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2025.11.13

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ヨーロッパ旅行は北回りと南回りどっちが便利?航空券の賢い選び方

日本とヨーロッパ間のフライトでは、北回りと南回りの2つのルートがあります。
ロシアや北極圏近くを飛ぶのが北回り、アジアや中東を横断しながら飛ぶのが南回りです。しかし、北回り、南回りのフライトの違いはそれだけにとどまりません。
航空券の価格や飛行時間、乗り継ぎなど北回り、南回りのフライトにはそれぞれに特徴があり、知っておくと航空券の購入時により良い条件のフライトを選ぶ助けになります。
この記事では、日本〜ヨーロッパ間の航空券を探すときにおさえておきたい情報を解説しているので、航空券探しの参考にしてくださいね。
 

1.北回り直行便でヨーロッパへ行くルート


 
北回りとは、本来ロシア上空を通過してヨーロッパと日本間を往復する便のことをさしていました。
しかし、ロシアによるウクライナ侵攻の影響から、2025年10月時点でヨーロッパへ直行する多くのフライトが、北極圏に沿うように運行されています。
 

画像出典:TRAICT 「JAL、北回りで欧州路線継続 運航実績を勘案、ロンドンでの乗り継ぎ重視」

2025年時点で、北回りで日本からヨーロッパへ向かう直行便が就航しているヨーロッパの各都市の一例は、下記の通りです。

【ヨーロッパ行き北回り便がある就航都市】
・ヘルシンキ(フィンランド)
・ロンドン(イギリス)
・フランクフルト(ドイツ)
・ミュンヘン(ドイツ)
・デュッセルドルフ(ドイツ)
・アムステルダム(オランダ)
・コペンハーゲン(デンマーク)
・ブリュッセル(ベルギー)
・ワルシャワ(ポーランド)
・パリ(フランス)
・チューリッヒ(スイス)
・ミラノ(イタリア)
・マドリード(スペイン)
 
国内の航空会社ならJALやANA、ヨーロッパの航空会社ならブリティッシュエアウェイズ、エールフランス、ルフトハンザ、KLMオランダ航空などのレガシーキャリア(大手航空会社)が直行便を運行しています。
 
地図で見る限りでは、北回りのほうが距離が短く所要時間も短そうに見えます。
ところが、天候や風の強さなど北回りでは飛行条件があまり良いとは言えず、南回りより時間がかかることもあります。
 
このことから、北回りのルートがある都市でも往復ともに北回りとは限りません。
ヘルシンキなど極北に近い都市なら往復便共に北回りのルートですが、ヨーロッパ発日本行きの便については、南回りを利用する航空会社が多いです。
その理由の一つに、ヨーロッパからアジアへ向かって吹く偏西風の利用があります。
追い風になるため、所要時間が短縮され燃料も節約できることが理由です。
 

コラム:北回りではオーロラに出会えることがある
北極圏に沿って飛行する北回り便では、天候条件や時間帯が合えば窓からオーロラを見るチャンスに恵まれることがあります。

オーロラは極地だけで観測される自然現象で、日本ではめったに見られません。
もし見たいなら、窓側の席を予約しておくと見やすいでしょう。
エコノミーの場合、窓際でも翼が邪魔をしてオーロラを見られないことがあるため、翼付近の席は避けるのがおすすめです。

 

2.南回りでヨーロッパへ行くルート2つ


 
ヨーロッパへ行くときのもう一つのルートが、中東・アジア諸国上空を飛ぶ南回りです。
往復ともに南回りで、日本とヨーロッパを結ぶ直行便が就航する都市の例は、2025年時点で下記の2つが挙げられます。
 
【ヨーロッパ直行の南回り便がある就航都市】
・ウィーン(オーストリア)
・ローマ(イタリア)
 
南回りルートにはもう一つ、乗り継ぎでヨーロッパへ行く方法があります。
座席のグレードや航空会社にもよりますが、直行便より安いことが多いため値段重視の人はこちらを選ぶのも一つの手。
 
【乗り継ぎ便の主な経由地】
・イスタンブール(トルコ)
・ドバイ(UAE)
・アブダビ(UAE)
・ドーハ(カタール)
・コロンボ(スリランカ)
・シンガポール(シンガポール)
・バンコク(タイ)
・ホーチミン(ベトナム)
・クアラルンプール(マレーシア)
・北京(中国)
・上海(中国)
・鄭州(中国)
・ソウル(韓国)
・台北(台湾)
 
