【モビリティ×SDGsシリーズVol.5】自分から始めるSDGs「会社ができる 地球のための脱炭素How-to」開催レポート

【モビリティ×SDGsシリーズVol.5】自分から始めるSDGs「会社ができる 地球のための脱炭素How-to」開催レポート

モビリティ×SDGsシリーズVol.5 自分から始めるSDGs「会社ができる 地球のための脱炭素How-to」ウェビナーが2022年11月17日に開催されました。
SDGs実現に向けて企業が取り組むなかで、陥りやすい失敗事例や解決策をテーマにした今回のウェビナー。多くの企業が事業活動を推進していくために、避けては通れないモビリティ分野(出張)にも焦点を当てて、解説していただきました。
「SDGsには積極的に取り組んでいるが、いまいち進め方が分からない」、「従業員に浸透しない」、「頓挫しかけている」といった方にもヒントになる内容です。


https://www.youtube.com/watch?v=Snr8huyiuVA

【登壇者情報】
株式会社トップレップ セールスマネージャー兼シニアコンサルタント 西ヶ花 竜希
2015年に、日本初となる「出張管理専門コンサルティング事業」立ち上げに参画し、セールス兼コンサルタントとして、国内外企業における出張管理構築をサポート。
2018年 株式会社コンカー主催、App Center Partner Award受賞。2020年からは、withコロナ、そしてafterコロナの出張管理のあり方を構築するべく、安全管理体制やDX以降、ESG調達など幅広い分野でサポートに従事しています。

株式会社AIトラベル COO 藤本 了甫
大学卒業後、製造業で経理部門の原価計算を担当。その後、外資系・日系・スタートアップ企業などを中心に業務改善に従事。スタディプラス株式会社管理部部長を経て、2020年からはAIトラベルにジョイン。

目次

1.SDGsで企業が陥りがちな失敗例 株式会社AIトラベル COO 藤本 了甫氏

企業がSDGs達成に向けて取り組むなかで、さまざまな失敗や困難に遭遇することもあるでしょう。担当者を決めて、SDGs施策を推し進めようと思っても、なかなかうまくいかない状況が続いてしまえば、せっかくゴールを決めて取り組み始めても、達成までの道のりは遠のいてしまいます。
まずは、企業が陥りがちな失敗事例を挙げながら、SDGs実現に向けた課題と解決策を探っていきます。

1-1.企業が陥りがちな4つの失敗パターン

企業が陥りがちな失敗例はたくさんありますが、大きく分けて、

(1)何から手を付ければ良いか分からない
(2)手段と目的のはき違え
(3)現場と経営層間での意識の剥離
(4)部署間での横断プロジェクト問題

などが考えられます。

次からは、上記4つの失敗パターンについて、具体的な事例をもとに原因と対策を考えていきましょう。
企業が陥りがちな失敗となる問題を解決するためのヒントとなるはずです。

1-2.事例(1)部署間で衝突が発生してしまう

中長期的な企業成長の観点から考えると、今後SDGsを無視して企業活動を進めることはできません。各企業では、自社のSDGs取り組みを社会にPRするため、手始めにマーケティング部が主導権を握り、活動を推進しようと試みるでしょう。

より付加価値の高いSDGsに取り組みたいマーケティング部は、他部署にも意欲的に働きかけます。

しかし、ここで、闇雲にSDGs実現を唱えるのは、効果的ではありません。
営業部や製造部といった他部署にとっては、「SDGs活動で業績が上がるのか?」「コスト削減になるのか?」といった疑念から、取り組む意義を感じられないでしょう。
現場サイドの理解を得られず、部署間で連携が取れないでいると、マーケティング部はダイナミックな活動もできないまま、プロジェクトが停滞していきます。

とはいえ、企業の持続的発展に、社内でのSDGs実現は避けて通れない重要課題。
こうした衝突を避けるには、現場の状況や意見を聞き入れながら、研修やセミナーで知識の習得や意思統一を図り、全社を挙げて取り組むことが大切です。

1-3.事例(2)他社の大きい事例を見てしまい途方にくれてしまう

企業のSDGs推進担当者は、経営陣から取り組みを検討するように指示を受けたとき何をするべきでしょうか。多くの担当者が、まずは成功事例を参考にしようと調査に乗り出すのではないでしょうか。
まねできないような大企業の世界的活動や、その成功事例を参考にしようとすると、「自社ではいったい、何をどうすれば良いのか」と、戸惑いを覚えてしまうでしょう。調査の段階で断念しそうになることもよくあります。
まずは、自分自身が使っているサービスや購入した商品のリユース・投資など、身近なことをテーマにするとイメージが湧くと思います。

