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2026.02.27

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ヨガで睡眠の質が向上するのはなぜ?画像や動画でやり方も詳しく解説

「ヨガを行うと睡眠の質が上がる」という話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
ヨガはリラックス効果を得られるため、寝る前に行うことでぐっすり眠れます。
また、睡眠時間の確保が難しいときでもヨガを行うことで、心身の疲れがとれやすくなります。
今回は、ヨガが睡眠の質向上に効果的な理由と快眠のために行いたいヨガを、ヨガインストラクターでもある筆者がご紹介します。
ヨガの経験がない方や運動が苦手な方、忙しい方でも簡単にできるものを集めましたので、気軽に試してみてくださいね。

目次

1.ヨガをすると睡眠の質が上がる理由5つ

健康であることをベースにし、豊かな生活を求める「ウェルネス」という概念が広まっている今、睡眠の重要性が注目され、睡眠の質を上げたいと考えるビジネスパーソンが増えています。
その理由は、睡眠の質が高まることで朝スッキリ起きれるうえ、集中力が向上し仕事のパフォーマンスが上がるため。

質の良い睡眠とは以下を満たすものです。

・スムーズに眠りに入れる(ふとんに入ってから約15分程度)
・途中に何度も目が覚めない
・目覚めが良い
・日中に強い眠気や疲労感を感じない

多くの人が「就寝前にスマホやPCを見ない」「夕方以降はカフェインを控える」など、よく眠るためのさまざまな工夫をしているでしょう。

睡眠の質を上げる有効な手段は数多くありますが、ヨガも非常に効果的です。
では、なぜヨガが快眠に効果的なのでしょうか。
この章では、その理由を解説します。

ヨガを構成する3つの要素
ヨガとは、本来は修行の一種でインドが発祥です。
近年は、ヨガというとさまざまなポーズをとるエクササイズとして認識されがちですが、呼吸法や瞑想も含まれます。

【ヨガの要素3つ】
1.アーサナ(ヨガのポーズのこと)
2.瞑想
3.呼吸法

よって、本記事でも「ヨガ」とは、上記3つを含むことを前提として解説します。

1-1.自律神経が整うから

睡眠の質を上げるには、自律神経のバランスが整っていることが重要。
ヨガは自律神経を整える効果が非常に高いので、就寝前に実施すれば、質の良い睡眠を得られます。

人間は本来、日中は交感神経が、夜は副交感神経が優位になります。
しかし、仕事に追われてストレスや緊張状態が続くと自律神経のバランスが乱れ、夜になっても副交感神経が優位にならず、リラックスできなくなってしまいます。
交感神経が優位なときは、身体が興奮している状態なので、布団に入ってもなかなか寝付けない、眠りが浅いといった状態に。

ヨガは、アーサナや呼吸法によって交感神経または副交感神経を優位にできます。
就寝前には副交感神経を活性化するアーサナや呼吸法を選んで行えば、快眠できるでしょう。

1-2.血流が良くなるから

睡眠の質を上げるには、血流を良くすることも重要です。
血流が悪いと、手足など身体の末端まで血が流れずに冷えが生じたり、筋肉が固くなり肩こりなどの痛みが生じます。
身体は、冷えやこりなどの不快感をストレスだと認識して、ストレスに対処できるよう、交感神経を優位にしてしまうのです。
交感神経が優位になると、頭が冴えてしまいますから、疲れていてもスムーズに入眠できません。

ヨガのアーサナや呼吸法は、血流を促す効果があるので、就寝前に後述するものを行うことで、眠りやすくなります。

血流は筋肉の収縮によって促されますから、アーサナで筋肉を使えば血流の流れがスムーズになるという仕組みです。
さらに呼吸法、またはアーサナの際に深く呼吸をすると副交感神経が優位になり、血管が拡張してより血流が促されます。

