『今だから出来る!ニューノーマル時代のマニュアル出張改革』ウェビナー開催リポート

『今だから出来る!ニューノーマル時代のマニュアル出張改革』ウェビナー開催リポート

2020年10月7日、ウェビナー『今だから出来る!ニューノーマル時代のマニュアル出張改革。〜スペシャリスト4名が出張の未来を語る!〜』が開催されました。
新型コロナウイルスの感染拡大による移動の自粛、会議のオンライン化などの要因で出張へ行く機会が少なくなりました。しかし、このような時代だからこそ、改めて出張の価値について見直す良い機会と捉えられます。
出張のスペシャリストの4名が登壇し、各々の切り口から、未来の出張について語ったウェビナーの様子をレポートします。

株式会社トップレップ登壇動画はこちら⇒今だから出来る!ニューノーマル時代の出張改革

※講演内容は2020年10月時点の情報です。新型コロナウイルスの流行状況によって、現在とは情勢が変化している可能性もあります。あらかじめご了承ください。

目次

1.セミナー概要と登壇者情報

「AI Travel」と「BTHacks」が共同開催した今回のイベント。
出張分野のリーディングカンパニーである4社から代表者が登壇し、明日からでもすぐに使うことの出来るノウハウやテクニックを共有。コロナ禍で新たな生活様式や働き方を求められる今、効果的な出張をするためのヒントや、バックオフィス業務の改善、出張業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)化推進の必要性についてお話しいただきました。

【ウェビナー登壇者】※当日講演順

・LINE株式会社 トラベルサービスチーム、出張支援チーム 国京正樹 氏
・ボーダー株式会社 代表取締役 細谷智規 氏
・株式会社AIトラベル COO 藤本了甫 氏
・株式会社トップレップ セールスマネージャー兼シニアコンサルタント 西ヶ花竜希 氏

次章からは、各登壇者からの講演内容を詳細レポートします。

2.「出張シフト -絞られる価値、変革するスタイル-」/LINE株式会社 国京正樹氏

最初に登壇したのは、株式会社ベンチャーリパブリック取締役の国京正樹氏です。
月間8,400万人が利用する「LINE」でトラベルサービス「LINEトラベル」を提供しています。同社で出張業務改善を図る国京氏に、同社の出張状況やコロナ流行前と後の出張のあり方について話していただきました。

2-1.LINE社におけるコロナ禍前後の出張状況

LINE社は関係会社を含めると、グローバル人員を含めて1万人程度のスタッフが関わっています。弊社では、2019年度は年間6,000件以上の出張を実施。出張件数が増えたことで、コストの増加やスタッフからオペレーションの複雑さが課題となっていました。
改善案は2つ。

1つめは出張の手配業務を外部に委託し、社内における作業の負担を減らしました。
2つめは、これまでメールでやり取りしていた出張手配をチャットに切り替えました。その効果は十分で、出張者の満足度は徐々に向上しています。

しかし、2020年のコロナ禍で、国や地域を越える移動の抑制や、在宅勤務となったことでミーティングもオンラインがメインとなり、出張数が激減しました。


2020年10月7日時点に投影した資料です

2-2.コロナ禍・コロナ以降の出張について

コロナ禍とコロナ流行後の当社の出張の変化やすべきことについて、ここからはお話ししていきましょう。

(1)コロナ禍における企業と構成員の4つの行動指針

コロナ禍において、企業の構成員として私たちビジネスパーソンが取り組むべき4つの行動指針は次の4つです。

1.生き残る
2.仕込む
3.体質改善をする
4.おもしろがる

企業としてコロナ禍を生き残れば、チャンスは広がります。コロナ禍以降、自分たちの関わる業界がどう変わるかを想定し、準備を進めましょう。企業の体質改善を図っても良いかもしれません。コロナ禍を「会社を変革するチャンス」と捉え、この状況をおもしろがってみてください。

(2)出張の成果をより明確にすることが重要

出張のスタイルも変わるでしょう。テレワークが普及したことで、仕事の評価は成果主義にシフトしていくと考えています。

このような状況において、コストやリスクをかけて出張へ行く以上、今までよりも成果と結び付ける必要が出てきます。アウトプットも重要です。視察や営業目的で出張へ行くのであれば、詳細に報告して出張の成果をより明確化する必要性があると感じます。

