ビジネス基礎知識

2025.04.07

Lock Icon 会員限定

女性のビジネスカジュアル服はどう選べばいい?シーン別のポイント

最近はビジネスシーンでもカジュアルな服装をする方が増えてきているとはいえ、女性のビジネスカジュアルなコーディネートは、どこまで崩せばいいのか迷うシーンは多いもの。
デスクワークが多い日や、外回りや外部との打ち合わせをする日、オンライン会議がある日など、その日の仕事内容に合わせてビジネスカジュアルなコーディネートを選んでみてはいかがでしょうか?
 
今回は、女性のビジネスカジュアルとはどんな服装なのか、そしてシーン別にビジネスカジュアルな服選びのポイントは何かを解説します。

1.ビジネスカジュアルとは?カジュアル化するオフィスの服装


 
ここ数年、新卒採用の面接でも服装に「ビジネスカジュアルOK」とする企業が増えています。
では一体、女性のビジネスカジュアルとはどんな服装を指すのでしょうか。
ビジネスカジュアルやオフィスカジュアルの定義を一緒に見ていきましょう。
 

1-1.ビジネスカジュアルとはどんな服装?

 
ビジネスカジュアルとは、社外の人と会う際にも失礼にならないようなカジュアルな服装のことを指します。
女性の服装なら、上下揃いのスーツによるフォーマルなコーディネートよりも、少しだけカジュアルなテイストのコーディネートとイメージするとわかりやすいかもしれません。
 

 
明確な定義はありませんが、上の写真のようにジャケットとボトムスの素材や色を変えるミックスアップスタイルなどが、女性のビジネスカジュアルの例としてよく挙げられます。
また、ジャケットとスカートやパンツの生地が同じ共布でコーディネートしたセットアップスタイルも、インナー次第でビジネスカジュアルにコーディネートできます。
 
<女性のビジネスカジュアルのポイント>
・基本はジャケット+スカートorボトムス+パンプス
・清潔感ある服装であること
・落ち着いた色や柄のアイテムを使うこと
・セットアップもしくはジャケットを着用
・インナーは襟付きのシャツもしくは装飾が少ないシンプルなアイテム
・足元は3〜5cm程度のヒールやレザーのローファーなど

1-2.オフィスカジュアルとの違いは?


オフィスカジュアルとは、外部や取引先との打ち合わせや、パーティーなどかしこまったシーンではなく、オフィスで着心地がよくリラックスして過ごせるワークスタイルのことを指します。
 
オフィスカジュアルとビジネスカジュアルな服装の違いに、明確な定義はありません。
ですが、ビジネスカジュアルが打ち合わせなどのビジネスシーンも想定されたファッションであることに対して、オフィスカジュアルはオフィスワークをする際のコーディネートというイメージです。
 
女性であればビジネスカジュアルではジャケットを使ったとしても、オフィスカジュアルではカーディガンとインナー、足元はフラットシューズなども受け入れられているというイメージです。
 
ただし、どこまでがオフィスで許容されるカジュアルさなのかは企業風土によって違う点は注意が必要です。
また、服装は自己主張のためだけでなく一緒に働く同僚や仲間との調和を意識することも大切になってきます。
相手に気を配った服装を心掛けるだけで、チームとして働いているという気持ちを意識下で表現でき、チームワークの醸成にも繋がります。
コーディネートを考える際に周りの環境に合わせるという気持ちも、少しだけ頭の片隅に留めておいてみてはいかがでしょうか。
 

カジュアルってどんな意味?

カジュアルという言葉には、似た言葉としてinformalなどの言葉が当てはまります。
その意味は「格式ばらずリラックスした」という意味。
オフィスカジュアルやビジネスカジュアルなら、仕事をする上で支障がない範囲でリラックスして過ごせる服装という意味に捉えれば良いでしょう。

 

1-3.年々カジュアル化するビジネスファッション

 
ビジネスカジュアルやオフィスカジュアルが一般的なスタイルとして定着していると感じている方は多いことでしょう。
実際に、東洋経済オンラインが行ったビジネスファッションに関する調査(2024年)では、ビジネスファッションはここ数年でよりカジュアルになったと感じている人が多いことが報告されています。

画像出典:https://biz.toyokeizai.net/blog/detail/id=2802

就職活動でも、リクルートスーツではなく「ビジネスカジュアル」な服装を指定するなど、男女問わずビジネスカジュアルなスタイルが仕事をする際のファッションとして定着しつつあります。
 
