ヨーロッパの主要な空港の一つであるフランクフルト空港。ヨーロッパの玄関口となる空港のため、海外出張で利用する人も多いでしょう。この空港は、巨大な空港であるだけでなく、設備が充実していることでも知られています。他の空港では見られないユニークな設備もあるので、出張の際はお楽しみに!
1.フランクフルト・アム・マイン空港概要
一般には略して「フランクフルト空港」と呼ばれています。この空港は、ロンドンのヒースロー空港、パリのシャルル・ド・ゴール空港に次ぐヨーロッパで3番目に大きな空港。国際線のハブ空港となっているため、世界中からフライトが発着しており、日本(*1)からは成田国際空港、羽田国際空港、関西国際空港、中部国際空港から直行便が就航しています。空港にはターミナル1と2があり、ターミナル間はスカイラインと呼ばれる無人モノレールとバスが運行しています。
*1日本からの就航便:ANA、JAL、ルフトハンザ
2.フランクフルト空港へのアクセス方法
空港からフランクフルト市内中心部へのアクセス方法は、Sバーン(電車)、バス、タクシーの三つ。予算や時間、目的地に合わせて交通手段を選びましょう。
2-1.Sバーン
ドイツ鉄道(DB)が運営している近郊電車。オフィス街に近いフランクフルト中央駅までダイレクトに行け、最もおすすめの移動手段です。ただし、荷物が多い場合はタクシー利用の方が便利でしょう。
フランクフルト中央駅まで12分。15分毎に運行
《料金》
大人片道(Einzelfahrkarte)4.95EUR(約592円/2019年11月現在)
※「RMV(フランクフルト交通局)」と記載のある券売機で購入可能。クレジットカード利用可。
《乗り場》
ターミナル1ビル地下のSバーン「フランクフルト空港Regional Frankfurt(Main)Flughafen Regionalbahnhof」駅
※ターミナル2に到着した場合は、空港内を走るスカイラインまたはシャトルバスでターミナル1へ移動。
《ドイツの電車乗車の注意点》
ドイツの駅には、日本のように改札口がありません。切符のチェックなどがなく、そのまま乗車します。代わりに、切符を確認しに検札官が各車両を巡回しています。この時に切符がないと高額な罰金が課せられてしまいます。
2019年11月現在、Gateway Gardens駅建設のため、拡張工事中。それに伴い、時刻表が一部変更されています。SバーンS8及びS9運行状況は下記の通りです。
・フランクフルト中央駅~フランクフルト空港Regional 駅(Frankfurt (Main) Flughafen Regionalbahnhof)間は運行休止中のため、Frankfurt(M) Flughafen Fernbに停車。
・Kelsterbach駅~フランクフルト空港駅間は往復バスが運行中。期間:2019年10月26日~12月14日
※上記スケジュールは変更になる可能性があります。
《参考サイト》
https://www.ana.co.jp/international/departure/airport/pdf/fra/GatewayGardens_Information_en.pdf
https://www.ana.co.jp/ja/es/international/departure/airport/map/fra.html
2-2.バス
空港と市内中心を結ぶバスも運行しており、Sバーンと同じ料金です。フランクフルト南駅(オフィス街まで約2km)行きとKonstablerwache駅(オフィス街まで約1.5km)行きがあります。
フランクフルト南駅まで約35分、Konstablerwache駅まで約45分
《料金》
大人片道(Einzelfahrkarte)4.95EUR(約592円)
※「RMV」と記載のある券売機で購入可能。クレジットカード利用可。
《乗り場》
61番線(フランクフルト南駅行き):ターミナル1 の16番線乗り場/ターミナル2、コンコースEの8番出口付近
n81番線(Konstablerwache駅):ターミナル1の21番線乗り場
n7番線(ナイトバス。南駅経由Konstablerwache駅行き):ターミナル1の21番線乗り場
2-3.タクシー
荷物が多い時やゆったりと移動したい時はタクシー利用が良いでしょう。
日本同様にメーター制で、料金のごまかしはほとんどなく、運転も安全です。
フランクフルト中央駅まで約15~20分
《料金》
フランクフルト中央駅まで約40EUR(約4,784円)
初乗り3.50EUR(約419円)、15kmまで2EUR(約239円)/km、16km以上は1.75EUR(約209円)/km(深夜割増なし、24時間同一料金)
《乗り場》
