【モビリティ×SDGsシリーズ Vol.1】「今さら聞けないSDGs&ESG!基礎知識とその先の未来」開催レポート

【モビリティ×SDGsシリーズ Vol.1】「今さら聞けないSDGs&ESG!基礎知識とその先の未来」開催レポート

2021年12月16日、「モビリティ×SDGsシリーズ」第1弾として「今さら聞けないSDGs&ESG!基礎知識とその先の未来」を開催。株式会社AIトラベルCOO 藤本了甫氏と株式会社トップレップセールスマネージャー兼シニアコンサルタント西ヶ花竜希氏が登壇し、SDGsやESG投資の基礎知識、事例、取り組むことによるメリットなどについてお話しいただきました。

目次

目次

1.「モビリティ×SDGsシリーズ」について/BTHacks


冒頭、BTHacksより本ウェビナーの主旨についてお話がありました。まずは本ウェビナーを理解するうえで大事な専門用語や関連業界の動向とあわせてご説明します。

2015年、ニューヨーク国連本部にて開催されたサミットで、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals )」略して「SDGs」が採択されました。現在、2030年の達成を目指し、SDGsに力を入れる企業が多く見られます。

また、企業を評価するベンチマークとして「ESG投資」も注目されています。ESG投資とは、「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」の3つを考慮した投資のこと。SDGsと同様、近年企業や投資家に注目されています。

今回、BTHacksではウェビナー企画として、「モビリティ×SDGsシリーズ」を立ち上げました。本ウェビナーは、「モビリティ・マネジメント」とSDGsを結びつけて、今後の出張の在り方について考えていくセミナーです。今後、継続的に開催する予定です。

「モビリティ×SDGsシリーズ」第1弾のテーマは、「今さら聞けないSDGs&ESG 基礎知識とその先の未来」。SDGsやESG投資について、基礎から学べる内容です。

2.登壇者情報

株式会社AIトラベル COO 藤本 了甫氏
2007年、大学卒業後に入社した会社で未経験ながら経理部原価計算担当となる。その後、外資系・日系・スタートアップなどコーポレートを中心に業務改善をサポート。スタディプラス株式会社管理部部長を経て、2020年AIトラベルに参加。

株式会社トップレップ セールスマネージャー兼シニアコンサルタント 西ヶ花竜希氏
2015年、日本初となる「出張管理専門コンサルティング事業」立ち上げに参画。セールス兼コンサルタントとして、国内外企業の出張管理構築コンサルティングを推進。2020年現在は、特にウィズ/アフターコロナの出張管理構築に向けて、安全管理体制構築、DX移行、ESG調達など多方面で支援を展開中。

3.SDGs・ESGを理解するための基礎知識/株式会社AIトラベル COO 藤本 了甫氏

まずは藤本氏が登壇し、「SDGs・ESGを理解するための基礎知識」と題してSDGsとESG投資を理解するための前提条件についてお話いただきました。
藤本氏の説明は次のとおりです。

3-1.環境や社会に考慮することが経済的な利益を生みだす「持続可能な資本主義」

はじめに、「経済認識に関する4分類モデル」を紹介します。

まず、左下の「④従来の資本主義」を見てください。従来は、環境・社会への影を考慮すると利益が下がるだろうと言われていました。一時期、環境・社会への影響について「Corporate Social Responsibility(CSR)」、いわゆる企業の社会的責任を問う話も出ていました。しかし、ビジネスにおいて環境・社会に考慮するとコストがかかり、考慮すればするだけ損をするとされました。

環境・社会への影響を考慮して利益を減らすよりも、生産物を売ることや投資する方が得だと考えたのが「従来の資本主義」です。

左上の「③脱資本主義」では、環境・社会に考慮した結果、良い影響がでるのであればコストがかかっても問題ないと考えます。「会社の利益が減ろうが環境を守ることが大事、自然にやさしいものを使いましょう」と考えるのが「脱資本主義」です。

とはいえ、「従来の資本主義」「脱資本主義」は「持続不能な経済活動」とも言われています。「脱資本主義」のようにコスト度外視ではビジネスが成り立ちませんし、「従来の資本主義」で利益を優先すると環境が破壊されて社会の持続性がなくなる懸念があります。

