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2026.02.09

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【海外移住体験談】スペインに住むには?必要な手続きを在住者が紹介

海外移住を決めても、ビザ申請などやるべきことが煩雑で、どこから手をつけていいかわからず、途方に暮れてしまう人は多いでしょう。
外国への移住準備は、ビザの手続きや家探しなど、考え始めるときりがありません。
しかし、手続きを地道に一つ一つ進めていけば、働きながらでも移住の準備が可能です。
今回は、スペインに住む筆者が、留学ビザや居住許可取得などに伴う手続きや社会保障について解説。
特に、スペインで就職すると利用できる公的医療に関しては、日本と異なる点が多いため、経験を交えて紹介します。
この記事を読んで、海外移住の参考にしていただければ幸いです。

目次

1. 海外移住の準備期間や必要な語学力

海外移住先の国・地域、期間、したいこと、経済事情により、海外移住の方法や準備は異なります
ここでは、移住の準備期間や移住前の語学力、移住期間などについて、スペインに移住した筆者の経験を中心に紹介します。

【筆者紹介】
筆者は、スペインのマドリードに住んで約20年です。
移住の理由は、一生に一度は外国に住んでみたいと憧れを持っていたこと。
特に強い意志があったわけではなく、就職後のキャリアに行き詰まって閉塞感を打破したいと選んだのが留学でした。
スペインを選んだのは、元々スペイン語を語学学校で学んでいたこと、一度旅行したときに肌に合うと感じたからです。

最初はバレンシアの大学でアートを学びたいと思いました。
しかし、手続きが煩雑だったこと、実力が伴わなかったことで実現せず、マドリードでアートの私立学校に入り、大学受験準備を始めました。
その後、マドリードに愛着を持ったこともあり、マドリードにあるデザイン系スクールの入学試験を受けたものの不合格。
留学は2年間の予定でしたが、マドリードの2年制の公立専門学校に入学してデザインを学んだこともあり、留学期間を延長後、マドリードで就職しました。

海外移住生活が長くなり、完全帰国を考えたこともありましたが、パートナーや友人に恵まれ、今も移住生活を継続中です。

1-1. 海外移住決断から実行までの期間は予算や方法次第

筆者の場合、海外移住を決めてから実行するまでの期間は2年強。
費用を抑えるために仲介業者に依頼せず、働きながら準備を進めたこともあって、余計時間がかかりました。
経験者の情報を参考にする、経験談がわかるメディアを活用する、業者などに頼むなど、工夫すれば、準備期間は短くて済むでしょう。

筆者は海外移住の準備を始めるために、残業が多かった職場から残業の少ない職場に転職しました。
移住にこぎつけるまでの間、本当に移住するのか直前まで迷っていました。
しかし、家族に「一度留学を経験して損はない」と背中を押され、手続きを進めた覚えがあります。

留学ビザ取得には学校入学の証明書が必要だったため、移住前に経済的な学校探しとしてスペインに一時滞在したこともあります。
ここ数年の渡航費や滞在費が高騰したことを考えると、日本から手続きができる学校の方が結果的に費用を抑えられる可能性は高いでしょう。
しかし、その頃は円高で渡航費や滞在費が安価だったこともあり、気軽に海外旅行ができる環境にあったため、筆者はスペインに短期滞在して学校探しをしました。

1-2. 必要最低限の語学力でもスペイン移住は可能

スペインでは、語学が完璧でなくても、理解しようと努力する人が多いと思われます。
移住先で語学を活かす学校や職場でなければ、あまり言葉を気にする必要はありません。
スペインでは英語ができない人が多いため、片言でも英語よりスペイン語で話した方が、より多くの人と接する機会ができるでしょう。

筆者の場合、海外移住準備段階のスペイン語力は、買い物などで最低限必要な会話ができる程度。
当時はインターネットが発達しておらず、学校探しや入学条件の確認、手続きなどに時間を要しましたが、日本のスペイン語学校の先生など、周囲の協力を得て手続きを進められました。
ネット上であらゆる情報が見つかる現在では、語学に自信がなくても、自動翻訳ツールなどを利用して、準備を進められるでしょう。

スペイン移住後は、聞き取りなどはある程度上達しますが、自然にスペイン語がうまく話せるようになるわけではありません。
間違った文法を使っていても周囲が理解してくれるため、40年間住んでも正確に話せない人はいます。
スペイン語を正確に使いたければ、常にブラッシュアップする必要があるでしょう。

1-3. 移住に適した期間設定は柔軟に

海外移住計画時は、どのくらいの期間滞在するかということも考えるのではないでしょうか。
移住前に期間を決めても、移住後に予想外のことが起これば、期間変更を余儀なくされることも覚悟しておきましょう。

筆者の場合、1年でも十分楽しめると考えていましたが、暮らしてみると、最初の1年は滞在許可の手続きなどすべきことが山積みで、移住生活を楽しむ余裕がありませんでした。
2年目になると生活にゆとりができて、友人が増えたこともあり、今度はもっと長くいたいと思うようになってしまいました。