対応策として2つ、提案します。
1つは「出張の目的を明確にする」こと。
ビジネスミーティングや、カンファレンス、採用面談など出張を必要とする目的をリストアップしてみてください。
2つめは「目的に応じた成果を定義する」こと。
「出張における売上目標を1千万に設定する」のように、成果を定量化して重要業績評価指標(KPI)を設定しても良いでしょう。
KPIは「最終的にこのような状態にします」といった定性的な表現でも良いと思います。「クライアントからのクレームを解決してきます」など、目的に応じてさまざまな成果を定義できると考えています。


2020年10月7日時点に投影した資料です

今後、出張の価値はより高くなると考えています。企業で行われている業務の多くはミーティングですが、オンラインでも済ませられることが分かりました。
だからこそ、直接顔を合わせる、現場を見るなどの機会の価値が高まると思います。出張もこれからは人やものとの関係性を確認し、構築する機会になるでしょう。

3.「スマートな出張を実現するためのトラベルテクノロジーの活用方法」/ボーダー株式会社 細谷智規氏

続いては、出張支援クラウド「ボーダー」の運営開発を行うボーダー株式会社代表取締役社長の細谷氏が登壇。出張におけるビジネストラベルマネジメント(BTM)のメリットや活用状況、クラウドBTMの導入プロセスについて発表いただきました。

3-1.トラベル業界を取り巻くテクノロジーの変遷

トラベル業界におけるテクノロジー活用のはじまりは、1964年頃にIBMがアメリカン航空向けにコンピュータ予約システム「SABRE(セーバー)」を開発したことです。
その後、大きな変革が起きたのはインターネットサービスが始まった1990年代。1994年にイギリスの旅行会社「カールソン・ワゴンリー・トラベル」、1996年にインターネット予約サービス「エクスペディア」が登場。2010年に入るとサービスとしてのソフトウェア、「Software as a Service(SaaS)」をはじめとするクラウド環境が整いました。

3-2.出張業務における3つの課題

出張の業務における課題として次の3点が重要だと考えています。

(1)出張に関する周辺業務処理の目的化
出張本来の目的は、渡航先でビジネスを成立させること。しかし、実際は申請や精算、精算時における事実確認、出張経費の精算内容の相互確認などの工数が多く、周辺業務の処理が目的になってしまっている現状があります。

(2)手配内容のブラックボックス化
出張の申請や精算時、出張者からは宿泊費や交通費が提示されます。しかし、市場のタイミングによっては、費用が高騰するケースもあります。このような状況で、提示された価格が本当に適切であるかを出張者や管理者が判断するのは難しいでしょう。

(3)社員の安全確保
新型コロナウイルスの感染対策を含め、今後は社員の安全確保をより求められると考えています。出張先に関する情報や現地の状況などの確認について、より強化する必要があります。

3-3.クラウドBTMの導入で出張業務の課題解決をしよう

出張業務における課題を社内の人的なリソースや、メール、紙ベースでコントロールするのは非常に手間がかかります。BTMが注目されている背景には、出張における業務を一元管理しようとの動きがあると考えています。


(講演スライドより)BTM導入におけるビフォー・アフター

クラウドBTMの特徴は、出張手配と管理の部分を、データで紐付けできることです。ブッキングや出張手配をオンラインで行い、その内容を共有。申請承認や出張規程のチェックを含めて、社内で一元管理できます。

クラウドBTMを導入するメリットは、以下の3点です。

1.費用を最適化・可視化できる
2.手動で行っていた業務コストを削減できる
3.出張者のフライト情報を詳細に確認できる

ポイントは、自社のシステム管理データとインターネット環境にある外部データを繋ぐことで、より客観的に現状を見られることです。
これまではデータの手配をして社内で可視化することで、社員の状況を知る流れが一般的でした。これからはテクノロジーの力で外部の視点を取り入れて、その上で出張の手配内容の妥当性を判断できるようになるでしょう。

3-4.クラウドBTMの普及状況とそのメリット

特に欧米諸国ではクラウド型BTMが普及しています。
普及した要因は、月額のみで運用できるため初期コストがかからないこと。システムのアップデートを自動で行えること。そして、アクセス方法が多様化したことです。

弊社で提供しているクラウドBTMも、IT系や製造系などさまざまな分野の企業が導入しています。クラウドBTMでは出張の手配や関連データの管理ができるようになります。

