イタリアに滞在するとき、現地のSIMを使ってみませんか?
現地SIMをおすすめするのは、日本国内でヨーロッパ向けの海外SIMを買って渡航するより、現地でSIMを購入したほうが安く利用できるケースが多いためです。
また、地元イタリアのキャリア回線を利用できるため、接続が安定して使いやすいのも見逃せません。
観光や短期の出張など短期滞在の人だけでなく、留学や駐在など長期滞在の人も現地キャリアのSIMに加入できますよ。
EU圏内なら国際ローミングも無料、もしくは低料金で済むSIMが多いので、イタリアを含むヨーロッパ各国を周遊予定がある人にもおすすめです。
この記事では、イタリアで購入できるSIMの例やおすすめのキャリアなどを詳しく解説します。
 
1.イタリアの現地SIMをおすすめする理由3つ
 
イタリアに滞在するときには、出発前に海外向けのSIMをあらかじめ購入して利用したり、日本からWiFiルーターをレンタルしたりして通信手段を確保する、という人もいることでしょう。
その他にも、日本で加入しているキャリアが提供している海外利用の無制限プランに申し込む方法があります。
 
もっと手軽に通信を利用したいなら、思い切ってイタリアの現地SIMに加入するのもおすすめです。
現地のキャリア回線を利用できるので、安定した通信でインターネットやSNSを使えますよ。
ここからは、おすすめする理由をみていきましょう。
 
1-1.リーズナブルなSIMが利用できる
地図アプリで美術館の場所を確認したり、レストラン予約アプリでディナーを予約したりなど、イタリアに滞在するときは意外にデータ通信のお世話になることが多いもの。
インターネット接続サービスを提供する企業の調査によると、海外旅行での1日あたりデータ使用量は2.1GB〜3Gほどと答えた人が多数でした。
この結果からわかるのは、海外でスマホを利用するときにも通信量を確保する必要があることです。
 
【日本から海外向けSIMやWi-Fiルーターをイタリアに持ち込んだ場合の費用例】
・海外向けSIM :3GBまで 30日間有効 980円
・Wi-Fiルーター : データ利用量無制限 8日間 5,680円
・日本キャリアのSIM : 海外データ利用量無制限 1日あたり2,980円
 
1週間程度の短期間でも、日本からSIMやWi-Fiルーターを持っていく場合は意外と費用がかかります。
一方、イタリアで購入できるSIMはツーリストプランならデータ通信量200GBを上限に国内通話が無制限、1ヶ月間利用可能で料金は4,000円程度と、手頃な値段で使えるお得なプランもあります。
上手に利用すれば通信費がかなり安く抑えられるため、できるだけお得にスマホを使いたいという人に、現地SIMは向いているのです。
 
1-2.通信事業者の選択肢が多い
イタリアには通信会社が多く、各社ごとに特色があります。
大都市で利用できる5G対応のキャリア、海岸沿いや山岳エリアなど非都市部でも通信できるキャリアなど、滞在する場所によってキャリアを選ぶのもおすすめです。
 
1990年代、EUでは通信事業を自由化し、新規の通信事業者による市場参入を促進しました。
なかでもイタリアは、積極的に市場を開放し通信事業者を増やした国の一つです。
以前は、国営の電話会社SIP(NTTの前身である日本電信電話公社に相当)1社が独占していましたが、市場の開放によりTelecom Italia、Infostrada、Windなど民間の企業が続々と参入。
現在では、最大規模の通信会社TIM(日本でいうNTTdocomoに相当)を筆頭にMNO(移動体通信事業者)が数社、MVNO(仮想事業体通信事業者)を含めると20社ほどの通信会社があります。
 
1-3.ガラケーで利用可能なSIMがある
すでに日本では廃止されていますが、イタリア国内ではまだ2G(GSM方式)通信サービスを継続している通信会社がいくつかあります。
2Gは通話とSMSに特化したサービスで、主にガラケーで利用可能です。
 
