ワーケーション導入事例で見えた!地方との交流で活性化するビジネス

ワーケーション導入事例で見えた!地方との交流で活性化するビジネス


リモートワークの普及に伴い、理想的なワークライフバランスを実践できる手段の一つとして、ワーケーションに注目が集まっています。
「work(仕事)」と「vacation(休暇)」を組み合わせた造語のワーケーションは、リゾート地などの旅先で休暇を楽しみながら仕事をする働き方。働く人のモチベーションを上げ、新しいビジネスを生み出すきっかけ作りにも貢献できるので、取り入れる企業が増えています。
この記事では、実際にワーケーションを導入した企業の事例を取り上げて、社員にどのような効果や変化をもたらしたのかをご紹介します。

1.ワーケーションを取り入れるメリット3つ


ワーケーションは、新しく出てきたリモートワークの1つです。2000年代にアメリカで生まれ、2020年ごろから日本での認知が広がりました。
オフィスの外に出て仕事をし、休暇も楽しめ、リラックスした環境の中で過ごせます。そのため、ワーケーションを導入することで、さまざまな良い効果を得られるでしょう。この章では、ワーケーションがもたらすメリットをご紹介します。

1-1.仕事へのモチベーションが高まる

いつもと違う環境で仕事をすることが気分転換につながるので、オフィスにこもりきりになるより、ストレスが減るでしょう。その結果、いつもより仕事がやりやすくなり、仕事への満足度や達成感をあげることに繋がり、自然とモチベーションの向上も期待できます。

1-2.生産性が上がる

仕事とバケーションが融合したワーケーション。海や山など、自然豊かな環境で仕事を進めながらリフレッシュできるので、メンタルヘルスに良い影響をもたらします。また、場所を変えて仕事をすることは脳の活性化に効果があります。結果、心身共に良いコンディションを維持できるので、生産性が上がるでしょう。

参考:注目のワーケーションとは?メリットやデメリット、向いている職種を解説! | WEBマガジン「#Think Trunk」 | 企業・団体向け | JTB 法人サービス

1-3.新しいビジネスの創出

自然の中など、非日常な空間で仕事をすれば、新しいアイディアも生まれやすくなります。それがビジネスの創出につながることもあり得ます。

また、地方と交流するタイプのワーケーションなら、それまで知る機会のなかった地域の魅力に気づけるチャンスも増えます。そこから新しいビジネスを創り出せれば、地域とビジネスの両方を活性化させることが可能です。

2.ワーケーション導入事例3選

ワーケーションの成果をビジネスに活かしている企業が、少しづつ増えています。地方でリモートワークを行いながら自治体と協力したり、自社の商品を地方でテストし商品開発に役立てたりと、様々な成功例が生まれています。
この章では、その一部をご紹介。ワーケーションのメリットがイマイチわからない、という方はぜひ参考にしてみてくださいね。

2-1.地方とのコラボから生まれた商品がヒット!ユニリーバ・ジャパン株式会社

働く場所と時間を社員が自由に選ぶ「WAA(Work from Anywhere and Anytime)」制度を導入しているユニリーバ・ジャパン株式会社。会社に申請し、業務に支障がなければオフィス以外の場所で仕事ができる制度です。
ユニリーバ・ジャパン株式会社は、和歌山県、北海道、宮城県などの自治体と提携したワーケーションを実施。地元のイベントや自治体の指定する地域課題の活動に参加すると宿泊費の無料化や割引が受けられたり、ワーケーション中に加入する任意保険の保険料は会社に負担してもらえたりするなど、さまざまな制度があるのが特徴です。
提携先の1つである、宮崎県新富町との交流から生まれたのが、九州限定デザインの「ダヴ ボディウォッシュ プレミアムモイスチャーケア 詰め替え用」。九州でのみ発売されたこの商品は、九州エリアで売上が前月比20%アップしました。

参考:ユニリーバ・ジャパン|ワーケーション&ブレジャー地域 de WAA | Unilever「いつでもどこでも働ける」ユニリーバを変えたトップの力|日経BizGate
新富町役場 – 【元富田中学生の作品がパッケージデザインに描かれています!】…

2-2.ワーケーションの効果を実際に検証!株式会社内田洋行

株式会社内田洋行では、学校の跡地を利用した「熱中小学校」という人材育成のための施設運営を地域の創生と結びつけ活動しています。同時に、サテライトオフィスを設置してワーケーションを実施。社員の体験を大学研究室と共有し、ワーケーションがもたらす効果の検証にも貢献しています。