そこで注目されているのが、右上の「①持続可能な資本主義」です。環境・社会への影響を考慮することで利益を出せるという考え方です。利益を増やせるからSDGsの目標を達成しよう、ESG投資をしようということなんですね。SDGsやESG投資は、「持続可能な資本主義」を実現するための目標や投資と言えるのです。

右下の「②ロジックがない反対論」については、主観的な感情論の話になるため、今回は割愛します。

3-2.産廃物を出さずに生産し続ける「サーキュラー・エコノミー」の仕組み

「サーキュラー・エコノミー」という考え方があります。従来の経済システムは「持続不可能な経済システム」と位置づけられており、今後は「持続可能な経済システム」への転換を求められています。「サーキュラー・エコノミー」の基本は、「採って、作って、使い・作り続ける」こと。「持続不可能な経済システム」の構築に欠かすことのできない要素です。

図に「From a linear to a circular economy」と書いてあります。左の「Linear economy」は「直線的な経済活動」のことで、原材料から生産・製造が行われ、使用後は捨てるしかない状態を指します。

真ん中は「Reuse economy」と言い、いわゆる「リサイクル活動」のことです。生産して使い古したものを修理もしくは譲渡の形「Production」から「Use」まで循環させる仕組みです。ただし、いくらリサイクルをしても使い古されると最終的に産廃物になるため、完全な状態で「持続可能な経済システム」を構築することはできません。

そこで登場するのが「Circular economy(サーキュラー・エコノミー)」です。生産物の使用後にリサイクルに回し、さらに原材料に戻して新たにものを作るゴミを出さない循環式の経済システムです。「持続可能な経済システム」を構築するために、必須となる考え方です。

次に、「サーキュラー・エコノミー」の3原則を紹介します。

「廃棄物と汚染を生み出さないデザイン」
温室効果ガス排出、有害物質、水・大気の汚染や交通渋滞など、経済活動による人の健康や自然環境への負荷を低減する仕組みをつくることを言います。

「製品と原料を使い続ける」
設計によって製品・部品・素材の耐久性強化、リユース、再製造やリサイクルなどを進めて経済の中で循環させる他、バイオ由来の素材については経済と自然間を行き来させるシステム構築を実現します。

「自然システムの再生」
再生可能エネルギーの活用や土壌への養分還元など、非再生資源の使用を避けて、再生可能な資源を活用することです。

3-3.SDGsとは「17の目標」と「169のターゲット」からなる「持続可能な開発目標」

「SDGs」とは、「Sustainable Development Goals 」の略。2015年9月に国連サミットで採択された、2016年から2030年までの期間で達成しようという国際目標のことです。貧困を撲滅して持続可能な世界を実現するために、17の目標と169のターゲットを掲げています。

ターゲットは169と多岐にわたるため、全てを把握するのは大変かもしれません。しかし、17の目標は比較的分かりやすいので、外務省のホームページを見てみると良いでしょう。また、SDGsは難しいと考える人もいるかもしれませんが、そのようなことはありません。たとえば「①貧困をなくそう」「②飢餓をゼロに」「③すべての人に健康と福祉を」などは、すぐにイメージできると思います。

このようにSDGsの17の目標は、意識の高い一部の人しかできないものではなく、日常の身近にある誰でもできる目標として捉えることができます。

日本では国内の現状を踏まえて、SDGs文脈で次に紹介する8つの優先課題を掲げています。

「People(人間)」
1、あらゆる人々の活躍の推進
2、健康・長寿の達成。

「Prosperoty(繁栄)」
3、成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
4、持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備

「Planet(地球)」
5、省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会
6、生物多様性、森林、海洋等の環境の保全

「Peace(平和)」
7、平和と安全・安心社会の実現。

「Partnership(パートナーシップ)」
8、SDGs実現推進の体制と手段

SDGsの目標達成までの期間として定められている2030年はまだ先の話と考える人もいると思いますが、もう8年後の話です。遠い未来の話ではありません。

3-4.「持続可能な経済」への転換に企業評価の指標として「ESG投資」は重要

ESGは、企業の価値を測る尺度として取り入れられつつある投資のことです。「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」の頭文字を取って「ESG」と言われています。