例えば、自社複合機にカーボントナーを導入するというようなことでも構いません。SDGsとしては小さな取り組みですが、従業員が私事と捉えることができ、浸透しやすくなります。成功体験を得ることで、また新たにポジティブなアイディアが生まれるかもしれません。

1-4.事例(3)手段と目的のはき違えが発生する

SDGsについて「まずは身近のことから」と従業員各々が取り組むこと自体は良いことですが、事業と関係のない取り組みを始めると、収拾がつかなくなる懸念が生まれます。

たとえば、社会貢献といって思い浮かぶのが、ボランティアです。多くの従業員がボランティアワークに精を出し、本業がおろそかになってしまうようでは、事業成長を阻む要因にもなりかねません。

SDGs活動は、本業とのシナジーを生み出すものに視点を置きましょう。事業に新たな有用性を加え、価値を持たせる取り組みがポイントです。

1-5.事例(4)現場と経営陣の意識の乖離

SDGs実現は世界のトレンドです。その流れに乗って積極的に取り組むのは歓迎されるべきですが、本業となる事業内容などが、SDGsからかけ離れたものになっていれば、社会から非難されるのは間違いありません。

例えば、SDGsフレンドリーな商品で社会貢献をアピールしていても、別の事業や企業活動でSDGsに反する行動をとっていれば、批判の対象にもなり得ます。
実態が伴わないのに、自社の良い一面だけを切り取ってPRする上辺だけのSDGs活動は、「SDGsウォッシュ」と反発を受け、企業にとって大きなマイナスになるでしょう。

下記は、具体的なSDGsウォッシュの一例です。

【SDGsウォッシュの一例】
・「環境への配慮」に考慮した素材を使用しているとPRする反面、製造元が発展途上国の劣悪な労働環境を許容している。
・CO2削減を掲げていながら、火力発電を推進している。
・SDGsアピールをしているのに、SDGsアンフレンド企業に投資をしている。
・CO2削減に原材料を変更すると発表したのに、サプライチェーンの過程で、環境にアンフレンドリーな原材料が残っていた。

上記のように、整合性を考えずSDGsを導入するのは逆効果。現場と経営陣の意思統一、そして取り組みに矛盾が生まれないようにリスクコントロールすることが重要です。

2.SDGs実現に向けた企業の課題は多様化

現代では、企業の事業領域が多様化しています。そのため、SDGs実現に向けた取り組みも、企業を取り巻く事業環境や社内の課題もさまざまです。
ここからは、企業が抱えるSDGs実現に向けた課題を取り上げます。

2-1.多様化する課題

企業の事業領域の多様化に伴って、企業が抱える課題も多様化・複雑化し、それぞれの企業に固有のものが存在します。もはや、他社事例の模倣だけでは、カーボンニュートラル化の取り組みを始めることさえ困難と言えるでしょう。

「自社事業の温室効果ガス排出量が計測できず、対象の優先順位が決まらない」「投資の費用対効果が予測できない」などの課題は、皆さんの中にも思い当たる節があるかもしれません。
現在多くの企業で、SDGsそのものが多様化し過ぎて、絞るべきターゲットが分からない、判断できないといった課題が浮き彫りになっています。

2-2.中小企業によるカーボンニュートラル対応の現状

下記のスライドは、中小企業によるカーボンニュートラル対応への意識を調査した結果です。

この調査から、中小企業の多くは、カーボンニュートラルが、自社の経営に何らかの影響を及ぼすと感じながらも、具体的な方策を検討するまでに至っていないことが顕著に現れています。

何をどうすれば良いのか分からない、どのような取り組みを行えば良いのか分からないなど、スタートの段階で問題が生じているのです。

また、自社の財政基盤が必ずしも万全な状態ではないのに加えて、情報や知識、人材の確保に制約があり、初期において高コストの対策が取りにくいといった問題を抱えていることも見えてきます。

2-3.企業活動をカーボンニュートラル化するには?