ガラケー本体も、店頭やオンラインショッピングで18ユーロ程度から購入できます。
スマホ盗難や紛失によるSIM不正利用やデータ流出を避け、電話だけ使いたいという人には利用価値が高そうです。
 
ちなみに、イタリア語でガラケーはTelefono GSM(テレーフォノ・ジエッセエンメ)と言います。
「このガラケーを買いたいです」と店頭でスタッフに伝えるときは、
 
「Vorrei comprare questo telefono GSM.(ヴォッレイ・コンプラーレ・クエスト・テレーフォノ・ジエッセエンメ)」
 
と言えば通じます。
 
2.イタリアのMNOキャリア4つ
 
自社で通信設備、通信ネットワークを持つMNOは、イタリアに4つあります。
どの事業者も、日本同様に5GやeSIMに対応しているので、ニーズに合ったプランを提供している会社を選びましょう。
 
2-1.都市部に住む人やヨーロッパ諸国を巡る人に!Fastweb+Vodafone
画像出典:https://www.fastwebvodafone.it/
 
VodafoneとFastwebが2024年に合併して誕生し、老舗TIMを抜いて国内シェアトップになったのが「Fastweb+Vodafone」です。
ちなみに、2025年10月時点では、VodafoneかFastwebのどちらかにしか加入できません。
将来、統一ブランドでの展開を行うことが予定されていますが、いまだに見通しが立っていない状況です。
 
長期出張で都市部に住むという人はFastweb、ドイツやフランス、イギリスなどヨーロッパの複数国に行く予定があるという人はVodafoneを利用するのがおすすめです。
 
Fastwebは都市部を中心に5G回線利用可能エリアが多く、料金もリーズナブルと評価が高いのが強み。
一方Vodafoneイタリアは、過去にVodafoneイギリスが親会社だったことからグローバルネットワークを利用しやすく、ヨーロッパの複数国移動の際でも繋がりやすいです。
 
公式URL:https://www.fastwebvodafone.it/
 
2-2.観光で短期滞在する人に!旅行者用プランが充実のWindTre
画像出典:https://www.windtre.it/
 
香港の通信会社Treがイタリアの会社Windを買収後設立したのが、WindTreです。
特に見逃せないのが、短期滞在者向けの大容量データSIMなど観光客向けのプランが充実していること。
例えば、1ヶ月利用できる「SIMIM per turisti in italia」というプランを見てみましょう。
 
【例:SIM per turisti in italia】
・データ上限200GB(EU内19GB)
・イタリア国内通話無制限
・1ヶ月間有効 24.99ユーロ
 
都市部と地方の両方に滞在予定という人や、1週間以内の短い滞在のみという人に向いています。
 
他にも、比較的リーズナブルなプランが充実しているうえ、大容量のデータを使える短期滞在者向けのプランがたくさんあります。
元々固定電話の会社だったWindの広いネットワークを生かし、5G・4G(LTE)が地方で使えるのも、魅力の一つです。
店舗数が多く、地方でもお店を見かけることが多いので加入しやすいですよ。
 
公式URL:https://www.windtre.it/
 
2-3.地方でバカンスを楽しむ人に!非都市部でもつながりやすいTIM
画像出典:https://www.tim.it/
 
イタリアの国営電話会社SIMを前身とするTIMは、イタリア最大手の通信会社です。
国内エリアでの通信網が非常に広くつながりやすいのが特徴で、旅行や出張で複数都市に滞在するという人や、非都市部にあるスキー場や海水浴場などでバカンスを楽しむという人に使いやすいでしょう。
 
利用できる携帯のプランはやや料金が高めながら、山間部、海岸部などの電波が入りにくいエリアを始め、電車移動中でもつながりやすいです。
なお、「固定電話やインターネット契約のセールスがしつこくトラブルになりかかった」というレビューもあるため、不要なサービスを勧められた場合はきっぱり断りましょう。
 
