海外出張が多く、飛行機に乗る機会が多いなら、活用しない手はないマイル。「今までマイルのことをあまり意識していなかった……」という方も、上手に活用すれば、次のビジネス出張をより快適にできるかもしれません。海外出張に行くなら知っておきたい、いまさら聞けない、マイルの貯め方・使い方をご紹介します。
1.入門編〜マイルとは一体何?〜
マイルって、飛行機を使うと貯まるらしいとは聞いたことはあるけれど、実際にどういう仕組みで貯められ、使えるのか、詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。まずは、マイルの基礎知識をマスターしましょう。
1-1.マイルの仕組みとマイレージカード
マイルとは、簡単に行ってしまえば、航空会社が提供しているポイントカードシステムです。
各会社のマイレージプログラムでは、飛行機に乗ることでマイルが貯められるほか、クレジットカードでのショッピングでもマイルが貯められます。
貯まったマイルは航空券への交換や、エコノミークラスからビジネス/ファーストクラスへの座席グレードアップなどに使えることから、出張や旅行が多い方の中には、マイルを上手に活用して、快適な空の旅を楽しんでいる方も多いのです。
搭乗距離(=マイル)に比例してポイントが貯まるマイレージサービスを世界で初めて提供したのは、アメリカン航空です。1981年から始まったこのサービスは、顧客獲得/囲い込みのためのサービスとして大成功。わずか1年で約100万人の会員数となり、他社も同様のサービスを始めました。
※参考:アメリカン航空 公式HP
https://www.americanairlines.jp/i18n/customer-service/about-us/history-of-american-airlines.jsp
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1-2.どうやったら貯まるの?
マイルを貯める方法は大きく分けて2通り。1つめは、言わずもがな、飛行機に乗って貯める方法です。海外出張が多ければ多いほど、フライト回数・距離が多くなりますから、貯まるマイル数も増えていきます。
と、ここまでお話しすると「海外出張や旅行に行くのは年に1回程度だから、マイルは貯まらないだろう」と諦めてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、実はマイルには飛行機に乗る以外にも貯める方法があります。
それが、もう1つの方法「クレジットカードで貯める」という手段です。日々のお買い物などでクレジットカードを使うたびに、利用金額に応じてマイルが貯まっていくため、飛行機に乗らなくても普段の生活で活用できます。また、海外出張時に滞在先でクレジットカードを使って買い物や宿泊、食事をすればさらにマイルが貯められるでしょう。
2.準備編〜マイレージプログラムに入ろう〜
実際にマイルを貯めて活用するためには「マイレージプログラム」への入会が必須。マイレージプログラムは航空会社ごとに異なり、使いやすさやよく使う航空会社に合わせて、数ある選択肢の中から吟味して選ぶ必要があります。ここからは、具体的にマイルを貯めて活用するための準備として、マイレージプログラムの選び方や入会方法を解説します。
2-1.マイレージプログラムの選び方
日本でメジャーなマイレージプログラムとして挙げられるのが、ANA(全日空)やJAL(日本航空)。これらのプログラムは、国内線・国際線どちらを使う場合にも、日本語で手続きができるほか、日本国内でマイルを貯めやすいというメリットがあります。
海外の航空会社を利用する機会が多いなら、JALやANAではなく、よく使う航空会社のマイレージプログラムを選んでも良いでしょう。
また、マイレージプログラムにはアライアンス(航空連合)があり、航空会社が違っても同じアライアンスの会社であればマイルが貯められます。例えばANAはスターアライアンスに加盟している為、ユナイテッド航空、中国国際航空、アシアナ航空、アリタリア航空などのフライトもANAマイルが貯められます(2019年9月時点)。
※参考:ANA公式HP「提携航空会社」
https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/reference/tameru/flightmile/tk/
このように、マイレージプログラムに入る際には、航空会社と同じように、アライアンスをチェックするのも大切。
先ほどご紹介したANAも加盟するスターアライアンスのほか、JALが加盟しているワンワールドや、デルタ航空、エールフランスなどが加盟しているスカイチームがあります。
それぞれのアライアンスのなかから、よく使う航空会社があるものを選ぶと良いでしょう。
※参考:
スターアライアンス公式HP
https://www.staralliance.com/ja/
ワンワールド公式HP
https://ja.oneworld.com/
スカイチーム公式HP
https://www.skyteam.com/ja
2-2.マイレージプログラムへの入会方法
入会するマイレージプログラムが決まったら、いよいよ入会の手続きです。
入会方法は簡単。飛行機の搭乗時にもらう申し込み用紙の提出やWEBからの入会申し込みなどで申し込めます。特に急ぎでなければ、空港で搭乗時に用紙を受け取り、移動の飛行機内で記入して申し込みをしても良いでしょう。
また、マイレージプログラム入会前のフライトでも、一定期間内(JALの場合は6ヶ月以内。※2019年9月時点)であれば、事後登録が可能です。
各航空会社のホームページなどから申し込みができますので、ぜひチェックしてみてください。
意外にもマイレージプログラムに入会するにはクレジットカードを作らなければいけないと思っている方も多いのですが、ご安心を。マイレージカードはクレジット機能がなく、年会費や入会金はかかりません。マイレージプログラムに入会するだけならクレジットカードを作らなくても良いので、気軽に申し込んでみましょう。(ただし、クレジットカード利用でマイルを貯めたい場合は、クレジットカードを作る必要があります。)