1-3.不安感を軽減できるから

不安を感じて眠れないというときは、ヨガをすると不安が和らぎ、眠りやすくなります。
ヨガのアーサナを行って筋肉を動かすと、精神を安定するホルモンであるセロトニンが分泌され、不安感が軽減するためです。

また、呼吸法を行うだけでも不安感の軽減が可能です。
意識的に深く呼吸をすると、副交感神経が活発になり、筋肉の緊張が解け不安や恐怖が少しずつ和らぎ、眠りに入りやすくなるでしょう。
呼吸法は布団に入った状態でもできるので、気軽に行えます。

なお、心配事があると眠れなくなるのは、交感神経が優位になるため。
不安を感じているときは、脳が「異常事態だ」と判断し自律神経の中枢に信号を送ります。
すると、異常事態に対応できるよう交感神経が活性化し、身体が覚醒するので「疲れているのに眠れない」という状態に陥ってしまうのです。

1-4.睡眠ホルモンが分泌されやすくなるから

質の良い睡眠をとるには、睡眠ホルモンの分泌が不可欠です。
睡眠ホルモンが分泌されると、体温や血圧が下がり、眠りにつきやすくなります。
睡眠ホルモンは、太陽の光を浴びたり、ウォーキングや食事の際の咀嚼、呼吸などのリズム運動をしたりすることで生成されます。

ヨガでは呼吸を重視するため、睡眠ホルモン分泌に効果的です。
アーサナを行うときに、動きに合わせて意識的に深く呼吸してみましょう。
身体を動かさなくても、後述する呼吸法を行うだけでも睡眠ホルモンが分泌され、睡眠の質向上が期待できます。

1-5.硬くなった筋肉をほぐせるから

首や肩のこり、腰痛、背中の痛みなどに悩まされているビジネスパーソンは多いでしょう。
PC作業で長時間同じ姿勢をとっていると筋肉が凝り固まってしまいますし、仕事のプレッシャーを感じていると、無意識に身体に力が入りやすく、筋肉が硬くなってしまいます。

筋肉が緊張していると、交感神経が優位となるため、リラックスできずに寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったりするのです。
快眠できないとストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が増え、さらに筋肉が緊張し、ますますよく眠れない、寝ても疲れが取れないという悪循環に陥ります。
身体のコンディションなどが悪化しますし、睡眠不足によって集中力や判断力、記憶力が低下し、仕事の効率が落ちるという状態に。

睡眠の質を上げられない負のループから抜け出すには、筋肉を伸ばして緊張を和らげるアーサナを行うのが効果的です。
次の章で睡眠の質を上げるのに有効なアーサナを紹介します。

睡眠の質を高めることで仕事の生産性がアップ
Amazonの創始者であるジェフ・ベゾスや、META社の元COOのシェリル・サンドバーグ、野球選手の大谷翔平氏など「成功者」と呼ばれる人たちの多くは、睡眠を重要視しています。
なぜなら、良い睡眠は、次のような効果を得られるから。

・心身の健康維持、病気のリスク低減
・疲労回復、脳の機能回復
・集中力・記憶力・パフォーマンスの向上

日々の睡眠の質を向上させることで、仕事のパフォーマンスが上がり、成果を得られるでしょう。

2.睡眠の質を高めるヨガ【アーサナ】

この章では、睡眠の質向上に効果が高く、ヨガ初心者の方でも行いやすいアーサナ(ポーズ)を7つ紹介します。
以下のうち、1つか2つ行うだけでも筋肉が伸び、リラックスしやすくなります。
就寝前の5分から10分間以内でできるので、気軽に試してみてくださいね。

2-1.キャット&カウ/マルジャーラ・アーサナ・ビティラーサナ/猫のポーズと牛のポーズ


https://youtu.be/w4k368ax3z0?si=noZUv80SfcjXAYdE

ヨガで最も基本的なアーサナのひとつで、呼吸に合わせて背骨を動かします。
背骨周辺の筋肉をほぐすと自律神経が整うので、快眠しやすくなるだけでなく、首や腰、肩甲骨周りのコリ解消も期待できます。