それでは、企業活動をカーボンニュートラル化するには、どのような手法を選択すると良いのでしょうか。
下記は、企業がカーボンニュートラルを実現させるための手段をまとめたものです。

【企業活動をカーボンニュートラル化するための手段】

(1)従業員一人ひとりの動機付け
(2)企業活動に沿った施策を考える
(3)情報収集と情報のデータ化
(4)的確なデータ分析
(5)社内でのコミュニケーション

こうした手段を用いつつ、次の3つのステップを意識しながら企業のカーボンニュートラル化を進めていくと良いでしょう。

【企業が取り組むカーボンニュートラル化までの3つのSTEP】

・STEP1:判断できる状況の構築
・STEP2:目立つものから減らす意識醸成
・STEP3:実質「ゼロ」の社会へ

AIトラベルでは、この3つのステップをベースに、出張効率化を図ることでカーボンニュートラル化を推し進めています。具体的には、出張時の移動距離や移動手段から、自社の炭素排出量を測定し、見える化。簡単に算出し、より炭素排出量が少ない移動手段を選択できるようにする仕組みです。

自社の炭素排出量を測定しデータ化することで、問題点をあぶり出せば、課題解決のための一歩になるのではないでしょうか。

3.企業のモビリティ分野における脱炭素/株式会社トップレップ セールスマネージャー兼シニアコンサルタント 西ヶ花竜希氏

ウェビナー後半では、企業のモビリティ分野(出張)における脱炭素6つのステップについて、西ヶ花氏が解説。
カーボンニュートラルを実現しながら、効果的な出張を実現する取り組みについて、詳しく話していただきました。

3-1.Scope1~3のカテゴリとは

上記のスライドにあるように、脱炭素に取り組む際に出てくるのが「Scope1、2、3」という言葉です。
Scope1は、サプライチェーンの事業者が自ら排出している温室効果ガス(直接排出)。
Scope2は、自社で使用する電気や蒸気などのエネルギーを、他社がつくる際に生じる二酸化炭素(間接排出)を表します。
Scope3は、Scope1、Scope2以外の間接排出。自社の事業活動で排出する二酸化炭素ではなく、それ以外で発生する、輸送や廃棄物処理に関わるCO2排出量を指すものです。

Scope1、Scope2は、サプライヤーパートナーの活動に関係するもので、自社の取り組みだけではどうしようもできない範囲です。
そこで、自社で脱酸素として取り組む余地のある、Scope3について考えていきましょう。

3-2.出張の脱炭素はカーボンニュートラルのラストワンマイル

自社のカーボンニュートラル化に向けて、カギを握るとも言えるScope3。
なかでも、今回は企業活動において、大変身近で脱炭素化への改善点が多い「出張」のカテゴリに注目します。

出張では飛行機・新幹線・海外鉄道・宿泊先・レンタカーなど、移動にさまざまな手段を使うことが多いため、複雑化しやすく、脱炭素に向けた管理がしにくい部分です。
けれど、だからこそ適切な出張管理を実践できれば、SDGsの社会課題解決に向けた、大きな切り口の1つになり得るでしょう。

実際にどのような出張管理が課題解決に繋がるか、出張とSDGsの関わりを見ていきます。

4.企業のモビリティ分野における脱炭素のための6つのステップ

下記は、企業のモビリティ分野における脱炭素化を見据えた取り組みをまとめたものです。6つのステップを具体的に紹介します。

4-1.STEP(1)モビリティにおける脱炭素の調査・研究

SDGs環境分野での調査内容は、多岐にわたり、専門性が高いのが特徴です。
出張時の移動でカーボンオフセットをしようと思ったとき、脱炭素の算定方法が間違っていては元も子もありません。

国の行政機関が出すサプライチェーン排出量の算定方法や、航空会社やホテル等の脱炭素の取り組みをリサーチし、参考にすると良いでしょう。
理解を深めるためには、類似の業種や出張形態をとる企業の取り組みや、先進的な海外の事例を知ることも大切です。

また、社内でもSDGsに関する学習も深めましょう。
例えば、SDGsという言葉の意味や定義、本質的な知識、脱炭素の認識や理解度などをチーム内で統一。各従業員がしっかり理解した上で、脱炭素へ取り組む意思、環境に配慮した行動を心掛けることが重要です。

4-2.STEP(2)自社の分析

上記のスライドは、SDGs環境分野で調査する内容について、飛行機を例にしたCO2排出量の算定方法と、算定に必要な出張データの集約・管理をまとめたものです。

算定方法となる軸には、距離・交通費・従業員数の3パターンがありますが、基本的には移動距離を取り入れます。調査の難易度は上がりますが、データさえあれば、排出量がどれほどのものか算出でき、適切な数字が確保できるでしょう。

