世界の朝ごはんを覗き見!習慣や風土が見えてくる食事12選【アジア・オセアニア】

世界の朝ごはんを覗き見!習慣や風土が見えてくる食事12選【アジア・オセアニア】

世界の朝ごはんを味わえるレストランやカフェができたり、ホテルの朝食に世界の国々の朝食メニューが取り入れられたりと、最近は世界の朝ごはんを日本国内で体験できる場所が増えています。
そこで、この記事では、アジアとオセアニアの朝ごはんをご紹介!本物のローカル料理のルーツや、どのように食べられているのかを見てみましょう。

1.アジアの朝ごはん8選

日本の和朝食のように「朝ごはんの主役は米」という国がアジアにはたくさんあります。世界の米生産量の8割以上を占めるほど、アジアは米作が盛んな地域であることが理由の一つと言えます。

多くの場合、白いご飯に合わせるのは肉や魚、野菜を使ったおかずとスープ類ですが、地域や食文化によって異なります。国によって内容が変わる朝ごはんには、どんなものがあるでしょうか。この章では、アジアの朝ごはんについてご案内します。

1-1.揚げパンと豆乳が定番中の定番な中国

中国の人々は朝ごはんを重要視していて、「吃饭了吗(もうごはん食べた?)」という挨拶があるほどです。朝食には「油条(ヨウティアオ/揚げパン)」と「豆浆(トウジャン/豆乳)」の2つがよく食べられています。

油条は、水に食塩と炭酸水素アンモニウムを混ぜ、小麦粉を入れて練った生地を揚げたもの。ほとんど味がなく、豆乳やおかゆにひたして食べることが多いです。

中国の朝ごはんに欠かせない豆浆は、約1900年前に劉安という前漢の皇族が発明したと言われています。戻した大豆を臼で挽けばできるので安く手に入り、栄養豊富な豆乳は長い歴史を経た今でも、中国の人々の朝ごはんとして食卓にのぼります。

豆浆の味は、カフェオレとクロワッサンの組み合わせのように甘い豆浆と油条だったり、お味噌汁とご飯のようにしょっぱい味の豆浆と油条だったりと、好みによって変わります。

しかし、中国のスーパーで手に入る豆乳は、ほとんどが砂糖を入れた甘いタイプ。味のバリエーションを楽しむため、自宅で豆乳を作る人も多く、家庭用豆乳メーカーを持っている人もいます。

参考:
Only語学塾「中国の朝食文化」
エキサイトニュース「中国で好まれる『ある朝食メニュー』を見ると、日本人は驚くらしい=中国報道」
なんでもわかる豆乳あるあるマップ「中国の豆乳事情」

1-2.栄養満点の牛骨スープが朝ごはんの韓国

韓国の朝ごはんは、日本のように白いごはんと汁ものが定番です。と言っても、具沢山のスープを食べる習慣があるので、かなり大きな汁椀を使っています。

韓国には様々な種類のスープがあり、朝食の人気メニューの一つが「ソルロンタン」というスープ。牛肉や牛骨、内臓をじっくり煮込んだ白いスープが特徴です。味付けされていない料理なので、食卓で薬味や塩などの調味料を入れて、好みの味にしてから食べます。

ソルロンタンは、ハングル文字を考案した名君として知られる朝鮮王朝時代の世宗(セジョン)王が、農業祭の折に作ってふるまったスープが由来。儀式の際に供えた牛を使っていたそうです。

家庭で作るにはかなり手間がかかる料理なので、現代では、ソルロンタンを食べるときに24時間営業の食堂へ行く人も少なくありません。

参考:
トラベルjp「韓国での朝食はこれで決まり!絶対に外せないお勧め5選」
ソウルナビ「韓国の朝ごはん」
韓国農水産食品流通公社「料理紹介」

1-3.とろとろのお粥が朝ごはんのタイ

タイ料理=辛い料理が多い、とイメージする人は少なくないことでしょう。しかしタイの朝ごはんで定番なのは、辛くない薄味の「ジョーク(お粥)」。砕いた米を、米粒がとろけるまで煮込んだ熱々のお粥です。

ジョークのルーツは中国で、中国から移住してきた華僑の人々がタイへ持ち込んだと言われています。そのため、中華スープがベースのあっさりとした塩味なのが特徴です。味が物足りなければ、テーブルに置かれた調味料を入れて食べたり、煮卵や薬味、おかずと一緒に食べたりします。