「従来の資本主義」では、財務諸表の情報を元に企業評価が行われていました。どれだけ利益を出せているかが企業評価の指標とされていたのですが、近年は財務諸表だけでは評価が不十分だと言われるようになりました。従来の「持続不可能な経済」から「持続可能な経済」に転換するために、非財務情報も企業評価に取り入れようという動きが急速に拡大している状況です。

また、2018年には約1900の投資家がESG投資を行ったことから、注目度が高まっていると言われています。持続可能な世界を作るうえでESGは企業評価に必要な要素であり、ESGに取り組むことで自然とSDGsの目標が達成されるとも考えられています。

現在、SDGsやESG投資は私たちのごく身近なところにあります。SDGsやESG投資について何も考えていない状況は、今後はあり得ないのではないでしょうか。今後は、日常的に「SDGs」と耳にする機会が増えると思います。

4.モビリティ×SDGs・ESG/株式会社トップレップ セールスマネージャー兼シニアコンサルタント 西ヶ花竜希氏

次に、西ヶ花氏が登壇。「モビリティ」の中でも企業が身近に感じる出張管理、「ビジネス・トラベル・マネジメント(BTM)」とESGの関係性、そしてSDGsへどのように繋がっていくのかについて説明がありました。
西ヶ花氏のお話は次のとおりです。

4-1. CO2排出量の削減や出張人数の最適化で環境にやさしいBTMを実現

「Environment(環境)」では、「CO2排出量を軽減させる行動」が重要になります。そのためには「環境に適した宿泊施設の選定」や、本当に必要な出張かどうかを判断する「出張決定の判断基準の明確化」が必須となるでしょう。

また、これからは大勢で取引先へ向かう出張ではなく、Web会議と現地への出張を使い分けるケースが主流になると考えています。「出張における最適人数の決定」をすることで、過剰に交通資源を使うことがなくなり、環境に寄与していく活動ができると思います。

4-2. 出張規定や働き方を見直して社員が安心して仕事をできる環境をつくろう

「Social(社会)」について。今までは出張というとコストと捉えられることが多かったと思います。今後は、「出張費にとらわれない出張規定」が必要になるのではないでしょうか。例えば「環境に配慮したホテルの選定」も出張規定に入ってくる項目になるでしょう。

「危険地域のリサーチ」、感染症対策を含めた「リスク管理」も社員や渡航地の人たちを守る意味では「Social」に関係する項目です。また、「ブレジャー」「ワーケーション」は、仕事とプライベートを掛け合わせた新たな働き方として近年耳にするようになったキーワードです。自分に適した働き方をしようという改革メッセージの役割も担っています。この辺りも、「Social」に関わる項目だと考えられます。

4-3. 不正をさせない出張規定やプログラムの作成・BTMの実施を進める

「Governance(ガバナンス)」は内部統制と言われる部分ですが、出張規定の策定やプログラムの作成、BTMの実施には、不正抑止が必ず背景にあります。「不正を抑止する出張規定の作成、見直し」を図るために、「Governance」は基本的な考え方の1つになるでしょう。

当然、「適正な承認フロー」が必要ですし、場合によっては「客観的視点からの現状可視化」も行わなくてはなりません。そして、「出張管理の運用サイクルを最適化」することで不正の抑止になりますし、SDGsにも寄与できるようになると思います。

5.登壇者ディスカッション

ここからは、西ヶ花氏と藤本氏のディスカッション形式で進行。ESGを起点とした出張管理、モビリティについて考え直したときにSDGsへどのような影響があるのかについて語ってくれました。

5-1.大きなモビリティを使う出張においてCO2排出量の抑制は欠かせない

西ヶ花
SDGsと聞くと、気候変動に着目している国や企業が多い印象です。このため、出張へ行くうえで「CO2排出量」は避けて通れない要素です。1回の出張あたりのCO2排出量を見ると、エコノミークラスとプレミアムエコノミークラス(プレエコ)以上では、排出量に差があります。出張先も移動距離も同じであれば排出量も同じだろうと考えられますが、飛行機の客室内の占有面積が違うと排出量に差がでてくるのです。

