【生成AI徹底比較】主要AIツールの違いは？特徴と仕事での活用術も

あらゆる業種に広がりつつある生成AIは、比較してみるとそれぞれ特徴があります。
すでにChatGPTやGemini、Perplexityなどをすでに普段の仕事で使っている方も多いかもしれませんが、AIを活用してより一層仕事の効率を上げるなら、その違いを知ることは大切です。
営業や企画、マーケティングなど幅広い業種で活用できる生成AIはいまや群雄割拠な状況です。
それぞれの生成AIによって強みが異なることから、その違いを理解しながら賢く使いこなせれば、きっと仕事もより一層効率化されるでしょう。
　　
「一体どれを使えばよいのか」「どう使い分ければよいのか」と迷っている方に役立つ、主要なAIの特徴を徹底比較。
生成AIを使いこなして仕事を効率化するためのポイントも解説します。
　

1.生成AIツールを一挙比較！得意・苦手なこと一覧

　
生成AIは社内の書類作成やリサーチ時に情報を検索したり文章を考えたりする際の業務を効率化できます。
ただし、生成AIサービスによってテキスト生成・リサーチ・画像や動画などのクリエイティブ制作など得意な分野が少しずつ異なります。
まずは用途別に、主な生成AIツールの特徴を見ていきましょう。
　

1-1.テキスト生成・リサーチ・翻訳

　
メールの文面や企画書作成、ホームページやチラシなどの文言を考えるときなどに活躍するのがテキスト生成です。
必要に応じて翻訳などをしたい場合や、リサーチをしながら内容を固めたいときに使える生成AIツールはさまざまです。
主に使いやすい8つの生成ツールごとに違いや特徴を解説します。
　

1-1-1.汎用性が高く使いやすいChatGPT(GPT-4)

　
生成AIとして認知度の高いChatGPTは、長文構成や要約、そのほか翻訳やプログラミングなどできる範囲が広いのが特徴です。
　
また、有料プランであれば無制限で画像生成や画像データなどをもとにしたテキスト生成も可能。
ただし画像生成に関しては多少日本語の出力に揺らぎがあるため、他の生成AIツールと組み合わせて使うのがおすすめです。
　
注意点としては、学習データの更新頻度は限定的で、最新情報の反映が遅いこともある点は理解しておきましょう。
　

1-1-2.Google開発で動画生成にも対応のGemini

　
Googleが開発した生成AIモデルのGeminiは、幅広いタスクをこなせる点が魅力です。
テキストデータに加えて、画像や音声・動画などのデータ処理もこなしてくれます。
また、テキスト生成や要約だけでなく画像生成まで対応。
当然ですが、Google Workspaceと連携しているため、普段からGoogleサービスを使っている場合にはとても便利なツールと言えるでしょう。
　
有料プランになれば動画生成などにも対応しています。
　
ただし、出力されるテキストのトーンは少し淡白な点があるので、より魅力的な文章作成を考えているなら、次にご紹介するWritesonicなども検討すると良いでしょう。
　

1-1-3.コピーライティングにおすすめのWritesonic

　
生成AIのライティングツールの中で、コピーライティングなどのテキスト生成で高い精度を誇っているのがWritesonicです。
ライティングプラットフォームとして文章生成に特化しているため、Google広告や商品説明文、動画のディスクリプションなどマーケティングのシーンで活躍するでしょう。
　
というのも、Writesonicでは多くのテキストテンプレートがあるためです。
また、SEO対策としてキーワード分析から競合他社や業界のリサーチなどまで対応しています。
　
一方で、テンプレートがあるシーンでは便利ですが、テンプレートのないシーンでは使用可能な範囲が限定的です。
　

1-1-4.SEO対策や盗用チェックサービスのあるJasper

　
Writesonicと同様に、コピーライティングに優れているのがJasperです。
叩き台として作ったテキストを改善したり、検索エンジンに表示されやすいコンテンツ生成をしたりすることが可能です。
狙ったキーワードを含むコンテンツの作成もできるので、SEO対策をしているなら、便利でしょう。
また、活用する上でありがたいのがコピペなどの盗用チェックサービスがある点です。
　
ただし、テンプレートはWritesonicよりも少ないと言われている点や、SEO対策としてはWritesonicのように競合他社リサーチなどはできない点がデメリットです。
　