例えば、近年では、航空計画をリアルタイムでトラッキングできるシステムと連動しているサービスもあります。トラッキングシステムと連動するメリットは、価格変動のタイミングや適切な予約時期を示唆してもらえることです。
また、トレンドや市場価格と比較し、会社で設定している予算が適正かを自動的に判定することも可能になります。自社のシステム管理データとインターネット上の外部データを連携させ、客観的に社内の出張業務を把握。その上で、外部の視点から業務内容の妥当性を判断できるのがクラウドBTMの大きな特徴だと考えています。

クラウドBTMの導入にかかる期間は、弊社の場合は規模の大きい会社で大体1ヶ月から2ヶ月程度です。
決してハードルの高いものではありません。初期コストもほぼかからないので、ぜひクラウドBTMを試してみてください。

(講演スライドより)クラウドBTMの導入プロセス

3-5.コロナ禍が与える出張への影響と、自分たちができること

コロナ禍は、出張にどのような影響を与えていくのでしょうか。
今後、国内出張における競合相手は、旅行会社やBTM企業ではなく、オンラインコミュニケーションツールになるでしょう。
だからこそ出張周辺業務を効率化や、出張に整合性を持たせることは重要です。

海外出張では目的地の感染状況を含めた安心・安全に関する情報を事前に取得することが大事なポイントです。
弊社では、PCR検査やコロナ陰性証明書の有無など、感染状況によって日々変わる情報を企業が確実に取得できるように支援しています。さらに、社員にトラブルが起きた際の対応策を考えている企業に向けたサポートも重点的に行っていきます。

4.「出張業務から考えるバックオフィス改善」/株式会社AIトラベル 藤本了甫氏

3番目の登壇者は、企業の業務改善を実施してきた株式会社AIトラベルの藤本氏。出張業務から考えるバックオフィス改善について語っていただきました。

4-1.バックオフィス改善しませんか?

コロナ禍は業務改善を行うチャンスです。これまで業務効率化を図ろうと思っていても実現できていなかった企業が多いのではないでしょうか。
例えば「ペーパーレス化を実施して効率的に業務を行いましょう」と考えても、コスト面から実現できないケースも多かったでしょう。しかし、テレワークが普及している今。ペーパーレス化を実施しないと業務に支障をきたすと思います。

このように、コロナ禍は自社のシステムや自身の業務を見直すきっかけと捉えることもできます。この機会に業務改善をして業務フローの再構築検討してほしいと思います。
今回のテーマは「出張」なので、出張業務のフローの現状について改めて考えていきましょう。

4-2.出張業務の「闇」

出張業務は、想像以上に手間がかかります。個人的には、出張業務は以下に挙げる4つの「闇」を抱えていると感じています。

(1)複雑な旅費規程
会社のマニュアルには旅費規程がありますが、長いと思いませんか。さらに内容が複雑であるため、読み解くにも時間がかかります。
例えば日当について、どういう状況で、どういう出張をすると、どのくらいの金額を会社から出してもらえるのか、規程を読むだけですぐに理解するのは難儀です。

(2)「最安値で取ってね」という一言
「交通費や宿泊費を最安値で取ってください」と指示されたこともあるでしょう。このため、手配者は最安値で取るために複数のサイトを比較して、その時に最も安いチケットや宿を予約していると思います。
しかし、予約したチケットや宿が本当に最安値かどうかは分かりません。

(3)使わなくてもいい社内出張システム
BTMを導入して社内出張システムを構築している会社もあるでしょう。しかし、実は特段、出張システムを使わなくても問題ないケースもあります。
システムを使っても良いし、自分で手配しても良いと言われた場合、出張者はどうすれば良いかが分からなくなってしまいます。

(4)差し戻される出張稟議&経費精算
個人的には出張業務において、出張稟議と経費精算が最も大変だと感じます。出張稟議で「予算は問題ない」とされているにもかかわらず、改めて経費精算で承認を取らなくてはなりません。

