ビジネス基礎知識

2019.01.10

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海外出張も安全?日本企業が多数進出するヨーロッパ諸国の治安事情は?

ヨーロッパは世界の国々の中でも、比較的安全な地域が多いと言われています。
しかし、海外出張の場合は、ある程度の期間滞在しなければならないため、現地の治安を把握してことは非常に重要です。
そこで、今回はイギリス、フランス、ドイツなど、日本企業が多く進出している国の治安情報を紹介します。

日本企業の進出最多国イギリスの治安事情

日本企業がヨーロッパで事業を進めるにあたり、拠点となっている国がイギリスです。
日本ではアメリカや中国、オランダに次いで、第4位の投資先となっています。
ただし、イギリスのEU離脱に伴い、EUとは違った制度や規制が設けられる可能性が高いです。
すでにイギリスに進出している日本企業も、今後のビジネス環境の変化が懸念されます。
治安の面では、他のヨーロッパ諸国と比べて比較的安全と言われています。
ただし、スリや置き引き、ひったくりなどの軽犯罪は多く、旅行者の被害も多発しているため注意が必要です。
また、ATMでの盗難や詐欺の被害も発生しています。
特に、ロンドンやマンチェスター、リバープールのような北部の都市は、他の地域よりも犯罪率が高めです。

一方、オックスフォードやケンブリッジなどの大学都市は、イギリスでも比較的治安が良い都市として評価されています。
ウィンチェスターやバースも同様に、治安の良さで知られている地域です。
ただし、地方なら犯罪に巻き込まれないとは限りません。
置き引きなどの被害に遭わないためにも、車に貴重品を残さないといった最低限の対策は必要です。

観光大国フランスの治安事情

イギリスがEUを脱退し、日本企業の新たな拠点として注目が集まっているのがフランスです。
日欧経済連携協定の交渉が進むことで、日仏のパートナーシップはさらに強化されています。
世界中から観光客が訪れるフランスは、決して犯罪が少ない国ではありません。
2015年にはパリ、2016年にはニースとルーアン近郊で、イスラム過激派によるテロが発生しました。

パリは特に犯罪率が高い地域ですが、中心部と周縁部では犯罪の質や治安が異なります。
中心部はスリや窃盗、置き引きのような軽犯罪が多く、命に関わる犯罪は少ないです。
特に、日本人はカモとして狙われやすいので、パリの中心部を訪れる際は、貴重品の管理に気をつけましょう。
周縁部は主に低所得者が暮らす地域です。
ここでも土地勘のない旅行者は、犯罪のターゲットになってしまいます。
現地の事情に詳しい案内人がいないのであれば、立ち入らないほうが無難です。

日本人街が多いドイツの治安事情

ドイツはヨーロッパの中でも、特に日本人街が多い国です。
デュッセルドルフには日本企業の事務所が集中しており、現地で暮らす日本人は人口の1%にも及びます。
ETROの調査によると、イギリスのEU脱退を受け、ドイツに注目する企業が増えていることから、今後ますます日本人が増えるでしょう。
フランスやイタリアに比べると、ドイツは安全なイメージが強い国です。
ただし、地域によって治安に差がある点は、他のヨーロッパの国と変わりません。

たとえば、フランクフルトは難民や物乞いが多く、ドイツ国内で最も犯罪発生率が高い都市として知られています。
最も多いのはスリや置き引きなどの軽犯罪です。
また、旧東ドイツと旧西ドイツでは治安が異なるともいわれています。
東ドイツは西ドイツよりも全体的に治安が悪く、中でもノイケルンは日本人が住むには適していません。

日本の投資先第3位オランダの治安事情

オランダも日本企業が多く進出している国の1つです。
大都市圏や工業地域に拠点を置く企業が多く、特にアムステルダムを含む北ホラント州近郊に集中しています。
そこまでオランダが注目されているのは、欧州物流のハブ機能を持っている国だからです。
そのため、製造業も多く進出していますが、運送業も上位を占めています。
国内の治安については、人口の多い首都アムステルダムが最も悪く、ハーレムやライデン、アムステルフェーンは比較的治安が良く住みやすいといわれています。

また、オランダは軽いドラッグが合法とされている国です。
「Cofee Shop」はカフェではなく、ドラッグを取り扱っている店を意味します。
間違えて入ってしまわないよう、看板をしっかり確認しましょう。
さらにもう一点、気を付けなければいけないのは、アムステルダムの飾り窓地区です。
この地域は合法的な買春地帯となっており、そこで働く女性や顧客のプライバシーを守るため、写真撮影は厳禁とされています。
トラブルを起こさないためにも、カメラやスマートフォンを取り出さないようにしましょう。

治安が良いとされる国や地域で気をつけておきたいこと

ヨーロッパは比較的治安の良い国が多いとされています。
しかし、地域によって治安は異なるため、油断は禁物です。
夜道を通ったり、夜の地下鉄を利用したりするときは特に気をつけましょう。
身の危険を感じたらタクシーを利用するのも1つの方法です。
都市部など人が集まる場所に行くときは、いざというときに備えて、常に退避先を意識しつつ行動します。
外出時は荷物を最小限に抑えるのも、犯罪に巻き込まれないために必要な対策です。
スリや置き引きのターゲットにならないためにも、大きなバッグや現金が多く入った財布は持ち歩かないようにしましょう。

自分の身は自分で守る!情報収集は入念に

治安が良いといわれている国でも、日本と同じくらい安全な場所は存在しないと考えるべきです。
ただし、海外の治安情報は、短期間しか滞在していない人の話を聞いただけではわからないこともあります。
海外出張に行く前に情報を集めるのであれば、外務省のホームページや長期間現地に滞在している人の話など、信頼性の高い情報源を参考にしましょう。

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