韓国で流行のグルメが次々と日本に上陸している昨今。例えば、2020年ごろより韓国のSNSで話題となった「クロッフル」「トゥンカロン」は、同年に日本上陸。あっという間に若い世代の注目を集めるまでになりました。
韓国グルメは、かわいらしく個性的な見た目のものが多いことが特徴。これは、SNSで拡散されることを目的としているようです。
ここでは、2020年~21年に韓国で流行した最新のグルメをご紹介します。一部は既に日本で販売していますので、韓国に行かずとも食べられるものもありますよ。ぜひチェックを!
参考:
株式会社ベック「SNSマーケティングを制した韓国 情報は読むものから、『見るもの』になった」
インフルエンサーマーケティング研究所「韓国を市場としたインフルエンサーマーケティングの特徴と事例」
1.ビジュアル重視のトレンドスイーツ3選
韓国グルメでまず紹介したいのがスイーツ。どれも歓声があがってしまいそうな、かわいらしさ満点の見た目のものばかりです。韓国スイーツがSNSで拡散されてブームとなるのも頷けますよ。
1-1.生クリームたっぷりのトゥンワッフル(韓国ワッフル)
画像出典:Ubeaeats
2020年より韓国でブームになった「トゥンワッフル」。ワッフルを二つ折りにし、生クリームやフルーツをはさんだスイーツです。屋台で販売されていた「キルゴリワッフル」が原型だとか。そんなキルゴリワッフルに、クリームやフルーツをボリュームアップさせたものがトゥンワッフルです。
既に日本に上陸しており、じわじわと注目を集めています。日本で話題となった「マリトッツォ」の後には、トゥンワッフルが流行るかもしれませんね。
2-2.誕生日プレゼントに人気のお弁当ケーキ
画像出典:LAURIER PRESS
「韓国で流行りの도시락케이크(お弁当ケーキ)って知ってる?」
韓国発のおしゃれな「センイルケーキ」。誕生日に贈られることが多く、カラフルだったりメッセージが書かれていたりすることが特徴です。2021年はそんなセンイルケーキを紙やプラスチックのお弁当箱に入れるのが、ブームになっているようです。
お弁当箱にケーキが入っているとは思わないため、誕生日のサプライズプレゼントとして贈る人も。逆に中が見えるクリアケースに入れて、「映え」を狙うときもあるそうですよ。
1-3.カフェラテとドーナツを組み合わせた新発想の「ドーナツラテ」
画像出典:「KONEST」
ミルクの上に泡立てたコーヒーを乗せた「タルゴナコーヒー」は日本でも話題になりましたね。次に注目されそうなのが「ドーナツラテ」のようです。
カフェラテのフォームドミルクの上に小さなドーナツをトッピング。ふわふわのフォームドミルクをつけてドーナツをいただきます。
おしゃれなショップが集まる梨泰院(イテウォン)のドーナツ専門店「OLD FERRY DONUT」が生み出したメニューです。
2.SNSで話題沸騰の韓国グルメ4選
2-1.クリーミーな食感のロゼトッポギ
お餅のような食感のトッポギは、甘辛い調味料・コチュジャンを使ったソースに絡めて食べるのが一般的。トッポギは韓国では食事メニューというより「ちょっと気軽に食べられるもの」という位置づけだそう。韓国ドラマでは、トッポギがおやつとして登場する場面も見られます。
ロゼトッポギは、コチュジャンとトマトクリームソースで仕上げて、クリーミーな味わいが特徴です。
2020年に韓国南方の都市・釜山で話題となり、あっという間に韓国全体に広がりました。日本にも上陸しており、食べられるお店が増えてきています。今後、日本で人気の韓国メニューとなりうるため、ぜひチェックを!