スペインに滞在した日本人のなかには、約2年の留学後に十分楽しんだとすっきりした顔で帰国した人、1年の滞在後にスペインの生活が忘れられないと何度もスペインを訪れる人と、人それぞれ。

ちょうど良い期間滞在できれば良いですが、各々の事情で思いどおりにいかないことも多いでしょう。
事情が許す限り、柔軟に滞在期間を決められたらいいですね。

1-4. 移住先決定は慎重に

移住先は、地方の言葉や文化を良く調べたうえで、慎重に決定することをおすすめします。
特にスペインでは、自治州によって言葉や文化が異なる場合があるからです。
例えば、バルセロナのあるカタルーニャ州のほか、カタルーニャ州に接するバレンシア州、美食で注目されるバスク州、巡礼地として有名なガリシア州などでは、それぞれ独自の言語や文化を持っています。
観光中はスペイン語のみで問題ないものの、学校の授業や職場で土地の公用語が使われる場合には、土地の言語を学ぶ必要が出てきます。

さらに、自治州によって手続き方法や税金など異なることも多々あります。
居住許可証は国が発行するものの、後程紹介する社会保障などは各州で異なる可能性があるため、引っ越しの際は、病院の予約方法などの違いに戸惑うこともあるでしょう。

また、周囲の日本人に聞くと、どんな理由で場所を選ぶにしても、最初に移住する土地は、後から愛着の強い場所になると口を揃えて言います。
筆者は当初、大都市ではなく、海のあるバレンシアに住みたいと思っていましたが、最初に住んだマドリードに愛着が湧き、今も変わらずマドリードに住んでいます。

何を優先するかにもよりますが、移住の目的を考えて、最適と思う場所を選んでください。

1-5. スペイン移住を試したいときにおすすめのビザ2つ

筆者は留学ビザで移住しましたが、ほかの方法で移住したい人もいるでしょう。
スペインでは、留学ビザや就労ビザのほかにも、研究査証、インターンシップビザ、起業家のための居住査証、非営利目的居住査証など、数種類のビザがあります。

さらに、次のビザも多くの人に利用されています。

1-5-1. 18歳以上30歳以下であれば1年間取得可能なワーキングホリデービザ

ワーキング・ホリデー制度は、条件を満たせば、海外移住先で最長1年間働ける魅力的な制度です。
この制度を利用できる国は増えており、現在では世界約30ヶ国・地域となっています。

スペインの場合、主に次の条件を満たす必要があります。

・査証申請時の年齢が18歳以上、30歳以下の日本在住の日本人
・ワーキング・ホリデー・査証を発給されたことがないこと
・スペインの場合、年間発給枠があり、令和7年1月1日現在で500人まで
・被扶養者を同伴しないこと
・1年オープンの往復の航空券の予約、もしくは往路のみの航空券の予約
・最初の数ヶ月間の滞在費用をまかなえる2,000ユーロ相当額以上の経済能力の証明

民間医療保険の加入は義務とされていませんが、加入しない場合には自己負担の医療費を高額請求される可能性があるため、加入をおすすめします。

1-5-2. リモートワークで働く人の可能性を広げるデジタルノマドビザ

スペインでは、リモートワークで働く人を対象に、次の条件に当てはまる場合、ビザを発給しています。

・スペイン国外の企業に勤務する従業員
・個人事業主
(この場合、スペイン国内企業での業務量が全体の20%を超えないこと)

上のどちらかの条件を満たす人のうち、著名な大学、職業訓練センター、またはビジネススクールでの学位または修士号を取得、または少なくとも3年間の職業経験がビザの取得に必要となります。

デジタルノマドのビザには、配偶者のほか、ビザ申請者本人に扶養されている子供、親、祖父母などの家族もビザを取得可能。
初回のビザ申請で最長1年間の滞在が認められ、更新すれば、合計5年間滞在できます。

なお、デジタルノマドビザ取得には、スペインで利用できる民間医療保険への加入が必須となっています。

2. 海外移住前に済ませたい日本国内の手続きとスペインでの注意点

海外移住の前には、日本で済ませておきたい手続きを把握しておきましょう。
インターネットが発達して、海外にいてもできることは増えましたが、今でも日本国内でしかできない手続きがあります。

ここでは、渡航後に後悔しないように、筆者が必要と考える手続きをピックアップします。
会社員などとして海外転勤する場合には手続きが異なる場合があるため、ここでは、主に日本の職場から離れて、個人として海外移住する人向けに必要な手続きをまとめました。
日本とスペインで結ばれている「日西社会保障協定」、スペインの銀行口座開設や運転免許などについても簡単に説明します。

2-1. 海外転出届提出に伴う注意点

海外移住の際、基本的に1年以上海外に住む予定があれば、海外転出届を出します。
海外転出届を出すと、住民基本台帳から住民票が除票され、住民税や国民年金、国民健康保険の支払い義務がなくなり、移住先で在外選挙人名簿登録ができるようになります。
反面、マイナンバーカードの国外継続利用申請書提出などの手続きが必要です。

