海外出張トランジットでの香港国際空港の活用術 デモ対策も解説

海外出張トランジットでの香港国際空港の活用術 デモ対策も解説

アジアのハブ空港である香港国際空港。香港出張だけでなく、海外出張でのトランジットで利用するビジネスマンも多いでしょう。最近は、デモ隊が空港に侵入したことも記憶に新しいところです。この記事では、香港国際空港の情報に加え、デモに遭遇した時の対策もまとめました。

1.香港国際空港概要

現地ではチェクラップコク国際空港(赤鱲角國際機場、Chek Lap Kok International Airport)と呼ばれることもある香港国際空港。
2018年の年間乗降者数は約7,450万人で、北京首都国際空港、羽田空港に次ぎアジアでは3位の規模を誇ります。(全世界では8位)
24時間、世界中から飛行機が発着しており、日本からは、キャセイパシフィック航空、香港航空、JAL(日本航空)、ANA(全日本空輸)、エアージャパン、Peach Aviation、香港エクスプレス空港、そしてジェットスター・ジャパンが就航しています。

二つのターミナルのうち、ターミナル2は出発専用として利用されていました。しかし、拡張工事のため現在は閉鎖中。2024年に再開する予定です。

2.香港空港から市中心までのアクセス方法

香港空港から香港中心地までの距離は約37km。ここでは、ビジネスの中心地である中環(セントラル)と金鐘(アドミラルティ)エリアまでのアクセス方法を交通機関別に紹介します。
※中環と金鐘間は約1km離れています。

2-1.エアポートエクスプレス(AEL)

エアポートエクスプレスは、香港空港と九龍駅や香港駅を結ぶ鉄道で、市内まで30分以内で行くことができます。車内には無料Wi-fiがあり、1号車と7号車では、USB充電が可能です。

≪エアポートエクスプレス≫
所要時間:空港(Airport)~香港駅まで24分 
10分間隔で運行

料金:片道115HKD(香港駅)/約208円(2019年12月現在のレートで算出。以下同様)
※以下MTR公式サイトより料金の算出が可能
http://www.mtr.com.hk/en/customer/jp/index.php

チケット購入(オンライン):https://www.paydollar.com/b2c2/AELControlServlet?catId=10000&lang=eng
※第1ターミナル 到着ロビーゲート「A」「B」にチケットカウンターあり。

乗り場:第1ターミナル到着ロビーを第2ターミナル方向に進むと乗り場がある。

MTR公式サイト:http://www.mtr.com.hk/en/customer/tourist/index.php

2-2.エアポートバス

時間に余裕があるなら、AELよりも安いエアポートバスも良いでしょう。窓から香港の景色も楽しむことができます。また、ほとんどのバスでWi-Fiが使えます。
中環・金鐘行きは「A11」または「NA11」に乗車し、下車するときは「Jardine House, Connaught Road Central」、金鐘は「Admiralty Station, Queensway」で降ります。

≪エアポートバス≫
所要時間:A11 40分~約1時間/NA11 約20~40分
※交通状況によって異なる
※15分~30分間隔で運行(時間帯によって異なる)
※以下の公式サイトより所要時間、運行スケジュールを確認可能。
https://mobile.nwstbus.com.hk/nwp3/?f=1&ds=NA11&dsmode=1&l=1

料金:40HKD(約554円)/NA11は52HKD(約720円)(2019年12月現在)
チケット購入:第一ターミナルにあるバスターミナルに窓口あり。(現金・クレジットカード利用可)
または、バス乗車時に支払いも可能(おつりがない場合があるので、小銭を用意しておく。)

乗り場:第1ターミナル到着ロビーのエアポートエクスプレス乗り場を正面にして右手に進む。

CityBus公式サイト:
http://www.nwstbus.com.hk/home/default.aspx?intLangID=2

2-3.タクシー

目的地にダイレクトに行けるタクシーも便利なもの。香港のタクシーは日本よりも料金が安いのが魅力です。
香港では、通常料金よりも多く請求する悪質なドライバーは少ないです。ですが、乗る時にメーターを使っているかを確認し、使っていない場合はメーターを使うよう促します。不審な動きがあるようなら下車して、別のタクシーに乗るのも良いでしょう。

