ワーケーションで海外出張のパフォーマンスもUP!?新しい働き方とは

ワーケーションで海外出張のパフォーマンスもUP!?新しい働き方とは

リモートワークや在宅勤務などが少しずつ広がっている今。新たな働き方として「ワーケーション」が注目されています。
Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語として生まれたワーケーションは、リゾートや観光地で過ごしながら仕事をするというスタイルです。

仕事とバケーション(休暇)を緩やかにつなげるワーケーションは、海外出張の合間にも取り入れやすい働き方とも言えるかもしれません。また、ワーケーションに便利なサービスやツールは海外出張中にも使えるものばかりです。

改めて、ワーケーションを海外出張という視点も絡めながら見つめ直してみましょう。

1.国内外で注目されているワーケーションとは?

1-1.ワーケーション=Work+Vacation

ワーケーションとは、Work(仕事)+Vacation(バケーション)を組み合わせた造語です。
例えば、リゾート地のようにリフレッシュできる環境で仕事をする、というような働き方もワーケーションです。

コロナ禍で在宅勤務やリモートワークが普及しつつある今、「オフィスではない場所で働く」というワークスタイルは日本でもますます広がっていくことが期待されます。
海外出張先からリゾート地や観光地に移動して、ほどよく余暇を楽しみながら仕事をする……。海外出張が多い方なら、こんな働き方もワーケーションで可能になります。

最近では、環境省が国立公園等でワーケーションを推進する事業を公募するなど、地方創生や働き方改革など政策の一環としても注目を集めています。

参考:
環境省「令和2年度(補正予算)国立・国定公園への誘客の推進事業費及び国立・国定公園、温泉地でのワーケーションの推進事業」
https://www.env.go.jp/press/107963.html

1-2.ブレジャーとの違い

ワーケーションと似たような概念として“ブレジャー”があります。
ブレジャーとは、ビジネスとレジャーを組み合わせた造語で、出張ついでに旅行を楽しむことを意味します。ブレジャーも出張の合間にリフレッシュしたり、ビジネスにも役立つ知見や経験を知るという意味ではビジネスパーソンにとってメリットの多い過ごし方。仕事や海外出張へのモチベーションを上げることもできますよね。

一方で、ブレジャーはあくまでも出張にプラスして有給休暇等でレジャーや旅行を楽しむのに対して、ワーケーションは休暇先など自分の好きな場所に滞在しながら仕事をする点が特徴です。

1-3.ワーケーションで生産性も向上!?

画像出典:株式会社NTTデータ経営研究所 プレスリリース
https://www.nttdata-strategy.com/newsrelease/200727.html

株式会社NTTデータ経営研究所、株式会社JTB、日本航空株式会社が行ったワーケーションが仕事にどのような影響を及ぼすか、という実証実験では、図のような結果が出ました。

【仕事のパフォーマンスに対する影響】

・創造的な行動(青線):-0.2程度→0.2へ上昇、ワーケーション終了後も0.2をほぼ継続
・規定された職務の遂行(赤線):-0.2程度→0.2へ上昇、ワーケーション終了後も上昇
・*HPQ(黄線):-0.3程度→0.4へ上昇、ワーケーション終了後も0.4をほぼ継続

*HPQとは、WHOにより定義された生産性を測る指標のひとつ。体調不良やメンタルヘルス不調などの原因で、従業員の仕事のパフォーマンスがどの程度低下しているかわかるようになっています。

2020年6月26日から28日までのワーケーション実施期間中、仕事のパフォーマンスや情動的な組織コミットメントが向上したという結果が出ています。

さらに注目したいのが、ワーケーション期間終了後です。グラフを見てみると、HPQ(黄線)と創造的な行動(青線)は、ワーケーション後も効果が継続しています。

このように、する人だけでなく、働く人にも企業や組織側にも良い影響を及ぼすワーケーション。
海外出張時にも上手に組み合わせれば、リフレッシュしながら良い仕事ができそうですね。

参考:
株式会社NTTデータ経営研究所
「ワーケーションは従業員の生産性と心身の健康の向上に寄与する~ワーケーションの効果検証を目的とした実証実験を実施」
https://www.nttdata-strategy.com/newsrelease/200727.html

2.ワーケーションの働き方とは

ワーケーションのメリットは、オフィスに縛られず、好きな場所に長期滞在しながら仕事ができることです。
ワーケーションによって、一体どんな働き方が可能になるのか見ていきましょう。