【やり方】
1.四つん這いになり、手は肩幅に開き、肩の下に手首を配置し、肘を外側に向ける。
2.脚は腰幅に開き、股関節の下に膝を置く
3.息を吐いて背中をまるめ、おへそを覗き込む
4.息を吸って背中が弓なりになるよう、反らせる

3と4を5〜10回繰り返す

【注意点・ポイント】
背中を丸くするときは、左右の肩を内側へ入れるつもりで丸くなりましょう。
背中を弓なりに反らせる動きは、下腹部に力を入れることで腰への負担を軽減でき、腰痛を予防できます。

背中を丸めるときも反らせるときも、お尻から腰、背中、首の順番に動きましょう。

2-2.ヘッド・トゥー・ニー・ポーズ/パリヴルッタジャーヌシールシャーサナ/ねじった膝を頭につけるポーズ


https://yogajournal.jp/pose/17

重要な商談があるなど緊張が続くときや、PC作業で肩がこっているときに行いたいのが、こちらのアーサナです。
体側や肩甲骨周辺の筋肉を伸ばすことで、深く呼吸できるようになります。
緊張しているときは呼吸が浅くなりがちで、睡眠の質が下がりやすいので、就寝前に行ってみてください。
肩こりも軽減します。

【やり方】
1.脚を左右に大きく広げて座り、右膝を曲げてかかと、お尻に引き寄せる
2.左のつま先を天井に向ける
3.左手を床に置き、息を吸って右手を上ヘ上げ、背筋を伸ばす
4.息を吐きながら、上体を左側へ倒す
5.右側の体側を左斜め方向へ押し上げる
6.右腕越しに天井を見る
7.15秒〜30秒、ゆっくり呼吸する

左右を入れ替えて1〜6を行う

【注意点・ポイント】
上体が前かがみにならないよう、真横に身体を倒しましょう。
手を上げているほうの腕が、耳の上にあるのが理想です。

効果を高めたい人は、以下の動作を加えましょう。
より体側が伸ばされます。

・腕を上げている方のお尻を床に押し付ける
・腕を上げていないほうの体側を上方向へ押し上げる
・息を吸ったときに上げている腕をより遠くに伸ばす

画像では伸ばした脚のつま先を掴んでいますが、手を床において行っても構いません。

2-3.シーテッド・フォワード・ベンド/パスチモッターナーサナ/西側を強く伸ばすポーズ


https://yogajournal.jp/pose/82

このアーサナも自律神経を整える効果が高く、睡眠の質向上が期待できます。
脚の後ろ側が伸ばされるので、1日外回りしていたときや立ち仕事などで脚が疲れているときに行うとよいでしょう。
翌朝、脚のだるさが軽減しているはずです。

また、このアーサナのように上半身と下半身を2つに折り曲げる前屈する動きは、ヨガでは精神を鎮める効果があると考えます。
ゆっくり呼吸をしながらこのアーサナを行えば、仕事で覚醒状態になった精神を鎮静させ、リラックスでき、入眠しやすくなります。

【やり方】
1.伸ばした脚を前に出して、長座で座る
2.両手を少し前に出し、息を吸って背筋を伸ばす
3.背筋をのばしたまま息を吐きながら手を前に出し、前屈する
4.手が届くようであれば、つま先またはかかとを掴む
5.3または4の状態で15〜30秒、呼吸を繰り返す

【注意点・ポイント】
長座で座ったときに腰が丸まってしまう場合は、座布団やクッションなどに浅く腰掛けるとやりやすくなります。

前屈するときは、背中や腰を丸めず、背筋を伸ばしてお腹と太ももを近づけましょう。

アーサナ名に方角が付いている理由
「西側を強く伸ばすポーズ」は、背中の筋肉をストレッチするアーサナ(ポーズ)です。
では、なぜ「西側を伸ばす」のでしょうか。
それは、かつて「ヨガは日の出とともに、太陽に向かってアーサナを練習するべきだ」と考えられていたことが由来です。
東から昇る太陽に顔を向けてこのアーサナを行うと、背中は日の出の太陽に対して西側に位置することになります。
そのため、「西側を強く伸ばすポーズ」と呼ばれるようになりました。

