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2024.04.12

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報連相の重要性を解説!職場のコミュニケーションが向上する仕事術

報告・連絡・相談といういわゆる「報連相」の重要性を理解するのは、社会人にとって基本的な姿勢です。
仕事をスムーズに進行するために、そしてコミュニケーションを円滑にするために誰もが実践できるようになっておきたい報連相。。
大切だと頭ではわかっているけれど、どう仕事に取り入れればよいのか、どんなタイミングですれば良いのか、明確な答えを持っている方は少ないかもしれません。
明日からの仕事に活かせるように、改めて報連相をどう行っていけば良いのか、一緒に考えてみましょう。
テレワークやチャットの普及により、文字コミュニケーションも増えている今。
令和の時代に合った、報連相のポイントやテクニックも解説します。

1.報連相はなぜ重要?

ビジネスの基本とも言われている報連相(報告・連絡・相談)は、なんとなく「必要だ」と分かっていても、それぞれの意味や意義をしっかりと理解していない人も多いのが実情です。
報連相とは、報告・連絡・相談の3つのコミュニケーションを一つにまとめた言葉です。
まずは、報連相がなぜ重要なのかを、一緒に考えてみましょう。

1-1.報連相のビジネスメリット

仕事は1人ではできないものだからこそ、プロジェクトの進捗や課題の共有、何か問題が起きれば話し合って解決の糸口を見出すなど、報連相が欠かせません。
また、報連相がうまくいっている組織では、生産性が高まります。
どんな立場にいる人でも、報連相ができるかどうかがチームや取引先からの信頼を大きく左右するでしょう。

つまり、ビジネスシーンにおける報連相のメリットは

・スムーズなプロジェクトの進行ができる
・早い段階での課題や問題の共有と対処につながる
・チームの結束感を高める
・生産性を高める
・信頼関係を築ける

など、たくさんあり、仕事の基本となるコミュニケーションと言えます。

1-2.報連相ができていないと起こりうるリスク

報連相が上手くできていない組織では色々なリスクが生じてしまいます。

報連相ができていないことで起きるリスクや問題点には、

(1)信頼関係が築けない
(2)時間的ロスの発生
(3)危機管理がスピーディーにできなくなる

などが挙げられます。

プロジェクトの進捗や、その日に起きた出来事、直面した悩みや課題などが共有されなければ、「あの仕事、どうなっているのかな」と不安を感じてしまいます。
反対に、きちんと報連相ができている人は周囲からの信頼も得られます。

もしかしたら、すでに解決している問題に対処しようと、チームメンバーが対策を考えたり調べ物をしたりして、同僚の時間を無駄にしてしまっているかもしれません。
こまめな報連相ができていれば、チーム全体の意思決定が早くなりビジネスの成功にも結びつきやすくなります。

問題が発生しそうなときも、すぐに報連相できる体制が整っていれば早めに対処できますが、そうでなければ対応が後手に回ってしまうかもしれません。

顧客からのクレームやミスなど悪い報告や相談、連絡ほど人は後回しにしてしまいがちです。
ですが、仕事をうまく回すためにはこうしたネガティブな事項もきちんと報連相しなければ、ビジネスのリスクがかえって大きくなってしまうのです。

2.報告・連絡・相談とはどんなコミュニケーションか

報告・連絡・相談とは一体どんなコミュニケーションなのでしょうか。
なんとなくはわかっていても、それぞれどんなことを伝えるべきなのか、深く考えたことがある人は少ないかもしれません。
報連相の目的や、コミュニケーションのコツを、それぞれ解説します。

2-1.「報告」は事実や経緯を伝えるコミュニケーション

報連相における「報告」は、指示やタスクに対して経過や結果を伝えるコミュニケーションです。
特に知っておいていただきたいのが、経過や進捗を伝えるのも大切な「報告」だという点です。

報告と聞くと、結果だけを伝えれば良いと考える人が多いのですが、それは大きな間違い。
完了報告だけでは報告がきちんとできていることになりません。
プロジェクトや仕事の進捗状況や、トラブル発生時にも速やかに報告することが大切です。