その他にも、自社製品のテストを実施したり、ワーケーションに特化した施設を誘致したりなど、企業と地方を結びつけて活性化を図る活動を行なっています。


参考:【自社実践レポート】はじめてのワーケーション体験!その効果とは?内田洋行
地方創生の担い手 人材の育成に向けた取組について

2-3.旅行を兼ねて顧客と交流!ランサーズ株式会社

テレワーク推進の一環として「社員さすらいワークス」制度を行なっているのがランサーズ株式会社です。会社と提携している自治体を社員が選び、地方でワーケーションを行っています。
セミナーの開催などを通した地域創生プログラムのサポートや、地域の担当者及びランサーズのサービスを利用しているフリーランスとの交流など、ワーケーションで得た経験を通して人材を育成するのが狙いです。
参考:ランサーズ株式会社「テレワーク推進の一環として、『社員さすらいワーク制度』を実施

3.地方のワーケーション受け入れ事例4選


ワーケーションやブレジャーのための環境を整え、地域外の企業を誘致して地元の活性化に繋げる取り組みを行なっている自治体が増えています。この章では、特に人気の高い自治体をピックアップ。ワーケーション先を探している方は要チェックです!

3-1.国内屈指の規模を誇る北海道

自然を活かした多彩なアクティビティや114ヶ所のワーケーションスポットを揃え、地域をあげてワーケーションを応援しているのが北海道です。モデルプランだけでなく、利用者の好みで自由に滞在をカスタマイズできるプランもあります。

また、サテライトオフィス開設を検討する企業へ費用を助成する制度があり、初めてワーケーションを導入する企業にも敷居が低くなるよう、受け入れ態勢を整えています。

参考:北海道型ワーケーション

3-2.山と森を楽しめる長野県

県面積の8割に及ぶ森林資源や温泉を活かして、県内にワーケーション施設やコワーキングスペースが多数設置されています。中でも、森林セラピーや温泉浴などをメインとしたモデルプランが豊富です。

現在は募集を終了していますが、過去には交通費・宿泊費・オフィス利用料を最大10万円まで助成する制度があり、企業だけでなくフリーランスの方も利用しやすいのが魅力。

また、長野県だけでなく、自治体からの助成金が出る可能性もあるかもしれませんので、気になる方は小まめにチェックしてみるのも良いでしょう。

参考:長野で体験して分かった、ワーケーションの本当の魅力とは?
信州リゾートテレワーク

3-3.公共施設も利用できる和歌山県

全国に先駆けて、2017年より県内でのワーケーション受け入れを開始したのが和歌山県です。2017~2019年の3年間で、104社910名の利用実績をあげています。

特徴は、ビーチや温泉を活かした家族滞在型プラン。ワーケーションとブレジャーの両方を兼ね、狩猟体験や農業体験など、家族で楽しめるアクティビティが揃っています。
また、提携している宿泊施設だけでなく、観光案内所や図書館など、公共の施設を無料でワーケーション向けに開放しており、モデルプランだけではない柔軟な受け入れ態勢が魅力の一つです。

参考:和歌山ワーケーションプロジェクトHP

3-4.自治体と協働できる宮城県

宮城県では、自治体との協働プランを中心に、地方活性化を目指したワーケーション受け入れを行なっています。

注目されているのは、地元の事業者に協力することで報酬を得られる、副業型ワーケーションプラン。事業開発やデザイン、プログラミングなど数種類の副業が可能です。また、ワーケーション終了後も引き続き連携できるので、新しいビジネスの展開につなげやすいことから人気があります。

また、通常のワーケーションだけでなく「お試し移住」という長期型のワーケーションを積極的に展開。宮城県に移住を考えている人をサポートしています。

参考:RELEASE YOURSELF IN MIYAGI
塩竈市の「副業型ワーケーション」を現地レポート–地元事業者にスキルで貢献、離島でデジタルデトックス – CNET Japan
ワーケーション体験から伝える、宮城県女川町がワーケーションに向いている理由 | Nativ.media | 地方移住・関係人口創出のプラットフォーム

4.ワーケーションを上手に導入するポイント3つ

オフィスの外で仕事をするワーケーションには、おさえておきたいポイントがいくつかあります。この章では、ワーケーションを成功させるためのポイントについてご案内します。

4-1.労働時間を管理する

会社側には、従業員の労働時間把握が義務付けられています。そのため、ワーケーション実施前には会社に申請して許可を取ることが必須です。ワーケーション中はオフィスに出社して仕事をする訳ではないので、勤怠や労働時間をどう管理するかを決めておきましょう。