こうして温室効果ガス排出量を導き出せれば、今の自社の出張規定やガイドラインが、カーボンニュートラル実現に反映できているか、出張形態の見直しに役立ちます。

オンライン会議の活用や、ファースト、ビジネスといった座席クラスの選定など、改善ポイントも見つかるのではないでしょうか。

4-3.STEP(3)取り組み分野と目標の設定

自社の分析をして改善ポイントが見つかったら、次は具体的に取り組む分野と目標の検討を行います。

「国内出張と海外出張、どちらから先に取り組むか、それとも、同時に取り掛かるのか」
「交通手段は何に重きを置くか」
「対象にするのは、本社のみか、支社支店営業所まで広げるか、それとも、グループ会社まで及ぶのか」

などを一つ一つ考えていきます。
交通手段は、バスやタクシーよりも、航空や鉄道といった代表的な交通機関から取り組むほうが、データが取りやすく、調査もしやすいでしょう。

取り組む分野と目標の設定ができたら、次に、懸念されるリスクの確認を行います。
この作業を怠ると、計画自体が頓挫する恐れが出てくるので、しっかりポイントを抑えましょう。

各企業では、特に、専門知識を持つ人材が不足しているケースが多いようです。新しい知識や的確な情報をどこで補填するかを考え、リスクに備える必要があります。

4-4.STEP(4)ソリューション選定・運用構築

次に、自社課題に応じたソリューション選定を行います。

大企業の脱炭素化成功事例を見ても、自社のみで、すべてを確立している例は多くありません。
より良い運用の構築には、他社の力をうまく活用するのが大切だと思います。

例えば、自社のデータ収集の手段に課題があるなら、出張全体に対するCO2排出量データを可視化できるデータバンクを利用します。
情報や専門知識、人材面の不足は、出張における排出量管理業務代行やバックオフィス業務委託を活用すると良いでしょう。
脱炭素化に向けて、今後の打ち手や対象の優先順位が決まらないのであれば、削減余地のある項目の可視化や規程・ガイドラインの見直し、カーボン・オフセットに取り組むのも一つの手です。
ゼロベースからのスタートなら、排出量の可視化~削減体制構築~対外的発信のトータルコンサルテーション(専門家による全面的なアドバイス)が必要になります。

上記のは、ソリューション選定・運用構築のモデル事例です。

このケースでは、出張者が出張手配をする際に出張データをコントロールします。オンライン手配か個別手配か、社員一人ひとりが、どんな旅行会社を利用しているのか、事細かに把握しましょう。

その上で、出張データとCO2排出量の算定をデータバンクにまとめておけば、管理が容易になるはずです。

4-5.STEP(5)従業員への周知

最終的に、出張をするのも、それを手配するのも従業員です。枠組みだけを作っても、従業員の理解が足りなくては意味がありません。

従業員一人一人が出張を通じた脱炭素への取り組みに主体性を持って取り組めるように、チーム内での意見交換やワークショップ、ハンドブックの作成など、従業員が自分の業務内容と紐付けてボトムアップで考え、「自分ごと化する機会」を作りましょう。

eラーニングや部署別の研修会、教育資料の展開などで、カーボン・ニュートラル実現に向けた自社の取り組みを、分かりやすく「知る機会」の創出も重要です。

出張者のためのハンドブックや、サステナブルな選択ができる仕組みなど、常に意識していなくても脱炭素に取り組みやすい体制を整備した「実践する機会」も大切でしょう。

4-6.STEP(6)取り組み検証

2050年にカーボンニュートラルを達成するには、中・長期にわたるプランを立てることが重要です。
世界情勢や社会の変化に応じ、世界的な会議を通じて、規制や制約、基準が変わることも考慮しなくてはいけません。

現段階で、脱炭素化実現に向けて、完璧な計画を立てていたとしても、外部環境によっては目標設定や取り組み内容を見直さなければならないケースもあるでしょう。
企業には、変動する外部環境に応じたアップデートが求められます。
常に新しい情報をキャッチし、知識を深めていくことが大切です。
外部の変化や動きに迅速に対応することが、企業成長にも繋がるのではないでしょうか。

5.パネルディスカッションと質疑応答

最後に西ケ花氏と藤本氏によるパネルディスカッションと参加者からの質問に答えていただきました。

5-1.パネルディスカッション

藤本氏 :
経営者と話す機会が多いのですが、最近、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)に関する話題が、頻繁にのぼります。
フレームワークの開示はあるものの、実際にどこから手を付ければいい?といった相談を多く受けますが、そのような相談は多いですか?

