子どもを持つと、誰もが「ママ」「パパ」という新しい名前で呼ばれるようになります。
仕事やプライベートでの自分とは違う「親としての顔」が増え、
いつの間にか「本来の自分」を後回しにしてしまう——
そんな経験はありませんか?
前回のVol.2(前編)では、「完璧主義を手放す勇気」をテーマに、
働く親たちが抱える「こうあるべき」というプレッシャーや、家庭・仕事・育児のバランスの中で見えてきた「手放すことの大切さ」を語り合いました。
立花さんが語った「夫婦で同じ土台に立ち、本音で向き合うこと」 、
古島さんが話した「できない自分も受け入れること」 、
そして中村さんの「違う文化の中で自分らしいやり方を見つけていくこと」。
それぞれのリアルな言葉から、「完璧じゃなくても大丈夫」というそれぞれが辿り着いた実感が見えてきました。
そして今回のVol.2(後編)では、その先にある「自分らしさ」をテーマにお届けします。
親である前に、一人の人間として自分を大切にするには?
夫婦の関係や人とのつながり、自分自身との向き合い方——
今回は、そんな「自分らしさ」との向き合い方をテーマに、リアルなエピソードを語ります。
にこちゃん編集長
TOPPANトラベルサービス株式会社が運営するメディア、BTHacksの編集長
2024年に双子を出産した2児の母。
古島夏美(ふるしまなつみ)さん
株式会社pono取締役
多胎家庭向け妊娠育児アプリ「moms」を運営。
5歳双子の女の子の母。前職のベネッセコーポレーションでは教材開発に携わる。
立花慎之介(たちばなしんのすけ)さん
声優、BLACK SHIP株式会社代表取締役
声優、ナレーター及びアーティストのマネージメントや、キャスティング、企画制作を行う事務所の代表を務める。
7歳の女の子の父。
1.家事分担のリアルー理想と現実のバランスー
にこちゃん編集長
パートナーとの話も出てきたところで、「役割分担」について伺いたいです。
みなさんはどんな工夫やルールを設けていますか?
「ここはお互いに譲り合う」「これはプロや家電に頼る」など、うまくバランスを取るために実践していることがあれば教えてください。
私は「家電課金派」で、買えるものは全部お金で解決したいと思っている派です!
古島さん
うちは乾燥機使ってるんですけど、もう畳む余裕がなくて、家族4人分の服を、それぞれの箱にポイポイ入れるだけになってます。
最近はもう、みんな洗濯機から直接取って着てますね。
子どもも「これ着るー!」って、そこから取り出してます(笑)。
中村さん
わかります(笑)。うちは干したハンガーのまま収納してます。
かわいい収納とかやりたいけど、いつまでたってもきれいにならない(笑)。
にこちゃん編集長
分かります!
Instagramで「理想の収納」を見て、保存するんですけど、見返す時間がない(笑)。
立花さん
うちは子どもが散らかすのを片づけるのはもう諦めました(笑)。
夜は僕が仕事で遅くなるので、妻が夕飯を作って寝かしつけまでワンオペになるから、
「片づけは置いといていいよ」って言ってます。
食器洗いや片付け、洗濯物を畳むのは僕の担当ですね。
洗濯は妻が服の素材ごとの洗い方や洗剤にこだわりがあって、僕が雑にやるとストレスになるから妻に任せてます。
僕は時間がある時に干したり畳んだりして、分担してる感じです。
にこちゃん編集長
バランス取れてますね。
立花さん
「子どもの片づけ」はまだ課題ですね。
「片づけ方」を教えてないのに「片づけなさい」は酷だなと思って。
だから「とりあえずこの中に入れる!」っていう仮置きボックスがどんどん増えてます(笑)。
あと小学校で、いろいろ作って持って帰ってくるんですけど、それらをどうしたらいいのかわからない・・
古島さん
わかります!うちも溢れまくってます!