2-1.旅先で観光しながら仕事ができる

オフィスに縛られることなく、好きな場所で仕事ができる環境を整えれば、旅行をしながら働くことも可能になります。
今や、ホテルにWifi環境が整っているのは当たり前。インターネットに接続さえできれば、旅先でもオフィスと同様に仕事ができます。
クリエイティブな刺激に溢れる旅先で、新たなビジネスの種を作り出すことができるかもしれません。

(例)ライター業を営むAさんの場合
東南アジアを旅行しながら、仕事をこなすのがAさんの日常。
午前中は滞在先で観光を楽しみ、暑さが厳しくなる昼〜夕方にかけての時間帯が主な仕事タイムとなっています。
東南アジアは日本との時差も少なく、zoomなどを使ったweb会議も比較的スムーズ。

主な連絡はメールやslackなどのチャットアプリ。電話もIP電話を活用しているので、インターネットに接続してさえいれば、国際電話と使うことなく日本と同様に通話ができます。
また、ファイルはDropboxやEvernoteで仕事のパートナーやクライアントと共有し、仕事を進めているとのこと。

旅行しながら仕事ができるため、旅行系のコンテンツ制作など新たな仕事の依頼を受けるようになるなど、ビジネス面でもメリットを感じているそうです。出張の合間にレジャーを楽しむというスタンスのブレジャーとは違い、休暇ありきのワーケーション。よりリラックスしてのびのびと仕事ができるのもワーケーションの良いところですね。

2-2.ワーケーションで新たな拠点を開拓

日本国内にとどまらず、海外でもワーケーションにぴったりなコワーキングスペースが近年たくさん登場しています。
旅のように移動を続けなくても、一定期間オフィスとは違った環境で仕事をすることも可能になります。

例えば、景色がいい土地にあるコワーキングスペースを活用しながら、月の後半はワーケーションをする。そんな働き方もいいかもしれません。

記事後半でご紹介する、定額で世界中に点在する住まい使い放題のサービスなどを使えば、よりワーケーションの自由度も高まります。

(例)デザイナーHさんの場合
いつもと違った景色の中で仕事をすることで、デザインの幅を広げてみたいと思っていたデザイン会社勤務の Hさん。
1、2ヶ月に1回、2週間ほどお気に入りの海が見える街でワーケーションをしている。
毎回使うコワーキングスペースでは、顔なじみの仲間も増え、ワーケーション先で観光パンフレット制作の仕事の相談も受けるようになったそう。

いつも同じメンバーと顔を合わせる都内のオフィスでは、なかなか広げられなかった人脈やコミュニティづくりもワーケーションによって可能になっているようです。

2-3.有給休暇取得しやすくなるかも!?

画像出典:PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000210.000003373.html

世界的にみても低い日本の有給休暇取得率。
アメリカのオンライン旅行会社「エクスペディア」が発表した、世界19カ国の有給休暇に関する国際比較調査では、日本の有給休暇取得率は、なんと最下位の50%!

ワーケーションは、こうした有給休暇取得率が低い日本のカルチャーを変える可能性も秘めています。

例えば、ワーケーションによって「休暇をとりながら仕事ができるので、社内外に迷惑をかけることなく休暇を楽しむことができる」という意識が醸成されれば、休みを取る心理的ハードルは低くなります。
「職場の雰囲気で有給休暇が取得しにくい…」という理由から有給休暇取得をためらっていた人も、ワーケーションが普及すれば、より休みやすくなるかもしれません。

参考:
PRTIMES・エクスペディアジャパン プレスリリース
「世界19ヶ国 有給休暇・国際比較調査2019も発表 日本人は世界で一番『短い休暇』が好き おススメの旅行スタイルは『ステイケーション』」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000210.000003373.html

3.海外出張とも相性の良いワーケーション

オフィスに縛られず、どこからでも仕事ができる環境が整いつつある今。
ワーケーションという新たな考え方は、海外出張スタイルも変えてくれる可能性を秘めています。

例えば海外出張を終えた後、そのまま数週間ほど出張先近くのリゾート地でワーケーションをするのも良いかもしれません。
また、海外出張が多い方なら、出張先から次の出張先へと移動する間、ワーケーションしながら過ごすのも大いにアリでしょう。