香港では英語が通じますが、広東訛りの英語のため聞き取りにくい場合もあります。
そのため、行き先を英語また漢字で書いたメモを渡すとスムーズです。

≪タクシー≫
所要時間:中環・金鐘エリア:約35~50分
※道路状況によって異なる。

料金:約300HKD(約4,157円 2019年12月現在)
※有料道路料金別

乗り場:第1ターミナル 到着ロビーのエアポートエクスプレス乗り場を正面にして左に進む

※香港のタクシーは行き先によって車体の色が異なります。中環・金鐘エリアのある香港
島へは「赤」、九龍半島の新界地区へは「緑」、ランタオ島へは「水色」のタクシーに乗車します。

※高額紙幣での支払いを避けるため、事前に低額紙幣や硬貨を用意しておきましょう。
香港では、低額紙幣や硬貨の持ち合わせがなくて全額渡せなくても罰せられないため、おつりを貰えない場合があります。
参考:https://www.td.gov.hk/filemanager/en/publication/3tce.pdf

※一部のタクシーでクレジットカードや電子マネー(octopus)の利用も可能。クレジットカード等を利用希望の場合は、乗車前に確認しましょう。

2-4.シャトルバス

Vigo社からは、空港から市内の主要ホテルへ送迎してくれるバスが運行しています。送迎ホテルは、公式サイトにリストがあるので、自分のホテルが対象かを事前に確認しましょう。
事前予約が必要で、利用日の24時間前まで受け付け可能です。また、オンライン予約の場合は割引サービスが受けられる場合もあるので、事前にサイトを覗いてみてくださいね。

到着ロビーのB出口向かいにカウンター(カウンター番号・B18)があり、そこでチケットの控え(Eチケット)を提示すれば、乗り場まで係員が案内してくれます。

≪Vigo社 シャトルバス≫

所要時間:60~90分
※道路状況によって異なる
15~30分間隔で運行

料金:香港島主要ホテル:150HKD(約2,079円)
九龍半島主要ホテル:140HKD(約1,941円)
※予約は公式サイトまたは電話で可能。

TEL:+852-27393362

Vigor活力 公式サイト:
http://www.vigorholding.com/jp/shuttle.html

≪香港出張であると便利! オクトパスカード≫
ほとんどの香港の人が持っている「オクトパスカード(八達通)」は、香港出張では大活躍するはず。電車、バスだけでなくコンビニ、一部の店舗(ドラッグストアやファストフード店)での支払いに使えるカードです。
空港内ではエアポートエクスプレス駅のMTRカスタマーセンターで購入するのが便利でしょう。地下鉄MTRのカスタマーセンターでも購入でき、チャージはカスタマーセンター以外にセブンイレブンでも可能です。
50HKD(約693円)のデポジットが必要ですが、帰国時にカスタマーセンターで返金してもらえます。

公式サイト:
https://www.octopus.com.hk/en/consumer/index.html

3.トランジットでリフレッシュ&リラックスにおすすめの施設

ビジネスマンであれば、トランジットを有効に使いたいもの。香港空港には、便利な施設が揃っています。トランジット中もパワーチャージしておけば、出張もうまくいくでしょう。

3-1.無料で使えるシャワー

移動時間が長くなると、一日シャワーを浴びられなかった…ということもあり得るので、トランジット中に体をさっぱりさせる機会が欲しくなる人も多いことでしょう
うれしいことに、香港空港には24時間無料で使えるシャワーがあります。しかも、ドライヤー、シャンプー、ボディソープも無料です。
タオルは有料で、自動販売機で購入できます。
※クレジットカードまたはオクトパスカードのみ利用可能(現金不可)

≪無料シャワー≫
場所:第1ターミナル レベル5 ゲート12付近と43付近の2か所

営業時間:24時間

公式サイト:
https://www.hongkongairport.com/en/passenger-guide/airport-facilities-services/shower-facilities

3-2.空港内のホテル「Transit Resting Lounge by Aerotel」

乗り換え時間が長い時や疲れ切ってしまった時は、ホテルを利用しても良いですね。長時間のフライトは意外と身体に負担がかかるもの。トランジット中にしっかり休んでおきましょう。
宿泊せずにシャワーやマッサージのみの利用も可能です。