「これどっちが描いた絵だっけ?」とか(笑)。
中村さん
「これ捨てていい?」って聞くと、「ダメ、使うの!」って言うんですけど。
「いつ使うの?」って聞くと「そのうち」って(笑)。
古島さん
うちもそうです。だから「1か月保留ボックス」を作って、何も言われなければ捨てます。
立花さん
でも突然来ません?「あれどこ?」って(笑)。
うちは作品は写真に撮ってiPadに入れて、「これ、もう捨ててもいい?」って交渉してます。
おもちゃも同じように写真で残して確認してもらう。
古島さん
なるほどー。それはいいですね。
2.「どっちが休む?」共働き家庭の子どもの健康管理
キャプション:お互いの話に共感(左から中村さん、古島さん、立花さん)
にこちゃん編集長
仕事があると体調管理がとても大切になりますが、子どもがいると、どうしても体調を崩しやすい場面も増えますよね。
立花さんはご夫婦とも役者で「カラダ第一」のお仕事ですが、どうケアされていますか?
立花さん
体調管理は初期対応が重要。
子どもが少しでも鼻をすすっていたら、僕と妻は即マスクで早めに手を打ちます。
コロナを機に漢方も取り入れました。体質改善の発想で、専門家の指導を受けつつ、子どもの量も調整しています。
5年やってきて「この症状にはこれ」という勘もついてきました。薬局にも漢方が増えましたし、咳など「前兆」の段階で先に飲ませると効くことが多いです。発症後は西洋薬の方が効くけれど、初期は漢方が有効な場面があると実感しています。
にこちゃん編集長
なるほど!
立花さん
まず初期で止めて、親に回ってこないようにします。
ウイルス系は突然来るので、「この嘔吐は触らない」と判断したら即マスク&手袋で処理したり、できる限り自衛してます。
にこちゃん編集長
意識の高さが違う…!「気合」じゃなく「実践」ですね。
立花さん
とはいえ、子どもの急な発熱はあるあるですよね。
さっきまで元気だったのに「熱?!」みたいな(笑)。
古島さん
しかも、大事な日に限って来ますよね(笑)。
そこからは夫婦で連係プレー、「明日はこう動くから、この時間に病院」「そのスキマで迎えお願い!」みたいな。
中村さん
そう、パズルですよね。迎えに行って、また戻って…の繰り返し。
古島さん
うちは夫婦とも在宅勤務していた時期、分刻みの連携プレーで乗り切っていました(笑)。
「これから会議だからこの時間よろしく!」「はい、お願い!」みたいな感じで、抱っこ担当を交代で乗りきってましたね 。
にこちゃん編集長
分かります。保育園からお迎えの連絡が入ると、切った瞬間から取引先や社内に「すみません!」の連絡を入れて、帰り道で夫と「明日以降の仕事をどう調整しようか」と相談して……もうバタバタですよね。
古島さん
共働きだと、「どっちが休むのか問題」ありますよね、毎回せめぎ合いというか(笑)。
にこちゃん編集長
そうですよね。
立花さんのご家庭はご夫婦そろって表に出るお仕事なので、特に大変そうですね。
どうされてるんですか?
立花さん
基本的には妻のほうが少し仕事をセーブしてくれていて、 家や学校まわりのことは妻が中心になって動いてくれています。
でも、妻が外せない仕事の時は、シッターさんにお願いするしかない。
頼れる実家が近くにないので、基本は2人でどうにかするしかないスタイル。
最近は近所に短時間預けられる民間施設もあるので、そういうところもうまく使いながら、何とかやりくりしています。
3.“ゆとり”を持って向き合う子育て
キャプション:自分らしい子育てのあり方について語る古島夏美さん
にこちゃん編集長
小さいうちから慣れていないと、人見知りや場所見知りの時期って大変じゃないですか?
