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2020.05.18

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海外の衛生観念は?! 海外出張中に感染症から身を守るコツ

海外の人々から「清潔な国」というイメージを持たれている日本。実際に先進国の中でも日本人の衛生観念はトップクラス。日本にいるときと同じ感覚で海外出張へ行くと、衛生状態の悪さに驚くかもしれません。衛生状態の悪い環境にいると、体調不良など身体に何らかの影響が生じることも。自分の身を守るために事前に準備をしておきましょう。

1.「日本よりも清潔な場所はない」つもりでいよう

「トイレの後に手を洗う」「毎日シャワーを浴びる」など日本人にとっての常識は、海外では当たり前でない場合があります。公共施設も日本ほどマメに掃除されていなことも。ドアノブ、手すり、エレベーターのボタンなど、意識せずに触ってしまいがちなところが汚れている可能性があります。そうなれば、当然日本にいるときよりも、不衛生な環境から感染症にかかるリスクも高くなります。

海外出張時にこうした環境から身を守るためには一体どうしたら良いのでしょうか?
「衛生環境が悪いところへ行く」という意識を持っておくと、どう対処したらよいかが見えてきます。

2.出張先の衛生環境や感染症リスクをチェックしよう

国やエリアによっては、日本ではほとんど聞くことがない感染症にかかる可能性が高い場所もあります。例えば、インドやナイジェリア、コンゴなどのアフリカ諸国ではマラリア感染が報告されています。

マラリア以外にも黄熱など様々な感染症が流行している地域もあります。渡航前に出張先の状況をチェックし、衛生グッズを持参するなどして身を守りましょう。

2-1.出発前にリスクを把握

海外出張が決まったら、渡航先の日本大使館や外務省ホームページで感染症情報をチェックしましょう。同時に治安もわかるので、必ず確認することがおすすめです。渡航先に現地法人があるなどの場合は、現地から情報を得るのも良いでしょう。

現地の衛生観念や衛生状態を把握しておくことも大切です。
例えば中国では、飲食店のテーブルを拭く布巾が、雑巾のように汚れていることが多々あります。また、食器類を洗っていても、洗っている水自体が汚いということも。このような情報を持っておくと、衛生状態の悪さから身を守れるだけでなく、現地のビジネスでもきっと役立つでしょう。

その国の衛生観念や環境、感染症リスクの有無が分かれば、「感染症発症エリアに近づかない」「予防接種を打つ」「予防対策グッズを持って行く」など、対応方法も見えてくるでしょう。

≪感染症情報の調べ方≫
1.「外務省海外安全ホームページ」の「海外安全情報」をクリック
2.地図が表示されるので、出張先の地域をクリック
3.表示された地図、または国のリストから出張先の国をクリック
4.「感染症危険情報」で状況を確認する。

外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/

2-2.状況によっては渡航を見合わせる勇気を

出張先の感染症流行状況によっては、渡航に大きなリスクが伴う場合もあります。大切なのは、リスクを把握し、ときには渡航を見合わせるなどの対策を講じること。
リスクの高さは「外務省海外安全ホームページ」で確認ができます。

外務省は感染症危険情報を発出する際、状況に応じてレベル1~4まで設定。ホームページ上で発表しています。どの段階で渡航を中止するかは、企業や業務内容によって異なりますが、レベル1,2は渡航し、レベル3に引き上げられると出張中止にするケースが多いようです。

重要度の高い出張の場合は、危険性が高くても行くべきか迷うかもしれません。その場合は、出張の重要性や渡航先の状況を考慮し、判断を下す必要があります。出張にどうしても行かなくてはならないケースもありますが、出張中に感染症にかかり、仕事ではなくなる可能性があることも念頭に入れておいてください。状況によっては、出張の中止または延期することも大切です。

≪参考≫
外務省海外安全ホームページ「感染症危険情報とは?」
https://www.anzen.mofa.go.jp/masters/kansen_risk.html

2-3.現地でも情報収集を怠らずに

外務省の「感染症危険情報」が発出されていないからといって、安全とは言い切れません。状況は突然変わる場合があり、出張中の情報取集も大切です。

出張先の国で移動をすることになった場合も注意が必要です。蚊を媒体して感染する黄熱病やマラリアなどの伝染病、食べ物から感染するA型肝炎、傷口から感染する破傷風、食中毒など地域・国によって気をつけるべき感染症も変わります。
現地の状況を細かくチェックしながら、それに合わせた衛生対策を講じましょう。

言葉のわからない国では、特に情報が入手しにくいもの。外務省や大使館のホームページをまめにチェックする、現地の人に聞く、など意識をしておくと良いでしょう。

3.現地で衛生的に過ごすコツと対策

感染症予防に効果的なのは清潔さを保つこと。ばい菌やウイルスが付着してしまっても、すぐに落とせば体内への侵入を防げます。

また、出張先や期間によっては、事前に予防接種を受けることも視野に入れると良いでしょう。マラリアや狂犬病など、衛生対策をするだけでは防げない病気もあるためです。

3-1. 清潔に過ごせる衛生グッズ3選

衛生環境の異なる海外でも、安心して過ごせるよう日本から持ってくと良い便利なグッズを紹介します。これらは、現地では入手しにくいことも多いので、日本で購入しておきましょう。

・アルコール除菌ジェル(アロマの香りつき)


画像出典:楽天市場
https://item.rakuten.co.jp/uniclass-o/1202251505/?scid=af_pc_etc&sc2id=af_117_0_10001948