CO2排出量は、1キロもしくは1トンと言います。具体的にどれくらいの量なのかを別のものに例えて表してみました。「CO2 1キロ分」はノートパソコンを約243時間、もしくはエアコンを約4時間使用したときと同じ排出量です。「CO2 1トン分」は、日本人1人あたりの排出量の約1ヶ月分、もしくは杉の木約71本が1年間に吸収するCO2と同じ量なのだそうです。

「1キロ分」「1トン分」のCO2排出量を踏まえたうえで各航路の排出量を見ると、非常に多いと分かります。モビリティには車もありますが、出張に関わる大きなモビリティという意味では、日本においても飛行機の移動で排出されるCO2の抑制は欠かせません。藤本さんはどう思われますか?

藤本
個人的には、日本企業からはCO2排出量に関する話を聞く機会は多くありません。アメリカやヨーロッパなど外資系企業の日本支店で、親会社からCO2排出量を特定してエコロジーな移動をするように義務付けられているとの話を聞きます。今後は、日本企業でもCO2排出量に関する取り組みが進むと思っています。

西ヶ花
CO2や温室効果ガスの排出量は幅広い範囲で調査・算出をして削減を進める必要がありますが、モビリティに関する部分や移動、出張についても算出しなくてはなりません。CO2排出量の削減は世界的に定められている項目なので、BTMにおいても避けて通ることはできません。

5-2.出張関連業務の見直しがCO2排出量の削減に繋がる

西ヶ花
CO2を排出し続けると、どのような悪影響があるのでしょうか。まず、氷が溶けることによる海面上昇です。次に異常気象。異常気象については災害大国と呼ばれる日本にも関係があると思います。

CO2の排出量を抑えるために何をすれば良いかと言うと、まずは「移動手段の選定」です。出張における移動手段の選定が、CO2排出量削減に繋がります。CO2排出量を抑えられれば、水没するリスクのある地域の救済や水資源の確保、洪水の防止、農作物の安定化をもたらすでしょう。

西ヶ花
出張先で宿泊を伴うのであれば、「環境に適したホテルの選定」も必須です。先ほど、藤本さんから外資系企業はSDGsへの関心度が高いとの話がありました。確かに外資系企業では、積極的にエコホテル・グリーンホテルを手配して泊まろうという動きが見られます。この動きは、日本企業でも徐々に出てくるだろうと考えています。

ホテルは多くありますので、コストで選ぶのか、設備で選ぶのか、地域への通いやすさで選ぶのか、選ぶにもさまざまな視点があります。その意味では、「環境に適したホテル」も選択肢の1つとして考えても良いのではないでしょうか。

西ヶ花
出張を行う企業にとって、「出張決定の判断基準の明確化」「出張における最適人数」は、今後、考え直しが必要な部分です。コロナ禍で出張は激減し、ほぼゼロの会社もあるでしょう。しかし、感染拡大が落ち着いてくれば、徐々に出張を復活させる企業も増えてくると思います。

その際、2018年、19年頃の出張が多かった時期のレベルに戻すのか、それとも必要のない出張を削減してWeb会議に移行して出張を減らす、または出張における最適人数を考え直すのかが分かれ目になるでしょう。出張回数が減ればモビリティの機会も少なくなり、CO2排出量の削減に繋がるとも考えられます。

しかし、Web会議と出張の両立・併用については、今後の働きやすさや仕事のパフォーマンスに影響してくるでしょう。藤本さんの周りは、どのような状況ですか?