海外出張先のコワーキングスペースを活用すれば、普段はなかなか会うことのない人との出会いも期待できます。出張先でビジネスの人脈を広げる上でもワーケーションは活用したい働き方です。

4.ワーケーションで注目されている国内外のサービス

ワーケーションをする上で、必要となるのがネット環境やバケーション先で仕事ができる場所です。
ホテルの一室を使う、というのももちろん可能ですが、せっかくならワーケーションをより快適にサポートしてくれるコワーキングスペースなどのサービスを使ってみるのも良いでしょう。
ここからは、ワーケーションで使えるサービスについてご紹介します。

4-1.コワーキングスペース

画像出典:UNSETTLED

Unsettled Costa Rica One Week Retreat

ワーケーションをする上で、ぜひ活用してみたいのがコワーキングスペースです。
コワーキングスペースとは、事務所や打ち合わせなどのオフィス機能を共有するシェアオフィスのひとつのかたち。インターネット環境や打ち合わせスペースなど仕事に必要な環境が用意され、様々なバックボーンの人と出会える場にもなります。
日本はもちろん、海外にはたくさんのコワーキングスペースが存在しています。
現地で出会った人と新たなビジネスチャンスが生まれる可能性も秘めているコワーキングスペースは、より充実したワーケーションを後押ししてくれることでしょう。

<海外出張先で使ってみたい海外のコワーキングスペース>

現在、海外ではたくさんのコワーキングスペースサービスが提供されています。
自分が旅行する先で、また、海外出張中の仕事の拠点として、チェックしてみたいコワーキングサービスを探してみてはいかがでしょうか。

・UNSETTLED
バリやブエノスアイレス、バハマ、ギリシャ、レバノン、ケープタウンなど世界各国にコワーキングスペースを持つサービスです。コワーキングスペースの使用は1週間〜1ヶ月単位で自由に設定できます。

UNSETTLED公式サイト
https://beunsettled.co/

・Selina
アルゼンチンやボリビア、ブラジルなどの中南米、ポルトガル、イギリス、ギリシャなどのコワーキングスペースを使えるサービスです。宿泊施設もセットになっているので、仕事ができる滞在先を確保する、という感覚で使えます。1日単位から申し込めるので、日本のビジネスパーソンにもぴったり。
滞在先によっては、音楽イベントやヨガなど余暇を楽しめるプログラムも用意されています。

Selina公式サイト
https://www.selina.com/%22

4-2.移動式ホテル/オフィス

画像出典:PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000033911.html

旅をしながら仕事もする、そんなワーケーションには移動がつきものです。
それなら移動しながら仕事ができるよう、車をオフィス兼滞在先にしてしまおう、という発想で生まれたのが移動式オフィスやホテルです。
日本でも2020年1月から九州で宿泊できるバス「BUSHOUSE」の利用実証実験がスタートしています。

参考:
PR TIMES・株式会社DADA プレスリリース
「(株)DADA、宮崎県日南市と共同で移動型シェアリングスペース『BUSHOUSE』の利用実証を開始」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000033911.html

4-3.住居サブスクサービス

画像出典:PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000039388.html

各地に点在する住居をサブスクリプションで使える住居サブスクサービスもワーケーションにぴったりのサービスです。
JR西日本では、株式会社KabuK Styleと提携して、国内外176都市のホテル・ゲストハウスに定額で住み放題できるサービスをスタートしています。

また、住居型ではありませんが、三菱地所も和歌山県白浜町に「WORK × ation Site 南紀白浜」を、長野県北佐久郡軽井沢町に「WORK × ation Site 軽井沢」をオープン。企業のサテライトオフィスや研修の場として提供をスタートしています。

好きな場所に一定期間滞在できる環境を、定額制で提供するワーケーションサービスは、今後ますます増えていくかもしれません。

参考:
JR西日本「HafH」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000039388.html
三菱地所「WORK × ation Site」公式サイト
https://workxation.mec.co.jp/

4-4.クラウドオフィス

場所の提供だけでなく、ワーケーション環境を整えるオンライン上の仮想オフィス(クラウドオフィス)サービスも登場しています。

仕事をしている間、常時ログインしておき、アバターやテキストチャットで同僚・上司・部下とコミュニケーションを図ることができる仮想オフィスサービス「RISA」もその1つ。
仲間の様子を把握できたり、オフィスでの雑談からアイデアの種を見つけたり……といった、リアルなオフィスならではの良さを捨てたくないという方にもオススメです。

また、ワーケーションをしてはいるものの、オフィス出社時のコミュ二ケーションも大切にしたいという方にも良いでしょう。

参考:
RISA公式サイト https://risa.ne.jp/

5.ワーケーションにはどんな仕事・環境が向いている?