このアーサナのほかに、身体の前側(腹部、胸部)の筋肉をストレッチする「東側を強く伸ばすポーズ(プールヴォッターナーサナ)」もあります。

2-4.アップドッグ/ウルドヴァ・ムカ・シュヴァーナサナ/上を向いた犬のポーズ


https://yogajournal.jp/pose/79

お腹や太もも、お尻などの大きな筋肉をストレッチすると、血行が促進され、緊張がやわらぐので、眠りやすくなります。
アップドッグはお腹にある大きな筋肉を伸ばし緊張を緩めるので、就寝前にぴったり。
巻き肩を改善し、猫背を解消する効果も期待できます。

ただし、このポーズのように上半身を後ろに反らせる後屈の動きは、背中周りの筋肉が収縮し緊張します。
背中の筋肉が緊張したままだと、背中の痛みなどの不快感や自律神経の乱れが生じリラックスしにくくなってしまいます。
ですので、アップドッグをしたら、後述するチャイルドポーズを行って背中や腰回りの筋肉を緩め、身体も心も落ち着かせましょう。

【やり方】
1.うつ伏せになり、両手を胸の横に置く
2.お尻に力を入れて、左右のお尻の肉を中央に寄せる
3.手で床を押して上体を起こす
4.胸を引き上げ背筋を伸ばし、太ももを床から離す
5.肩甲骨を下げて、正面または少し上を見る
6.15〜30秒呼吸を続ける

【注意点・ポイント】
アップドッグが難しい場合は、肘から手首を床に付け、太ももを床においても良いです。
肘から手首を床につける場合は、肩の下に肘を置きます。

アップドッグは呼吸が浅くなりやすいので、意識してたくさん息を吸い、吐き切ってください。
息を吸いにくい、吸えないと感じるときは、息を吐くだけでも良いです。

お尻に力が入っていないと腰に負担がかかり、腰痛を引き起こすリスクがあります。
ですから、【やり方】の2にあるように、お尻の肉を中央によせるつもりで力を入れてアーサナを行いましょう。

2-5.ボウポーズ/ダヌラーサナ/弓のポーズ


https://yogajournal.jp/pose/65

身体が疲れ切っているときや、心配事や不安、怒りが頭から離れなくて眠れないときは、あえて身体への負荷が強いアーサナを行うと効果的です。
ご紹介するボウポーズのように強度が高めのアーサナを行うと、意識が強制的に身体の痛みに向くので、一時的ではありますが、心配事や怒りなどを忘れられるという効果も。

このポーズは、背中やお尻、太ももなど広い範囲の筋肉を一時的に緊張させ、アーサナを解いて筋肉を緩めることで、一気に血流が促進され、筋肉に溜まった緊張や疲労を解消できます。

このアーサナも背中の筋肉を緊張させるので、必ずチャイルドポーズで背中の筋肉を緩めてから就寝しましょう。

【やり方】
1.うつ伏せになり、脚を腰幅に開く
2.手のひらを下に向け、身体の横に添える
3.おでこを床につける
4.お尻に力を入れて、左右のお尻の肉を中央に寄せる
5.膝をまげ、手で足の甲を掴む
6.息を吸い、脚を持ち上げ上体を起こす
7.15〜30秒呼吸を続ける

【注意点】
アップドッグ同様に、腰の負担を軽減するためにお尻へ力を入れてアーサナを行いましょう。
このアーサナに慣れたら、動画で説明しているように左右の脚を揃えて行ってください。