公式URL:https://www.tim.it/
 
2-4.都市部に滞在する人に!高速データSIMプランが充実のiliad
画像出典:https://www.iliad.it/
 
フランスに本社があるiliadは、2018年からイタリアで携帯通信サービスをスタートした新興の会社です。
都市部で特につながりやすいと人気があるので、都市部のみに滞在し高速のデータ通信を安く使いたい、という人はぜひ利用してみましょう。
 
iliadの強みは、データSIMプランが特に充実していること。
わかりやすい料金プランが消費者に受け、急速にユーザー数を伸ばしています。
接続が安定していて早いと評価が高い一方で、地方だとつながりにくい場合もあります。
 
公式URL:https://www.iliad.it/
イタリア在住の筆者とその家族は、今まで多くの通信会社を利用してきました。
なかでも、通話やデータ通信がつながりやすいと感じたのはTIMでした。
特に驚いたのは、電車で移動中トンネルに入ってからもTIMユーザーは一番最後まで電波を拾えたことです。
そのとき格安のMVNOに加入していた筆者のスマホは、いち早く通信不能になってしまったため羨ましく思ったのを覚えています。
ちなみに地方在住の筆者の地元で評価が高いのは、新興のiliadです。
隠れコストが少なくシンプルなプランが評判で、ご近所にもユーザーが一人います。
しかし加入したてのころ「全然ダメ。すぐ圏外になる!お金返してほしい」と不便を訴えていましたが、2年ほど前からようやく、安定して繋がるようになりました。
最近は「改善された」と喜んでいます。
3.イタリアで評判のMVNOキャリア5つ
 
イタリアでも日本同様に、MNOの回線を借りて通信サービスを展開し格安の料金プランを提供するMVNOがたくさんあります。
ここからは、各社の特徴を見ていきましょう。
 
3-1.ビジネスパーソンにもおすすめ!PosteMobile
画像出典:https://www.postemobile.it/
 
日本郵便に相当するのが、イタリア郵便(PosteItaliane)。
この会社ではPosteMobileという通信サービスも展開しています。
イタリアに来てまで5Gを利用する必要はないが、オンライン会議などでも大容量のデータ通信が安定して利用でき、料金もリーズナブルなSIMが欲しい、というビジネスパーソンは要チェックです。
 
PosteMobileの基本プランで利用できる最速の回線種類は4Gまで、5Gは別途申込と利用条件を満たしたユーザーが対象となっていますが、安く大容量のデータ通信を利用できるところが最大の魅力。
また、Vodafoneイタリアの通信網を利用しているため、回線が安定してつながりやすいです。
 
加入プランのキャンペーンを定期的に行っていて、渡航時期にキャンペーン期間がうまくマッチすれば、割引やデータ増量などの特典でさらにお得に利用できるのもうれしいところ。
どの街にも必ず1軒はある郵便局で加入できるので、気になる方は足を運んでみましょう。
 
ちなみに筆者が現在加入しているのが、PosteMobileです。
コールセンターに電話しただけで簡単に大容量データプランへ乗り換えることができ、アクティベーションも30分程度で済みました。
 
公式URL:https://www.postemobile.it/
 
3-2.長期滞在の強い味方!お買い物ポイントで利用料金が支払えるCoopVoce
画像出典:https://www.coopvoce.it/
 
Coopは、日本でいうコープ(生活共同組合)のこと。
出張や留学などでイタリアに長期滞在する人に使いやすい、お得なサービスがあるMVNOです。
 
2025年9月現在では5Gに非対応ですが、通信サービスはTIMの回線を利用していてどこにいても繋がりやすいと評価が高いです。
また、2025年末までにVodafoneイタリアの回線に切り替わると同時に、5Gサービスも開始される予定です。
 
eSIMにも対応しているため、使い勝手は悪くありません。
Coopイタリアの会員であれば、買い物で溜まったポイントを利用料金支払いに当てられるサービスも行っていて、お得感が高いです。
 