<報告のコツ>

・事実を伝える
・素早く、こまめに伝える
・悪いことほど早く報告する

2-2.「連絡」はチームや組織内での情報共有コミュニケーション

報連相における「連絡」は、チームなどの関係者間で必要な情報を共有するコミュニケーションです。
連絡で伝えるべきは、新しくできた業務ルールの改訂や、会議の時間、作業を進める上で必要な情報です。
主観や発信者の思いなどは、連絡する対象(情報)ではないので、連絡する際にはこうした主観が入らないように意識することが大切です。

<連絡のコツ>

・5w1hを意識して抜け、漏れがないようにする
・相手に伝わったかどうかを確認する
・「簡潔に、わかりやすく」を意識する

【比べてみよう】良い連絡と、悪い連絡の例

・良い連絡の仕方
「サービス料金変更の連絡です。来月より、提供する**サービスの料金が下記のとおり変更となります。
現在アプローチ中の営業先や、顧客に対して各自案内を今月*日までに完了してください。
案内の進捗状況は、下記リンクのgoogleスプレッドシートに反映してください。」

・悪い連絡の仕方
「個人的にはあまりお伝えしたくないのですが、残念なお知らせです。
当社の主力商品であるサービスの料金が変更となります。
各自確認の上、必ず営業先と顧客に案内してください。よろしくお願いします。」

2-3.「相談」は考え方や主観を伝え合うコミュニケーション

判断に困る事態に直面したり、アドバイスが欲しいときに、上司や仕事のパートナーに意見を仰ぐのが相談です。
例えば「今作っている企画書の構成が、この方向性で合っているのか自信が持てない」「顧客から無理な要求をされて、どう対応して良いかわからない」など相談したいことはいろいろ。

相談をするのは、相手の時間を奪うのでは?と遠慮してしまう人もいるかもしれません。
また、「こんなことを相談しても良いのかな」と一人で抱え込んでしまっている方もいるかもしれません。
けれど実はそれは逆。
上司や先輩は、問題が大きくなる前に早めに相談して欲しいと思っているはずです。

報連相の中でも、相談は日頃の報告や連絡がきちんとできていたかが問われる部分です。
というのも、日頃から報告や連絡がこまめにできていれば、相談する際にも相手が問題の背景を理解しやすく、アドバイスしやすくなります。

もし、相談してもいいのか不安に思っているなら「どうして相談したいと思ったのか」経緯や背景を伝えてみましょう。
きっと相談された側も「それなら力になりたい」と思ってくれるはずです。

<相談のコツ>
・「どうしたら良いでしょうか?」だけでなく、自分なりに「問題をどう解決するべきか」を考えた意見も添えて相談する
・相談する際には、不安に思った根拠や経緯を伝える
・相談した後は、結果の報告も忘れずにする

【閑話休題】活発な報連相でチームの生産性がアップする!?
報連相がうまくいっている組織は、チームの関係性も良くなります。
また、何か問題が起きた際にはすぐに対応できるだけでなく、良い情報も報連相で共有されることで、組織全体の生産性が高まります。

報連相ができているチームの生産性が高くなる理由には

・こまめな報告と連絡で、無駄な業務がなくなる
・各担当の進捗状況が共有されることで、仕事が止まりにくくなる
・早めの問題の共有や相談で、大きなミスやクレームを防げて目標達成が近づく

などがあります。

3.意外と知らない報連相の基本

報連相をする上では、押さえておくべきポイントがいくつかあります。
ぜひ、今日から報連相をする上では、次の3つの基本的な考え方を意識してみましょう。

3-1.途中経過もこまめに伝える

報連相における「報告」でよくあるのが、結果だけ報告すればいいという考え方。
実は報告で大切なのは、結果だけでなく途中経過です。
進捗がスケジュール通り進んでいるのか、遅れているのかなどを伝えることで、チームが次のアクションに備えて準備できるようになります。