手を洗えないときや食事の前には、除菌ジェルで手を消毒すると良いでしょう。良い香りがついているジェルは、気分もスッキリしますよ。

・ラロムプリュ アロマプラスリフレッシュ(柚子の香り)50ml
価格:660円(税込)

・アルコール除菌ジェル(男性向け)


画像出典:I.D.E.A公式サイト:
https://idea-onlineshop.jp/item/06440876.html

男性が持つなら、こちらがおすすめ。
爽やか系の香りとスタイリッシュなデザインで男性でも持ちやすい見た目です。海外出張中のリフレッシュにもなり一石二鳥。

Terracuore リフレッシュ ハンドジェル 100mL
・定価:1,430円(税込)

・フィルムせっけん


画像出典:無印良品
https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/detail/4547315005550

海外のトイレなどには、日本のように石鹸が用意されていない場合が多いので、携帯できるフィルム状のせっけんがあると重宝します。

・無印良品フィルム石けん 24枚入
・定価:590円(税込)

・ウェットティッシュ


画像出典:楽天市場
https://item.rakuten.co.jp/esthemart/aromaosibori-bnt/

海外ではレストランに入っても、おしぼりをもらえないことがほとんどです。もらえても、有料ということも……。食事の前にお皿やお箸、手を拭くためにウェットティッシュを持っていきましょう。香りのついたものなら、気分を変えたいときにも使えます。

・紙おしぼりタオル VBアロマプレミアム 30本パック
価格:1,320円(税込)

番外編:虫よけも感染症対策に有効!


画像出典:フマキラー公式サイト
https://fumakilla.jp/insecticide/883/

マラリアなど、蚊が媒介して感染してしまう病気が心配な地域は、虫よけグッズが必須アイテム。
身体に吹きかける虫よけスプレーよりも、部屋に散布するタイプが使いやすいでしょう。こちらの商品は、1回のプッシュで長時間効果が持続します。

・おすだけベープ スプレー 120回分
価格:878円(税込)

【コラム】世界のマスク事情

欧米ではマスクを付ける習慣がなく、マスクをつけている人は「重い病気にかかっている人」と認識されてしまいます。そのため、欧米のビジネスシーンではマスクを外した方が良いとされていました。一方、アジア、特に東南アジアではバイクを乗るときにホコリ除けのためにマスクを付ける人をよく見かけます。そのため、現地でマスクを購入しやすく、つけていても怪しい人にはなりません。

とはいえ、新型コロナウイルスの流行と共に、各国のマスクに対する意識も変わってきています。今後は現地のマスクに対する認識を見ながら着用しましょう。

ただし、どこへ行くとしても、マスクは使えるアイテム。ホテル内や飛行機の乾燥からのどを守れます。渡航先に関わらずマスクを何枚か用意しておくと便利です。

最近ではビジネスシーンでも使えるデザインのものも販売されています。例えばシャツ生地で作られたタイプはスーツスタイルとも合わせやすくおすすめ。人気商品で生産中止になることもありますが、資材が揃えば生産を開始するので、気になる方は、マメにチェックを!

シャツ屋がつくるマスク
https://shop.shirt.co.jp/shop/pages/mask.aspx?topbnr

3-2.渡航先によっては予防接種を視野に入れる

感染症リスクを下げるためには、衛生対策以外の心がけや準備も大切です。
渡航先や郊外、外での業務が多い方は、狂犬病、黄熱病、破傷風、肝炎などの予防接種を受けておくのがおすすめ。また、アフリカ諸国や南米の熱帯地域の国々によっては、入国時に予防接種証明書の提出を求められます。予防接種を受ける際に、証明書を発行してもらいましょう。

予防接種は、トラベルクリニック、旅行外来や渡航外来で受けられます。予防接種によっては、数週間かけて注射を打つ必要があるので、医療機関で早めに相談しましょう。

≪参考≫
厚生労働省検疫所FORTH公式サイト 「海外渡航のためのワクチン」
https://www.forth.go.jp/useful/vaccination.html
厚生労働省検疫所FORTH公式サイト「予防接種実施期間の探し方」
https://www.forth.go.jp/useful/vaccination02.html

4.感染症にかかってしまったら

細心の注意を払い、衛生対策を講じていても、感染症にかかってしまうこともあるでしょう。
感染症にかかった疑いがある場合は、加入している保険会社提携の病院で受診し、医師の指示を仰ぎます。いざというときに慌てないよう、事前に病院の場所や連絡先を控えておくと良いでしょう。
その後、帰国時に空港の検疫所へ相談し、指示を受けます。感染症にかかっていなくても、「体調が悪い」「蚊に刺された」「犬にかまれた」などの場合も含みます。

帰国後に体調が悪化した場合は、医療機関を受診し「渡航先」「渡航期間」「渡航先での体調」を伝えましょう。これは、正しく症状を判断するだけでなく、日本ではかからない感染症にかかっている場合、すぐに診断を下すために大切な情報です。

まとめ:過敏になりすぎず、でも衛生対策はしっかりと!

海外出張中の感染症リスクを減らすために大切なのは衛生対策を怠らないこと!事前にしっかり対策をしておけば、感染症から身を守れるでしょう。ただし、あまり神経質になるのも考えもの。逆にストレスを感じ、免疫力低下につながることもあり得ます。
現地の状況を正しく見据え、それに応じて正しく対処していれば、過度に怖がる必要はありません。出張先でも健康的な生活を送り、衛生状態を保ち、ビジネスに専念しましょう!

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