公式URL:https://www.coopvoce.it/
 
3-3.移動が多いビジネスパーソンに!海外通話サービスが充実しているlycamobile
画像出典:https://www.lycamobile.it/it/
 
世界最大手のMVNOであるlycamobileは、2009年にイタリアに進出し通信サービスを開始した会社です。
EU圏以外にも仕事であちこち移動する、旅行でEU外の複数国へ訪れるという人には特に、利用価値が高くおすすめです。
 
Vodafoneイタリアの回線を使用しており、安定した接続でデータ通信できることと、グローバルネットワークをいかし、EU圏だけでなくアフリカやアジア、南米など世界各国へ低コストで通話できるプランも展開していることが人気を呼び、急速にユーザー数を伸ばしています。
 
5Gまで使用可能なプランと4Gまで利用可能なプランの2種類があり、特に高評価なのは4Gプランです。
月々10ユーロ程度の使用料でデータ通信が270GBまで、国内通話し放題つきという格安SIMプランは特におすすめですよ。
 
公式URL:https://www.lycamobile.it/it/
 
3-4.無駄なくSIMを利用したい人に!オンラインで契約完結するSpusu
画像出典:https://www.spusu.it/
 
オーストリアに本社があるSpusuは、近年話題にのぼる新興の通信サービス会社で、無駄を省いてお得に使いたい人におすすめです。
なぜなら、Spusuでは使わなかったデータ量や通話量を、次の月に繰り越して使うサービスがあるからです。
あまったデータ量を無駄なく利用できることから、評判を呼んでいます。
Windtreの回線を使用しており、5G・4Gの高速回線が特に繋がりやすいと評判が高いですよ。
 
イタリア滞在の前にあらかじめ準備しておきたい、という人にも利用しやすいでしょう。
店舗はなく、オンラインで契約・アクティベーションを行うため、出発直前に契約手続きを済ませてすぐ使えるからです。
 
なお、HP上ではeSIMが推奨されていますが、契約時には物理SIMの国内郵送も選択できます。
eSIM非対応のスマホしかもっていないが買い換えるのは躊躇する、という人も安心して使えますよ。
 
公式URL:https://www.spusu.it/
 
3-5.イタリアでもゲームしたいという人に!超大容量データプランが売りのverymobile
画像出典:https://verymobile.it/
 
2020年からサービスを開始したverymobileは、都市部で特にユーザー数が多い通信会社。
ゲームでデータ通信を大量に使いたいという人や、スマホのテザリングでタブレットやPCでもインターネットを利用したいという人におすすめの会社です。
 
なかでも、国内MVNOでは最大の提供量である440GBプランが、非常に人気があります。
Windtreの回線を利用しており、高速回線がつながりやすいのが特徴です。
一方、通信量上限が20GBで国内通話がかけ放題という低額SIMプランもあり、ヘビーユーザーからライトユーザーまで、幅広く対応しているのが強みです。
 
公式URL:https://verymobile.it/
 
4.日本キャリアの国際ローミングとイタリアSIMの料金比較
 
ここからは、日本の通信会社が提供する国際ローミングサービスをイタリアで使う場合と、イタリアの会社のSIMを使う場合に分けて、データ量や料金がどの程度になるのかなどをまとめています。
なお、表に載せているプランは各社が提供している最もベーシックなタイプです。
イタリアへ出張や旅行、長期滞在を予定している人は参考にしてみましょう。
 
4-1.日本の会社の国際ローミング利用
日本のMNOやMVNOで展開している国際ローミングサービスは、日本で契約したSIMカードを海外でもデータ通信や通話、SMSに利用できるサービスです。
 
普段利用しているSIMカードがそのまま海外でも利用できるのでとても便利な反面、利用には手続きが必要だったり、別途料金を請求されたりなど、契約プランによってサービスの内容は変わります。
契約条件をよく確認してから利用しましょう。
 
