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2020.10.09

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2020年から新幹線でも荷物制限が!? 海外出張者は確認を!

海外出張時に新幹線を利用する方も多いかもしれません。そんな方がチェックしておきたい、新制度が2020年5月からスタートしたことをご存知でしょうか。それは、新幹線乗車時にスーツケースなど大きな荷物を持ち込む場合に適用される荷物制限!

長期の海外出張となると、持っていく荷物が多くなることもしばしばです。そこで本記事では、

・どんなサイズから荷物制限となるのか?
・新幹線乗車時に制限サイズ以上のものを持ち込む場合の対応策は?

など、新幹線の荷物制限に関する疑問や乗車時の注意点を解説します。
海外出張に出発する当日に「知らなかった!」と慌てないために、しっかりチェックしておきましょう。

1.2020年5月から新幹線でも荷物制限がスタート

2020年5月から導入された新幹線の荷物持ち込みルールは、大きな荷物を持って乗車する人対象に作られた新ルール。
適用となる路線は、東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線となっています。

例えば、海外出張のために静岡駅から新幹線を使って羽田空港にいく、というような方は要チェック。
東京〜新大阪〜博多〜鹿児島中央駅間の新幹線利用を予定している方が対象となる新ルールです。

次のチェックリストに該当する方は、新ルールが適用される可能性大となっています。

<新幹線の荷物制限が適用となる可能性のある人>
・空港に行くまでに東海道・山陽・九州新幹線を利用する人
・海外出張時に大きなスーツケースを持って移動する人
・海外からの来日客を迎え入れる予定のある人

早速、荷物制限となるサイズはどのくらいなのか、また荷物制限を超える荷物を持って新幹線を利用する際にはどうしたらいいのかを見ていきましょう。

参考:
JT東海ウェブサイト
https://railway.jr-central.co.jp/oversized-baggage/
JRお出かけネット
https://www.jr-odekake.net/railroad/service/baggage/
[公式Twitter]baggage160~東海道・山陽・九州新幹線の荷物持込ルール~
https://twitter.com/baggage160

1-1.新幹線の荷物制限となるサイズ

新幹線で新たに荷物制限が設けられたのは、縦・横・幅3辺の合計が160cm以上の荷物です。
スーツケースの場合は、車輪も含まれるので注意が必要。
ただし、ベビーカーやゴルフバッグ、車椅子、輪行バッグに入れた自転車などは制限の対象外となります。

画像出典:JR九州公式サイト
https://www.jrkyushu.co.jp/railway/ticket/rule/tokudai_baggage/

ここで対象となっている3辺の合計が160cmを超えるスーツケースは、空港に直送する際にも「特大荷物」扱いとなり、取り扱いしていない宅配業者もあるほどのサイズです。国際線フライトでも有料預入になるサイズなので、それをひとつの目安にしてみるのも良いかもしれません。
特に長期での海外出張を予定している方や、海外からの来日客を迎え入れる方はスーツケースのサイズを一度確認してみましょう。

1-2.特大荷物になるもの、ならないもの

3辺の合計が160cm以上の荷物でも、楽器や輪行バッグに入れた自転車、車椅子、ベビーカーなどは荷物制限にはなりません。

画像出典:JR九州
https://www.jrkyushu.co.jp/railway/ticket/rule/tokudai_baggage/

ただし、こうした荷物の置き場所を確保するために、特大荷物スペース付き座席を予約することは可能です。

大きな楽器やベビーカーなどを海外出張に持っていくなら、出張時のストレスや疲れを溜めないための対策として、活用してみるのも良いかもしれません。

1-3.特大荷物スペースつき座席の予約が必要に!

荷物制限を超えた(3辺の合計が160cm以上)の荷物を持って新幹線に乗車するには特大荷物を置くスペースがある「特大荷物スペース付き座席」の予約が必要になります。
特大荷物スペース付き座席は、基本的にグリーン車・指定席車両の各車両最後部にある座席です。
また、2023年からは、車内デッキの洗面コーナー隣に盗難防止のロックがついた荷物置き場を順次用意する予定となっています。

予約さえしておけばグリーン車や指定席のチケット代だけで特大荷物スペース付き座席が利用できます。しかしながらこの座席は、席数に限りがあります。なので、混雑するシーズンに利用するなら早めの予約が安心です。

画像出典:JR東海公式サイト
https://railway.jr-central.co.jp/oversized-baggage/
  

また、自由席には持ち込みができないため「出張時の新幹線移動は自由席を使っている」という方は注意が必要!