スペインでは、住民登録をするときに、日本に住民票を置いてあっても、現在のところ、特に支障はないようです。
海外転出届は出さないほうが手続きが少なくて済むため、1年以内に帰国することを考えていたら、住民票の住所を実家に移すなど、国内に住民票を残すことをおすすめします。

海外転出届の提出は、国外転出する日の約2週間前から当日まで。
出発の2週間前となると、荷物の準備など、行うべきことが山のようにあるので、事前に自治体の役所や口座のある銀行で必要な手続きを確認し、できることから行い完了させておきましょう。

次に、海外転出届提出に伴う手続きとその際の注意点を紹介します。

2-1-1. 【医療保険】国民健康保険は脱退する

海外転出届を提出すると、国民健康保険は脱退する必要があるため、一時帰国の際に日本国内で病院にかかる場合は民間の医療保険に加入します。

海外転出届の手続きをした後に国民健康保険の脱退申請をし、保険証を返却しましょう。
保険料の支払い義務は、基本的に転出月からなくなり、保険料は月割りで計算されて、被保険者でなくなった月の前月まで支払います。
手続き方法などは自治体によって異なる場合があるので、事前に住民票のある自治体で確認するのが確実です。

なお、就労用居住許可証取得で利用できるスペインの公的医療については後述します。

2-1-2. 【国民年金】任意加入の手続きをする

国民年金は、国籍が日本であれば海外在住期間も任意で加入できるので、海外で年金制度に加入しないのであれば、任意加入の手続きをするのがおすすめです。

日本とスペインには「日西社会保障協定」が結ばれています。
そのため、スペインの年金制度に加入していれば、日本の国民年金に任意加入しなくても、両国の年金制度への加入期間を通算して、年金受給のために必要とされる加入期間の要件を満たせます。
年金を受ける際は両国で年金額が計算され、それぞれの国から受け取れるようになります。
ただし、両国の年金制度に二重に加入した期間がある場合、年金加入期間の通算に当たっては二重にカウントしないといった点に注意が必要です。

2-1-3. 【銀行口座】非居住者向け口座を開設する

非居住者は日本国内の税制や銀行サービスの適用範囲が変わるため、一部の銀行では口座を解約する必要があります。
国内に口座が必要であれば、非居住者向けサービスを提供する三井住友銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行などの口座を開設しましょう。

スペインに口座を作るときは、慎重に口座を選ぶ必要があります。
従来の普通預金口座は、給与振り込みなどの条件をクリアしないと、口座の維持やサービス利用に手数料がかかることが多いです。
スペインでは手数料無料のネット銀行が増えており、サンタンデール銀行やカイシャバンクといった大手銀行でも手数料無料のネット口座を開設できます。
手数料のほか、ATMの利用しやすさなどを考慮して、使いやすい口座を選んでみてください。

2-2. 確定申告の提出

年度途中に海外へ移住する場合、確定申告をする必要があれば、出国前に申告を済ませるか、納税手続きを行う「納税管理人」に頼む必要があります。
海外移住までに確定申告書の提出や納税をしなければ、加算税や延滞税がかかる場合があります。

海外転出届を出さず、自分で申告する場合は、オンラインで確定申告ができるようにしておきましょう。
海外転出届を提出すると、e-Taxを使った確定申告はできなくなるので、注意してください。

スペインの確定申告は、通常、次の年の4月から6月に行います。
企業に勤めている場合、年末調整などはないものの、オンラインなどで比較的簡単にできます。
筆者は、疑問があったときにスペインの国税庁に予約して、スタッフに手伝ってもらって申告したこともあります。
年齢や収入、自治州によって受けられる家賃の控除など、控除項目は見逃さないようにしましょう。

2-3. 日本の運転免許証更新やスペインでの運転免許証

海外でできない手続きの一つが日本の運転免許証更新です。
海外移住後、運転免許証の更新期間内に一時でも帰国しなければ、特例として更新期間前に更新を受けられるため、事前に更新しておくと安心です。

運転免許は、失効しても、失効日から6ヶ月や3年以内であれば、出入国記録が押されたパスポートを見せることで、免許試験のうち、技能試験及び学科試験が免除されます。
しかし、元々優良運転者であっても、失効していた期間によって、免許センターまで行って長時間初回講習を受講する、更新期間が短縮される、更新料が高額になるなどデメリットが多いです。
筆者は数年間更新期間内に帰国できず、何度も初回講習を受講し、運転免許証更新の重要性を痛感しました。
運転免許更新の手続きや初回講習に半日ほど費やす可能性があるため、運転免許証失効には注意が必要です。

スペインの居住許可証を持っていれば、日本の運転免許証からスペイン運転免許証への切り替えも可能です。
運転免許証の切り替えには、日本大使館・総領事館が発行する運転免許証の翻訳証明などの準備が必要なので、早めに手続きを進めましょう。

移住後の国際運転免許証有効期限に要注意

移住するときには、国際運転免許証やEU加盟国運転免許証の入手を考える人は多いのではないでしょうか。
通常、国際運転免許証は発行日から1年間有効ですが、スペイン居住者となる場合には、国際運転免許証による運転はスペイン居住開始後6ヶ月まで、EU加盟国運転免許証による運転はスペイン居住開始後2年までに限られます。
有効期限を過ぎて、うっかり運転しないようにお気をつけください。