藤本
出張へ行く機会が多い企業によると、行かなくてはならない出張は確実に存在すると言います。例えば年末の忘年会や懇親会などは、出張せずともオンラインで完結できます。しかし、どうしても会って話をしなきゃいけない重要な相談があるときや、現地へ出向いて品質チェックをするなど必要なときは、出張しなくてはならない場面も出てきます。出張に行く業務とオンラインで済む業務の棲み分けが進んでいる印象です。

5-3. 「Social(社会)」

西ヶ花
モビリティを使うのは人なので、SDGsにおける「Social(社会性)」とも深い関わりがあります。例えば、「出張中の快適な生活の確保」。また、「長時間移動の回避」も必要です。これまでは日本と海外を何度も往復していたのが、一度海外へ赴いたらあちこち回る出張形態を取る企業も増えてきました。

出張をする社員の働きやすさ、出張者の健康保護だけでなく、社員の会社に対する帰属感やエンゲージメントも、企業を運営するうえで考慮すべき要素です。そういう意味では、SDGsの大項目である「8.働きがいも経済成長も」に関係すると考えます。

西ヶ花
「Social(社会性)」における喫緊の課題が「安全管理」である会社は多いのではないでしょうか。「危険地域のリサーチ」とありますが、現在は渡航規制がかかっている国がほとんどなので、どの地域に行くにせよ事前リサーチは重要です。

「出張者のトラブル遭遇回避」については、海外でトラブルを起こさないように現地について学習しておくことが大事です。さらに、「アフターコロナ」という意味でも出入国に関する情報が日々変化しているうえ、トラブルに遭いがちな状況です。このため、トラブルを回避するためのプログラムが必要です。

「出張先での医療機関の把握」もしておきましょう。「出張者の働きやすさ」「働きがい確保」「出張者の健康保護」「出張者の安全保護」、これらは全て最終的に社員のエンゲージメントに繋がってきます。藤本さん、いかがですか。

藤本
特にリスク管理は重要視されるようになってきたと思います。今は海外渡航が減っていますが、コロナ禍が落ち着いてくれば海外出張を復活させたいクライアントも多いです。

その際、今のリスク管理で大丈夫なのか、出入国の提言はどうなっているのか。旅の目的を達成できなかったら意味がないので、情報の収集についてはクライアントがとても気にしていることだと思います。

5-4. 「Governance(管理)」

西ヶ花
「Governance(ガバナンス)」は広い意味に捉えられますが、モビリティや出張、BTMの基盤となる考え方の一つです。出張規定を作るだけでも安全管理を施すだけでもダメで、ガバナンスを強く保っていかないと上手くいきません。ときには客観的視点で現状を可視化し、確認することも必要です。出張管理の運用サイクルも従来の2018年、19年辺りから2020年にかけて大きく変わってきていますので、一度、最適化の再考をした方が良いでしょう。

ガバナンスは「不正防止」と捉えられがちですが、不正防止だけではなく、SDGsの「③全ての人に健康と福祉を」「⑧働きがいも経済成長も」に関わってきます。社員を縛り付けるものではなく、社員の権利を守る基本的な考え方としてマネジメントにガバナンスを取り入れていただけたらと思います。

藤本
透明性確保と不正防止、出張者の所在地などを管理できなかった点に課題を抱えている企業は多いです。そのため、システム化、デジタル化することで個々の情報の可視化を行うことを検討しても良いでしょう。実際、どのように可視化、デジタル化するかについての関心度は高いです。

これまでは、可視化やデジタル化について分析する段階へ辿り着かない会社も多かったのですが、最近はようやく議論ができるようになってきました。透明性の確保や情報の可視化が進めば、課題解決のために分析できるようになります。西ヶ花さんが仰る通り、社内の公平性確保や安全保護、働き方改革をモニタリングできるようになるでしょう。

西ヶ花
ありがとうございます。仰る通りです。

6.質疑応答

セミナーの最後に質疑応答の時間が設けられ、参加者の質問に藤本氏と西ヶ花氏が親身に答えてくれました。

6−1.日本では電車の移動が多いので、CO2排出量の削減も進んでいるのではないですか?