後述しますが、スペースに空きさえあれば当日でも有料で特大荷物を持ち込むことは可能です。しかしながら、通常は無料なのに当日利用では有料になってしまいますし、改めて指定席切符を買わなければならないなど大変です。
当日バタバタしないようにするためにも、必ず事前チェックするようにしましょう。

参考:
プレスリリース「特大荷物置場 と 特大荷物置場つき座席 (山陽新幹線の場合)」
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/190829_01_nimotuokiba-1.pdf

プレスリリース「東海道・山陽・九州新幹線特大荷物置場の設置と事前予約制の導入について」
https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/08/page_14790.html

【特大荷物の事前予約制度が導入された背景】

インバウンド需要の増加や、東京オリンピック・パラリンピック開催などにより、新幹線内に大きなスーツケースを持ち込む乗客が近年目立つようになりました。さらに東京オリンピック・パラリンピックの開催時には、特大荷物を持って新幹線に乗車する人が増えることが予想されます。
そのため、大きな荷物が座席を占有するなどのトラブルを避けるために、JRが導入したのがこの制度。

少し手間のように感じるかもしれませんが、事前予約さえしておけば、確実に荷物を置く場所を確保できる……という点ではメリットの大きい新ルールとも言えます。

2.新幹線の荷物予約方法

では、新幹線に3辺の合計が160cm以上となる特大荷物を持ち込む場合。どうやって荷物スペースを予約すれば良いのでしょうか。
ここからは、具体的な予約方法と、予約時の注意点をまとめておきましょう。

2-1.荷物予約の方法

新幹線に特大荷物を持ち込む際の予約方法は、駅の窓口・券売機・ネット予約の3つの選択肢があります。
当日「知らなかった!」「忘れていた!」と慌てないように、海外出張準備の1つとして、チケット予約をタスクに入れておきましょう。

[駅窓口]
窓口で購入する場合には、係員に「特大荷物」を持ち込む旨を伝えればOKです。
切符売り場の窓口に行く時間的な余裕があるなら、一番簡単な方法です。わからないことがあれば、係員さんに気軽に質問できるので、その点でも安心ですね。

[券売機]
いつも券売機を使っているという方は、こちらの方法に馴染みがあるかもしれません。
特大荷物スペース付きの座席は、指定席もしくはグリーン車のみ用意されています。駅にある券売機を使って「特大荷物スペースつき座席」を予約する際には、指定席券売機を使いましょう。

画像出典:JR東海
https://railway.jr-central.co.jp/oversized-baggage/

[ネット予約]
海外出張などある程度事前に新幹線を利用する予定がわかっているなら、ネット予約が便利で確実。1ヶ月前から予約可能なので、確実に席を確保したい方は、早めに予約をしておきましょう。
ネット予約ならどこでも可能ですから、今まで券売機や窓口を使っていたという方も、これを機にネット予約を使い始めてみてはいかがでしょうか。

・JR東海、JR西日本の新幹線を利用する場合
「エクスプレス予約」
https://expy.jp/reservation/reserve_exic/oversized-baggage/

「スマートEX」
https://smart-ex.jp/reservation/reserve_smart/oversized-baggage/

・JR西日本の新幹線を利用する場合
「e5489」(JRおでかけネットよりログインしてアクセス)
https://www.jr-odekake.net/goyoyaku/

・JR九州の新幹線を利用する場合
「JR九州インターネット列車予約」
https://www.jrkyushu.co.jp/railway/ticket/rule/tokudai_baggage/

2-2.予約なしや自由席利用時は「荷物持込手数料」が必要!