2-4. 公文書の国際的な証明ができる公印確認とアポスティーユ

海外移住先で、入学・就職・婚姻・離婚・出生などの手続きに、公印確認やアポスティーユ(Apostille)が必要な場合があります。
公印確認とアポスティーユは、日本の官公庁などが発行する公文書に対する外務省の証明のこと。

公印確認では、外務省で公印確認をもらった後、日本にある外国の大使館・領事館で領事の認証が必要ですが、アポスティーユであれば、大使館・領事館の領事認証が必要なくなります。
アポスティーユは、約90ヶ国あるハーグ条約締約国のみで有効であるため、移住先で必要なのはアポスティーユか公印確認なのか、外務省で確認するといいでしょう。

海外移住先の就職に学校卒業証明が必要になる場合にも、アポスティーユがあれば安心です。

公印確認やアポスティーユを取得するには、日本の学校へ証明書の依頼、翻訳と翻訳の認証手続き、外務省の証明依頼など、手続きに手間と時間がかかるため、少しでも早く準備を始めましょう。

筆者の場合、留学先の学校入学のために高校の卒業や成績証明書に対して日本の外務省でアポスティーユを取得。
その後、アポスティーユ付きの学校の成績証明や卒業証明を、スペインの「教育・職業訓練・スポーツ省」に提出して正式に認定を受けました。

日本の学位を移住先で認定する方法は要確認

大学の場合、国・地域によりカリキュラムが異なるため、アポスティーユだけでは学位が認定されないことがあります。
スペインで大学卒業の認定を受けるには、アポスティーユのほか、現地の大学で認定に必要な科目の講座を受けるなどの対応を求められる可能性が大きいです。

しかし、必要な対応は自分の持つ学位や学位を求める機関によって異なり、書類提出で済む場合もあります。
条件をクリアするためには何が必要なのか、確認することをおすすめします。

3. 海外移住先でビザや居住許可証取得のためにすべきこと

スペインに留学する際のビザや居住許可証取得の流れは以下のとおりです。

・留学ビザ取得
・居住許可証の申請
・就労用居住許可証の申請(就労する場合)

それぞれ、スペイン政府から受理されるには要件があり、その要件を満たすために、自分に合った学校や家、仕事を探し、書類を揃えなくてはいけません。

次からはスペイン移住にあたって、関門ともいえる手続きについて紹介します。

3-1. スペイン留学ビザ取得のために学校を探す

スペインへの移住を比較的簡単に実現できる手段の一つが留学です。
留学ビザ取得には、認可された教育機関の週20時間以上のコースへの登録や入学許可されたことがわかる証明書類が必要です。
スペインで留学ビザを取る方法として多くの人が利用するのは、大学の交換留学プログラムや私立の語学学校でしょう。
特に私立の語学学校は、入学試験などがなければ誰でも入学許可証を受けられるので、留学ビザ取得が手軽ですが、受講料の高さが難点です。

筆者は自分で探した学校の証明書で運良くビザを取得できましたが、最近はビザの取得要件が厳しい傾向にあるので、学校探しの前に、スペイン大使館などで最新情報を入手してみてください。

留学準備に時間を費やしたくなければ、最初は投資と思って私立の語学学校に入学して、スペインに住み始めてから公立の学校などを探すのも一つの方法です。

スペインの公立専門学校

海外留学では、公立の学校で学べれば、授業料などのコストを節約できる可能性が高まります。
筆者は、移住2年目から公立の学校に通い、学生としての滞在許可を更新しました。
スペインの公立専門学校には、試験が必要な学校と必要のない学校があり、高校の卒業資格があれば申し込めます。
申し込みには前述のアポスティーユが必要となるので、興味がある人は準備しておくと良いでしょう。

スペインの公立専門学校では、観光、調理、プログラミング、美容、歯科技工など、さまざまな学科があり、学校で約1年半学んだ後、数ヶ月の企業実習を体験しました。
縁があれば、実習先の会社に入社できます。
日本の高校卒業証明のアポスティーユしか持っていなくても、スペインで高等の専門学校卒業資格を得られれば、就職にも有利になるでしょう。

なお、公立専門学校ではスペイン人と一緒に学びます。
筆者は授業の速度に追いつけず、クラスメートにノートを写させてもらっていました。

3-2. スペインの居住許可証申請に必要な家を探す

留学ビザを得た後、スペインで必要な書類を準備して、管轄する警察署などで居住許可証を申請します。
このとき、マドリードなどで必要となる住民登録証明書を得るために、多くの人が苦労します。

ビザの有効期限が切れるまでに条件に合う物件を見つけ、必要であれば家主に賃貸証明書を書いてもらい、自分が住む自治体に住民登録をして、証明書を発行してもらわなければいけません。
筆者の場合、当時は家賃が安く、住む場所は比較的簡単に見つかりましたが、最近は賃貸料の高騰からか、条件に合う物件探しが難しくなっているようです。