立花さん
うちの子は生まれた時から、人見知りが全然なかったんです。
生後3〜4か月で保育園に入園したんですが、2日目にはもうご機嫌に遊んでました。
今も小学校に入ったばかりなのに、すぐに6年生の子と遊んでたりします(笑)。
中村さん
やっぱり早くから集団生活に入っていたのが良かったのかもしれませんね。
立花さん
そうだと思います。娘にとって「人と一緒にいること」がデフォルトなんですよね。
古島さん
うちは人見知りや場所見知りが強くて、しかも2人共だったので、児童館に行ってもなかなか私のそばを離れられず・・結局家で過ごすことが多かったです。
中村さん
うちの子どもは、保育園であまり泣かないタイプでした。
毎日泣く子もいる中でありがたかったです。
にこちゃん編集長
子どもって本当に一人ひとり違いますよね。
うちは双子ですが性格が正反対なんです。
それを見て、「育て方じゃなくて、生まれ持ったものも大きいんだな」って思いましたね。
全く同じ環境で同じように育ててるのに全然違うから。
だから育て方について「諦めた」とか「手を抜いた」っていうよりも、
もっといい言い方——「うまく折り合いをつける」とか「ちょうどいい距離感で見守る」とか。
立花さん
「個性を認める」ってことですよね、うちではそう言ってます。
できることを伸ばす、それが本人の自信にもなる。
日本って「できないことを克服しよう」って教育されがちですが、「できることを伸ばす」方が圧倒的に成果が出ると言われているんです。
だから、子どもの得意なことを観察して、「何に興味を持つのか」「どんな環境で輝くのか」を見ています。
それが、個性を尊重するってことなんだろうなと。
にこちゃん編集長
素敵ですね。
家事や育児を含めて、そういうポジティブな捉え方ができると、すごく心が楽になる気がします。
中村さん
私は中国出身なんですが、親がすごく大事に育ててくれたんです。
一人娘なのに海外へ行くことを許してくれて、今でも感謝しています。
だから、もし自分の娘が「日本じゃなくて、別の国で暮らしたい」と言ったら、それも彼女の個性として尊重してあげたいなって、夫と話しています。
にこちゃん編集長
昔は「男は仕事、女は家庭」といった、いわゆる”幸せの型”が社会の中にあったと思うんです。
でも、今はそれぞれが「自分にとっての幸せ」を選ぶ時代。
そう考えると、子育ても「こうあるべき」という枠にとらわれず、自分たちに合ったやり方を選べるようになった気がしますよね。
古島さん
「母親が100%子どものために尽くす」っていう時代ではないし、 子ども自身も望んでいない。
ママが怒りながら「あなたのためにやってるのよ」って言うのって、 誰も幸せじゃないと思うんです。
だから、自分が心地よくいられることを大事にしたいです。
「やってあげたい」と思える時にやる、それで十分かなって。
義務感ではなく、「心地よくできる範囲で」やるっていう感覚が、私にはしっくりきます。
産後は、それが分からなくなって自分を追い込んでました。
でも、見えるようになった瞬間に、ふっと力が抜けたというか、「これでいいかも」って思えるようになったんです。
立花さん
まさに「ゆとり育児」ですよね。
日本では「ゆとり」ってネガティブに捉えられがちだけど、育児に対して、もう少し心も体もゆとりを持っていいと思うんです。
にこちゃん編集長
そうですよね。ゆとりがないと、子どもにも与えられない。
中村さん
そうそう、顔にも出ちゃうし、言葉にも出ちゃう(笑)。
立花さん
そうすると子どもが空気を読んじゃうんですよね。
「お母さんを怒らせないようにしよう」とか、「静かにしてなきゃ」って、無意識に忖度するようになってしまう。
古島さん
育児ってマラソンみたいなものだと思っていて、ずっと全力で走り続けようとすると、どこかで息切れしちゃいますよね。
だから、「一旦休憩しよう」って思える力が大事。
キャリアも同じで、ゴールがあるものじゃなくて、ずっと続いていくから、「今日はちょっと休もう」でもいいと思います。
にこちゃん編集長
私、出産前は何事も気合で乗り越えるタイプだったと思います(笑)。
でも、子どもができてからは「この体調で無理をするのは違うな」とか、「今日は早めに休もう」って、考えるようになりました。
人生って長いし、子育ても長い。
「今、ここで無理して燃え尽きても意味がない」って思えるようになったんですよね。
目の前のことだけじゃなくて、長い目で自分や家族のことを考えられるようになりました。
立花さん
そうですよね。少なくとも成人するまでの20年は、見続けていかなきゃいけない。
にこちゃん編集長
だから、力を入れすぎず、いい塩梅でやる。
その感覚が、親としても人としても一番大事なのかもしれませんね。
4.「ママ」と呼ばれるようになって気づく、自分の名前とアイデンティティ
キャプション:みなさんの話に驚きと笑いがこぼれる中村彩維さん
にこちゃん編集長
子育てを始めると、「〇〇ちゃんのママ」「〇〇くんのパパ」と呼ばれることが増えますが、 仕事では旧姓で呼ばれたり、立花さんのように芸名を使っていたりと、名前の持ち方も人それぞれですよね。
そんな中で、「自分らしさ」ってなんだろうと感じたことはありますか?