ビジネスカジュアルが広がっている背景には、企業側が「若手人材獲得のための企業の魅力を高めたい」とブランディングや戦略の一環として推進しているケースがあります。
また、働き手側の視点から見ると、スーツよりもビジネスカジュアルの方が仕事をする上で効率的という側面があるのも、定着している背景にあるでしょう。
 
男性であればクールビズが浸透し夏はノーネクタイのスタイルが一般的になりつつあるのと同じように、職場でのハイヒール着用に疑問を呈する#KuToo運動などにより、女性=ヒールなどの服装に対する固定観念が崩れつつあります。
「服装はこうでなければいけない」という固定観念にとらわれない時代の変化に後押しされて、カジュアルスタイルがビジネスシーンでも広がりつつあります。

2.シーン別 女性のビジネスカジュアルのポイント


 
女性のビジネスカジュアルファッションは、アイテムの選択肢が多いことから「どんなスタイルにしようか」と迷うことも多いもの。
ここからは、シーン別にみた女性のビジネスカジュアルな服装のコーディネートポイントをご紹介します。
 

2-1.取引先との商談・営業でのビジネスカジュアル


 
商談や営業が多い日は、商談相手の社風がどんなものだったとしても失礼にならないことが大切です。
と言っても、相手先がどんな業界かによっても変わってきますが、原則としては次のポイントを意識してみると良いでしょう。
 
<ポイント>
・信頼感・きちんと感を重視する
・スーツほどフォーマルではなくても、ジャケットやきれいめのトップスを着用する
・ベーシックカラー(ネイビー・グレー・ベージュ・ホワイト)でまとめると好印象に
・過度な露出や派手なアクセサリーは避ける
 
柔らかな印象を与えたいなら、季節感も意識しながらベージュや白、ピンクなど明るい色味のものを選ぶと良いでしょう。
また、足元は商談のシーンでは高すぎなくても良いので少しだけヒールがあった方がきちんとした印象になります。
 

2-2.取材対応や広報対応でのビジネスカジュアル


 
企業のPRの場となる取材対応や広報対応では、清潔感に加えて華やかさも意識したいところです。
写真や動画に映る可能性があるため、顔周りが明るく見える色を選ぶと良いでしょう。
顔のくすみなどが気になる方は、トップスにパステルカラーなどを取り入れるのもおすすめです。
 
また、シワや汚れが目立たない服装だと、午後からの取材にも対応しやすいので便利ですよ。
 
<ポイント>
・写真などを撮影予定なら顔映りがいい明るい色を
・シワになりにくい素材や埃がつきにくい素材のものを選ぶと便利
・企業イメージやコーポレートカラーに合ったアイテムを
 
会社の広報として撮影対象になるなら、ロゴや柄物は企業のイメージと合っているかを考えることも大切です。
たとえば、企業のコーポレートカラーを身につけたり、企業としてどんなイメージを対外的にPRしたいかも考えた服装を意識してみるとよいでしょう。
 

2-3.オンライン会議でのビジネスカジュアル


 
外部とのオンライン会議や商談がある際には、上半身の服装が鍵となります。
足元はヒールのあるパンプスでなくても大丈夫ですが、その日の業務内容に合わせてビジネスカジュアルなアイテムをチョイス!
特に上半身のコーディネートで意識してみるとよいでしょう。
 
<ポイント>
・無地のトップスやシンプルなデザインがベター
・照明の影響を考えて、暗すぎる色よりも明るめのカラーが顔映りが良くなる
・オンライン会議の背景画像を使うなら、色や柄が被りにくいようにする
 
例えばトップスにストライプなどの柄が入ったものを選ぶと、ときとして画面に移ったときにトップスの柄の主張が強すぎてしまうかもしれません。
色のコントラストが強すぎないものや、オンライン会議の背景画像と色や柄が被りにくいものを選んでみましょう。
 

2-4.社内ミーティングが多いの日のビジネスカジュアル


 
社内ではリラックス感もありつつ、きちんと感をキープできる服装がビジネスカジュアルにふさわしいでしょう。
デスクワークが多いなら、長時間座ってもシワになりにくい素材のアイテムを選ぶとストレスがありません。
 