【日本MNOの海外プラン比較表】
| docomo 世界そのままギガ | au 世界ダブル定額 | softbank 海外あんしん定額 | 楽天モバイル 海外データローミング | ahamo 海外データローミング | povo 海外データトッピング | y!mobile 海外あんしん定額 | linemo 海外あんしん定額 | |
| データ量上限 | 国内加入プラン内の通信量と同量 | 無制限 | 12GB | 2GB | 30GB | 1GB | 1MB〜12GB (滞在国により異なる) | 1MB〜12GB (滞在国により異なる) | 
| 別途申込 | 初回のみ必要 | 不要 | 必要 | 不要 | 不要 | 必要 | 必要 | 必要 | 
| 料金/7日間 | 5,280円 | 20,860円 | 3,920円 | 2GBまで無料、以降1GBごとに500円 | 無料 390円 | 1,980円〜3,920円 | 1,980円〜3,920円 | 
※内容は2025年10月現在
【日本MVNOの海外プラン比較表】
| 日本通信 国際ローミング | OCNモバイルONE 国際ローミング | IIJmio 全プラン | mineo 全プラン(Sプラン除く) | ||
| データ量上限 | 利用不可 (通話・SMSのみ) | 利用不可 (通話・SMSのみ) | 利用不可 (通話・SMSのみ) | 利用不可 (通話・SMSのみ) | |
| 別途申込 | 必要 | 必要 | 加入プランにより異なる | 不要 | |
| 料金/7日間 | 従量課金制 | 従量課金制 | 加入プランにより異なる | 従量課金制 | 
| Vodafone START | WindTre SIM per turisti in italia | TIM Tourist Giubileo Edition | iliad GIGA 200 | ||
| 加入期間 | 長期(月単位) | 1ヶ月 | 30日間 | 長期(月単位) | |
| データ量上限/月 | 150GB | 200GB | 200GB | 150GB | |
| 通話(国内) | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | |
| SMS | 200通まで | 不明 | 不明 | 無制限 | |
| 料金/月 | 9.95ユーロ (約1,726円) | 24.99ユーロ(約4,333円) | 14.99ユーロ (約2,599円) | 7.99ユーロ (約1,398円) | |
| 加入方法 | オンライン、店頭 | オンライン | オンライン、店頭 | オンライン、店頭 | 
| PosteMobile Creami Extra WOW 50 | Coopvoce EVO 10 | Lycamobile Port in 599 | Spusu spusu 10 | verymobile Very Things | |
| 加入期間 | 長期(月単位) | 長期(月単位) | 長期(30日単位) | 長期(月単位) | 長期(月単位) | 
| データ量上限/月 | 50GB | 10GB | 180GB | 180GB | 10GB | 
| 通話(国内) | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 1,000分まで | 不明 | 
| SMS | 無制限 | 無制限 | 200通まで | 200通まで | 不明 | 
| 料金/月 | 5.99ユーロ (約1,048円) | 4.90ユーロ (約858円) | 5.99ユーロ (約1,048円) | 4.98ユーロ (約871円) | 3.99ユーロ (約698円) 通話、SMS料金は別途支払要(従量課金制) | 
| 加入方法 | オンライン、店頭 | オンライン、店頭 | オンライン | オンライン | オンライン、店頭 | 
※内容は2025年10月現在
 
手続きなどで加入のハードルが高そうにも見えますが、大都市のショップや空港で加入するならほとんどの場合英語が通じるので、あまり心配する必要はありません。
新規の電話番号でSIMカードを購入するときは、アクティベーションに10分程度で済むことが多く、購入したらすぐ利用できるのも嬉しいポイントです。
 
イタリアの通信会社も国際ローミングサービスを提供しています。
EU諸国での利用では、国際ローミングサービスも大した金額にはならないことがほとんどですが、日本はEU外。
そのため、日本でサービスを利用するとかなりの高額になることがあります。
以前、日本に一時帰国するときは国際ローミングをオフにし、できるだけWiFiを使うのが筆者の習慣でしたが、家族が一度イタリアと通話してしまい、10分たらずの利用で高額な料金を請求されました。
以来、日本滞在中に日本の通信会社のデータ専用プリペイドSIM、イタリアにいるときはイタリアで契約しているMVNOのSIMと、カードを差し替えて使い分けています。
5.イタリア現地SIM購入と利用の注意点7つ
 