2-3.計算方法
フライトによって貯まるマイルは、運賃別積算率によって変わります。
「マイルはフライト距離によって計算される」と思われがちですが、実際は乗客が支払う航空券の金額に応じてマイルを計算することで、不公平感を無くしています。この仕組みが運賃別積算率。同じフライトの航空券であっても、席のランクや適用となる割引サービスによって、当然ながら各乗客が航空会社に支払う金額が異なりますから、より乗客の利用に応じたポイント加算システムと言えますね。
ANAの国際線(成田からシアトルまで)でANAマイレージクラブカードを使ってG/E/Y/B/Mクラスの座席を予約した場合。
積算率は100%。区間基本マイレージは4,775マイルなので、フライトマイルは以下の通り。
=[区間基本マイレージ:4,775マイル]×[積算率:100%]
=4,775マイル
※別途ボーナスマイルが付与される場合もあります。
※参考:ANAフライトマイル・プレミアムポイントシミュレーション
https://cam.ana.co.jp/amcmember/ppsja?ppsType=I
3.実践編〜マイルを使おう!〜
貯まったマイルは、無料航空券への交換や座席のグレードアップなど様々なシーンで使えます。上手に活用する方法やコツを詳しくみていきましょう。実際の活用シーンで使うマイル数もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
3-1.航空券に交換する
マイルの活用方法として、最もおトク度が高いのが、特典航空券への交換です。マイルで飛行機に乗れるため、マイルを貯めて旅行などに行くのも楽しそう! 海外出張で頑張った自分へのご褒美として、貯まったマイルで海外出張先からブレジャーに足を伸ばしてみるのもおすすめです。
ここでやはり気になるのが「実際に、どのくらいマイルを貯めれば航空券と交換できるのか」という点かもしれません。
貯まったマイルが少なくても国内線の特典航空券なら交換できることも多いため、ちょっとした旅行に利用してみてはいかがでしょうか。
3-2.次回のフライトで座席をグレードアップさせる
貯めたマイルを使って、普段の席をランクアップするのもおすすめ。普段はエコノミークラスという方でも、マイルを使えば、ファーストクラスも夢ではありません。
何かと疲れも溜まりやすい海外出張。貯めたマイルで上質なサービスを受けられれば、出張先でのビジネスパフォーマンスも上がるかもしれません。
3-3.フライト以外で活用する
マイルはフライトで活用する以外にも、様々な使い道があります。なかでも身近なのが、電子マネーへの交換です。
WAONやnanacoなど、提携している電子マネーへ交換すれば、普段の生活でお金として使えておトク感も増しますよね。飛行機利用の機会が少ない方でも、マイルを無駄にせずに済むので、ぜひ活用してみましょう。
また、航空会社が発行しているカタログから商品や、ホテル・機内販売での支払いで使えるクーポンなどにマイルを交換することもできます。ホテルの宿泊に使う方法は、ビジネスパーソンにオススメ。出張先でいつもよりワンランク上のホテルに宿泊すれば、心に余裕が生まれて、新たなビジネスアイデアも浮かぶかもしれません。
4.マイル利用の注意点・コツ
海外出張で貯めたマイルを活用する場合、気をつけなければならないポイントがいくつかあります。最後に、実際にマイルを使う際に知っておきたい注意点を見ていきましょう。
4-1.海外出張で貯めたマイルは個人で使える?
海外出張はあくまでも仕事の一環となるため、会社の経費で支払った航空券で貯めたマイルが誰のものになるのかは、会社によって方針が異なります。
原則としてマイルは、飛行機を利用した個人が取得できることになっています。出張の費用を支払ったのは会社でも、マイルは乗った本人に貰う権利がある、と考えられるため「出張で貯めたマイルは個人のものとして良い」と考えている会社は結構たくさんあります。ただし「会社が費用を払っているから会社のものだ」と考える会社もありますので、念の為マイルに関する社内規定を確認しておきましょう。
4-2.有効期限内に使おう!
マイルの有効期限は、マイレージプログラムによって異なります。ANAとJALの場合は、3年(36ヶ月)が有効期限。マイルを36ヶ月以内に使わなければ、期限切れとなり、マイルは失効してしまいます。
ただし、JALやANAのマイレージプログラムでもダイヤモンド会員の場合は、有効期限はありません(2019年9月現在)。ご自身が加入しているマイレージプログラムの会員ランクを確認し、必要に応じて会員のランクアップを検討してみても良いでしょう。
また、有効期限があるものでも、場合によってはマイルの延長が可能です。
例えばANAの場合。マイルをANASKYコインに交換すると、交換してから1年がANASKYコインの有効期限になります。つまり、マイルの有効期限である3年ギリギリで交換したとしても、さらに1年有効期限を延ばすことができるのです(2019年9月現在)。
参考:https://www.bthacks.com/2083/#outline__2
マイルを貯めて海外出張もより快適に!
海外出張が多い人なら、意外とあっという間に貯まってしまうマイル。特典航空券への交換以外にも使い道が多く、活用しない手はありません。今までマイルを貯めていなかった人も、ぜひマーレイジプログラムに入会して、次回の海外出張やプライベートに利用してみてはいかがでしょうか。
ビジネス出張もマイルで席のランクアップなどができれば、仕事のパフォーマンスも上がるかもしれません。早速マイルを有効活用して、充実したビジネスライフを過ごしましょう!
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