このアーサナも呼吸が浅くなりやすいので、深く呼吸することを意識することが大切です。

2-6.チャイルドポーズ/バーラーサナ/子どものポーズ


https://yogajournal.jp/pose/80

チャイルドポーズは、ヨガのクラスで休憩として取り入れられることが多いアーサナです。
身体だけでなく心も落ち着かせてくれるので、就寝前にリラックスしたいときにぴったり。
目を閉じて行うので、目から入る情報がシャットアウトされ、脳が休まる効果もあります。
仕事のタスクや課題などで頭がいっぱいで、眠れないときに行ってみましょう。

【やり方】
1.正座で座り、右足の親指と左足の親指とくっつける
2.お尻をかかとの上に乗せる
2.手を肩幅に開いて床につき遠くに伸ばし、上体を前へ倒す
3.おでこを床につける
4.1分〜3分呼吸を続ける

【注意点・ポイント】
目を閉じると不安を感じる場合は、目を開けて行ってもかまいません。

おでこを床につけられない、つけると身体に痛みが生じるといった場合は、肘を曲げて重ねた両手、または両腕の上におでこを乗せると楽になります。

お尻がかかとから浮いてしまうときは、お尻とかかとの間にブランケットやクッションを挟みましょう。

このアーサナに慣れてきたら、キープ時間を5分〜10分と延ばすとより疲労回復やリラックス効果が高まります。

2-7.コープスポーズ/シャヴァーサナ/亡骸のポーズ


https://yogajournal.jp/pose/88

シャヴァーサナは、ヨガのクラスの最後に必ずと言ってよいほど行われているアーサナです。
これまで紹介したアーサナは、筋肉を収縮させますが、シャバーサナは仰向けになって身体の力を抜き、筋肉や背骨を休めることを目的としています。
疲労回復やリラックスの効果が非常に高く、10分間のシャヴァーサナは1時間の睡眠と同じ効果があるといわれているほどです。
睡眠の質を高めたいときはもちろん、睡眠時間の確保が難しいときにもうってつけ。

シャヴァーサナだけを行ってもよく眠れるようになります。
さらに効果を感じたいときは、いくつかのアーサナのあとにシャヴァーサナを行ってみましょう。
よりリラックスでき、さらに快眠できます。

【やり方】
1.仰向けになり、腕は肩幅よりやや広めに開き、手のひらを上に向ける
2.脚を腰幅よりやや広めに開き、つま先を外側に向ける
3.顎を軽く引き、目を閉じる
4.身体をよく観察し、力が入っている場所があれば力を抜く
5.自然な呼吸で、約10分間アーサナを続ける

【注意点・ポイント】
目を閉じると不安を感じる場合は、目を開けて一点を見つめて行いましょう。

身体の状態を正確に把握するために、床やヨガマットの上で行います。
ですが睡眠の質向上を目的とするなら、ベッドの中でシャヴァーサナをし、そのまま眠ってしまってもかまいません。

力を抜くときは、身体を軽く揺する、または深呼吸をして「息を吐くと力が抜ける」と頭の中で唱えると力が抜けます。

2-8.【おすすめヨガ動画】リストラティブヨガ


https://www.youtube.com/watch?v=2WXHB7mDjGg

ヨガにはさまざまな種類がありますが、就寝前に行うならリストラティブヨガがぴったりです。
リストラティブヨガは、筋肉を緩める、休めるなどして身体を回復させることを目的としています。
一つひとつのアーサナのキープ時間を長くとり、動きが少ないうえ、身体が硬い人でもやりやすいアーサナが多いので、ヨガ初心者もやりやすいでしょう。

筆者がはじめてリストラティブヨガのクラスに参加したときは、とてもリラックスでき、アーサナの途中で眠ってしまったほどです。

動画内にはブロックなどの道具が登場しますが、クッションや丸めたタオルなどで代用可能です。

3.睡眠の質を高めるヨガ【呼吸法】

前述したように、ヨガには呼吸法も含まれています。
呼吸法にはさまざまな種類があり、心身を活性化して集中力ややる気を引き出すもの、精神を落ち着かせ、身体をリラックスさせるものがあります。
睡眠の質を高めるには、もちろん後者のリラックス効果が高い、副交感神経を優位にする呼吸法を行うのが良いです。