イタリアでSIMを買うときは、いくつか覚えておきたい注意点があります。
 
【イタリアでSIM購入する際の注意点】
1.プリペイドのSIMを購入する
2.空港や都市部で購入する
3.オンライン購入は時間に余裕があるときに行う
4.隠れたコストや条件を考慮する
5.SIM郵送の場合は時間がかかる
6.通信量を使い切ったときすぐに再開できないことがある
7.MNP利用のときはアクティベーションに時間がかかる
 
このように、現地で購入するときにどのようなポイントをおさえておくべきか、あらかじめ頭に入れておいてから契約すると、失敗が少ないです。
ここからは、上記にあげたSIM購入時の注意点を詳しく解説します。
 
5-1.プリペイドのSIMを購入する
観光などで短期滞在する人なら、ツーリスト向けのプリペイド式SIMがおすすめ。
パスポートを提示すればすぐ契約でき、解約手続きも必要なく有効期限が過ぎるか利用可能量を使い切った時点で契約終了するため、最も簡単に利用できるからです。
 
その他に、現地のイタリア人が使うSIMの長期契約でも、ATMやオンライン、タバコ屋もしくはカフェなどで利用料を毎月チャージするタイプのPrepagata、Ricaricabile(プリペイド)式なら、パスポートがあれば申し込めることがあります。
会社やプランによっても異なるため、現地ショップでSIMを購入するときにはパスポートだけで加入できるSIMがあるか、聞いてみましょう。
 
なお、パスポートコピーの提示は不可とする場合があるので、加入するときは必ず原本を持っていくのをお忘れなく。
 
長期契約に申し込む場合でCodice Fiscale(納税者番号)がないと加入できない、と言われることがあります。
イタリア政府が発行するCarta Identita(身分証明書)やTessera Sanitaria(健康保険証)というカードタイプの書類に書かれている16桁の番号のことです。
この番号を聞かれたら、Abbonamento(アッボナメント、引き落とし式長期契約)という口座引き落とし、もしくはクレジットカード払込が必要になることが多いです。
使わないで放置しているような場合でも必ず料金が請求され、解約には所定の手続きが必要という会社もあるため、長期滞在する人が契約するときはよく確認しましょう。
Codice Fiscaleを持っていなかったり、現地に口座やクレジットカードがなかったりという人は、プリペイド式を選ぶのが無難です。
5-2.なるべく空港や都市部で購入する
店頭でSIMを購入するなら、なるべく空港や都市部のショップで購入するほうが良いでしょう。
小さな街にもSIMを扱うお店があることも少なくないですが、あまり規模の小さい街だとスタッフが英語不可で対応してもらえなかったり、スタッフの人数が少なくて順番待ちが長かったりする場合があるからです。
 
一方、空港や都市部は規模が大きい店舗が多いためすぐ対応してもらえたり、駅のそばなどアクセスが便利な場所だったりと利便性が高いです。
 
5-3.オンラインでの購入は時間に余裕があるときに行う
オンラインでのSIM購入は、必ず本人確認書類のアップロードが必要です。
写真やパスポート番号が不鮮明で読み取りできない場合は何度もやり直すことになるので、あらかじめパスポートや身分証明書をスキャンしておき、アップロードするのをおすすめします。
 
カメラ機能を利用しその場で撮影したものをアップロードすることもできますが、筆者がトライしたときは何度もやり直しが必要で、契約を完了するのに3時間近くかかりました。
 
5-4.見落としがちなコストや条件を考慮する
加入する会社によって異なりますが、初回だけは通常料金に加えてSIMのアクティベーション料金など隠れコストが加算されることがあります。
そのため、チラシや店頭で目にする金額そのままではないことを覚えておきましょう。
 