≪Transit Resting Lounge by Aerotel≫

短時間の利用に便利な二つのプラン:
・Shower and Rest Package (1 hour)
シャワーとプライベートルームが1時間利用できます。あまり時間がないけれど、疲れを取りたい時にぴったりです。

・Shower, Rest and Meal Package (3 or 6 hours)
シャワー、プライベートルームに加えて食事が付いています。利用時間は、3時間または6時間。

場所:ターミナル1、レベル6、ゲート35付近
「Shower and Rest Package」と「Shower, Rest and Meal Package」はゲート60付近

公式サイト:
https://www.myaerotel.com/en-uk/find/china-regions/hong-kong-sar/hong-kong/refreshhh-by-aerotel-hong-kong
※2019年10月4日~12月はリニューアルのため営業中止中。利用料金は営業再開後に問合せ、または公式サイトで要確認。

3-3.無料で使える「Relaxation Corner」

トランジットの時間は長くないけれど、少し横になって休みたい……という方にうってつけの無料で使える施設がこちら。「Relaxation Corner」には、横になれるイスが並んでおり、ここで仮眠を取ったり、手足を伸ばしたりできます。
無料Wi-fiも使え、有料になりますがマッサージサービスも受けられます。

≪Relaxation Corner≫
場所:第一ターミナル、レベル6、ゲート23付近

営業時間:24時間

料金:イスのみ利用:無料
マッサージ:30分298HKD(約4,130円)/20分230HKD(約3,188円)

公式サイト:
https://hongkongairport.com/en/passenger-guide/airport-facilities-services/relaxation-corner

3-4.充電できるスポット

トランジット中にパソコンを使ったり、スマホの充電をしたりする人もいるでしょう。香港空港には4,500以上の電源が設置されています。通常の電源以外にUSBポートもあり、搭乗ゲート33と34にはワイヤレス充電器もあります。

公式サイト:
https://www.hongkongairport.com/en/passenger-guide/airport-facilities-services/charging-facilities

香港の電源 注意点:
電圧や電源プラグの形が日本と異なります。最終目的地が香港でない場合も、香港で使える変換プラグがあるとトランジット中に電源が使え、便利です。

形状:BFタイプ
電圧:220V

3-5.香港料理をじっくり堪能できるレストラン「鏞記酒家(Yung Kee Restaurant)」

香港空港から外に出なくても、香港料理が楽しめます。フードコートには、さまざまなレストランが並び、どこで食べようか迷ってしまうほど。そこで、香港の有名店「鏞記酒家」へ行ってみてはいかがでしょう? 人気メニューの「ローストグース」は、パリパリの皮と肉汁たっぷりの肉が、口の中で絶妙に絡み合う逸品。香港を訪れたら、一度は食べてみたい一品です。

搭乗口から離れた場所にあり、空いていることが多いためゆっくり食事が楽しめます。

≪鏞記酒家≫
場所:第1ターミナル EAST HALL レベル6 フードコート「EAST TO WEST FOOD MARKET」内(出国後エリア)

営業時間:10:00~21:30

鏞記酒家公式サイト:http://yungkee.com.hk/
EAST TO WEST FOOD MARKET Facebook:https://www.facebook.com/%E9%A3%9F%E6%9D%B1%E8%A5%BF-East-to-West-Food-Market-311959925814692/

3-6. 香港のおみやげなら「The Peninsula Boutique(ペニンシュラブディック)」

香港の免税店はラインナップが豊富なことで知られています。そこで、トランジットの時間を利用して買い物はいかがでしょうか?
免税店が集まっているのは、出国エリア東側「イーストホール」です。定番のおみやげもいいけれど、華やかな香港の雰囲気を感じられるものが欲しい…というときにオススメなのが、こちらのお店です。おしゃれな店内では、ペニンシュラホテルのオリジナル商品を購入できます。香港みやげとして人気なのは、チョコレートやお茶。高級感のあるパッケージで、ちょっと気の利いたおみやげになることでしょう。

≪The Peninsula Boutique≫
場所:第1ターミナル EAST HALL レベル7

営業時間:7:00 – 23:00

公式サイト:
https://www.hongkongairport.com/en/shop-dine/shopping/the-peninsula-boutique

4. 香港国際空港利用の注意点(デモ関連情報つき)

香港では、2019年3月より民主化を求める反政府デモが継続して行われています。
デモの勢いは空港にも及び、2019年9月1日、香港空港にデモ隊が集まり、ターミナルを包囲。出発が遅れるなど、フライトにも大きな影響が出ました。ここでは、香港国際空港利用の時に当面注意しておきたいポイントをご紹介します。

4-1.空港内でデモに遭遇した際にまずすべきことは?