中東諸国やアジア諸国を結ぶLCCを乗り継いで行く方法を選べるのも、南回りルートならでは。
ただし、遅延や欠航時の保証がなかったり、預け入れ荷物は有料だったりと、レガシーキャリア利用時のサービスレベルとはかなり差があることが多いです。
そのため、緊急時の移動手段と心得ておきましょう。
 

3.安い航空券の探し方3つ


 
現地滞在をできるだけ楽しめるようにするために「交通費を安く抑え食事代や現地ツアーなど現地で使える費用を増やするに越したことはない」と考える人は多いかもしれません。
しかし近年では、為替相場の変動や燃油サーチャージの高騰、紛争による飛行ルート迂回などで、ヨーロッパ行きの航空券は北回り・南回りに関係なく年々値段が上がる傾向です。
 
とはいえ、少しでも安い航空券を選ぶ方法はあります。。
ここからは、どうやって安い航空券を探すかを見ていきましょう。
 

3-1.航空会社の直売セールを狙う

できるだけお得な値段で直行便の航空券を購入したい、という人にまずみて欲しいのが、渡航先と日本を結ぶ便を運行する航空会社のHPです。
 
北回り、南回りのルートに関係なく、目的地への直行便を運行する航空会社で直売するセール航空券が出ることがあります。
セールが行われるのは各社とも不定期ですが、渡航日にうまくマッチすれば、格安航空券比較サイトと大差ない金額で正規割引航空券が購入できますよ。
 

コラム:値段があまり変わらないときは正規割引航空券を選ぼう
航空会社が直販する正規割引航空券と、検索サイトや旅行会社HPで購入できる格安航空券の違いは、値段だけではありません。
遅延や欠航の場合の補償が手厚かったり、マイレージ加算率が高かったりと受けられるサービスに差があります。
値段があまり変わらないなら、正規割引航空券を購入するメリットは大きいです。
マイレージ会員向けの特別セールを行う航空会社もあるので、マイレージに加入しメールマガジン購読の登録をしておくのもおすすめです。

筆者は、あらかじめ複数の航空券比較サイトでレガシーキャリアの安い航空券を検索。
安値をつけている航空会社のHPを開いて同条件のチケットをさらに探し、金額とサービスを比較してからより良い条件の航空券を購入することにしています。

3-2.乗り継ぎ回数が多めの南回り航空券を選ぶ

 
航空券比較サイトでチケットを探すとき、検索条件入力欄に「乗り継ぎ1〜2回以上」という選択肢があれば選んでおくのをお忘れなく。
北回り・南回り関係なくヨーロッパへ直行するフライトは値段が高い一方、南回りルートでアジアや中東で乗り継ぎがあるフライトは安く表示されるからです。
ドーハを経由するカタール航空や香港を経由するキャセイパシフィックなど、サービスが良いと言われている航空会社なら、長いフライトでも快適に過ごせますよ。
 
ちなみに、筆者の知人友人にはeDreamsというサイトで格安航空券を探すという人がいます。
正しく入力したのに搭乗者名が間違っていたり欠航後の返金がなかったりなど、ネガティブ評価もゼロではないですが、出発3時間前というギリギリのチケットも格安で表示されることがあります。
価格重視、という人は利用を検討するのも良いでしょう。
 

3-3.中国の航空会社を選ぶ

「1円でも安いヨーロッパ行き航空券が欲しい」という人は、北回りで運行している中国の航空会社の航空券を狙ってみるのもありです。
航空券比較サイトなどでも確認できますが、直行便や国内の航空会社に比べてはるかに安い値段設定なことが多いです。
安いことに不安を覚える人もいるかもしれませんが、値段が安い理由は主に下記の3つがあげられます。
 
【中国の航空会社の航空券が安い主な理由】
・アジア〜ヨーロッパ間の北回り最短ルート、ロシア上空を飛ぶため燃料が少なくて済む
・中国政府から莫大な補助金が中国の航空会社に支払われているため経営が安定している
・ロシア産の安い原油を輸入して国内で精製し、燃料として利用するため燃料費を節約できる
 
ロシアを横断する北回りルートで往復できるので、飛行機に乗っている時間は短めです。
ただし北京や上海など、中国国内での乗り継ぎが長時間必要な場合も少なくありません。
とはいえ、移動時間は長くてもいいから安い航空券が欲しいという人には、一考の価値があります。
 