1-1-5.ビジネス文書の作成や要約で活躍するClaude

　
長文処理に優れているClaudeは、生成AIの中でも人間らしい文章の作成もできる点が長所です。
論理的な文章作成にも向いているので、提案書や報告書といったビジネス文書では多いに活用したいところ。
　
Claude 3シリーズの中には、Claude 3 Opus・Claude 3 Sonnet・Claude 3.5 Haiku・Claude 3.7 Sonnetなどのモデルがあります。
　
複雑なタスクを処理するにはClaude 3 Opusが使いやすいでしょう。
また、ChatGPTよりもより自然な日本語を出力してくれる点も魅力です。
　
ただし、機能を十分に活用するには有料プランでないといけない部分は注意したいところです。
同サービスを提供しているAnthropic社は2025年秋に日本に事務所を開設することが発表されていますので、今後はより日本語での使い勝手向上が期待できます。
　

1-1-6.Notionを使っているなら取り入れたいNotion AI

　
ドキュメントやメモなどの作成からプロジェクト管理などが1箇所に集約できるNotionは、ワークスペースツールとしてすでに使っている方も多いかもしれません。
　
NotionAIは、Notion上でミーティングノートの書き起こしや要約・保存まで一括でできる生成AI。
文章作成、メモ、タスク管理などをするうえで、業務を効率化できます。
　
デメリットとしては、クラウドワークスペース「Notion」の活用が前提となる点は注意が必要です。
　

1-1-7.Microsoft開発のCopilot

　
Microsoft社が提供しているAIアシスタント機能のCopilotは、ChatGPT(GPT-4)をベースとした生成AIモデルです。
ワードやエクセル・パワーポイントなどと直接連携しているから、オフィスツールを使いながら自然にAIを活用できるのが魅力です。
　
ただし当然ですが、Officeツールの利用が前提となってしまいますので、他のツールを普段使っているという方は別の生成AIを使うことを考えた方がよいでしょう。
　

1-1-8.翻訳や英作文ならDeepL Write

　
文章の翻訳や英作文などで生成AIを使うなら、DeePL Writeもおすすめです。
英文ビジネスメールなどの翻訳精度が高く、ファイルをアップロードして翻訳してもらうことも可能です。
　
文体をビジネススタイルやカジュアルに設定できたり、フレンドリーなトーンや熱意あるトーンなどに設定できたりするので、シーンに応じて活用できるでしょう。
　
ただし、翻訳に特化した生成AIですので、日本語の文章作成時には他のツールを活用するのがおすすめです。
　

1-2.画像・動画制作

　
画像や動画といった視覚的なコンテンツ制作にも、生成AIは活躍の場を広げています。
ビジュアル素材の即時生成や、プレゼン・SNS・広告で使えるアートワークなど、多様なニーズに対応しています。
　
生成AIによって作った画像をそのまま広告などに使うかどうかは、企業の姿勢やAI生成の画像をどう消費者が受け止めるかによって判断が変わるので注意が必要です。
ですが社内文書などでは大いに活用できるでしょう。
　
次からは、画像や動画を作れる生成AIの違いを見ていきましょう。
　

1-2-1.対話形式で画像が作れるDALL·E 3（ChatGPT内蔵）

　
ChatGPTに内蔵されているDALL-E3は、プロンプトに沿ったイラストや画像生成ができるため、生成AIを使い慣れていない人でも気軽に使えます。
　
特にシンプルな構成や説明用図を得意としていて、ChatGPTとの対話形式で画像を生成できる点が使い勝手の良いところ。
　
ただし、リアルさや精密なデザインには限界がありますので複雑な構図や指示が必要な場面では物足りなさを感じてしまうかもしれません。
　

1-2-2.出力トーンの幅が広いMidjourney

　
アート性の高いビジュアル作成に優れている生成AIとして注目したいのがMidjourneyです。
テキスト説明文をもとに、画像を生成してくれ、抽象的・幻想的なデザインやキャラクター表現など幅広いトーンの画像が出力されます。
　
アメリカ発の生成AIであり、まだまだ日本語のプロンプトだと結果が曖昧になりやすいところは使い勝手の悪さにつながっています。
また、Discordのアプリ上で動作することや、無料版がない点から気軽に使い始めるのにはハードルが高い点が難点です。
　
商用利用は全てのプランで可能ですが、他のユーザーから生成画像が見られないようにするステルスモードを利用するにはProプランに加入する必要があります。
　