ワーケーションについて知れば知るほど、「こんな働き方してみたい」と思う一方で、「本当にできるかな」と不安や疑問を抱く方も多いかもしれません。

最後にワーケーションが向いているのはどんな仕事なのか、そしてワーケーションをする際に最低限クリアしておきたい環境作りについて考えてみましょう。

5-1.ワーケーションに向いている仕事

例えば、国内外問わず出張が多い方にとっては、ワーケーションという働き方を取り入れるだけで、仕事の効率が上がる可能性があります。
オフィスに縛られず、世界中どこからでも仕事をするためのスキルは、リモートワークがコロナ禍で普及し始めた今、ますます求められるスキルといえます。

また、フリーランスのデザイナーなどクリエイターにとっては、ワーケーションで得た刺激やインスピレーションがクリエイティブに良い影響を与える可能性も大!
ワーケーション先で新たな仕事のつながりが生まれるチャンスもあるかもしれません。

5-2.ワーケーションするために必要な環境は?

職種にもよりますが、パソコンとインターネット環境、そしてワーケーションを支援する様々なツールを使うスキルさえあればワーケーションは可能です。
また、企業で働く方にとっては、企業側がこうしたワーケーションに対してある程度の理解を示してもらえなければ、1人の判断ですることはなかなか難しいかもしれません。

また、ワーケーションをスムーズに進めるために、ある程度リモートワークのスキルや道具の使い方も身につけておく必要があります。

例えば、zoomやTeamsなどのオンライン会議サービス、DropboxやGoogledocsなどのオンラインでのドキュメント管理サービスなどはワーケーションにぴったり。是非使いこなしてみてくださいね。

ワーケーションに役立つツール・webサービス

すでにリモートワークなどで普及しているサービスも、ワーケーションで使えるものがたくさんあります。
ワーケーションに役立つwebツールをいくつかご紹介します。

<チャットアプリ>
SlackやTeamsなどのチャットアプリは導入している企業も多いサービスです。
スマホやタブレットからも確認できるこうしたチャットアプリは、リモートワークやワーケーションに役立ちます。もちろん海外出張にも!

・Slack 
https://slack.com/intl/ja-jp/ 

・Teams
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/microsoft-teams/group-chat-software 

<クラウドオフィス、営業支援ツール>
GoogleのG Suiteは、クラウド上でデータや書類を共有したり、チャットやオンライン会議ができるツールとして広く使われています。また、営業支援ツールとしてオススメなのが「Zoho CRM」。顧客情報の一元管理や営業管理なども簡単にクラウド上でできます

・G Suite
https://gsuite.google.co.jp/intl/ja/features/

・Zoho CRM 
https://www.zoho.com/jp/crm/

5-3.ワーケーションの注意点

ワーケーションは場所と時間に縛られないで働ける一方で、「勤務時間」を人事評価や給与の基準にしにくい、というデメリットも。効率悪く仕事をしてしまえば、勤務時間がこれまで以上に長くなってしまうというリスクもあります。また、顔を合わせてのコミュニケーションが少なくなる分、こまめな報告・連絡・相談が必要になるシーンもあるでしょう。

このようにワーケーションは、オフィスで勤務する以上にパフォーマンスが求められる働き方。注意点と書くと、少しハードルが高いように感じるかもしれませんが、裏を返せば、ワーケーションをすることによって、自分のビジネススキル向上を目指すことも可能になります。

今、新型コロナウイルス感染症の拡大により、リモートワークという働き方が普及しています。ワーケーションにチャレンジするハードルはグッと下がっていると言えるのではないでしょうか。

まとめ:もっと自由な働き方を可能にしてくれるワーケーション

自由な働き方を作り出すことができるワーケーションは、海外出張をする方にとっても参考になることがたくさんあります。また、海外出張をよりスムーズに、そして出張先でもより高いパフォーマンスを上げる働き方がワーケーションによってできるようになるかもしれません。
海外出張をする方なら、ぜひワーケーションにチャレンジしてみてはいかがでしょうか? きっと新たな視点で世界を見ることができるはずです。

文:オナイ ウイコ
編集:山﨑 梨恵(リベルタ)

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