<ポイント>
・社内ミーティングとはいえ、上司や経営者もいる可能性があるのでジャケットがあると無難
・ジャケットならストレッチタイプなどリラックスできるものが使いやすい
 
上司や経営者がいないときは、ジャケット着用は必須ではないかもしれませんが、心配なら念の為持って会議に臨むのもよいでしょう。
1枚羽織るものがあると、オフィスのエアコン冷え対策などにも役立ちます。
 
また、カジュアルになりすぎないよう、トップスはTシャツだとしてもジャケットなどをプラスできるようにロッカーやデスク周りに用意しておいても。
急な社外対応でも慌てずに済みます。
 

2-5.セミナーや研修参加時のビジネスカジュアル


 
会社主催のイベント、外部セミナーや研修では、講師・参加者どちらの立場でも「清潔感」「信頼感」を意識した服装を選んでみましょう。
 
<ポイント>
・ジャケット+ブラウス+スラックス or きれいめワンピース+ジャケットなどきちんと感を意識
・第一印象が大切な場では、明るめの色を取り入れると好印象
(ベージュ、ライトグレー、パステルカラーなど)
・長時間着ていても疲れにくい服装を選ぶ(体を締め付けすぎないデザイン)
・靴はパンプスやローヒール、または上品なフラットシューズ
 
ジャケットは、襟なしでも良いのであると安心です。
また、社内ミーティングだけの日よりも、少しだけきちんと感がある服装が無難です。
セミナーや研修といったシーンでは社外の人はもちろん他部署の人からも視線を集めるので、ビジネスカジュアルでもきちんと感をより意識するのがおすすめです。
 

2-6.出張時のビジネスカジュアル


 
出張は新幹線や電車、飛行機、タクシーなど車内で座って過ごす時間が普段よりも長くなります。
そのため、長時間移動でもシワになりにくい素材としてジャージー素材やストレッチ素材、ウール混の生地を選ぶのがおすすめです。

反対に、リネンのようなシワになりやすい素材は避けた方が良いでしょう。
 
<ポイント>
・シワになりにくい素材を選ぶ
・外回りが多いなら動きやすいパンツスタイルがベター
・ジャケットやカーディガンは移動中の屋内の温度調節にも役立つ
・靴はローヒールやフラットシューズなど歩きやすい靴に
・アクセサリーやバッグはシンプル&機能的なものが便利
 
また、出張中に悩ましいのが靴問題です。
女性のビジネスカジュアルではパンプスが無難ですが、屋外での移動が多いなら足元はフラットなシューズもしくは、ブラックでカジュアルすぎない革製のシューズなども選択肢に入れておきましょう。
最近では、ゴアテックス素材のスニーカーの中にも、ジャケットとパンツスタイルに合わせやすいフォーマルな印象ののアイテムも出てきています。
ブラックやホワイトなどはフォーマルなスタイルとも相性が良いので、ぜひチェックしてみてください。
 

画像出典:On 公式サイト

3.季節に合わせた女性のビジネスカジュアルな服装のコツ

 
女性だからこそ、ビジネスカジュアルなファッションにも季節感を取り入れて毎日のコーディネートを楽しみたいと思っている方も多いことでしょう。
ビジネスカジュアルスタイルを選ぶ際には、季節ごとにちょっとしたポイントを意識しておくと快適さが増し、仕事のパフォーマンスも高められます。
季節に合わせた女性のビジネスカジュアルコーディネートのコツをみていきましょう。
 

3-1.春・秋は温度変化に対応できるように


画像出展:ユニクロ公式サイト
 
気温変化が大きい春や秋は、ジャケットやカーディガン、ストールなどで温度変化に対応できるよう備えておくと安心です。
カーディガンを持ち歩くなら、どんなトップスとも合わせやすいよう、無地や白・ベージュ・ブラック・ネイビーなどのベーシックな色を選ぶと汎用性が高くなります。
 
また、ストールなどの小物類は春は爽やかな色味を、秋は落ち着いた色味など、季節感のあるカラーを取り入れるといいでしょう。

3-2.夏は汗対策や冷房対策を念頭に


画像出展:楽天ファッション
 
外回りが多いと、ビジネスカジュアルなコーディネートも汗で服がよれたりしてだらしない印象になる可能性も。
アイテム選びでは通気性の良さも念頭に置きつつ、通勤や移動中にはジャケットを脱いで涼しいスタイルで過ごせるような工夫があるといいでしょう。
 