中村さん
名前って、自分を形づくるものですよね。
私は30歳の時に中国から日本に来たんですが、中国にいる時の自分と日本にいる自分は、まるで別人のように感じるんです。
言葉も考え方も違うし、まるで脳が二つあるような感覚で、中国に戻ると一瞬で「中国の私」に戻るし、日本に帰ってくると「日本の私」になる。環境が変わると自然と”自分”の感覚も切り替わるんです。
結婚して「中村さん」と呼ばれるようになったときも、なかなか馴染めなくて。
最近ようやく、「中村さん」としての自分に慣れてきたかなと思います。
名前が変わることで、自分の中のアイデンティティも少しずつ変化していくんだなと実感しています。
にこちゃん編集長
旧姓で呼ばれると「ママ」でも「妻」でもなく、“私”としての自分を思い出す瞬間がありますし、逆に「ママ」と呼ばれることで新しい役割を実感することもあります。
環境や名前が変わることで、自然と自分の中のスイッチが切り替わる感覚、すごくよく分かります。
立花さん
僕も妻も芸名で活動しているんですが、仕事の現場に入ると、育児の話題ってほとんど出ないんですよね。
あえて触れない雰囲気もあって、みんなプロとして働いているという感じで、だから、ずっと芸名で呼ばれてます。
そういう意味で、仕事の中では「自分」の軸があまり変わらないというか、自己肯定感が揺らぐことは少ないですね。
でも、出産前に妻が言っていたんです。
「男性は結婚しても名前も変わらないし、何も失わない。でも女性は名前が変わり、最終的には「ママ」になって、自分の名前を失っていく」って。
その言葉を聞いて、確かにそうだなとハッとしました。
だから僕は、妻のことをちゃんと名前で呼ぶようにしていて、人に紹介するときも、「妻の◯◯です」と名前を伝えるようにしています。
妻にとってそれがどれだけ大事なことなのかは正直わからないけれど、「名前で呼ばれること」って、やっぱりその人らしさや自分を保つことにつながる気がするんですよね。
古島さん
それ、すごく分かります。
名前で呼ばれることって、すごく肯定感につながると思います。
社会の一員として仕事をしていると、旧姓で呼ばれるのが当たり前で、「個人としての自分」を感じられる瞬間でもある。
だから、そこがなくなってしまうのは少し寂しいですよね。
にこちゃん編集長
そうそう。それぞれの立場での自分があるって感じですよね。
出産してすぐ、「ママ、赤ちゃんですよ」って言われたとき、「私がママ?」って実感が湧かなくて、ちょっと不思議な気持ちになりました。
自分のことを「ママ」って言うのも最初は慣れなかったんですが、いつの間にか自然に使うようになっていて、気づけば”ママ”という役割も自分の一部になっていました。
中村さん
分かります。いままで一人の女性として生きてきて、子どもが生まれて、初めて買い物に出かけた時に、歩きながら「私、ママになったんだ。子どもがいるんだ!」って責任を感じました。
だんだん「ママである自分」に慣れていきますよね。
にこちゃん編集長
そうですよね、「◯◯ちゃんのママ」って呼ばれるようになって、自分が親になったんだと改めて感じます。
それで、「親としての役割を果たしたい」っていう気持ちにもなるし、一個人である自分に加えて、「子の親」としての責任や自覚も生まれてきた気がします。