4.条件別ヨーロッパ行き航空券の選び方4つ


 
値段の安さ以外の条件で航空券を探すなら、北回りや南回りのルート、快適さ、最短時間での移動など自分なりの条件を決めておきましょう。
航空券比較サイトや航空会社HP、旅行会社HPなどで検索できる航空券は、ヨーロッパ行きのルートが網羅された検索結果が出てきます。
無計画に検索するだけでは、どれを選ぶべきかわからなくなるからです。
 
ここからは、条件別に選ぶ方法を解説します。
 

4-1.時間重視の人は深夜運行の北回り直行便

できるだけ早く現地に到着したいという人は、目的地まで最も早く移動できる直行便を利用するのが一番。
おすすめなのは、日本を深夜に出発する便を利用することです。
 
北回りルートで運行する航空会社が多く、さらに時差の関係で到着時間が同日の早朝なので、すぐ仕事や観光を始められます。
深夜便は利用者が少なめの時間帯で、通常より値段も安いことが多いのも魅力です。
また、午前中などピークタイムの出発と比べると空港内が空いていて、出国手続きなども時間がかからなくて済みます。
深夜の出発なので機内で仮眠をとることもそう難しくはありません。
 
【おすすめフライト】
JAL:JL41便
羽田空港を深夜0時もしくは1時に出発し、ロンドン・ヒースロー空港へ同日朝6時ごろに到着するフライトがJL41便です。
この便の利用者なら、エコノミークラス搭乗客でもサクララウンジを利用できるサービスを行っていて、出発前の時間を快適に過ごせます。
ロンドンで乗り継いで他のヨーロッパ都市へ行きたい、という人にも早めに現地入りできるので利用価値は高いです。
 
公式URL:https://www.jal.co.jp/jp/ja/inter/route/hndlhr/
 

4-2.快適さを優先するなら南回りの中東系航空会社

隠れた人気があるのは、エミレーツ航空やエティハド航空、カタール航空など中東の航空会社です。
豪華な内装や美味しい機内食など、サービスが充実していると評価が高いです。
エコノミークラスでもシートが広く、長時間のフライトでも快適に過ごせます。
 
東京〜ドバイもしくはアブダビ、カタールで乗り継いでヨーロッパへ入るフライトのため南回りとなり、総移動距離は長めです。
しかし、13〜17時間ほど座りっぱなしの直行便と比べると、10時間ほどでいったん機外に出られるため、身体に負担がかかりにくいのがポイントです。
 
【おすすめフライト】
エミレーツ航空:EK313便
羽田を0時ごろ出発する深夜便で、10時間後の現地時間6時ごろにドバイ国際空港に到着します。
ドバイ〜ヨーロッパ間は目的地によっても異なりますが、5〜8時間ほどで移動可能。
ちょうど良い時間の接続便を利用できれば、昼食を目的地で食べられる時間帯に現地へ到着できます。
 
なお、ドバイ空港からヨーロッパ各地への乗り継ぎ時間は長いと10時間以上の場合も。
目的地によっても異なりますが、最短乗り継ぎ時間2〜3時間、というフライトがあるので空席があればお見逃しなく。
 
公式URL:https://www.emirates.com/jp/japanese/destinations/hnd/dxb/flights-from-tokyo-haneda-to-dubai/
 
中東の航空会社の主な経由地は、ドバイ国際空港、アブダビ・ザイード国際空港、ドーハ・ハマド国際空港の3つです。
これらの空港はショッピング施設やグルメ、ラウンジがとても充実していることでも知られ、乗り継ぎ時間も快適に過ごせることは間違いありません。
 

4-3.子供連れなら南回りのターキッシュエアラインズ

子供連れでヨーロッパに行くとき、移動中も子供を楽しませたいという親御さんは多いものです。
しかし、サービスレベルや費用、時間などの条件が全部そろった航空券を探すのは至難の業。
子供と一緒にできるだけ楽しめて、たくさん思い出作りができそうな旅行をしたいという親心を叶えてくれそうなのが、南回りで東京とヨーロッパを結ぶターキッシュエアラインズです。
 
同社では、イスタンブールでヨーロッパ各地へ乗り継ぐ場合、乗り継ぎ時間が6時間以上24時間以内の利用者に対して、無料のイスタンブール市内ツアー『touristanbul』を行っています。
イスタンブールの観光スポットをめぐるツアーに無料で参加できます。
また、20時間以上の乗り継ぎ時間がある場合は無料でホテルに宿泊できるサービス『よっ得!イスタンブール』を利用可能。
乗り継ぎ時間でイスタンブール滞在を満喫できます。
 