西ヶ花氏:
TCFD開示の相談は多いですね。その背景には、金融業界の行動変容を促すことが、大きなポイントとしてあります。

主に大企業では、売上、当期純利益が開示されていますよね。
しかし、投資家からは、財務状況だけでは企業の価値が図れない、どこに投資するべきか読めない、投資判断に必要な情報を適時に分かりやすく知りたい、といった声が挙がっていました。

企業には、TCFDやESG(Environment[環境]・Social[社会]・Governance[ガバナンス])といった非財務情報の開示や、その内容の充実を、国や投資家から求められています。

大企業に対しては、2023年春以降、TCFD提言に沿った開示が、努力義務から開示義務化へと変わります。今回のウェビナーでお話ししましたが、もはや出張×脱炭素は当然のことで、「やったほうがいい」ではなく、「やらなければいけないこと」に変わっていることが分かります。

Scopeの話をしましたが、企業規模が違うなかで、フレームワークはどうすれば良いか。まずは本社からテコ入れをするか、飛行機(移動距離)を見直すかなど、それぞれが、まず出来ることから取り組む必要があるでしょう。

藤本氏:
TCFD開示は、今後、中小企業でもマストになっていくと思います。いろいろな会社の事例が出てくるので、ガイドブックなどを参考に、いまから準備しておくことが必要ですね。
企業活動において、出張は避けられないので、まずは、身近なところから向き合っていこうと考えています。

5-2.質疑応答

5-2-1.質問1「出張の脱炭素はフライトから始めるべきですか?」

藤本氏:
今回のセミナーでお話しいただいたように、出張の脱炭素化は、フライトから取り組むべきでしょうか?企業の中で、ホテルや鉄道などから取り組んでいる事例はありますか?

西ヶ花氏:
事例はありますが、マジョリティではありません。やはり、飛行機から取り組むのが主流です。

Scope3の「出張」カテゴリーでお話したように、飛行機はどこの航空会社を利用したか分かるため、カーボンニュートラルに関するデータが取りやすく、ある程度の情報を手に入れられます。

これが、例えば、ホテルのデータを取ろうとしたらどうでしょう。
ホテルは、社員自身が手配したり、現地で手配したり、さまざまなパターンが考えられます。最近では、グリーンホテル、エコホテルなどと呼ばれる、環境に配慮したホテルもあります。ホテルによってCO2管理が進んでるか進んでないかは、出張申請を見ただけでは見分けにくく、データも取りにくいでしょう。誤ったデータの収集や、脱炭素化自体が頓挫する恐れも出てくるのではないでしょうか。
そのため、一般的には、飛行機から取り組む企業が多いですね。

5-2-2.質問2「TCFDの開示義務に関して、対象企業はどこを見ればわかりますか?」

藤本氏:
TCFDの開示義務に関する質問です。対象となる企業は、どこを見れば分かりますか?

西ケ花氏:
TCFDに賛同している企業・機関はTCFDの公式HPに記載があります。
経済産業省のHPでも、TCFDの公式HPの情報を元に、日本のTCFD賛同企業・機関が随時更新されています。開示企業は金融庁あるいは内閣府から出ています。
会現在は、開示義務の対象となるのは基本的に、上場企業となっています。

※参考
TCFD公式HP
https://www.fsb-tcfd.org/supporters/
経済産業省HP
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/tcfd_supporters.html
 

一人一人の行動から、SDGs・脱炭素実現を

SDGs実現に向けて、全社を挙げて取り組みたいが、具体的にどうしたら分からず、推進することをとまどったり、計画が頓挫しかけたり、といった方は多いのではないでしょうか。

今回のウェビナーからは、企業がSDGsを実現するにはまずは、従業員が意思統一を図り一枚岩になること。そして、身近なものに目を向けた一人一人の些細な行動が重要だということが分かります。
企業ならではの特性を生かした試みが、持続可能な社会の実現に寄与するのではないでしょうか。
また、日々の事業と密接に関わる出張からも、CO2排出量削減と気候変動への緩和に貢献できます。

2050年カーボンニュートラル達成を目指すためには、常に新しい情報に対してアンテナを向けていくことも大切です。今回のウェビナーをヒントにしながら、できることから行動を始めてみてはいかがでしょうか?


構成・文:伊達 朋子
編集:松本有為子(リベルタ)

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