経理担当者にとっても、同じ内容の書類を別々に提出してひも付けをする必要があるので、非常に手間がかかります。

4-3.マニュアル出張の限界と解決方法

出張業務において、目視や紙で処理をする「マニュアル出張」は限界が来ていると思います。これまで挙げた問題は、全てシステムを導入するだけでほとんど解決できます。

(講演スライドより)マニュアル出張の限界

これからは、経費を使って出張に行くべきなのか、オンラインミーティングでいいのかをより厳格に判断される時代が来ます。「不要不急の出張は控えなさい」と言われていますが、どのような出張が不要不急なのかを判断することは難しいと考えています。なぜなら、これまでマニュアル出張により手動で業務を進めてきたため、出張を可視化するためのデータを取得できていないからです。

今後、出張に限らず「データ化」、「効率化」、「意思決定」を求められる時代になります。いざ出張できるようになったときに備えて、出張の機会が少ない今のうちにバックオフィスの出張体制や生産体制を整えておきましょう。特に、人工知能(AI)は重要な位置づけにあると考えています。

4-4.AI トラベルのソリューション

「AIトラベル」は、出張業務にまつわる問題を全て解決します。
出発地と目的地、時間、人数を入力すれば、AIがルートや宿を検索して結果を提示。予約データを一元管理できるため、出張費が適切かどうかの判断も容易に行えます。

「アポイントメント数の増加」「月次決算の早期化」「コスト最適化」の「三方良し+1」を弊社は提唱しております。導入も難しいものではないので、業務改善における解決策のひとつとして検討していただけましたら幸いです。

(講演スライドより)AI Travelのソリューション

5.「今が最適!超重要!出張を企業のエンジンにするために」/株式会社トップレップ 西ヶ花竜希氏

最後は、BTMと出張費に特化した、法人向け総合出張管理を専門とする株式会社トップレップの西ヶ花氏が登壇。新しい出張のあり方を再構築する重要性や、再構築が企業成長に繋がる理由について説明していただきました。

5-1.コロナ禍の今こそ出張の本質について考えてみよう

コロナ禍の今だからこそ、改めて出張の本質について考えてみましょう。

(1)出張の本来の目的とは
出張の目的は「仕事」です。出張先で行う仕事があるから出張へ行きます。当たり前のことを言っていますが、コロナ禍における出張の目的を考える上で重要なポイントだと考えています。
出張者は商談や研修などさまざまな理由で出張へ行きますが、全て企業活動の一環です。これらの仕事なくして企業が成長することはあり得ません。仕事がない状態で出張へ行くことはないと言えるでしょう。
企業活動を続ける限り、遠方で仕事があれば出張は発生します。完全にゼロになることはありません。

(講演スライドより)出張の本来目的とは

(2)新しい出張の在り方を構築しよう

コロナ禍においては、これまで通りの出張の在り方で良いわけではありません。新しい出張の在り方の構築が必要です。

これからの出張は、出張そのものが確実に企業活動へ寄与するものであるべきです。逆に言うと、コストをかけて出張に行くなら、結果を出すことが求められます。出張を、企業にダメージを与える「リスク」にしてはなりません。
そして、出張を一過性のものではなく持続可能である形にしないと、出張管理が瓦解してしまうでしょう。

5−2.コロナ禍後に対応すべき出張の内的要因と外的要因

コロナ禍後、新たな出張の在り方を構築する上で企業が対応すべき項目を、「内的要因」「外的要因」の2つの視点から挙げます。


(講演スライドより)出張の内的要因と外的要因

(1)社内業務で見られる「内的要因」

a.渡航リスクへの対応
まず渡航中に誰がどこにいるのかの把握、トラブルが起きた場合の保険あるいはアシスタンスサービスなど、会社が対応しなければならない出張者の渡航リスクは確実に広がりました。既にリスクヘッジを行っている会社はありますが、今後はさらに、出張準備の早い段階から渡航リスクを考える必要があります。
しかし、管理者がリスク対応を強化をしたところで、実際に行くのは出張者です。出張先で決められた行動を守らなければ、リスクはその分だけ増えます。出張者の行動規範の確立も重要となるでしょう。

b.ウェブ会議との住み分け
コロナ禍の期間中、ウェブ会議は出張に代わるものとして完全に市民権を得ました。しかし、出張そのものがなくなるわけではありません。
今後は、出張とウェブ会議の住み分けをしていく必要があります。ここを個人で決めていくのは難しいと思うので、企業として方向性を定めるのがベターだと考えています。

c.デジタルトランスフォーメーション(DX)への移行
オフライン業務をデジタル化する「DX」への移行も重要です。現在、多くのビジネスワーカーがリモート環境で仕事を行っています。このような状況で、出張の手配や承認のためだけに出社をするのは完全にナンセンスです。
出張業界におけるオフライン対応のDX化を進めましょう。