【おすすめフライト】
ターキッシュエアラインズ:TK199便
子供も大人も機内で楽に過ごせそうなフライトを選ぶなら、夜10時に羽田を出発し朝6時ごろイスタンブールに到着するTK199便が便利です。
機内で子供を寝かしつけやすく、その間に大人も休むことができますよ。
子供用の機内食やアメニティが充実しているので、機内で快適に過ごしやすいのも魅力です。
 
公式URL:https://www.airpaz.com/ja/flight/code/TK-199

4-4.ヨーロッパ直行便が多く初心者でも安心のANAかJAL

海外へ一人で行くのに慣れておらず不安がある、という日本人の初心者なら国内の航空会社であるANAかJALを選ぶと失敗が少なくて済みます。
 
予約時やフライト変更はもちろん、空港でも日本語で対応してもらえます。
また、機内に日本人乗務員が必ずいるので、日本語でサービスを頼めるのも嬉しいところ。
サービスレベルは非常に高く、遅延して乗り継ぎに失敗したり欠航した場合などアクシデントに見舞われても、振替便の手配や宿泊手配をすぐしてもらえるので安心感が高いです。
 
【おすすめフライト】
JAL:JL41便
ANA:NH203便
 
初心者にも利用しやすいのが、JALでは先述のJL41便。
ANAならフランクフルト直行便のNH203便です。
 
時差ぼけがひどくなりそうですが、次の日から仕事の予定がつまっているという人は午前9時に羽田を出発し、フランクフルトへ午後5時ごろ到着するNH203を選びましょう。
着いたらすぐ寝て、時差ぼけの早期解消を図れます。
 
また、フランクフルト国際空港はヨーロッパのハブ空港の一つであることから、乗り継ぎ便がたくさんあり、アクセスが便利です。
フランクフルト経由で別都市に行く場合でも同日夜に目的地へ到着できることが多いので、ホテルに到着したらすぐ休めるのも魅力です。
 
JAL公式URL:https://www.jal.co.jp/jp/ja/inter/route/hndlhr/
ANA公式URL:https://www.ana.co.jp/ja/id/plan-book/routes/international-route-information/
 
JALはヘルシンキ、フランクフルト、パリ、ロンドンのヨーロッパ4都市に就航。
ANAはストックホルム、ブリュッセル、フランクフルト、ミュンヘン、パリ、ウィーン、ミラノ、ロンドンのヨーロッパ8都市に就航していてネットワークが広いです。
ちなみに、どの会社もヨーロッパ行きのフライトを北回り、日本への帰国便を南回りで運行しています。
世界一周をした気分になれるのも、初心者にはうってつけです。

コラム:イタリア〜日本往復便を運行する各社フライト体験談
イタリア在住の筆者が利用しているのは、

1)地元イタリアのITAエアウェイズ(南回り)
2)サービスが良いANA(北回り・南回り両方)
3)空港施設が充実のエールフランス(北回り・南回り両方)

のいずれかであることが多いです。
このコラムでは、実体験から感じたそれぞれの感想を紹介します。
ヨーロッパで乗り継ぎするという人や、イタリアに仕事で長期滞在するという人は、航空券を買うときの参考にしてみては。

【ITAエアウェイズの感想】
ファストフード風の袋に入った機内食や極薄で固い座席シートなど、サービスレベルは決して高くないですが、最安値の航空券を買えることが多く最もよく利用します。
子供連れでも子供用アメニティはもらえないことが多い反面、クルーが何かと声をかけてくれ、とても親切です。

日本行きは、南回りでうまく追い風に乗れた場合予定時間より前に東京へ到着することがあり、到着してから公共交通機関に乗るのに便利でした。
一方、東京からイタリアへ帰国する便が遅れることが多いです。
イタリア国内での乗り継ぎがうまくいくか心配になりますが、地元行きの乗り継ぎ便が待っていてくれることが多く、乗り継ぎに失敗しなくて済みました。

【ANAの感想】
運賃は一番高いことが多いですが、サービスレベルはかゆいところに手が届くほどの高レベルなので、予算に余裕があるときはANAを選びます。
子供連れは空港でのアシストサービスを利用でき、グランドスタッフにとても親切にしてもらえます。
しかしアシストサービス申し込みは電話受付のみでなかなかつながらず、利用のハードルは若干高いです。
フランクフルト空港を乗り継ぎで利用していますが、現地採用スタッフの日本語レベルが非常に高く、安心して利用できました。
日本からイタリアへ戻る北回りの便で窓際の席を予約し、オーロラを見られるかワクワクしながら搭乗したのですが、あいにく悪天候で見られませんでした。