スペインではアパートを一人で借りるほか、アパートを数人でシェアする、寮に入る、ホームステイ先を探すなどの方法があります。
なかでも、最初に移り住むときに比較的リーズナブルでおすすめなのがシェアハウスです。
アパートを一人で借りると給料明細などの書類提出、年間契約など条件が厳しいですが、シェアハウスの条件は貸主との交渉次第。
さらに、数ヶ月単位で借りられる物件が多く、同居人とスペイン語の練習ができるだけでなく、同居人を通じて、友達を増やすチャンスも豊富です。
借りるときには、アパートの家主が各部屋を貸すタイプ、一人がアパートを借りてほかの人に部屋を貸すタイプがあります。

次に、参考としてシェアハウスを探せるサイトを紹介します。

3-2-1. 【idealista】幅広い種類の物件をチェックできる


画像出典:idealista

「idealista」は、筆者が家探しのたびにお世話になったサイト。
物件の賃貸や売買が多いものの、シェアアパートも豊富です。
個人の掲載物件と不動産会社仲介物件が混在していますが、不動産会社の物件は手数料がかかる、借りる条件が厳しいなどの可能性があるので、事前に条件を確認しましょう。

「idealista」
公式サイト:https://www.idealista.com/

3-2-2.【Spotahome】内見せずに物件を契約できる


画像出典:Spotahome

「Spotahome」は、スペインに赴いて内見しなくても、日本から物件を契約できるサイトです。
スタッフのサポートがあり、安全に借りられるのが売りですが、口コミを見ると、賛否両論です。
物件を内見した場合でも借主と食い違いは生じますが、内見せずに契約する場合は、特に安全性などを十分確認してから契約するようにしてください。

「Spotahome」
公式サイト:https://www.spotahome.com/

スペイン居住許可証の申請手続きで、住民登録証明書などの書類が受理されると、外国人身分証明番号 (NIE)が入った外国人身分証明書(TIE)が与えられます。
外国人身分証明書(TIE)はスペインやEU圏内での身分証明書となり、外国人身分証明番号はスペインで働き始めても変わりません。

なお、移住方法によって住民登録が必要ない場合でも、意外なところで住民登録日が反映される場面が出てくるので、可能な限り早く登録することをおすすめします。

3-3. 就労用居住許可証申請に必要な仕事を探す

海外移住でネックとなるのが仕事探しでしょう。
筆者の場合、結果的に知り合いから得た情報が元になって就職先が見つかりましたが、最初はアルバイトとして働き、正社員として就職するまでは長くかかりました。

就職には、就労用居住許可証所持が条件になることがほとんど。
就労用居住許可証がなければ就職できず、就労用居住許可証取得には働く企業・団体の証明が必要という、就労用居住許可証申請が不可能ではないかと思う状況に陥ります。

最初は正社員としてではなく、アルバイトや契約社員として雇う場合が多いため、正社員として雇ってもらわなければ意味がないと帰国した人も多数います。
時間と滞在費用に余裕があれば、筆者のようにアルバイトや契約社員として始めて、その会社でもっと長く続けられると分かった時点で、就労用居住許可証を会社に申請してもらうのが比較的簡単だと思われます。
また、起業して就労用居住許可証を得ることも可能です。
就職前に海外移住が難しければ、移住先の人や現地に住む日本人と交流して、就職先を探してみてください。

最初に就労用居住許可証を取得するときは、同じ業種・職種で期限は1年と厳しい条件ですが、少しずつ期限が長くなり、居住許可更新の条件も緩くなっていきます。
現在は、合計5年間外国人身分証明書を更新した後に、長期居住許可証を取得できます。
最近、筆者が長期居住許可証を更新したところ、手続きに必要なのはパスポートなどの書類提出のみで、5年ごとの更新だったものが10年ごとの更新に変更されました。

なお、以前は「永住」の名前がついた許可証も発行されていましたが、現在、スペインで働く一般的な日本人に与えられるなかで一番長期の許可証は、長期居住許可証となっています。
スペインをはじめ、EU諸国出身の配偶者がいる場合、配偶者向けの許可証を申請できるようです。しかし、筆者の周りですでに長期居住許可証を持っている人は、手続きの煩雑さなどを考えて、変更する人は少ないです。

条件などは変更される可能性が高いので、その都度確認したほうがよいでしょう。

3-4. 居住許可証申請や更新に必要な手続きを乗り越える

海外移住にあたって、居住許可証の取得・更新手続きは大きな壁の一つ。
スペインでは、数年前まで、手続きの際だけでなく、申請に必要な情報収集にも屋外で長時間待つことを強いられました。
やっと入口にたどり着いても警察官から冷たい対応を受けることが多く、同じように手続きをする日本人は口々に「更新のたびに帰国したくなる」と言っていました。

最近では、システム化されたのか、待ち時間が短縮され、警察官も穏やかな対応の人が多くなったように感じられます。
しかし、大都市の場合、インターネットで手続きの予約を取るのも一苦労です。
居住許可証の種類などによって手続き方法や必要書類が異なり、公的機関のサイトを探しても必要な情報が見つからないことが多く、壁にぶつかることも珍しくありません。