(2)自社では制御が難しい「外的要因」

飛行機や交通の運行状況の確認、渡航地における感染対策には柔軟な対応が求められます。渡航先や、空港、航空会社、ホテルなど各々の方針の違いから、陰性証明書の要不要、隔離期間など渡航先の感染対策に関する情報が錯綜しがちです。
しかし、それぞれ違うからといって、定められたルールを無視していいわけではありません。ルールを守っていかないと、出張が成り立たなくなるでしょう。会社のイメージも悪くなると思います。

5−3.持続可能な出張を構築することは企業成長につながる

今後の出張のあり方を見直すことは、企業成長にもつながります。持続可能という視点から、出張を考えてみましょう。

(1)SDGs/ESG(持続可能な開発目標)への取組み

コロナ禍で変革を求められる今こそ、「SDGs/ESG」も注目すべき分野だと考えています。出張においても、「持続可能な」出張の在り方を考えていく段階です。

「出張はリスクになるからできる限り避けよう」とならないための施策を練りましょう。持続可能な出張を構築することは、企業成長にも繋がります。

(2)「持続可能な」出張を構築するために取り組むべきこと

持続可能な出張を構築するためには、次の3つの観点で見直してみましょう。

(講演スライドより)持続可能な出張を講築することは企業成長につながる

a.出張者の行動変革
会社で出張管理を強化しても、出張者の協力がないと成り立ちません。出張者の行動変革が求められます。
例えば会社で出張前に現地の情報収集をしても、出張者がその情報を理解し、「現地の状況に合わせよう」と思わなければ、出張先での安全配慮義務を満たすことは難しいでしょう。

b.リテラシー強化
出張に必要な情報が、社内全体へ平等に行き渡る仕組みを作りましょう。
例えば、隣の営業部はWeb会議を駆使し、安心・安全な出張を実現。かたや、自身の所属部署はWeb会議を活用せず、出張に必要な情報収集をしないというような状況は問題です。
社員自らが情報を集める努力をすれば、会社全体でリテラシーの強化を図れるのではないでしょうか。

c.出張における安全管理
出張における安全管理には「出張者の健康管理」「出張前・中・後のリスク管理」「サステナブル調達」「環境安全配慮に適した選定」の4つのポイントがあります。
一つ一つについて、詳しく見ていきましょう。

・出張者の健康管理
まず「出張者の健康管理」は必須です。これまでもおこなってきたとは思いますが、コロナ禍の今、より質の高い健康管理が求められています。

・出張前・中・後のリスク管理
次に「出張前・中・後のリスク管理」。出張者が安全に出張先で業務を遂行できているかを管理者側がモニタリングする仕組みを作りましょう。

・サステナブル調達
そして、大量ボリュームに頼らない「サステナブル調達」。出張の機会が減っている今、コロナ前と比較して航空会社やホテル、旅行会社に支払う費用は減るはずですが、同時に、ボリュームディスカウントを獲得しにくくなります。適正価格での購買を続ける為にも、より精緻に調達活動をおこなう必要があります。

・環境安全配慮に適した選定
最後に「環境安全配慮に適した選定」。出張者を守るためには、事前段階から現地の環境や安全配慮に適したルールの選定が必要です。その上で、ルールを出張者に守ってもらえるように働きかける仕組みを作りましょう。

ここで挙げた「持続可能な」出張を構築するための取り組みは、今後到来するであろうWithコロナ、Afterコロナの世界における企業成長に繋がると考えています。

5-4.出張管理再構築はなぜ今が最適なのか

最後に、出張管理を再構築するのには、今が最適な理由をご説明しましょう。

(1)現実味を帯びてきたWithコロナ、Afterコロナにおける出張再開
今、世界中で健康と経済活動維持のバランスを図ろうと試行錯誤する状況が続いています。緊急事態宣言が全国に拡大したのは2020年4月の段階で、同年10月に東京を含めた「GoToトラベル」が解禁されました。
感染者の増減で出張も旅行もしてはいけないとなると、人の健康を守れても経済活動を維持できません。感染の抑制ができていると成果が見えてくれば、経済活動維持の強化をする必要があるでしょう。
弊社にも、「どうしても海外出張に行かなければいけないが、どうすれば良いか」との相談が来ています。Withコロナ、Afterコロナにおける出張再開は現実味を帯びてきていると感じています。