【エールフランスの感想】
地元から日本へ行くための乗り継ぎが巨大なシャルルドゴール空港で、空港の端から端まで移動する必要があります。
乗り継ぎ時間を2時間以上とらないと乗り遅れそうになることがあるので、子供連れには条件が厳しくたまに利用する程度です。

しかしITAエアウェイズとほぼ同額の安い航空券を出すことがあり、チケットを探す時は必ずチェックする航空会社の一つです。
サービスレベルはKLMやルフトハンザなど他のヨーロッパ航空会社より少し良い程度、という印象ですが、日本行きの便ではエコノミーでも耳栓やスリッパなどアメニティをもらえました。

5.ヨーロッパ行きの航空券を購入するときの注意点3つ

北回り、南回りのルートどちらを利用するかということ以外にも、ヨーロッパ行きの航空券を買うときミスを防ぐためのポイントがいくつかあります。
ここからは、どのようなことに注意すればいいのかを見ていきましょう。

5-1.航空券比較サイトでは利用条件をよくチェックする

希望の条件で手軽に航空券を探せるのが、skyscannerやエクスペディアなどの航空券比較サイトです。
北回り、南回り、世界一周などいろいろなルートや、希望のアライアンス別、金額別で表示してくれ、とても便利。

ただし、このようなサイトで購入できる安い航空券には、トラブルが起こる確率が高くなります。
航空券の払い戻しがきかなかったり、手違いで予約されていなかったりなど予想外の状況に陥ることがあるのです。
さらに、海外の比較サイト利用時なら、欠航など万一のアクシデントが起こってもなかなか対応してもらえないことも少なくありません。

そのため、購入ボタンを押す前に、必ず条件を確認しましょう。
購入前には必ず、利用条件を説明したり提示したりする画面があるので、じっくりと読んでおくことをおすすめします。
少しでも怪しく思ったら、どんなに安くても買わないことを心がけましょう。

5-2.北回り便のヨーロッパ行きは遅延の可能性も考慮する

冬はヨーロッパにも寒波が訪れ、雨が多くなり悪天候が続く時期です。
ノルウェーやスウェーデンを始め北極圏に隣接するエリア以外のドイツやフランス、イタリアなどでも、日本の本州とは比べ物にならないほど寒さが厳しい場所があります。

したがって、冬にヨーロッパへ行くとき特に気をつけたいのは、冬に天候条件が厳しくなる北回り便を利用して乗り継ぎでヨーロッパ各地へ移動するときです。
現地空港が悪天候だったり、気象条件の良いところを飛行するため搭乗便が迂回するルートをとったりという場合、予定到着時刻よりかなり遅れることが少なくありません。

できるだけ失敗せずに済むよう、乗り継ぎ時間に3時間以上余裕を持ったスケジュールで航空券を探すことを心がけましょう。

5-3.利用ルート周辺国の政情を念の為リサーチしておく

近年、さまざまな地域で紛争や戦争が発生しています。
そのため、北回りの多くの便でルートが変更されたり、欠航や運行停止したりすることが増えている状況です。
2025年の春夏、突発的に始まったイランとイスラエルのミサイル攻撃にまつわるニュースが日本でも話題になりましたが、この影響で急遽中東行きの便を欠航した南回りルートのフライトもあるほどです。

地域の情勢がいつどうなるか予測することは難しい場合もありますが、ヨーロッパ行きを実現させるための自衛策はあります。
不穏な動きがありそうなエリアをチェックしておき、近辺を通過するルートで運行する航空会社は避けたり、変更やキャンセル可能の航空券を購入したりという方法をとるのも一つの手です。

まとめ:ヨーロッパ行きは北回りと南回りルートの特徴を把握して航空券を予約しよう

北回りと南回りのルートにはそれぞれに特徴があります。
ヨーロッパへ行くときにはどのルートが一番自分の希望に合っているかよく検討しましょう。
費用が高めの北回り直行便でも出発時間によってはお得だったり、時間がかかりそうな南回りでも所要時間が短くて早く目的地についたりなど、旅行の満足度を上げるためおさえておきたいポイントはたくさんあります。

値段だけでなく、快適さや安心感など自分に合った条件を明確にすれば、希望通りのフライトを見つけられるでしょう。
この記事でご紹介した内容をフル活用して、素敵なヨーロッパ旅行を実現してくださいね。

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