空港や街でデモに遭遇した場合、一番大切なのはデモ隊に近づかないようにすること。
黒い服を着ている場合は、特に注意が必要です。香港では、デモ参加者は黒い服を着ているため、デモ隊と間違えられる可能性があります。

まず、空港に到着したら、チェックイン後すぐに出国手続きをして規制区域に入ることをおすすめします。2019年8月12日には、一部のデモ隊が管理区域にまで侵入したため、完全に安全とは言いきれませんが、出発・到着ロビーにいるよりは安全を確保できる可能性は高いでしょう。

次に、搭乗する飛行機が予定どおり出発するか確認します。搭乗口が変更になることも想定し、常にフライトスケジュールの掲示板を見て情報をチェックしておくことが大切です。
フライトスケジュールが変更になりそうな場合は、会社やプロジェクトメンバー、取引先などに早めに連絡を入れておきましょう。

飛行機にしばらく搭乗できそうもない場合は、空港近くのホテルに宿泊して身の安全を確保します。その際も、できるだけ空港近くのホテルに宿泊するのが良いでしょう。
ホテルまでの道も安全確保のため、タクシードライバーや空港職員など、地元の人にどのルートで行くのが良いかを尋ねましょう。

4-2.事前準備でトラブル回避

トランジットの場合でも、遅延や欠航などの影響を受けてしまうこともあります。事前に出張スケジュール変更が必要になることも想定し、バックアップ策を考えておけば、急なトラブルがあってもフォローできるでしょう。
香港で仕事がある方は、空港への移動は午前中に、土日を避けるのが良いでしょう。デモ参加者は学生や若者が多いので、大学や企業が休みになる土日や昼休みであるランチタイムや午後に行われるためです。

4-3.空港に向かう途中でデモに遭遇した場合

デモが発生すると、交通規制や、MTR駅の封鎖となることがあります。空港に向かう道が通行止めになったことも。移動中にデモに遭遇した場合のポイントを整理してみましょう。

まず、デモ隊から離れたら、交通手段を確保します。交通手段の変更が必要かを確認します。道路が封鎖されていれば、バスやタクシーをやめてMTRに変更、逆にMTRで移動中にデモ隊が乗り込んで来たら、すぐに最寄りの駅で下車、タクシーに変更します。
空港へのルートがどれも封鎖されてしまい、空港へ行けない場合は宿泊先を確保し、航空券の変更をしましょう。
チェックアウト前、宿泊ホテルに空港からホテルの安全なルートを聞いておくのも良いでしょう。ただし、安全なルート上ではデモが起こらないとも限りません。サイト等で交通状況を自身で調べることも大切。「HKeMobility」では、交通状況を調べられますし、「香港在日本国総領事館」のサイトでは、判明している抗議活動のスケジュールが確認できます。

≪現地の交通情報・抗議活動状況がチェックできるサイト≫

・HKeMobilityサイト
香港の交通状況を調べられます。
https://www.hkemobility.gov.hk/index.php?golang=EN

・HKeMobility アプリ
上記サイトのアプリバージョンをダウンロードできるQRコードが添付されています。
https://www.td.gov.hk/en/public_services/hong_kong_emobility/index.html

・香港在日本国総領事館
判明している抗議活動のスケジュールが掲載されています。
https://www.hk.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

まとめ:香港国際空港で海外出張を楽しく!

おいしい中華料理、おトクに買い物できる免税店…。空港にいながらも香港の街の魅力を体験できるのが、香港国際空港の最大の魅力です。デモにも十分気を付けつつ、香港国際空港を存分に楽しんでしまいましょう!

文:カワムラ ルイ(リベルタ)
編集:山崎 梨恵(リベルタ)

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