(2)出張管理再構築は今が最適な理由

(講演スライドより)出張管理再構築 今が最適な理由

現在は、出張を控えている企業がほとんどだと思います。しかし、いずれは必ず出張再開のタイミングが来ます。出張が再開すれば、確実に新たな出張管理の在り方を求められるでしょう。
新たな出張管理の在り方を考えないまま出張を再開すると、混乱を招く可能性が高いです。この出張の空白期間といえる今だからこそ、腰を据えて出張管理を再構築してみください。

6.対談/質疑応答

最後に、視聴者からコロナ禍や、アフターコロナにおける出張の在り方や姿勢について質問がありました。登壇者は各々の考え方を交えて答えてくださいました。(以下、敬称略)

6-1. Q.出張手配を自分で行うのは手間だと感じる社員への対応を教えてほしい

――藤本
「電話1本でできた出張手配に関して、自身でPCを使って検索する、各所とメールやチャットでやり取りするなどの作業を手間だと感じる社員がいる。どうしたら良いでしょうか?」という管理部の方からの質問がありました。

――細谷
電話は楽だと思われがちですが、手間が発生することには変わらないと思います。自分のタイミングで電話をかけるので相手や自分が不在の時に電話に出られなければ、かけ直す必要があります。
また、電話で話した瞬間に手配の内容が決まることもないでしょう。俯瞰(ふかん)的に見ると、コミュニケーションの履歴を残せるチャットツールが最もスムーズに手配を進められる印象です。

――国京
弊社では電話で手配したことはなく、メールがメインでした。メールと比べるとチャットツールが楽だというのは分かります。

――西ヶ花
電話のようないわゆるオフラインのツールでも必要な場面はあると思います。人と人のコミュニケーションを図るなら電話、記録を残すならチャットツールを使うなど、うまく使い分ければ良いのではないでしょうか。

6-2. Q.出張に成果を求められると若手の優先度が下がる懸念はありませんか

――藤本
次の質問です。コロナ禍後は今までよりも出張に行くことに成果を求められるため、若手の出張の優先度が下がることを懸念しているようです。いかがでしょうか。

――国京
出張そのものは手段でしかありません。若手やベテラン関係なく、必要があれば出張へ行けば良いと思います。個人的にはマネジメントの問題だと思っています。
「出張へ行かないと完結しない業務なのか」を出張する本人が考えて申請し、上長が「必要だ」と思えば承認すれば良いのです。目的と手段を間違えてはなりません。

――藤本
出張は何かを成し遂げるための手段でしかないので、目的を達成できるのであれば出張でもオンラインミーティングでもどちらでも良いということですね。

――細谷
立場上、若手が上長の承認を受ける側である事情はあるでしょう。だからといって、若手の出張の優先度が下がる視点を持つことはないと思います。

――西ヶ花
「若手の優先度問題」について、弊社でも相談を受けたことがあります。国京さんのおっしゃるとおり、若手に限らず「出張に行くべき業務なのか」を考えることが重要です。
私はひとつポイントがあると考えています。それは、個々人に出張可否の判断を任せないこと。会社として「こういう業務はオンラインミーティングに向いている」「この業務は出張に行くべき案件として会社は推奨している」など、判断材料を会社のガイドラインとして出してみてはいかがでしょうか。
ガイドラインがあれば、社員は出張へ行くか、オンラインミーティングで済ませるかを、迷うことなく判断できると思います。

――藤本
ガイドラインで細かく提示してもらえると分かりやすいですよね。

出張再開の未来を見据えて業務の見直しを図ろう

コロナ禍による感染対策と経済活動を並行して行う状況が続く中、出張の在り方もWithコロナ、Afterコロナに合わせてその姿を変える必要があります。
ウェビナーを開催したのは2020年10月。2021年に入り、現在はワクチン接種が始まりました。いずれは国内外問わず、本格的に出張再開の時期が来ます。出張の機会が少ない今こそ企業として成長できるチャンスです。出張が再開した先の未来を見据えて、業務の見直しと改善を図ってみてはいかがでしょうか。

文:宅野美穂(リベルタ)
編集:松本有為子(リベルタ)

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