この章では、睡眠の質を高める呼吸法を3つご紹介します。
デスクや通勤中の電車のなかなどでもできるので、眠る前以外にも、重要な仕事の前などで緊張してしまっているときにも行えますよ。

3-1.アブドミナル ブリージング/アドハム・プラナヤマ/腹式呼吸

ヨガで最も基本的でやりやすい呼吸法が、腹式呼吸です。
はじめて呼吸法を行うなら、この腹式呼吸から試してみましょう。

方法は簡単ですが、副交感神経を優位する効果は非常に高く、寝付きを良くしてくれます。
さらに、習慣的にこの呼吸法を行うと集中力が向上するという効果も得られます。

一般的には、座って腹式呼吸を行いますが、就寝する直前ならベッドに入って行い、そのまま眠っても問題ありません。

【やり方】
1.背筋を伸ばして座る、または仰向けになる
2.両手をお腹に当てる、または片手をお腹、もう片方の手を胸に当てる
3.鼻から息を吐く
4.胸を膨らませず、お腹が膨らむよう鼻からゆっくり息を吸う
5.鼻からゆっくり息を吐き、お腹がへこんでいくのを感じる
6.4と5を10回ほど繰り返す

【注意点・ポイント】
腹式呼吸をやりすぎると、めまいや過呼吸といった症状を引き起こすリスクがあります。
最初は5回ほど行い、少しずつ回数を増やしましょう。
また、途中で気分が悪くなったときは、ただちに自然呼吸に戻してください。

息を吸ったら3秒ほど呼吸を止めて吐くと、より効果的です。
また、吸うときよりも長い時間をかけて吐くことで、リラックス効果が高まります。
慣れてきたら、長い時間をかけて息を吸い、吐きましょう。

腹式呼吸とはいってもお腹に空気は入らない
「腹式呼吸はお腹に空気を入れる」と思われがちですが、お腹に空気を入れるものではありません。
鼻から息を吸って肺の下部に空気が入ることで、横隔膜が下に下がり内蔵が圧迫されるので、お腹が膨らむという仕組みです。

3-2.4-7-8ブリージング/4-7-8呼吸法

こちらはアメリカの医師であるアンドルー・ワイル博士が考案した呼吸法で、4秒で息を吸い、7秒呼吸を止めて8秒かけて吐くというもの。
ヨガの呼吸法ではありませんが、ストレス解消や自律神経を整え寝付きをよくする効果が高いのでご紹介します。

なお、筆者は寝付きが悪いのですが、この呼吸法を行うといつの間にか眠っています。

【やり方】
1.楽な姿勢をとる
2.舌を奥歯の裏につけ、口から息を吐く
3.口を閉じて、4秒で鼻から息を吸ってお腹をふくらませる
4.7秒息を止める
5.8秒かけて口から息を吐き、お腹をへこませる
6.3〜5を4回繰り返す

【注意点・ポイント】
腹式呼吸に慣れない人は、4回以上行わないようご注意ください。
うっかり胸式呼吸で4-7-8呼吸法を行ってしまうと、新鮮な空気を体内に吸込み、二酸化炭素を体外に排出する換気運動がうまくできず、めまいが起きたり、息苦しさを感じたりするリスクがあるためです。

3-3.ブラーマリー呼吸法(ブラフマリー呼吸法/蜂の呼吸法)


画像引用:「ヨガジェネレーション」公式Youtube

ストレスを感じていたりイライラしたりして眠れないときは、心を静めてくれる蜂の呼吸法を試してみましょう。
蜂の呼吸法は、息を吐くときに声帯を使って音を出し、頭蓋骨に蜂の羽音のような音が響くことが特徴です。
振動音が全身に伝わることで、身体の緊張がほぐれリラックスでき、睡眠の質が高まるでしょう。