そんなときに日本の友人に愚痴をこぼすと、「そこまでして、なぜスペインに住み続けるの?」と不思議がられました。
筆者の場合、日本では得られなかった経験や人間関係の魅力が、手続きの大変さを上回ったとしか言いようがありません。

海外移住に必要な手続きを書き並べると大変な部分に目がいきがちですが、手続きを始めると、助けてくれる人などが現れ、いつの間にか終わっています。
移住者同士で情報を共有すれば、有用な情報が入ってくるようになります。
警察官の冷たい態度にもそのうち慣れ、理不尽な点に文句を言う位の余裕も出てくるでしょう。

最初は大変ですが、誰もがクリアできる手続きだと思って、一つずつ進めてみてください。

3-5. <おまけ>スペインの手続きに便利な電子証明書を入手する

スペインの公共機関の手続きに便利なのが電子証明書です。
電子証明書を取得すると、公共サービスの手続きをオンラインでできるようになります。

居住許可証の手続き予約にはじまり、住民登録証明書発行、引っ越しに伴う保険証や居住許可証の住所変更など、電子証明書でできることは年々増えています。
電子証明書がない場合、スペインでは公的機関に出向いて手続きをするにも予約が必要なことが多く、しかも、その予約がなかなか取れないことも珍しくありません。
電子証明書がないと手続きの場所を探すだけでも時間をロスするため、電子証明書のメリットは大きいです。

スペインの電子証明書にはいくつか種類があり、それぞれ取得方法や特徴が異なります。
筆者はデジタル証明書「Certificado digital(セルティフィカード・ディヒタル)」と「Cl@ve(クラベ)」を持っているのですが、Cl@veではできない手続きがあり、使うのは主にCertificado digitalです。

Certificado digitalはデジタル署名の一種であり、デバイスのブラウザにソフトウェアをインストールして証明書を申請する、関連機関に赴いて身分証明書などを確認してもらうなどの手続きが必要です。
慣れていないと、インストールにエラーが発生する、手続きの予約がなかなか取れない、コピーを作成していないとパソコンが壊れたときに申請し直す、数年で期限が切れるなど難点があります。
しかし、さまざまな機関で利用できるため、スペインに何年も住むのであれば、入手することをおすすめします。

4.就労用居住許可証取得で利用できるスペインの社会保障3つ


スペインの公的医療機関(筆者撮影)

スペインへの移住後、就労用居住許可証を入手すると、社会保障制度の加入手続きを取ることになります。
スペインの社会保障には、主に医療、公的年金、失業給付が含まれており、一部の公務員や軍の関係者などを除き、スペインで働く労働者が加入しています。
企業で働く場合は基本的に雇用主が手続きを行い、社会保障番号が与えられると、社会保障サービスを受けられるようになります。

年金・医療の被用者負担は、給料から天引きされる形で4.7%。
個人事業主の場合、起業して最初の12ヶ月は80ユーロ、その後は収入によって異なるようです。

次に、スペインの主な社会保障を3つ見てみましょう。

4-1. 最高2年間給付を受けられる失業保障

スペインでは、移住者であっても、雇用契約終了など、勤め先の都合で仕事を失った場合、求職者給付を受ける資格を得ます。
失業だけでなく、10%から70%の給料カットなどの場合にも一部求職者給付を受けられます。
求職者給付を受けるには、過去6年間のうち、最低でも360日間社会保険料を払うことが条件の一つです。
給付を受ける期間は社会保険料を納めて働いた期間により異なり、1800日を超えれば24ヶ月もらえます。

求職者給付を受けている間は、3ヶ月ごとに事務所やインターネットで更新手続きをして、1年のうち、30日間を超えて外国に行く場合は届出が必要です。
4週間ごとにハローワークで求職活動の実績などを確認する日本と比べると、給付を受ける条件は緩いと言えます。

移住者にとって、心配なのは、失業中に就労用居住許可証の更新時期を迎えることでしょう。
筆者は求職者給付が切れた後に就労用居住許可証の更新手続きをしましたが、長期居住許可証を持っていたからか、問題なく更新できました。

なお、居住する州によって、失業中は職業に関する講習を無料で受けられます。
失業中の証明を見せれば、プラド美術館といった博物館の入場料が無料になることも失業の思わぬ特典です。

4-2. 条件を満たせば生活に十分な受給額をもらえる公的年金

スペインの公的年金の受給は、最低でも15年間の保険料を納めることが条件になります。
100%の受給権を得る拠出期間は、2023年以降は36年6ヶ月、2027年以降は37年の拠出期間が必要
です。

スペインでは、現在のところ多くの人が65歳で定年を迎えますが、60歳近くなると、年金生活を待ちわびる人が増えるように感じられます。
条件を満たせば、十分暮らせる受給額をもらえる人が多いからでしょう。
スペインに移住した日本人も例外ではなく、年金生活を満喫している人が目立ちます。