また、暑い時期の対策として、汗染みが出来にくい素材のジャケットやトップスも選びたいところです。
 
夏はオフィスや電車・バスなどの車内では冷房が効きすぎている可能性もあるので、シワになりにくいジャケットやカーディガンが1枚あると安心です。
 

3-3.冬は屋外とオフィス内の温度差を考えて


画像出展:WEAR
 
屋外は寒く、オフィス内は暖房が効いていて暑いということも多い冬。
女性のビジネスカジュアルと寒さ対策の両立は難しいと感じる方も多いかもしれません。
オフィスで暑い時にはサッと脱げるように、セーターなどは薄手のものを選び、カーディガンなどを組み合わせて調節できるようにすると安心です。
 
足元は冷やさないように蓄熱素材のタイツを着用したり、お腹周りを温める工夫をすると良いですよ。
どうしても厚着ができないときには、背中の中央にカイロを貼ると薄着でも暖かく過ごせます。
 

4.忙しい朝の時短ビジネスカジュアルコーディネート術


 
メイクをしたりヘアを整えたりと、女性にとって出勤前は時間との戦いです。
だからこそ、ビジネスカジュアルコーディネートを組む際に時間をかけずに済むようルール決めをしてみるのも一つの手です。
朝時間に、サッとビジネスカジュアルなコーディネートを考えるためのポイントを、最後にご紹介します。
 

4-1.基本アイテムを決めておく

 
ジャケットとボトムス・スカートなどの基本アイテムはあらかじめ決めておき、季節感に合わせてインナーの色や上下の組み合わせを変えるだけ、にすればコーディネートに悩む時間が省けます。
 
何も考えずにトップス・ジャケット・ボトムス・パンプスを選んでも、それなりにさまになる組み合わせになるよう、一つ一つをシンプルなものにしておくとラクですよ。
 

4-2.ベーシックカラーで揃えれば組み合わせしやすい

 
季節感を取り入れたビジネスカジュアルスタイルは素敵ですが、色の組み合わせを考えるのは大変ですし、朝そんな難しいことを考えている暇はないかもしれません。
朝時間を短縮するなら、基本アイテムはグレーやネイビー、ブラック、ベージュなどのベーシックカラーで揃えておき、季節感はアクセサリーやバッグ、ネイルなどで取り入れるようにすると朝の時短になります。
 
バッグはシーズンごとに色や素材を変えるようにすれば、季節感があるコーディネートとなりますよ。
 

4-3.アクセサリーは上品に見えるアイテムを選ぶ

 
華奢なネックレスやシンプルなピアスなどは女性のビジネスカジュアルと相性がいいアイテムです。
全体のコーディネートが「ビジネスカジュアルとしては、シンプルすぎるかな?」というときは腕時計やベルトなどを使ってアクセントをつけると、服装に自分らしさをプラスできます。
 

いざというときの備えにオフィスに「置きジャケット」も

ビジネスカジュアルな服装として、普段はジャケットを着用しないとしても、急な会食や来客などでジャケットが必要になることもあるかもしれません。

そんなときに備えて、オフィスにどんなアイテムとも合わせやすいシンプルなジャケットを置いておくのもおすすめです。

ジャケットがオフィスにあれば、朝の支度もジャケットまで選ばなくていいというメリットもありますよ。
同様に、ヒールなどの靴もデスクの下に忍ばせておくと安心です。

 

女性のビジネスカジュアルファッションをよりよく働く原動力に!

 
ビジネスカジュアルな服装が一般的にも浸透してきている中、どんな服装で働くかは個人の自由な選択に委ねられています。
とはいえ、会社や取引先などへの配慮も忘れずにコーディネートを選ばなければいけないからこそ、「どんな服装がいいのだろう」と悩んでしまう女性もいます。
 
ファッションにはある程度流行がありますが、ビジネスシーンにおいては「疲れにくいように」「それなりに、きちんと感が出る色を選ぶように」などポイントを押さえればそれほど難しいことはありません。
大切なのは、仕事をよりよくこなすためには、どんな服装がいいのかを念頭に考えてみることです。
 
今回の記事が、そんな皆さんの毎日のファッション選びの参考になりますように!

Lock Icon

この記事は会員限定です

会員登録すると続きをお読みいただけます。