【やり方】
1.楽な姿勢で座る
2.親指で耳を塞ぎ、残りの指は頭頂部に当てる
3.舌を口蓋(口の天井部分)に当て、上下の奥歯同士を軽く触れる
4.鼻から息を吐く
5.鼻から息を吸う
6.「んーーーーー」と言いながら息を吐く
7.5と6を3〜5回繰り返す

【注意点・ポイント】
高血圧や耳の疾患がある人は、行う前に必ず医師に相談してください。

息を吐いているときに、「ブーン」という蜂の羽音のような音が聞こえ、頭蓋骨全体に音が響いていれば、正しく行えています。
最初はうまく音を出せないかもしれませんので、紹介している動画を参考にすると良いでしょう。
動画では、耳を塞がずに行っていますが、耳を塞いだほうが呼吸による音を把握しやすいです。
ただし、耳をつよく塞ぎすぎると耳に負担をかけるので、周囲の音が聞こえる程度に塞ぎましょう。

4.睡眠の質を高めるヨガ【瞑想】

瞑想は集中力が上がり、仕事のパフォーマンス向上が見込めることから、実践しているビジネスパーソンもいるでしょう。
それ以外にも、ストレスの軽減や感情のコントロール、自律神経の調整に効果が高いので、睡眠の質向上にも効果があります。
そのため、ウェルネスに興味がわき瞑想を取り入れている、という人が増えてきています。

就寝前に不安がある、緊張しているといったときは、瞑想をしてみましょう。
高ぶっていた精神が落ち着き、眠りやすくなります。
また、瞑想を日常的に続けると不安や怒り、恐怖などを感じていても、それらの感情に支配されずに、冷静に過ごせるようになります。

なお、瞑想に入る前には、前述した呼吸法を行うと集中して瞑想をしやすくなります。

4-1.基本的な瞑想

ヨガでは、瞑想は「ある1つの物事に集中すること」と考え、ろうそくの炎を見つめる、1つの絵を見つめる、「マントラ」というサンスクリット語の言葉を唱えるなど、集中する対象はさまざまです。

最も基本的な瞑想は、目を閉じて呼吸を観察すること。
自分が今、息を吸っているのか、吐いているのかを認識するだけです。

【やり方】
1.楽な姿勢で座る
2.目を閉じる
3.呼吸を観察する
4.数分間〜20分続ける

【注意点・ポイント】
瞑想は一般的には座って行いますが、就寝前ならベッドのなかで仰向けで行い、そのまま寝落ちしてしまっても構いません。

呼吸を観察していても、さまざまな考え事が頭に浮かび、これを「雑念が入る」といいます。
雑念が入ったら、ただちに呼吸を観察する行為に戻りましょう。
それでもすぐに雑念が入りますが、呼吸に意識を戻すことをひたすら繰り返します。

最初は1分から始め、少しずつ時間を長くすると続けやすいです。
慣れてくると、1時間ほど瞑想できるようになりますが、長時間の瞑想をときどき行うよりも、短時間の瞑想を毎日続けるほうが効果があります。

4-2.ヨガニドラ


画像出典:綿本彰 眠りと瞑想チャンネル 公式Youtube

筆者が、アーサナや呼吸法、瞑想をしても眠れないときに行うのがヨガニドラ。
ヨガニドラは瞑想の一種で、身体だけでなく脳の疲れ解消にも効果がありますから、忙しいときほど試していただきたいものです。
「眠りのヨガ」といわれているほどリラックス効果が高く、筆者も含めて「途中で眠ってしまい、最後まで行えたことがない」という人は少なくありません。

