ビジネス基礎知識

2019.06.21

Lock Icon 会員限定

海外出張に行きたくない!断るための5つの理由

会社の業務命令で海外出張を打診されたものの、言葉の問題や環境の変化などのストレスが心配で、断りたいと考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、断るのが苦手な人はどのような理由で上司に伝えればいいのかがわかりません。そこでこの記事では、海外出張を上手に断る方法を5つ紹介します。また、断った後のリスクについても併せて解説します。

海外出張を断る理由1:自分より行きたがっている人を推薦する

海外出張に行くことで、他の人よりも昇進スピードが早くなるケースもあります。そのため、同期や後輩の中には、昇進するチャンスを狙っている人も多くいるのです。自分よりも海外出張に行きたがっている人がいれば「上司に推薦しておくよ」と一言伝えることで、相手も昇進に1歩近づき喜んで引き受けてくれるでしょう。

上司に海外出張に行きたいと希望している人を推薦することで、自分は海外出張に行かなくて済みますし、相手も行きたかった海外出張に行けるのでお互いウィンウィンの関係です。日頃から同僚や後輩が昇進に興味があるのか、聞いておくことはとても大切です。

海外出張を断る理由2:出産や育児

仕事のことが大事とはいえ、家庭のことも優先する必要があります。特に、子供が産まれたばかりやパートナーに妊娠が分かった場合は、海外出張を断る理由には十分です。昔とは違い、企業でも男性の育休を推進したり、時短勤務など時代の変化とともに働き方が変わりました。

長期の出張ともなると、パートナーが一人で育児や出産を乗り越えなければならず、ストレスが溜まり家庭内はギクシャクする恐れも考えられます。海外出張をお願いされた場合は、家庭の事情を話すことで、海外出張を断ることが可能です。

海外出張を断る理由3:親の介護

超高齢化社会と言われている現代では、親の介護を理由に海外出張を断るケースもあります。自宅で認知症の親の面倒見ているという理由であれば、海外出張に行くことは難しいと上司も理解してくれるでしょう。

しかし、海外出張を命じられてから「親の介護をするため出張は難しいです」と切り出せば「海外出張を断りたいだけの口実では?」と受け取られてしまう可能性があります。
そうならないために、普段から上司やメンバーに、家庭の事情を話しておくことはとても大切です。そうすれば、海外出張だけでなく急に休みが必要になったときも周囲は理解を示してくれるでしょう。

海外出張を断る理由4:環境の変化に対応できない

育児や介護の問題がなくても、海外出張に行くことが難しい場合もあります。自身に持病があったり、体調を崩しやすかったりなど、理由があれば海外出張を断ることも可能です。例えば、長期の海外出張を命じられた場合、持病があると現地で薬をもらうことは大変です。持病がある場合は、上司に健康上の理由で渡航困難であることを正直に伝えましょう。

また、普段は元気でも環境の変化で体調を崩しやすい人もいます。体調を崩せば、周囲に迷惑をかけてしまうと可能性があると上司に伝えることが重要です。無理して海外出張へ行っても、体調を崩したり持病が悪化したりでは仕事が進まずメンバーに迷惑がかかります。海外出張の打診をもらった時点で、持病のことや環境の変化に対応するのが難しいことはすぐ上司に伝えましょう。

海外出張を断る理由5:治安が心配

一般的に、海外は日本よりも治安が悪いところもあり、外務省の治安情報で危険レベルが低かったとしても夜の一人歩きや知らない道に入るのは危険です。特に女性の場合は、夜は一人で出歩くのは危ないですし、昼間でも人通りの少ないところでは警戒して行動する必要があります。安全な国と言われているところでも、スリなどが頻繁に起きているケースもあるので、自己防衛が大切になってきます。

海外出張では慣れない土地での生活に加え、自己防衛もしっかりと対策を立てなければいつ事件に巻き込まれてしまうかわかりません。会社からの命令とはいえ、自分で自分を守れるのかしっかりと判断する必要があるでしょう。

海外出張を断る3つのリスク

海外出張にどうしても行きたくないのであれば、上記で紹介した理由を伝えれば会社も無理に出張へ行かせようとはしません。しかし、海外出張を断るならそれなりにリスクがあることも頭に入れておくことが大切です。
海外出張を断るリスクは主に3つあります。
まず1つ目は、人間関係がギクシャクすることです。自分が海外出張を断れば当然、誰かが代わりに行くことになります。望んでもいない海外出張を行かされることになれば「あの人が海外出張を断らなければ自分が行く必要なかったのに」と思われる可能性があり、その後も仕事でのやり取りに影響することも考えられます。
2つ目は、昇進ルートから外される可能性があることです。海外出張へ行くのは、現地調査や先方との交渉のために行くケースが多いため、昇進もしやすい花形の部署ともいえます。しかし、海外出張を断れば昇進ルートから外され、評価がされない部署への異動も十分に起こりえるでしょう。
3つ目は、上司や周囲から期待されなくなる可能性があることです。海外出張を依頼するのは、上司があなたに対して期待しているからです。家庭の事情で今回だけは海外出張を断るということであれば、1回はしょうがないと思われるかもしれません。しかし、海外出張を断ることが続けば次第に期待されなくなり、他の人に大きな仕事を依頼するようになりかねないのです。

出張拒否の法的な位置づけ

会社からの辞令を拒否した場合、法的な位置づけとして、会社側が業務命令違反と判断すれば懲戒の対象になる恐れがあります。1回目の海外出張を断っただけですぐに懲戒ということは少ないですが、業務命令違反を繰り返せば懲戒の対象になる可能性も考えられます。基本的に国内、国外問わず会社から辞令が出た場合、拒否することはできません。その理由は、出張は人事異動とは異なるからです。出張は人事異動とは違い、一時的な業務命令であるため合理的である限り拒否はできないのです。

しかし、職種限定で入社した場合よっては、出張拒否できる可能性はあります。採用時に契約した内容次第では、出張が業務外となる場合も考えられるからです。職種限定で採用された人は、どのような条件で契約したか確認しましょう。
出張拒否後の解雇について
https://www.bengo4.com/c_5/b_433872/

出張の拒否にはリスクが伴うことも認識しておこう

会社の辞令が絶対ではなく、海外出張を断ることは不可能ではありません。ただし、業務命令に正当性があった場合、自身の都合だけで海外出張を拒否することは難しく、断ることで周囲との関係性が悪化したり、昇進ルートから外れてしまったりする可能性もあります。断ることのリスクをきちんと考えた上で、海外出張を断るべきかどうか判断しましょう。

Lock Icon

この記事は会員限定です

会員登録すると続きをお読みいただけます。