ビジネス基礎知識

2024.03.04

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XRとメタバースの違いを解説!新技術を応用した国内外の事例も紹介

「XR」「メタバース」という言葉が話題にのぼったことはありませんか?
次世代のビジネスフィールドとして、XRとメタバースの話題はよく耳にするようになったものの、
両者の違いを明確に把握している人は多くないかもしれません。
しかし実は違いがあり、ビジネスに活用するにはこの違いを理解しておくことが欠かせません。
この記事では、XRとメタバースの違いについて解説!
併せて、メタバースとXRについて理解を深めるための国内外活用事例も紹介します。

1.XRとメタバースの違いとは

XRとメタバースには違いがあります。
まずは、その違いについて理解を深めていきましょう。

1-1.メタバースは仮想空間や仮想空間内サービスのこと

XR技術によって作り出された仮想空間や、仮想空間内で行われる多人数参加型サービスのことをメタバースと言います。
メタバースは現実世界と同じような活動のように、
いつでも・どこからでも・何人でも参加でき、かつ経済活動を行えるのが特徴です。
メタバースを利用した事例には、大ヒットしたオンラインゲーム『Fortnite』や、
バーチャルショップの『ニトリ目黒通り店』などが挙げられます。

1-2.XRはメタバースを利用する手段

XRとは、メタバースを利用する手段のことをいいます。
一方、メタバースは仮想空間や仮想空間に関連するサービスのこと。

特別な機器がなくても、XR技術を利用できるスマホやパソコンさえあれば、メタバースにアクセスできます。
XR技術無しには、メタバースを利用したり理解したりすることが難しいかもしれません。
両者は本質的に異なりますが、密接な関係があると覚えておくと良いでしょう。

なぜメタバースを理解する上でXRが重要なのかを、次の章から詳しく見ていきます。

2.XRの基礎知識

メタバースと密接な関わりがあるXR。
理解が難しそうですが、日常生活に馴染んでいるものもあり、けっして未知の技術ではありません。
ここからは、XRについて具体的に見ていきましょう。

2-1.XRとは技術を指す

XRは「クロスリアリティ(Cross Reality)」の略。
仮想世界と現実世界を融合し、現実にはないものを存在しているかのように知覚できる技術です。

例えば、メタバース内で他のユーザーとアバターを通しておしゃべりしたり、バーチャル店舗で服を購入したりというアクションも、XRがもたらします。

2-2.代表的なXRは3つ

XRはいくつかの種類に分かれます。代表的なものは、以下の3つです。

2-2-1.VR(バーチャルリアリティ)

ゴーグルなどの機器を着用することで、CGなどで作られた仮想世界を現実のように体験できる技術です。

『フォートナイト』など、メタバース内で行われるオンラインゲームで活用されている他、
デジタルガジェットで動画を見るときに、映画館で見ているような臨場感を与えてくれるゴーグルなどが市販されています。

2-2-2.AR(オグメンテッドリアリティ)

WEBで観光地へ旅行ができるバーチャルトリップや、カメラアプリsnowなどがよく知られているように
、現実世界に仮想世界を重ね合わせる技術がARです。

こちらはVRと異なり、リアルな現実風景に様々な情報を加えることで臨場感を出すのが特徴です。
ゴーグルなど特定のガジェットがなくても擬似体験が可能なため、広く浸透しています。

2-2-3.MR(ミクスドリアリティ)

現実世界に、仮想物体を表示できる技術です。
ビジネス分野での応用例が多く、一般にはまだ浸透していませんが、これから成長する技術として期待されています。

MRにはマイクロソフト社が開発したHonolensがあり、ヘッドマウントディスプレイと呼ばれる機器を装着して利用します。
現場でのトレーニングが難しくなりがちな手術時のシミュレーションなど医療技術トレーニングや、
車を組み立てる際のシミュレーションなど、企業内研修で主に使われています。

3.XRのビジネス応用事例【海外】

5Gや光ファイバーなど通信回線の発達や、スマホやパソコンなど機器の大幅な性能向上によって、XRを利用したサービスが増えています。
ここからは、XRを応用した海外のビジネス事例を見ていきましょう。

3-1.ノートルダム大聖堂の姿を見られる【FlyView 360】


画像出典:FlyView 360公式HPより

ノートルダム大聖堂はパリのランドマークであり、観光客にも大人気のスポット。
しかし、2019年に起きた火災で甚大な被害が出たため、現在は復元作業が行われています。

修復が終わるまで見学はできませんが、VR技術で再現した仮想空間上のノートルダム大聖堂なら、入場が可能です。
パリにオープンしたバーチャル旅行施設Flyviewでは、VR技術により以前のノートルダム大聖堂を再現。
VRヘッドセットとバーチャルツアー専用アームチェアで、ノートルダム大聖堂を実際に見学しているような体験を味わえます。