1-2-3.ビジュアル作成をより加速させるCanva AI

　
SNS画像の作成から企画書、インフォグラフィックの作成など幅広いビジュアル作成ツールとして浸透しているCanva。
画像作成に加えて、Canva上で作成した文章をAIでリライトしたりナレーションをつけたり、音楽を生成するなど幅広いAI機能が使えます。
　
テキストから画像を生成できるので、ロゴ作成や使いたい写真素材がない際にも便利でしょう。
　
ただし、Canvaではゼロからの創作には不向きで、テンプレート依存になりやすい点は注意が必要です。
　

1-2-4.テキストを元に動画が作れるRunway

　
動画の生成を考えているなら、テキストや画像から動画を作成できるRunwayが便利です。
直感的に操作しやすく、アニメーションスタイルや、漫画調など出力される動画のテイストも選べます。
　
動画生成や動画編集の自動化にを効率化できるだけでなく、背景除去・合成などの機能も搭載されています。
　
ただし、まだまだ日本語プロンプトにはやや対応が弱く、高精度の制御をするには難易度が高めです。
まずは無料プランから使ってみると良いでしょう。
　

1-3.プレゼン・資料作成AI

プレゼン資料やレポート作成を効率化できるAIツールは、日々の業務を大幅に効率化してくれるツールです。
プレゼンや資料を作る際には、構成案の作成からスライドのデザイン、トーンなど色々なことを決めていかなければいけません。
今回ご紹介する生成AIは、こうした作業に対応してくれるので、ドキュメント作成の負担を大幅に軽減できることでしょう。
　

1-3-1.マーケティングやセールスで使えるTome

テキストを打ち込むだけでもスライドを作成してくれるTomeは、スライド内で使われる画像まで生成してくれる優れもの。
たとえば「京都の魅力的なお寺紹介」などテーマをプロンプトとして入力すれば、構成の叩き台を作ってくれます。
開発したMagic Tome, Inc.はマーケティング資料やセールス資料を作る際に活用しやすい製品戦略を採用していると言われています。
　
ただし、無料プランでは、PDF形式での出力などができません。
加えて、生成AIを使ったスライド生成などにも対応していないため、無料では制限が多いというのがネックです。
　

1-3-2.日本人向けだから使いやすいイルシル

日本人向けに開発された「イルシル」は、スライド資料を文章をもとに作成してくれる生成AIサービスです。
他の生成AIだと、初期設定が英語表記のユーザーインターフェースが多い中、日本初のイルシルは操作もユーザーインターフェースも日本語で使えるため、ストレスなく使い始めたい方にはぴったりです。
また、対話形式でスライドの生成をしたり、文章を要約したものをスライドに反映させるなどといった作業も可能です。
ただし、出力されるファイルのレイアウトはテンプレートに基づいているため、文字のフォントなどの微調整が少し難しくなります。
より自由度の高いテンプレートにしたい場合には、よりデザインを細かく調整できるCanvaなど他のツールを合わせて活用しても良いでしょう。
　

1-4.議事録・ノート整理

　
会議内容を記録し、要約・整理してくれるAIは、議事録作成に時間がかかっていた人にとってまさに業務効率化の救世主。
録音データをもとに文字起こしして、議事録を作成するまでを自動化できれば、聞き逃しやメモ漏れを防ぎ、議事録作成の手間を大きく削減できます。
議事録やノート整理に特化したサポートが期待できる生成AIの違いを比較してみましょう。
　

1-4-1.オンライン会議と併せて使いたいRIMO Voice

　
オンライン会議のリアルタイム文字起こしや要約作成までこなしてくれるRIMO Voiceは、単語登録によって専門用語も覚えさせられるツールです。
単語登録を使いこなせば、より精度の高い文字起こしや要約作成を行ってくれます。
また、会議の内容を参加者に共有したり、文字起こし結果をダウンロードしたりすることも可能です。
文字起こし機能だけ使えるプランにして、要約は他のAIに任せるなどニーズにあった使い方ができるのが魅力です。
　