藤本

電車は、エコロジーな移動手段ですよね。一方で、外資系企業では車の車種指定もあります。車種と移動距離を知ることで、車の移動にも改善できる余地はたくさんあると思います。西ヶ花さんはどう思いますか。

西ヶ花
この質問でポイントとして踏まえておきたいのは、日本は島国であることです。電車移動は、国内出張ではアドバンテージになりやすいかもしれません。しかし、海外へ行くには必ず飛行機に乗らなくてはなりません。ヨーロッパでは多くの国へ電車で移動できます。国外へ電車で移動できる点では、日本にはないメリットですよね。

日本における飛行機から電車への移動手段のシフトについて、国内出張では可能かもしれませんが、海外出張となるとそうはいきません。そういう意味では、CO2排出量の削減が進んでいるとは言えないと考えます。

6-2.一般職や一般社員が行う業務でSDGsを取り入れることはできますか?

西ヶ花
以前クライアントから言われたのは、SDGsの概念も必要性も理解しているが、一般職・一般社員レベルに熟知させるのは厳しいとのこと。このため、「SDGsに取り組もう」とプレッシャーをかけるのではなく、現場で自然と守れる運用方法がベターなのではないかとのお話がありました。

SDGsを勉強して、何をすればCO2排出量を削減できるのか詳しくなるのは悪いことではありません。しかし、出張でモビリティを使うのはその先に仕事があるためであり、モビリティそのものは必要ですよね。モビリティの観点から、どのようにSDGsを達成するかを考えたら、普段の業務に自然と取り入れる仕組みづくりだと思います。

どの形が良いかは予算諸々との兼ね合いにはなりますが、私は根底の考え方を示すことが重要だと考えています。会社が、SDGsとモビリティ、ESG投資とモビリティの関係を踏まえて「このようにすればCO2排出量を削減できる」と示すことで、一般職や一般社員に考えを伝えることができるのではないでしょうか。

藤本
SDGsやESG投資の話だと、トップダウンでやるべきとの話になるケースが多いです。会社全体に関わる案件に関して一般社員から発信するのは難しい現実があると感じました。一方で、SDGsは範囲が広いので、心がけ一つで現状を変えられる印象があります。

例えば、総務が「SDGsで何をすれば良いだろう」と考えたとき、複合機のトナーをリサイクルトナーに変えるだけでもSDGsの貢献活動になります。もしくは、「ジェンダー差別をなくそう」との目標もありますが、これも社員の心がけ一つで達成できる可能性があります。

SDGsの基本概念さえ理解しておけば、環境にやさしい行動や購買活動を心がけることで、誰でも自然とSDGsに関わることができます。

6−3.中小企業におけるSDGsの取り組み例について教えてください。

西ヶ花
SDGsを達成するには、大企業も中小企業も関係ないと思います。どれだけ大きな企業でも、どれだけ小さな企業でも、勤務する社員の捉え方次第。今日話したSDGsとモビリティに絡む部分は、出張が1件でも発生する企業であれば関わり合いがあると言えるでしょう。

先ほど、藤本さんが考え方次第で誰でもSDGsに関われると話してくれましたが、私も同感です。SDGsの目標達成に向けた決まりを守る仕組みを作るのも大事ですが、根底にあるのはコミュニケーションです。社員に今日話したことを伝えて、SDGsについて社内周知を図ることが第一歩だと思います。

藤本
外務省・経産省のホームページには、実際に行われた中小企業の取り組みの事例が掲載されています。中小企業で何をできるか掴んでもらうにはちょうど良いのではないでしょうか。時間がある時に、サイトを見てみてください。

7.SDGsやESG投資は会社規模に関係なく取り組むことができる

SDGsとESG投資は、近年メディアで取り上げられる機会が増え、関連書籍も多く見受けられるようになりました。興味はある、取り組んでみたいなど意欲はあるものの、「SDGsやESG投資はグローバル企業や大手企業が取り組むもの」との印象が強く、一歩を踏み出せない人もいたのではないでしょうか。

しかし、実はSDGsやESG投資は会社の規模に関係なく、個人でも十分に取り組むことができるもの。本ウェビナーを通してSDGsやESG投資を知り、ビジネス・トラベル・マネジメントやモビリティにおける新たな取り組みに繋げていきましょう。ウェビナー「モビリティ×SDGsシリーズ 」は、今後も引き続き開催いたします。ご期待ください。

編集:石島聡子(リベルタ)
文:宅野美穂(リベルタ)

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