なお、スペインは、日本同様に世界でも平均寿命が高い国です。
高齢化により、今後も受給年齢の引き上げや条件の変更が見込まれています。

4-3. 無料で受けられる公的医療

スペインの社会保障制度へ加入すると、海外からの移住者でも公的医療を受ける資格を得ます。
公的医療機関で診察を受ける場合だけでなく、入院や手術も医師が認めれば、基本的に無料です。

医療に関しては日本と異なる点が多く、利用当初は戸惑ったことが多かったため、次の章で詳しく説明します。

5. スペインと日本の公的医療の違い

スペインの社会保障のうち、公的医療制度は、日本と異なる点が多いです。
なかでも、最初に戸惑ったのが、診察料や入院料などが無料であること。
スペインで働き、社会保険料を払っている人はもちろん、失業中でも、居住許可証を持っていれば無料で公的医療を受けられます。

ここでは、スペインの公的医療の仕組みや公的医療で受けられないことなどを紹介します。

5-1. スペイン公的医療に保険証取得は必須

スペインで公的医療を受けるためには、保険証を取得する必要があります。
オンラインでも保険証は申請できるようですが、取得方法がわからなければ、最寄りの診療所で聞くのが確実です。

基本的に、住民登録をした住所に従って診療所や病院が割り当てられます。
診療を受ける前に、午前と午後のどちらかを選ぶと、怪我や病気で最初に受診する総合的なかかりつけ医が決定されます。

後述するように、筆者は保険証の取得前に入院して治療を受けましたが、それは救急だったからでしょう。
その後、保険証取得に手間取り、退院後の診察時や薬局で薬を買うときにも保険証を提示できなかったため、保険証を持ってくるように繰り返し言われたことを覚えています。

5-2. スペイン公的医療ではかかりつけ医が第一関門

スペインの公的医療では、風邪や皮膚のかゆみ、目の痛みなど、健康に関することは、割り当てられた診療所へ予約して、かかりつけ医に診てもらうのが基本。
かかりつけ医は、患者に投薬や精密検査、専門医の診察が必要なのか判断を下します。
かかりつけ医が必要と判断したら専門医へ予約して、専門診療所や病院で検査や処置が行われる仕組みです。
そのため、かかりつけ医が必要と判断しなければ専門医に通されない、専門医に診てもらうまで何ヶ月もかかるといったケースが頻繁にあります。

スペイン在住の筆者の周りでは、スペインのかかりつけ医は多くが内科医であり、専門外の診療科について判断を下すのは限界があるという声がよく聞かれます。
マドリードやバルセロナでは、担当のかかりつけ医が気に入らなければ、かかりつけ医や病院を変えられますが、その制度が整っていない州もあるようです。

マドリードに住む筆者は、かかりつけ医を変えてみたいと思っているものの、実際、ほかにどんな医師がいるのか情報がつかめないまま、変えられずにいます。

なお、薬には自己負担分があり、医師に処方箋を書いてもらい、薬局で収入などに応じた負担割合を支払います。

5-3. スペイン公的医療でできないこと

スペインの公的医療保険は、無料で医療を受けられるのがメリットですが、できないこともあります。
日本との大きな違いの一つは、基本的に、診療科ごとに病院を変更できないこと。
診察や手術の予約が取れなければ、順番になるまで待つしかありません。
日本では、「内科は病院A、耳鼻科は病院B」といったように、病院を複数から選択できるのは利点と言えます。

日本の人間ドックのように多数の検査は受けられないこともスペインと日本の違いです。
スペインでは、会社など職場で健康診断を実施することはあるものの、公的機関では心身の異常を訴えないない限り、精密検査を受けられません。
婦人科検診や大腸がん検診などは、年齢に応じて受けられる仕組みですが、条件を満たさなくても検診を受けたい場合は、自費で民間の医院にかかることになります。

歯科医の場合、公的医療機関では虫歯の治療などは行われず、抜歯などの処置に限定されると言われます。
そのため、スペインでは歯科を含む民間医療保険に加入しなければ、歯科治療は全額負担が一般的です。

スペインの公的医療保険と民間医療保険

スペインの公的医療保険では、判断がかかりつけ医に委ねられること、直接専門医に診てもらえないために、治療を受けるまでに何ヶ月もかかることがざらにあります。
そのため、公的医療保険と民間医療保険を併用する人が少なくありません。

これまで聞いたところ、民間医療保険に加入する人は、皮膚科や耳鼻科、眼科などの専門医にすぐ行けるようにするためだという人が多いです。
民間医療保険の病院や診察所では、歯科治療や特殊な手術、投薬など、公的医療でカバーされないことをできる場合もあります。
保険会社や種類にもよりますが、入院時に個室が与えられるのも民間医療保険のメリットと言えます。

5-4. 病歴などの情報共有システム

スペインの全地域ではないかもしれませんが、マドリードでは、検査結果や診断結果などを患者本人がオンラインやアプリで見られるようになっています。
筆者は試したことがありませんが、診察後に医師の所見やレントゲン写真などを確認できるようです。