各ターミナルから到着ゲートを降りてすぐのところに、タクシー乗り場がある。
《ドイツのタクシー利用の注意点》
ドイツでは、流しのタクシーを捕まえるのは非常に困難です。タクシー乗り場から乗るようにしましょう。また、日本のタクシー乗車と異なる部分があるので注意しましょう。代表的なものは、「タクシーは自動ドアではないので自分でドアを開ける」、「一人で乗る時は助手的に座るのが一般的」「支払いは現金のみ」等です。チップも必要で、乗車料金の約10%~15%が目安。荷物が多い場合は多めに渡すと良いでしょう。
《参考サイト》
日本海外ツアーオペレーター協会
https://www.otoa.com/support/city_detail.php?area=I&country=DE&city=FRA&kdde=13
3.出張に便利な施設
フランクフルト空港の魅力は他の空港にはないユニークな施設が充実していること。ここでは、出張時に知っておくと便利なワーキングスペースや喫煙所だけでなく、リフレッシュもできるスポットもご紹介します。
3-1.ワーキングスペース「Work & Connect workbenches」
すべてゲートには無料で使えるワーキングスペースがあります。電源だけでなく、USBポートも設置されており、フリーwi-fiは無制限で利用可能。空港全体ではなんと5000個の電源があるので、電源がすべて使われていて充電できない……と困ることもないでしょう。
3-2.喫煙所
喫煙者にとっては、出張の合間にタバコを吸ってほっと一息つきたいこともあるでしょう。フライト中は喫煙不可なので、喫煙所でタバコを一服、リフレッシュしましょう。フランクフルト空港の喫煙所はきれいで過ごしやすいと評判です。
「Smoking Lounges」
ターミナル1は各トランジットゲート(A~Z)付近、ターミナル2は2階と3階のコンコースD~Eに喫煙所があります。ゆっくり座れる椅子もあり、長いフライトの前後にタバコを一服できます。
「Rooftop open air deck」
ターミナル1のエリアB、3階の非シェンゲン(*2)エリア(トランジットエリア)にあるデッキで喫煙可能です。ここは、視界を遮る高い柵がないので、離着陸する飛行機を観察したり撮影したりできるスポット。そのため、ノンスモーカーも利用する場合があるので、喫煙の際は周囲への配慮もお忘れなく。
*2シェンゲン協定:加盟国間の行き来の際に国境検査(パスポートチェック)を必要としない。シェンゲン協定非加盟国への渡航(Non-Schengen)の場合は、国境検査が必要。
6:30~21:30
3-3.仮眠もとれるホテル 「My Cloud transit hotel」
深夜到着の場合や、乗り換え時間が長い時、仮眠が取れるとうれしいですね。「My Cloud Transit Hotel」は3時間から利用できるホテル。疲れを癒やして出張に備えましょう。ターミナル1のコンコースZ、A25ゲート付近にあります。
シングルルーム3時間(窓なし)79EUR~/シングルルーム(窓あり)95EUR~
※3時間から利用可能
≪営業時間≫
フロントデスク:24時間営業
(チエックイン・チェックアウトは5:00~22:00の間のみ。それ以外の時間は、制限区域が閉まるため不可)
≪公式サイト≫
https://www.mycloud.de/en/home/
3-3.リラックス&リフレッシュできる施設3選
帰国時は海外出張で疲れ切っている上、長時間のフライトが待っています。ずっと座っていられるとはいえ、長時間のフライトは想像以上に身体に負担がかかります。そこで、搭乗前に疲れを癒やせる施設を利用しましょう。
「Silent Chairs」
身体をすっぽりと覆うようなユニークな形の椅子が目を引く「Silent Chairs」。備え付けのジャックにスマホなどを接続して、スピーカーから手持ちの音楽を流すこともできます。小さなテーブルには電源とUSBポートもあるので、ここでパソコン作業も可能です。搭乗前に静かになりたい、集中したい時にどうぞ。
ターミナル1のコンコースA、B、Zに一か所ずつ、ターミナル2にはコンコースDに3か所、Eに1か所あります。
「Quiet room」
出張で頭をずっと使いっぱなしだと、静かに落ち着きたい時もあるでしょう。「Quiet room」は、ただの静かな部屋ではありません。特殊な照明効果で外の明るさによって雰囲気が変わる仕組み。外が暗いほど、部屋が暖かい色合いに変わってゆきます。静かに座ってこの変化をただ眺めるだけでもリラックスできそうです。
「Yoga rooms」