1-4-2.翻訳機能も魅力のNotta

　
会議やセミナー、インタビューなどの音声を文字起こししたり議事録におこすだけでなく、翻訳機能などもついているNotta。
全てのデータは日本国内にあるデータセンターに保管されるなど、セキュリティ面でも安心なのがNottaの魅力です。
またテキストを外部データとして出力したり、音声ファイルをアップロードして文字起こししたりできる点も使い勝手の良いところです。
　

2.生成AIは組み合わせて使うのもおすすめ

　
生成AIはここまで見てきたように、それぞれのツールで得意・不得意分野があるため、複数のツールを組み合わせて使うことでより効率化を図れます。
たとえば、ChatGPTで文章を生成した後に、Perplexityでファクトチェックを行えば、より信頼性の高いアウトプットが可能になります。
また、Claudeに仕様書を読み込ませてポイントを確認したあとに、GitHub Copilotでコード返還を行えば、仕様書からのコード変換が効率化されるでしょう。
他にも、Notta AIで文字起こししたデータをChatGPTで要点整理するなどもおすすめの使い方です。
　

3.迷ったら職種別のおすすめ生成AIを使ってみよう

　
数ある生成AIサービスの中から、自分は何を使って見れば良いのかはなかなか迷うところかもしれません。
もし、何から使うべきかわからないという場合には、職種別におすすめの生成AIをチェックしてみてください。
　

　
たとえば、マーケターなら、SEO対策に強いJasperや幅広いテキスト生成ができるChatGPTを使えば、文章の構成作成から実際のテキスト・記事をつくるところまで、ある程度のことは生成AIでこなせるでしょう。
　
また、営業職なら提案書やメールの下書きを効率化してくれるCapilotや、文章の要約などに強いGeminiを使って提案書のラフを作成できます。
実際の資料として出力する際には、スライド生成に特化したイルシルなどを活用してみるのも良いでしょう。
　

4.生成AIを仕事で使う際の活用法と注意点

　
業務を効率化してくれる生成Iですが、全てを生成AIでまかなうことはまだまだ難しい点があります。
また、人間の手を介するからこそ生じる熱量や、アイデア、状況に応じた機微を感じさせる配慮などは人が担うべき点にあります。
また、誤った情報を使ってしまうハルシネーションのリスクなども考慮する必要があるでしょう。
　
生成AIの違いを知った上で、さらに安心して活用するために必要な視点を最後にご紹介します。
　

4-1.生成AI活用のメリットを明確化

　
生成AIを使う際には、なぜ使うのかという目的を明確化してみましょう。
　
たとえば、生成AIは
　
・思考補助（ブレストが早い）
・情報整理と文章構造化が得意
・時間短縮による生産性向上
　
など、大きな魅力があります。
　
「頭の中にある考えを明文化・構造化したい」「今書いたメールの文章をブラッシュアップしたい」など、使う目的に合った生成AIを選べば、より効率的に使いこなせます。
　

4-2.生成AIのデメリットと注意点

　
生成AIは出力内容の正確性にはバラつきがあり、情報の不確かさや、誤った情報を生成AIが引用することによる情報の誤用をなくすためには、必ずファクトチェックが必要になります。
　
また、生成AIによるテキストやビジュアルは、トーンや文体が均質化しやすく個性が埋もれてしまうというリスクがあります。
生成AIを使った広告が炎上したり、生成AIらしさを感じさせる広告に対して消費者がネガティブな感情を抱く傾向にあるというレポートも近年報告されています。
　
こうしたリスクを減らすためにも、やはり必要となるのが使い手の感性や感覚、そして最後に自分の手を加えていくことです。
　

生成AIを比較しながら上手に付き合い、仕事の質を高めよう！

　
生成AIは、もはや一部の専門職だけのツールではなく、誰もが日常業務に活用できる「ビジネスのパートナー」です。
積極的に使いながら仕事を効率化させると同時に、「生成AIは万能ではない」と理解して、得意分野を見極めながら使っていくことが重要です。
　
大切なのは、「何を目的に使うのか」「どこまでをAIに任せて、どこから自分で手を加えるか」を意識すること。
AIに頼るのではなく、AIを使いこなすこと。これが、これからの働き方に求められる姿勢です。
ぜひあなたの仕事にも生成AIの力をうまく活用してみてくださいね！