2-2.手軽に再現できそうな四角キンパ
2021年の冬ころから韓国で作る人が増えた、四角いキンパです。
通常のキンパ(韓国海苔巻き)のように巻くのではなく、海苔の上に具材を乗せて折りたたみます。
日本でも握らないおにぎり「おにぎらず」が流行ったのも記憶に新しいでしょう。異なるのは、キンパはごま油の香りと塩味が特徴の韓国海苔を使うこと。また、具材が韓国らしく、ほうれん草やもやしのナムル、たくあん、キムチ、スパムや甘辛いヤンニョムチキンどを入れることが多いようです。
また、キンパは登山やハイキングなどに持っていくことが多い食べ物。2020年は韓国で登山を楽しむ人が増えたことは、四角キンパが流行った理由の1つかもしれませんね。
参考:ニューズウィーク日本版「韓国、コロナショック下でなぜかレギンスが大ヒット 一方で『TPOをわきまえろ』と論争に(登山者急増に関する記事)」
2-3.モッチリした食感のライスペーパートッポギ
画像出典:「東京バーゲンマニア」
ライスペーパートッポギはお店で提供されているのではなく、SNS上でレシピが拡散され、作る人が急増したのだとか。
作り方は、ベトナムで春巻きの皮として使われているライスペーパーをトッポギの形にして、コチュジャンソースなどで煮込みます。チーズをライスペーパーで巻くアレンジレシピも多数あります。
ライスペーパーは米粉で作られており、トッポギはうるち米が原料です。同じお米が原料なので、代用品にしやすいのかもしれませんね。
参考:東京バーゲンマニア「モチモチ感抜群!SNSで話題の簡単『ライスペーパートッポギ』考えた人マジ天才では?」
2-4.ダイエッターに話題のライスペーパーチキン
画像出典:「Daon」
韓国ではチキンが大人気。ピリ辛の調味料をかけた「ヤンニョムチキン」は、数年前に日本上陸し、韓国料理として定着しつつあります。韓国では、ビールのおつまみとして食べられることが多いようです。
しかし、気になるのがカロリーです。そこで、先ほどご紹介したライスペーパーでチキンを巻いた料理が韓国のダイエッターの間で注目されるようになりました。
小麦粉不使用、油で揚げないためヘルシー。こちらも、韓国のSNS上で多くのレシピが出回っています。
参考:Daon「韓国最新ブーム!トッポッキだけじゃない?!流行りの『ライスペーパーチキン』レシピ」
2-5.韓国では行列ができるほど人気!エッグトースト
画像出典:「EGG DROP」公式サイト
韓国の繁華街には、軽食やB級グルメなどをリーズナブルに楽しめる屋台が並び、世代を問わずさまざまな人が利用しています。そんなストリートフードの1つ、エッグトーストをソウルのトースト専門店「EGG DROP」がおしゃれにアレンジしたところ、あっという間に人気に火が付きました。今では、お店には行列ができるほどだそう。
サクサクのトーストにスクランブルエッグをはさんだ姿は、ボリュームたっぷり。パンの間から顔を出す黄色のたまごが目を惹きます。
多くの人が撮影してSNSにアップしたり、自宅で作って再現したりして楽しんでいるそうです。
3.時代の流れとともに注目された韓国産クラフトビール3選
韓国では、2010年代後半より海外旅行者が増加。それに伴い、多くの韓国人が外国産ビールのおいしさに気づき、多くの輸入ビールが販売されるようになりました。
ところが、2014年に酒税法改正などで小規模の醸造所で作られたクラフトビールが流通できることになり、日本産を含めた輸入ビールの販売が減少。代わりに韓国産のクラフトビールが売られるようになりました。
3-1.2021年9月日本上陸!Korea Craft Brewery ARK「ARK Pale Ale」
画像出典:ワイン王国
Korea Craft Breweryは、韓国で初めて創業したクラフトビール工場です。
創業者が「韓国のクラフトビールとは?」「韓国ではどうクラフトビールを楽しむか?」という探求心のもと韓国らしいクラフトビールを追及。例えば、柑橘系のさわやかな風味と力強さを感じる味わいの「ARK」は、ソウルの街並みをイメージして生み出されたそうです。
そんな「ARK」が、今年9月下旬よりが日本初上陸しました。紀ノ国屋店頭またはオンラインショップLady to Drinkで販売しています。
参考:株式会社エムエスエンタープライズ(valuepressより)
「韓国クラフトビールKorea Craft Brewery ARKの『ARK Pale Ale 』がKINOKUNIYAにて2021年9月下旬販売開始」