2021年には参加者が1万人を超えるほどの人気ぶり。
ノートルダム大聖堂以外にも、パリ市内の空中散歩ツアーなど様々なVR体験ができるスポットとして、観光客の注目を集めています。

公式サイト:https://www.flyview360.com/en/

3-2.自分にあったメガネ選びができる【WARBY PARKER】


画像出典:WARBY PARKER公式HPより

試着ができないオンラインショップでメガネを買うのは、かなり難しいと考える人が多いことでしょう。
また、近所にメガネを扱うお店がなくて、欲しくても買いに行けないことがあります。

そういう場合でも気軽に利用できそうなのが、AR技術を応用したWARBY PARKERのオンラインショップです。
同社のオンラインショップ内には、ユーザーのデジタルガジェットのカメラと連動させる機能があります。
選んだメガネをAR技術で顔にフィットさせて、実際にかけたらどのようになるかを表示するものです。
自分に似合うか似合わないかをチェックでき、実店舗に行ったときと同様のメガネ選びができます。

公式サイト:https://www.warbyparker.com/

3-3.MRで効率的にトレーニング【メルセデスベンツ】


画像出典:メルセデスベンツカナダ社公式HPより

自動車メーカーのメルセデスベンツでは、修理技術者の技能向上をはかるため、MR技術を応用したトレーニングツールを導入しました。

ゴーグル型のデバイスを装着すると、車両の3D映像が表示され内部構造や特徴を効率よく学習できるようになっています。
研修にかかる人件費を削減する効果もあり、次世代の教育ツールとして活用されています。

公式サイト:https://media.mercedes-benz.ca/releases/release-9358c04d92bcf8a4a5b0753ba600a901-mercedes-benz-canada-announces-industry-altering-mixed-reality-solution-powered-by-microsoft

4.XRの国内ビジネス応用事例

私たちの日常生活でも、手軽にメタバースを利用できるようになりました。
ここからは、日本のビジネスシーンにおける活用事例を見ていきます。

4-1.バーチャル内覧サービス【東急リバブル】


画像出典:東急リバブル公式HPより

不動産大手の東急リバブルでは、HP上で部屋を内覧できるサービスを行っています。

高解像度で撮影された物件の映像を、VRを利用して3D化。
実際に物件を歩き回っているような感覚で部屋を見られます。
遠い土地へ仕事で転勤することになったり、就職や進学のため知らない土地で新しい生活を始めたりというときなど、
簡単に足を運べない場合でも実際の物件をチェックできることから、人気があります。

また、現存する物件だけでなく、新築物件の図面作成や完成後の空間も構築する機能があります。
新しい家がどんな感じに仕上がるのかを擬似体験でき、注目を集めています。

公式サイト:https://www.livable.co.jp/kounyu/room-image-service/

4-2.オンラインで好きなメイクアイテムをお試し【資生堂】


画像出典:資生堂公式HPより

化粧品のオンラインショッピングは、自分に合う色味がわからなかったり、お店の人に相談できなかったりと、
本当に似合うかがわからないため躊躇する女性もいます。
化粧品大手の資生堂では、オンラインショッピングサイトでAR技術を応用したサービスVIRTUAL MAKEUPを提供。
自分の写真をスマホなどで撮影しサイトへアップロードすると、取り込まれた自分の顔にメイクがほどこされる仕組みになっています。
資生堂のメイクブランドから好きなアイテムを選べ、あれこれ試すことが可能です。
バーチャルメイクで試した商品は、オンラインショップ上で購入できるため、本当に似合う一品を手に入れられます。

公式サイト:https://www.shiseido.co.jp/sw/simulation/index_pc.html

4-3.遠隔での手術を支援【メディカロイド】


画像出典:メディカロイド公式サイト

川崎重工業とシスメックス社が共同出資したメディカロイド社では、
MR技術を応用した手術ロボットシステム「hinotori」を開発。
遠隔地にいる医師の手の動きに応じてロボットアームが動き、手術をする仕組みです。

2023年10月には、hinotoriによる日本とシンガポール間の遠隔手術に成功しました。
高度な医療技術を、離れた場所でも利用できるシステムとして注目を集めています。

最小限の切開ですむため、患者の負担を減らせるのが最大のメリット。
そのほか、人間の関節では再現が難しい複雑な動きも行えるので、難易度の高い手術にも応用することが期待されています。

まとめ:XRとメタバースの違いを知って深みのあるビジネスを

XRとメタバースの違いを知っておけば、仮想空間の分野でビジネスを始めやすくなります。
さらなる発展が期待されるXR技術とメタバースの世界は、より大きなビジネスチャンスを得る可能性を秘めていることでしょう。

新しいビジネスのきっかけを掴みさらに拡大させていくには、XRとメタバースへの理解が欠かせないものです。
理解が深まれば、ビジネスにも良い影響を及ぼすことは間違いありません。
そのためにもぜひ、この記事を参考にしてみてくださいね。

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