かかりつけ医の診察予約などもオンライン予約が可能です。
医療関係者が確認できるため、医師が変わっても病歴などを確認できるのは安心です。

5-5. ヨーロッパで利用できる欧州健康保険証

スペインの社会保障制度に加入していると、英国やスイスを含め、ヨーロッパ各国への旅行中に無料で医療を受けられる欧州健康保険証の申請も可能になります。
筆者は実際に使ったことはありませんが、イタリア旅行中に骨折した日本人が、この保険証を利用して、無料で必要な処置を受けたという話を聞いたことがあります。

6. 【経験談】スペイン移住後に困惑した公的医療サービス2つ

海外移住先で病気になると、日本と言葉やシステムが異なるため、最初は困惑するかもしれません。
スペイン公的医療の参考として、筆者の体験を紹介します。

6-1. 突然の入院で費用がかからないことに驚き

スペインでは、耳がひどく痛い、大怪我をした、休日に熱が治まらないなどの緊急時には、病院の救急センターに行く人が多いです。
医療費がかからないからか、救急センターの待合室は、いつもたくさんの患者で溢れています。
週末の夜などは何時間も待つことを覚悟したほうがいいでしょう。

筆者は、就労許可証を取得したばかりの頃、休日の夜に喉の痛みに耐えられなくなり、そのとき初めて公的医療保険を利用しました。
どこに診療所があるかもわからない状態でしたが、知り合いの助言を得て、近くにある診療所の救急外来で診察を受けました。

診療所で救急センターへ行くように言われ、救急センターに向かうと、待合室は患者やその家族でごった返していました。
救急外来の医師の推薦状を持っていたからか、ほとんど待たずに診察室に通され、結局、3日間の入院となりました。

入院時には、スペインに家族がいなければ、病状を説明できる人を呼ぶように言われました。
やむを得ず、診療所について相談していた日本人の友人と、その同居人のスペイン人医師に来てもらいましたが、夜遅かったため、申し訳ない気持ちになったのを覚えています。
家族と離れた海外移住生活では、語学の堪能な信頼できる人を見つけておくことが大事だと痛感した一件です。

入院中はシャワー付きの二人部屋を一人で利用し、無事退院。
公的医療を受けるために必要な社会保障番号は取得していたものの、保険証の申請を後回しにしていたため、入院中は、費用がかかるのではないかと、ただ不安でした。
しかし、結局、払ったのは退院後の薬代のみ。
日本の病院の個室料金について伝え聞いていたからか、スペインではベッド代や食事代さえ請求がないということが驚きでした。

なお、乳がんの腫瘍切除で入院すると、早い場合、1〜2泊で退院することがあるというため、入院日数は日本で考えるより短くなると考えた方が良いでしょう。

6-2. 検査から手術まで疑問をぶつけられず不安

スペインの公的医療は、専門医の診察や検査、手術までに時間がかかることがよく問題視されます。
疑問などがあっても、診察時を逃すと、医師に質問できないのもネックです。

筆者は検査で異常が見つかり、日帰り手術をしたことがあります。
前述の入院時とは異なり、ある程度スペインの医療を経験した後だったものの、再検査がわかってから、どんなことをするのか、どのくらいかかるのか聞けず、不安な状態が続きました。

手紙で最初の検査結果が届いた後、検査や診察予約の手段は手紙、SMS、メール、電話。
オペレーターを通して予約するため、疑問があっても、直接医師に聞けるのは診察のときのみでした。

検査や診察は聞いていたよりスムーズで、最初の検査から手術まであっという間でした。
一度目の検査と二度目の検査の間には筆者の都合で数ヶ月タイムラグがありましたが、二度目の検査から手術までは2ヶ月程度。
夏前に全て終えられたのが幸いでした。

なお、迅速さはケースバイケースで、地域や病院、医師によって異なるようです。

スペインに移住するときに頭に入れておきたい休暇の重要性

日本人がスペインに移住するときに感じられる異文化の一つが休暇の重要性でしょう。
7〜8月の休暇の時期は、問題が発生しても、担当者が休暇中であれば休暇が明けるまで解決できない可能性があります。

病院の場合は深刻です。
知り合いは、医師に手術が必要だと言われたものの、診察が6月だったために、医師から手術は9月以降になると言われ、出身国に帰国して手術を受けました。
9月以降と言われても、9月は夏の間できなかった急を要する手術で埋まることが多く、実際は10月以降になる確率が高いからです。
歯科医院も特に8月は1ヶ月休暇を取る医院が多く、開いている医院を探すのは至難の業。
夏前にわかっていることは、早めに済ませることをおすすめします。

まとめ:海外移住実現には地道に準備を進めれば道が開かれる

海外移住に必要なビザや居住許可証を取得するには困難がつきまとうものの、諦めずに手を変え品を変えていけば、必ず道が見えてきます。
スペインなどに移住準備をする際には、自分に合った家や就職先が見つからない、手続きに必要な書類が揃わないなど、行き詰まることもあります。
そんなときは一旦頭を休めて、経験者の情報を参考にするなど、ほかの方法を試してみましょう。
思いがけないところから解決に導けるかもしれません。
自分には何が一番大切なのか見極めて、柔軟な姿勢で充実した移住生活を実現させてください。

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