フランクフルト空港ではヨガもできます! ターミナル1のコンコースC、ターミナル2のコンコースDそれぞれにヨガルームがあり、ヨガマット、ヨガレッスンの動画と音楽をすべて無料で使えます。自分のポーズを確認できる壁一面の鏡もあるので、初心者でも使いやすいでしょう。インストラクターこそいませんが、街のヨガスタジオと変わらないクオリティです。出張の疲れをヨガで癒してから帰国すれば、その後の仕事もはかどることでしょう。
4.フランクフルト空港おすすめグルメ 3選
ドイツに来たからには、おいしいビールとドイツ料理が食べたいですよね。空港にもドイツ料理レストランがたくさんあります。その中でもおいしいと人気のグルメスポットを3つピックアップしました。
4-1.ビール醸造所直営レストラン「Paulaner in the Squaire」
フランクフルト空港直結のショッピングモール「The Squaire」には、たくさんの飲食店があります。中でもおすすめは「Paulaner in the Squaire」。手ごろな値段でビールとドイツ・バイエルン料理が食べられます。ビール醸造所が運営しているだけあり、ビールがおいしいと評判。日本語のメニューがあるのもうれしいですね。
4-2.サクっと食べられるローカルフード「Hermann’s Mobil」
時間がないけれど、ドイツ料理が食べたい時は屋台スタイルのこちらへ! ドイツのローカルフード・カリーヴルストをテイクアウトできます。ここで食べ物を買っておいて、空港のベンチでささっと食べられます。場所は、ターミナル1のコンコースAとZにあります。
月曜日~日曜日 6:00~22:00
《料金》
ソーセージ4.5EUR(約538円)~ ビール0.3L 2.3EUR(約275円/2019年11月現在)~
4-3.本格ドイツソーセージをじっくり楽しむなら「Hermann’s」
「Hermann’s Mobil」のすぐ近くには系列店の「Hermann’s」もあります。こちらはテイクアウトではなく、テーブル席のあるレストラン。時間に余裕がある時は、こちらをどうぞ。ビール、ライ麦パンなどドイツらしいフードが揃っています。
月曜日~日曜日5:30~21:30
《料金》
ソーセージ4.5EUR(約538円)~ ビール0.3L 2.3EUR(約275円/2019年11月現在)~
5.おみやげを買えるおすすめショップ3選
海外出張中だとおみやげを買う時間がない時も多いでしょう。そんな場合は、空港のショップ利用が便利。フランクフルト空港のおすすめのおみやげスポットを目的別に覗いてみましょう。
5-1.バラマキ用のおみやげ スーパーマーケット「tegut… City」
HARIBOのグミやMilka、Ritter Sportのチョコレートは日本でも人気のあるドイツのお菓子。こんなバラマキ用のおみやげを買いたい時はスーパーマーケットが便利です。小腹が空いたときに食べられる自分用のスナックを買っておくのもよいですね。
場所は、ターミナル1のエリアCにあるAirport City Mall内にあります。
月曜日~日曜日6:00~22:00
≪公式サイト≫
https://www.tegut.com/
5-2.女性向けのおみやげ 薬局 「Metropolitan Pharmacy」
女性向けのおみやげは、空港内の薬局で買えるドイツコスメがおすすめです。ドイツはオーガニックコスメの宝庫。Weleda、Laveraなどのオーガニックコスメが日本よりも手軽な値段で購入できます。
ターミナル1の2階ホールBホール以外にトランジットZ(非シェンゲンリア)、ターミナル2「Shopping Plaza」にも店舗があります。
月曜日~日曜日6:30~21:00
※Shoping Plazaのみ月曜日~日曜日7:00~21:00
5-3.特別なおみやげ 免税店「Heinemann Duty Free」
ちょっと特別なおみやげが欲しい時は、「Heinemann Duty Free」へ行ってみましょう。場所は、ターミナル1のA、CとZ、およびターミナル2のD、Eと店舗数が多いのも魅力。気軽に立ち寄れそうです。
ドイツならではのお酒、お菓子等が数多く販売されており、選ぶのに困ってしまうほどです。おみやげに人気のドイツワインの中でも、おすすめはアイスワイン。日本では高価ですが、こちらでは手ごろな値段で手に入ります。
まとめ:ビジネス利用にぴったりのフランクフルト空港
便利な施設や豊富な飲食店が揃うフランクフルト空港。空港でリフレッシュしたりおいしいドイツ料理に舌鼓をうったりして、不慣れな海外出張であっても楽しめそうです。ワーキングスペースを活用して隙間時間に仕事をこなすこともでき、ビジネスマンにとって便利な空港です。フランクフルト空港をうまく活用して、海外出張を成功させましょう!
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