仕事とプライベートを分けたいという人は、「朝9時から夕方5時まで仕事をしたあと、勤怠を入力して仕事を終了。残った時間はプライベート」など、ワーケーション中も時間の管理が比較的簡単です。
しかし、「朝9時に仕事を始めて11時ごろにカフェへ行く。カフェでコーヒーブレイク中に仕事のアイディアが浮かび、持って行ったPCで少し作業」など、フリータイムで生まれたアイディアもすぐ仕事に反映させたいという人は、その労働時間の管理が難しいことも。どのように労働時間を管理するか、会社とすり合わせておきましょう。

仕事をする時間の管理にオススメなのが、テレワーク向け勤務管理ソフト。いちいち勤務時間を計算する必要がなく、手間を省くのにうってつけです。
特に、PC向けからモバイルアプリまで幅広く揃っているのが「jinger」。中でも、jinjer勤怠のようなクラウド型なら、ソフトウェアインストールの必要がありません。スマホで簡単に勤怠が入力でき、導入しやすいのがメリットです。
もう一つ注意したいのが、有給の扱いです。有給とは、「給与を支給しつつ労働から離れることを許可した休暇」を指します。

例えば、ワーケーションの日程前後に有給を取って、現地で心身をリフレッシュする……というプランなら、ワーケーションの日数と有給の日数は別々に記録しましょう。有給中の時間も仕事に使ってしまうと、有給とは見なされず勤怠管理が混乱する元に。避けた方が無難です。

参考:BIGLOBEハンジョー「ワーケーションの労務管理/注意点や具体的な対策を解説」
人事向けクラウドサービスジンジャー(jinjer)
【企業向け】ワーケーション、経費や労務管理はどうする?制度導入の手順やポイントを解説 | Livhub

4-2.助成金を活用する

個人事業主で、費用面からワーケーション実施をためらっている……という場合でも、助成金を使ってワーケーションを導入できる制度があります。企業・フリーランスを問わずに助成金を交付しているところが多いので、活用しない手はありません。

【富山県氷見市】ワーケーション実証費用助成金
・対象:市内に本店や営業拠点のない企業またはその従業員(役員を含む)、および個人事業主。
・条件:
1)市内の宿泊施設に3連泊以上すること
2)ワーケーションの実証をSNSで拡散し、氷見市の魅力を紹介すること
3)同一のワーケーションに参加する人数は15人以内であること
4)氷見市や氷見市観光協会などが実施する同種の助成金と併用しないこと

・助成内容:
1)宿泊費用
最大7連泊までの宿泊費用を助成。上限は1泊あたり5,000円まで。
2)ワークスペース利用料および市内移動費用
最大5日までのワークスペース、市内移動の費用を助成。上限は1日あたり1,000円まで。

参考:氷見市ワーケーション実証費用助成金について

4-3.セキュリティ対策をしっかり行う

オフィスの外で仕事をするというワーケーションの性質上、パソコンやスマホ、タブレットを持ち歩くのが前提になります。そのため、盗難やハッキング、紛失で情報が漏れるリスクが増す恐れが。セキュリティソフトのインストールや、パスワードマネージャーの利用はもちろん、デバイスのセキュリティ対策は必ずしておきましょう。

【セキュリティ対策例】
・VPNの利用でハッキングを防止
・指紋認証、ワンタイムコードなど多要素認証を利用し外部からの不正アクセスを防止
・ハードディスクを暗号化し、PC紛失時などの情報漏洩を防止

参考:テレワークセキュリティ ガイドライン
リモートワークの際に心がけたい10のセキュリティ対策 | サイバーセキュリティ情報局
ワーケーションのWi-Fiセキュリティ|施設側の対策 | BIGLOBEハンジョー

まとめ:ワーケーションでビジネスに新しい風を吹き込もう

ワーケーションを通して、それまで馴染みのない場所で仕事をすることは、新しい出会いや出来事、経験に触れるチャンスです。働く人自らの成長だけでなく、職場や営業活動、チームワークなどいろいろな方面で良い影響をもたらす可能性にあふれています。
個人と組織、そして地方を繋ぐワーケーション。地域の助けになる仕事をしたい方はもちろん、地方を活性化させるビジネスを創造したい方や、新しいアイデアを仕事に取り入れたい方にうってつけの働き方です。
新たなビジネスを展開するためにも、ワーケーションを導入してみてはいかがでしょうか。
 

文:山﨑 梨惠
編集:カワムラ ルイ(リベルタ)

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