そうやって新しい役割を受け入れていくことで、少しずつ“親としての自分”にも自信が持てるようになったり、自己肯定感につながっていくのかなと思います。
古島さん
そうですね。
自己肯定感という意味では、仕事でミスをしても、昔みたいに落ち込むことがなくなりました。
今は「ま、いっか」って切り替えられるようになった。
ママになって、いい意味で肩の力が抜けたなって思います。
中村さん
30代の頃は、日本での生活に慣れるのに必死で、仕事も頑張りたい、子どももほしい……といつも焦っていました。
でも、子どもが生まれて少し落ち着いた今は、「まあ、いいか」って思えるようになって。
以前は「こうしなきゃ」「なんでこんな事言われなきゃいけないの?」って悩むことも多かったけど、 「自分を許せるようになった」のは、ママになったからこそかもしれません。
にこちゃん編集長
本当ですね。
これまで気づかなかった自分の一面や、価値観の変化を実感することが増えましたよね。
5.「ママ友・パパ友」のリアルな関係性
キャプション:パパ友とママ友違いについて語る立花慎之介さん
立花さん
この前、子どもの保育園の同級生パパたち――いわゆる「パパ友」と集まる機会があったんです。
そこで気づいたのが、「パパ友の間には上下関係がない」ってことなんですよね。
例えば、近所づきあいだと「○○さんち」とか「○○さん」と呼び合って、年齢によって敬語を使ったり、ちょっとした上下関係が生まれたりしますよね。
でも、パパ友の集まりだと、みんな「同期」。年齢関係なくフラットに話せるんです。
その空気感がすごく新鮮で面白くて、「こういう関係性もあるんだ」って思いました。
ママ友もそういう感じなんですか?
古島さん
ママ友って「ママ○年目同期」みたいな、ママとしてのキャリアで同じステージにいる、みたいな空気はありますよね。
だから、年下のママでも、子どもが上の学年だったら「先輩感」ありますよね。
人生では年下でも、ママとしては先輩。
「こんなに若いのにもう3人のママ!」そういうリスペクト(笑)。
にこちゃん編集長
年齢よりも、経験値みたいなものがにじみ出るんですかね。
子どもの年齢や育児経験で自然と“先輩・後輩”みたいな感覚が生まれることもある気がします。
立花さん
なるほど、ママ友とパパ友は、ちょっと違う世界なのかもしれませんね(笑)。
にこちゃん編集長
男性のほうがラフな印象がありますよね。
深く入りすぎず、でもちゃんとコミュニティを回していくのが上手というか。
立花さん
保育園の送迎は僕の担当だったんですけど、朝の時間ってけっこうパパ率が高いんです。
「この人、朝はゆっくりめの出勤なのかな?」と思って話しかけたり、 自然とパパ同士で会話すようになりました。
でも、ママさんだと「えっと、あの子は誰のママだっけ?」みたいに、 ちょっとわからないことがあります(笑)。
6.自分らしさを保つためのセルフケア
キャプション:立花慎之介さんの話を興味深く聞いている中村彩維さんと古島夏美さん
にこちゃん編集長
こうして話していると、やっぱり人とのつながりって大事ですよね。
自己肯定感とかメンタルの安定って、誰かと話すだけでも全然違う。
ママ友・パパ友の存在も、実は自己肯定感を支える大切なものなのかもしれませんね。
みなさんは、自分の気持ちを保つために意識していることってありますか?
