからどうしたらいいか迷う50代の人が多く、
会社の中だけでは自分のスキルが時代に合わなくなってきていると感じている人も少なくないのだとか。
でも会社の外に目を向ければ、その経験やスキルを生かせる場所はまだまだあるはず。
その可能性に気づいてほしいと熱心に語ってくれました。
そこでAさんは、社内に「セカンドキャリア研究会(仮)」というコミュニティを立ち上げようと考えているそうです。
仕事旅行での体験を共有し、みんなで新しいことにチャレンジする場を作りたいのだとか。
50代、60代だからこそ、これまでのキャリアを楽しみながら新しい世界に飛び込んでいける、
そんな前向きな雰囲気を職場に根付かせていきたいと力強く宣言してくれました。
加えて、Aさん自身も社外のコミュニティに参加し始めたそうです。
仕事旅行で得た自信があってこそ、新しいコミュニティに一歩踏み出せたと言います。
同世代の女性起業家コミュニティでは、最初は話についていくのが精一杯だったものの、
回を重ねるごとに自分の意見も言えるようになり、そこで学んだことを今の仕事にも活かせているのだとか。
「仕事旅行は、自分の可能性を再発見する素晴らしいきっかけでした。
もっといろんな体験をして、周りの人たちにもその学びを伝えていきたいです」と話すAさん。
定年までのキャリアを考える中で、仕事旅行での体験が新たな一歩を踏み出す勇気になったようです。
年齢に関わらず、私たちの可能性は無限大。
Aさんのように、一歩踏み出す勇気を持つことで、新しい扉が開かれるのかもしれません。
「会社で培ってきた経験やスキルは、きっと他の場所でも活きるはずです。
そこに気づけたことが、私にとって大きな収穫でした」と、Aさんは締めくくってくれました。
仕事旅行は、そんな新しい気づきや学びの機会を提供し続けています。
読者の皆さんも、ぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
きっと、あなたの人生を彩る新たな一歩になるはずです。
Aさんの体験談が、多くの人の背中を押してくれることを願っています。