3-2.連絡はチーム全体で共有する

「連絡をしたはずなのに、チームで知らない人がいる」という状況は、業務が滞る原因になってしまいます。
チャットなら一斉送信で送れば「連絡完了」ではなく、相手に伝わって初めて連絡できたということになります。

チーム内で「チャットを読んだらスタンプをつける」などルールを決めて、連絡漏れがないような体制づくりも大切です。

3-3.相談事は遠慮しない

相談は、トラブル発生時などネガティブなことが起きたときにするもの、と思っている人も多いかもしれません。
ですが、相談は「チームメンバーが何を考えているのかを知る」ことができるため、上司にとって大いに嬉しいことです。

マネジメントをする人にとって、部下のメンタルケアや悩みを聞いて解決のサポートをすることは大切な仕事の一環ですから、遠慮する必要はありません。

もちろん自分の頭で考えることも大切ですが、その上で「自分はこう考えているがどう思いますか?」というスタンスでこまめに相談することを心がけるとよいでしょう。

報連相がうまく回るチームづくりのコツ

リーダーやマネージャーなど報告を受けることが多い立場にあるなら、チーム内で報連相しやすい環境づくりも心がけてみましょう。
意識してみたい3つの心得をご紹介します。

<報連相がスムーズなチームづくりの心得3つ>
(1)報連相しやすい空気をつくる
報告や相談をされても嫌な顔をしないなど、チームメンバーや部下が報連相しやすい雰囲気作りを意識しましょう。

(2)悪いことでも報告や相談をしてくれたことを褒める(認める)
人の心理として、トラブルや悪いニュースの報連相を後回しにしがちです。
そうならないようにするためにも、悪い報告でもまずは「ここまでよく頑張ったね!」など相手を肯定する姿勢から入ることが大切です。

(3)報告があったら必ずアクションを取る
報連相がうまく行かない組織でありがちなのが、報告をするメンバーが「報告する意味あるのかな」と感じてしまうこと。日報などで陥りやすい現象です。
報連相が形骸化しないように、必ず報告があったら感想を伝えるなどアクションを取るようにしましょう。

4.身につけておきたいイマドキツールを使った報連相テクニック

テレワークの普及や、LINE・Slack・チャットワークなどコミュニケーション手段が多様化している今。
チームの報連相をスムーズに行うためには、イマドキのコミュニケーションツールの使い方を工夫することも大切です。
今日から取り入れられる、報連相テクニックを4つご紹介しましょう。

4-1.チャットでの報連相は相手を思いやる一言を添えよう

チャットやLINEなどの短文メッセージは、メール以上に相手の話し方やトーンがイメージしにくい文字コミュニケーションです。

例えば相手への返信に「了解しました。」という言葉だけだと、冷たい印象になってしまい、「悪い報告をして怒っているのかな?」などチームメンバーに心理的ストレスを与えかねません。
社風やチームの雰囲気にもよりますが、報連相をするハードルを下げるために、絵文字スタンプの使用を推奨している組織も増えてきています。

もし、スタンプを使うような雰囲気ではないなら、相手を思いやる一言を業務連絡や報告、相談時に付け加えてみるとよいでしょう。
また、チャット上での報連相でも相手を思いやる一言を添えるだけで受け手の印象が変わります。

ただし距離感のある上司や、取引先、社外の協力会社などとのコミュニケーション時には、いきなりフランクになりすぎないように気をつけて。

【組織のモチベーションを上げるチャットを使った報連相の例】

1.問題に対処した部下からの進捗報告
「営業先アプローチ経過のご報告です。〜報告内容〜。先日部長からいただいたアドバイス、とても役立ちスムーズに商談が進みました。またアドバイスお願いいたします。」

2.部下からの週報に対する返信
「今週も1週間お疲れ様でした!今週頑張ってくれていた、A社への提案資料。かなりブラッシュアップされていましたね。
週末にしっかりエネルギーチャージして、来週も頑張っていきましょう。」