また、契約するときは契約書のコピーを店頭で渡されたり、登録したEメールアドレスへ契約書が送付されたりするので、よく読むことが大事です。
中には、留守番電話サービスが実は別途有料だったり、1日あたり一定のデータ利用量を超えた場合通信制限がかかったりなど、条件が設けられている場合があります。
しかし店頭では、自分から聞かない限りこのような条件などを説明されることがほぼ無いので、疑問に思ったら必ず聞いておくことをおすすめします。
 
必要のない有料サービスが勝手につけられている場合に限りますが、通信会社のHPやアプリから自分のページにログインし解約できることもあります。
利用料金をもっとおさえたいという人はチェックしてみましょう。
 
5-5.SIM郵送の場合は時間がかかる
事情があってSIMの郵送を希望する場合は、契約してから実際に使えるようになるまで、時間がかかる可能性があることを頭に入れましょう。
 
SIMをオンラインで申し込んだ場合、ほとんどの会社は希望の住所へ郵送してくれます。
しかし筆者が郵送で申し込んだときは、契約完了から住所に届くまで1ヶ月かかった上、オンラインでのアクティベーションがうまくいかず店頭で対応してもらいました。
 
5-6.通信量を使い切ったときすぐに再開できないことがある
スマホやタブレットなどでオンライン会議が長引いたり、外国に住む友人と長電話したりして、契約しているプランのデータ通信量を使い切ってしまうことがあるかもしれません。
 
会社や加入プランにもよりますが、通信再開を次月まで待たなくてはならなかったり、有料で一時的に通信量追加できるサービスを申し込む必要があったりなど、利用再開まである程度タイムラグがあることが多いです。
使い切りが心配な人は、あらかじめ大容量かデータ通信無制限のプランに加入しておきましょう。
 
ちなみに、次の月の利用料金を決められた時間以内にチャージし通信会社に連絡すると、すぐ利用再開できる無料サービスを展開している会社もあります。
 
5-7.MNP利用のときはアクティベーションに時間がかかる
特に長期契約をした人に当てはまるのは、他社に乗り換えるときMNPで元の電話番号を継続したい、という場合です。
新規に携帯番号を取得する場合のSIMをアクティベーションするときは、10〜30分という場合がほとんどであるのに対し、MNPでは1〜3日かかることがあります。
 
長期出張や留学などで、長期契約を他社に乗り換えたいという人は、アクティベーションにどれくらいかかるかを確認しておきましょう。
新旧両方の会社に料金をはらわなくてはならなかったり、スマホが利用できなかったりというアクシデントが起こらずに済みます。
 
画像出典:https://www.fermopoint.it/
イタリア大手の宅配便サービスBRTで展開しているのが、現地住所がなくても荷物を受け取ることができるサービスFermopointです。
Fermopointに加入している書店やカフェ、タバコ屋など最寄りの店舗を指定すると、店舗の営業時間内に荷物が配達される仕組みです。
パスポートなど身分証があれば受け取れるので、滞在しているホテルやB&Bの近くに加入店があるか探してみるのも手です。
FermopointのHPで検索できるほかに、該当の店舗には店頭にロゴが貼ってあるのですぐ分かりますよ。
また、いくつかの通信会社では、物理SIMの郵送先としてFermopointを指定可能。
eSIM非対応のスマホを使う都合上、イタリアのSIMを郵送購入したいという人には、利用価値が高いでしょう。
公式URL:https://www.fermopoint.it/
イタリアのSIMを利用してより快適に滞在しよう
イタリアのSIMを使えば、データ量を気にせず、滞在中に携帯で日本の家族や友人と連絡をとったりSNSに旅の写真をすぐアップしたりなど、料金を気にせずできることがたくさんあります。
滞在日数やヨーロッパ諸国での利用、5G接続など目的に合わせたSIMを利用できれば、イタリア滞在がより快適になることは間違いありません。
これから滞在する予定がある人はぜひ、この記事でご紹介した情報を参考にしてみてくださいね。
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