特大荷物とされるサイズの荷物を持って新幹線に乗車する場合。事前に予約を忘れてしまっても、乗車することは不可能ではありません。
ただし、事前予約をしないで3辺の合計が160cmを超えるサイズの荷物を持ち込む場合には、荷物持込手数料の支払いが必要に!
荷物持込手数料は税込1,000円。もしかしたら、空港などに宅配便で送った方が安くなってしまうかもしれません。

また、自由席を使いたいという場合にも、荷物持込手数料を払えば特大荷物に該当する荷物を持って新幹線に乗ることも可能です。

海外出張は会社の経費で行くわけですから、できれば経費は節約したいところ。
また、思わぬ出費や手間でイライラしてしまうことのないように、ゆとりを持って予約しておいた方が賢明です。

3.海外からの来客時にもご注意を!

海外出張を頻繁にする方の場合、海外からクライアントやパートナー企業の担当者が来日することも多いかもしれません。来客が新幹線乗車時、荷物制限で混乱することもあり得ます。
来客に代わって、空港からオフィスまでの送迎や、出張中の旅行を手配してあげる際には、事前の対策を忘れずに!

例えば、代理で東海道新幹線の切符を手配するなら、念の為「特大荷物スペース付き座席」を予約しておけば安心です。
また、海外の方にこの新ルールを伝える場合には、JR東海の英文サイトを教えてあげるのも親切ですね。

参考:JR東海ウェブサイト「Reservations for Seats with an Oversized Baggage Area」
https://global.jr-central.co.jp/en/info/oversized-baggage/

4.新幹線乗車時に荷物が多い場合の工夫と対策

ここまで見てきた通り、新幹線に乗車する際、3辺の合計が160cm以上となる特大荷物を持ち込むとなると色々面倒。
それなら、そもそも最初から特大荷物にならないようにする、という選択肢もありますよね。

とはいえ、スーツケースがどうしても大きくなってしまうこともあるでしょう。最後に、海外出張者が知っておきたい、荷物が大きくなってしまった場合の工夫や対策をいくつかご紹介します。

4-1.空港宅急便を活用する

自宅やオフィス、ホテルから事前に空港に宅急便で荷物を送っておけば、手ぶらで楽チン。3辺の合計が160cm以内のサイズまで送れるので、荷物を2つに分けて送ってしまうのも良いでしょう。

クレジットカードによっては、国際線手荷物無料宅配サービスが付帯サービスに入っている場合もあるので、確認してみましょう。

おすすめ宅配サービス

・空港宅配サービスQLライナー
事前にインターネットから申し込めば割引もある、宅配サービスです。
スマホからも申し込めるので便利です。

https://www.ql-liner.co.jp/service/ql_liner

・JALエービーシー 大型手荷物宅配サービス

3辺の合計が240cmかつ50kgまでの手荷物なら、オフィスや自宅から空港、空港からオフィスや自宅まで運んでもらえるサービスです。これなら、特大荷物も持ち運ばずに済み、新幹線移動も楽々!

https://www.jalabc.com/delivery_service/airport_delivery/oversized-baggage.html

4-2.長期出張なら現地に荷物を送る

「新幹線や空港で荷物を持ち運ぶのが大変」という人は、日本から海外の滞在先まで荷物を直接送ってしまうという手もあります。
料金がかかるので長期滞在や駐在の方しか使えない手ではありますが、大きな荷物を持ち運ぶなら、考えてみるといいかもしれません。

4-3.荷物を小分けにする

大きなスーツケースを持って、新幹線に乗り空港まで移動するのはなかなか大変!
新幹線では特大荷物付き座席を予約しなければならないなど、荷物が大きいことによる不便や煩雑さはどうしても避けられません。

それなら、荷物をコンパクトにできないか考えたり、規定の範囲内に収まるスーツケースを使って、荷物を小分けにしたりといった方法を考えるのもアリ。
海外出張も身軽にできれば、行動範囲が広がりますよ!

こちらの記事も参考に
【実例入り】行動範囲も広がる! 海外出張の荷物を減らすコツ
海外出張の持ち物を減らしたい!日数別スーツケースパッキング術

まとめ

インバウンド需要の拡大により、新しくできた新幹線の荷物制限ルール。海外出張時に、どうしても荷物が大きくなってしまう方は、無縁とは言えないルールです。
スーツケースを持って新幹線移動をすることが多いなら今一度おさらいしておきましょう。

新しい制度もスマートに使いこなして、海外出張をより快適にできると良いですね!

こちらの記事も参考に
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