身体の各部位に意識を向けるだけですが、どの部位を意識したら良いかわかるように、ヨガニドラの誘導音声や動画を聞きながら行うのがおすすめです。

【やり方】
1.ヨガマットやベッドの上など、快適な場所で仰向けになる
2.両手を肩幅より少し広めに開き、手のひらを上に向ける
3.両足を腰幅より広めに開き、つま先を外に向ける
4.首後からを抜く
5.目を閉じ、何度か深呼吸をして身体の力を抜く
6.身体の部位ごとに意識を向け、意識した部位の重さや感覚を味わう
例)右足の親指、薬指、小指など細かく意識する
7.身体のすべての部位に意識を向け終わったら、心の中で肯定的な言葉や決意、なりたい自分の姿を3回唱える
例)「私は仕事で能力を発揮できる」「私は高い集中力を持っている」など。
就寝する際なら「私はぐっすり眠れる」「私は朝7:00に気持ちよく起きられる」といった、睡眠に関する言葉がおすすめ。

【注意点・ポイント】
ヨガニドラを行っているときは、余計な刺激を感じないよう、身体を動かさないことが大切です。

また、ヨガニドラを行っているときは、眠ってはいけないとされています。

とはいっても、途中で眠ってしまうという方は多いですし、睡眠の質を向上することを目的としているなら、寝落ちしても問題ありません。

眠ってはいけないといわれている理由は、本来、ヨガニドラはやり方の「7」にあるように肯定的な言葉や決意を唱える事が重要であるため。
眠らずにリラックスしている状態で、肯定的な言葉を唱えることで、決意や達成したいことが潜在意識に刻まれ、行動や思考が変わると言われています。

瞑想の注意点
瞑想は基本的に安全ですが、瞑想中に幻覚を見た、幻聴を聞いた、強い不安が生じパニックに陥ったという経験を持つ人もいます。
長時間の瞑想で周囲からの知覚が遮断されることによって生じるといわれており、「禅病」「魔境」と呼ばれるものです。

禅病・魔境の症状は何時間も瞑想をしている人にみられますが、疲労やストレスが強いときは短時間の瞑想であっても、幻覚や幻聴、不安感があらわれることも。
また、PTSDや精神疾患がある人は、禅病や魔境によって症状が悪化する場合があるので、瞑想を行うときは必ず医師に相談しましょう。

もし、瞑想をしていて不安や恐怖を感じたら、ただちに中止することも大切です。

まとめ:ヨガで睡眠の質を向上し仕事のパフォーマンスを上げよう

ヨガで睡眠の質を上げれば、翌朝スムーズに起床できスッキリした頭で仕事を始められるでしょう。
日中に眠くなることもなく集中力が上がり、仕事の生産性アップ間違いなしです。
仕事の生産性が上がれば、社内での評価が高まったり、重要なプロジェクトを成功させたりできるかもしれません。
仕事で成功すれば自己肯定感が高まり、メンタルが安定して、ウェルネス向上に役立つでしょう。

まずは本記事で紹介したヨガのうち、自分に合いそうなものを1つか2つだけでも試してみてください。
ヨガを行わずに就寝したときよりも、ぐっすり眠れることに気づくでしょう。
また、就寝前のヨガを習慣化すれば、身体が「この時間にヨガをしたから寝るんだな」と理解し、より眠りやすくなります。
ヨガを習慣化して睡眠の質を上げて、ビジネスシーンで飛躍できるパフォーマンスを発揮してみませんか。

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働く親のリアル・トークVol.2(前編)

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働く親のリアル・トークVol.2(前編)
ー完璧主義を手放す勇気ー



仕事も育児も全力でがんばりたい。
でも、すべてを完璧にこなそうとすると、息が詰まってしまう ——。
今回のBTHacks座談会は、そんな“がんばりすぎる自分”と戦ってきた、働く親たちのリアルな声をお届けします。
第2回のテーマは――「完璧主義を手放す勇気」。
日々の仕事、家庭、そして自分自身と向き合う中で、
どのように「ほどよい諦め」や「ゆるめる勇気」を持てるようになったのか。
にこちゃん編集長と、3人のゲストが本音で語り合いました。