中村さん
私は運動ですね。
子どもが小さい頃はなかなか時間が取れませんでしたが、今はホットヨガに行けるようになりました。心も体も整えるために、「この時間だけは運動に行く」と家族にも宣言しています。
レッスンの最後に先生が「今日はヨガができる心と体に感謝しましょう」と声をかけてくれるんですが、その言葉が本当に沁みます。
古島さん
わかります、私も走るとスッキリして、前向きなことしか考えられなくなる(笑)。
頭の中が整理されて、自然とポジティブな結論に落ち着くんですよね。
立花さん
僕は根本的に自己肯定感が高いタイプなんです。
逆に高すぎて、妻を置いてきぼりにしちゃうことがある(笑)。
にこちゃん編集長
でも、夫婦のどちらかが前向きでいるのはすごくいいことですよね。
2人が一緒に落ち込むと大変だから、どちらかが明るく引っ張るって大事。
立花さん
そうですね。うちは両極端で、僕は「まぁなんとかなるでしょ」タイプ。
妻はしっかり計画派で、その通りにいかないと悩んじゃう。
だから僕は「それはそれでいいんじゃない?」って言っちゃうんですけど、それをストレートに言うと怒られる。
言い方って大事ですね(笑)。
でも妻が丁寧に考えてる分、そこはちゃんと尊重してます。
僕はどうやったら気持ちを上向きにできるかを考える係。
この業界って、ポジティブじゃないとやっていけない部分もあるんですよ。
だから、ちょっと鈍感なくらいがちょうどいいんです。
にこちゃん編集長
なるほど。育児もまさにそうかもしれないですね。
古島さん
寝不足のまま一人で育児してたら、誰でもネガティブになりますもんね。
ちゃんと寝て、朝日浴びて、人とちょっとしゃべる。それだけで全然違う。
立花さん
人としゃべるって、本当に大事ですよね。
家に帰ってから夫婦で話す時間も、すごく意味があるなと思います。
にこちゃん編集長
会話があると、気持ちもリセットできるし、「また明日もがんばろう」って思える。
SNSとの向き合い方についても聞かせてください。
いい面もあるけど、見すぎると比べちゃうし、落ち込むこともありますよね。
みなさんどうしてますか?
立花さん
うちは妻がX(旧Twitter)を見るのをやめました。
いい情報もあるけど、ネガティブな内容も多くて「見ていて気持ちが沈むことが多い」って。
その代わりにInstagramを見ていて、キラキラしてる投稿が多いから、見てて元気になれるみたいです(笑)。
古島さん
私は、遠い人のSNSは気楽に見られるけど、近しい人の投稿は「見ない」を選ぶ時もあります。
ネガティブな投稿や細かい感情系のつぶやきも、あえて見ない、自衛です(笑)。
そういうのを見る時間って、自分を削ってる気がして、私は見ない・忘れる・距離を置く、ですね。
中村さん
私もです。見ると比べちゃうし、みんな違うんだから、気にしない。
そもそもSNSを見る時間を減らした方がいい(笑)。
にこちゃん編集長
SNS見て落ち込んだり焦ったりするくらいなら、その時間を自分のリフレッシュや休息に使った方が、きっと心にも体にもいいですよね。
立花さん
ほんとそうです(笑)。
うちは「全部個性」って話してます。
うちの子が早くできたこともあれば、他の子は別の分野が得意があるし、今できてることがすごくても、先はわからない。
だから比べない、個性として認める、それだけで気が楽になるんです。
にこちゃん編集長
家庭の中で、こういう会話ができるかどうかで、雰囲気って変わりますよね。
パパが「個性だから大丈夫だよ」って明るく言ってくれるだけで、「あ、まぁいっか」って気持ちが軽くなることも多いと思います。
お互いのバランスですよね。どちらかが前を向いているから、家庭の空気が明るく保てる。
すごく大事なことだと思います。
ー対談を終えてーにこちゃん編集長コメント
仕事に、家事に、子育てに——。
毎日を全力で駆け抜けるワーキングペアレンツにとって、「完璧」や「理想のバランス」を見つけるのは、決して簡単なものではありません。
でも、今回の座談会で改めて感じたのは、「自分らしさ」は誰かと比べて測るものではなく、日々の小さな選択や、家族との何気ない会話の中にこそ宿るということ。
家事を完璧にこなすより、「今日はこれでいい」と自分にOKを出せること。
SNSで見る誰かの正解より、「わが家の心地よさ」を大事にできること。
子どもを導くより、「一緒に成長していこう」と思えること。
ママ・パパという役割の前に、一人の人としてどう生きるか。
その積み重ねが、きっと“親としての自信”や“自分を肯定できる力”につながっていくのだと思います。
「こうあるべき」にとらわれず、「これが私たちのやり方」と胸を張れる毎日を――。
このが、そんな小さなヒントになれば嬉しいです。