4-2.誤解やミスリードを防ぐために要点をまとめよう

メールやチャットなどのコミュニケーションでは、微妙なニュアンスが伝わりにくく誤解やミスリードを生みやすいと言われています。
とくにテキストコミュニケーションでは、こうした誤解を生まないように、できるだけ、要点をまとめてみやすくすることが大切です。

メールであればタイトルから、そして本文でも要点を一目見てわかりやすいように整理して伝えるようにしましょう。

【誤解やミスリードを減らすテキストでの報連相の例】

・メールタイトル
相談事項あり【報告】4/10 A社営業アプローチ内容と反応について

・本文
4月10日に訪問したA社への営業アプローチの報告です。

<提案内容>
 新商品ABCの紹介と店舗導入のご提案

<A社担当**部長からの反応>
 商品の内容に魅力を感じるも、価格面で懸念点あり。
 提示価格の10%の値引きができないか、相談がありました。

<ご相談>
 新商品ということで、まずは導入事例を早くつくるべきかと考えています。
 ・価格交渉検討をしてもよろしいでしょうか?
 ・値引きを提案する場合、8%の値引きでいかがでしょうか?(利益率は別途計算の上ご報告します)

4-3.情報を一元化するツールも多いに活用してみよう

報連相をスムーズにするためには、コミュニケーションの心理的ハードルを下げることも大切です。
組織の報連相がうまく回っていないと感じているなら、報連相をするためのハードルを下げるために、チャットツールなどの情報一元化ツールの活用も検討してみましょう。

多くの組織で取り入れられている代表的なツールを2つご紹介します。

4-3-1.機能が豊富で無料から使える【Chatwork(チャットワーク)】

ChatWorkは中小企業をはじめとした多くの企業で取り入れられている、ビジネスチャットツールです。
スマートフォンやタブレットからも利用でき、ファイルの送受信やタスク管理、ファイル管理なども可能。
プロジェクトごとにグループチャットを作成できるほか、送信されたチャットに対してスタンプでアクションをとれます。

【製品情報】
・サービス名:ChatWork
・価格:有料・無料プランあり
・公式HP:https://go.chatwork.com/ja/

4-3-2.ハドルミーティングなどの機能が魅力【Slack(スラック)】

世界中で使われているビジネスチャットツール「Slack(スラック)」は、チャットワーク同様にテキストメッセージの送信に加えて資料の共有もスムーズです。

スタンプの送信や、Slack内でチームメンバーと映像や音声を通じてコミュニケーションできる「ハドルミーティング」機能があります。
Slackが公表している調査数字(2024年度「Customer Tracking Survey, Slack from Salesforce」Slack公式HPより)によれば、ハドルミーティングを使用しているチームは37%のチームで生産性が向上しているという結果もあるそうです。

【製品情報】
・サービス名:Slack
・価格:有料・無料プランあり
・公式HP:https://slack.com/intl/ja-jp/features

4-4.報連相の手段は内容によって変えよう

簡単な業務連絡などはチャットやメールでも事足りますが、トラブル発生時や相談事などは対面で伝える方が良いケースも多くあります。
無駄なやりとりを減らしたり、誤解やミスリードがないようにするためにも、場合によっては電話や対面での報連相も適宜取り入れていくと良いでしょう。

まずはメールやチャットなどで報告・連絡・相談事項を伝えたうえで、別途電話や対面で会話をするようにするとスムーズです。

報連相の重要性を改めて意識して明日からの仕事に活かそう!

報連相は仕事をする上で重要性が高く、基本のコミュニケーションです。
けれど、ついつい「面倒臭いから」「しなくても、仕事は回るだろうから」など個人的な判断で、おろそかにしてしまうことも多いもの。
本記事では、報連相の重要性だけでなく、報連相をしないことのリスクに関しても取り上げました。より効率的に、そしてチームがいい雰囲気で仕事を進めていくために、報連相のコツや心得を見直して、明日からの仕事に活かしてみてはいかがでしょうか?

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文:松本 有為子

編集:Rie.Barsanti(リベルタ)