「Korea Craft Brewery ARK」公式サイト
3-2.人気Webマンガとコラボ・HAND AND MALT「ユミのウィートエール」
画像出典:BORICHA
韓国で急成長中のクラフトビール会社”HAND AND MALT”の手作りビールは、缶のイラストがかわいいことで注目を浴びています。イラストは、韓国で人気のウェブマンガ「ユミの細胞たち」の登場人物。
味は、フローラルな香りとすっきりした飲み心地です。現在のところは日本未上陸。韓国出張の機会があったら、ぜひ飲んでみてくださいね。
参考:
HAND AND MALT公式サイト
LINEマンガ「ユミの細胞たち」
3-3.韓国らしさと高品質を追及するMoon Bear Brewingのクラフトビール
韓国のクラフトビールを世界に広めようという壮大なビジョンを持つのが、Moon Bear Brewing。金剛山、白頭山といった山や済州島などの美しい自然からインスピレーションを得て造ったという、興味深いエピソードを持つビールを製造している醸造所です。
発酵中の苦みや味を測定する機器を導入し適切な味に保ったり、麦芽やホップ、酵母そして水の品質を徹底したりと、おいしいビール造りに熱を入れています。
クマのシルエットの企業ロゴが入ったパッケージもおしゃれで、20~30代の若い世代からの人気を集めているのだとか。
参考:
コネスト「可愛いパッケージ続々!韓国産クラフトビール」
「Moon Bear Brewing」公式サイト
韓国ではビールと一緒にチキンを楽しむことを「チメク」、ピザを楽しむことを「ピメク」と呼んでいます。「今日チメク(またはピメク)するけど一緒にどう?」と会社帰りに同僚や友人を誘うことも多いそうです。
韓国の方と一緒に仕事をする機会があったら、チメクとピメクの話題を出すと話が盛り上がりそうですね。
本場に近いチメクを楽しむためのチキンを手に入れるなら「ショアチキン」がおすすめ。日本のフライドチキンとは少し異なる、サクサクの軽い食感のチキンが購入できますよ。
ショアチキン公式サイト:https://choachicken.com/index.html
4.ドラマ発信の韓国グルメはSNS発信へと変化
最初の韓国グルメブームは2000年代初頭より高まった韓国文化への興味、特に韓流ドラマに影響されていると言われています。
韓国文化が注目された理由は、2002年のサッカー日韓ワールドカップ共同開催がきっかけと言えるでしょう。同年放送の『冬のソナタ』、2003年放送『宮廷女官チャングムの誓い』といった韓流ドラマがヒット。ドラマに登場する料理をきっかけに、韓国料理にも興味が集まるように。
特に『宮廷女官チャングムの誓い』は、野菜を多く使用した料理が登場することから、韓国料理は身体に良いというイメージが広がりました。
また、韓流ブームの影響で、韓国に旅行へ行く人が増えたことも韓国グルメ流行の一端を担ったと言えるでしょう。
ここ数年は、SNSやインターネットを通じてグルメ情報が手に入れやすくなり、若者を中心に拡散しています。
特に2020年には、映画配信サービスを利用し韓国ドラマを視聴する人が増加。そこから韓国グルメが再び注目を集めています。特に、映画『パラサイト 半地下の家族』のヒットは大きいでしょう。映画に登場するインスタント麺『チャパゲティ』は日本でも販売されるようになりました。
日本国内に韓国料理店が増えたとはいえ、自宅で作ってみたいという方もいらっしゃるでしょう。そこで、おすすめなのがレシピ本『あの名シーンを食べる!韓国ドラマ食堂』です。
韓流ドラマに出てくる料理のレシピをまとめた一冊です。自宅で韓国気分を味わいたい方にぴったりです。
Amazon:「あの名シーンを食べる!韓国ドラマ食堂」
韓国グルメのトレンドを追うと時流が見える
韓国グルメの流行の背景をよくよく見ると、韓国のWebマーケティング戦略や日本国内の韓国に対する興味の増加などが見えてきます。また、過去の韓流ブームをひも解いていくと、日本と韓国の関係性も大きく関わっていると言えます。
今後も韓国グルメは日本に次々と上陸するでしょう。そんなとき、「なぜこの韓国グルメが流行っているのか?」という目線で捉えると時流が見えてくるかもしれません。今後も韓国グルメにご注目ください!
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