手軽に外食できるタイでは、朝ごはんを屋台や食堂で済ます人が多いです。早朝から道のあちこちに屋台が開かれ、その場で食べたり、食堂でテイクアウトして始業前にオフィスで食べたりするのが一般的。中でもジョーク屋台や食堂は人気があり、売り切れ次第閉店という店も多いとか。

参考:
バンコクナビ「バンコクの朝ごはん」
タイ国政府観光庁「ジョーク・プリンス」
ヤマモリ「タイの朝食のお話」

1-4.食堂で目覚めのフォーを食べるベトナム

タイ同様に朝ごはんは外食派が多数のベトナムの人々。朝ごはんの定番は、日本でも有名になった「フォー」です。街のあちこちにフォー専門の食堂があり、早朝から営業しています。

ベトナムの代表的な料理として知られているフォーは、近年に発明された料理です。起源はいくつかの説があり、そのうちの一つがフランス料理の影響です。19世紀までは、ベトナムで牛肉を食べる習慣はありませんでした。20世紀初頭にフランスの植民地支配が始まると、フランス料理がベトナムに伝わり、牛肉のスープを使う料理である「ポトフ」をベースにフォーが誕生したのではないかと言われています。

第2次世界大戦で日本軍がベトナムを占領すると、食用牛が不足したため鶏のスープも使われるようになりました。

フランス総督府が置かれた都市ハノイを含むベトナム北部が、フォーの発祥地とされています。今ではベトナム全土で広く食され、地方ごとに異なる味つけがあります。北部では塩味のあっさりした味付け、南部ではハーブをたっぷり使った甘めの味付けが特徴です。

参考:
ベトナムナビ「ベトナムの朝ごはん」
フーズチャネル「データから見るベトナムの朝食事情とは?」
木下製粉株式会社「ベトナムの国民食・フォー」

1-5.フランスパンで朝ごはんのラオス

かつてフランス領インドシナの一部だったラオスでも、食文化にフランスの影響が色濃く残っています。ラオスで朝食の定番として食べられている「カオチー」は、その代表的メニューと言えるでしょう。

カオチーは、大ぶりのフランスパンを半分に切って、中に具材をたっぷり詰めたサンドイッチです。ラオスは海がない内陸国なので、中に入っている食材はチキンや豚肉などがメイン。「タムマークフン」と呼ばれる青パパイヤのサラダも欠かせない具材で、ボリュームたっぷりです。

参考:ラオス・ネットワーク「ラオスのローカル食『カオチー』」

コラム:あちこちへ広まった「フランスパンサンドイッチ」

1954年のジュネーブ協定で独立が承認されるまでは、現在のベトナム、ラオス、カンボジアに当たる広大なエリアがフランスの植民地でした。その影響でフランス料理が地域の食文化に浸透し、現在も現地の人々に愛されています。
代表的なものが「フランスパンのサンドイッチ」です。先にご紹介したラオスでは「カオチー」ですが、ベトナムでは「バインミー」、カンボジアでは「ヌムパン」という名前です。
中に必ず入れる具は、ベトナムだと大根と人参のマリネ。カンボジアなら豚肉や鶏肉のパテが必需品です。

1-6.ココナッツミルクご飯が定番のマレーシア

マレーシアの朝ごはんは、「ナシレマッ」と呼ばれるご飯が定番。もち米にココナッツミルクと塩を加えて、炊くか蒸して食べるのが一般的。ナシレマッは直訳で「ナシ=ご飯」「レマッ=脂(ココナッツオイルを指す)」の意味ですが、名前に反してあっさりした味わいが特徴です。

和朝食のように、塩味のおかずを添えていただきます。マレーシアはイスラム教徒が多いため豚肉を食べず、鶏や牛肉、魚の料理をおかずにすることがほとんどです。

ナシレマッは、仕事の前に簡単に食べられる栄養豊富な朝食として、農家の人々が食べ始めたのが始まりと言われています。それがマレーシア全国に広まり、国民食として愛されるようになりました。

参考:
CREA「マレーシアごはんと言えば『ナシレマッ』豊かな食文化が育んだ珠玉のひと皿」
トラベルjp「マレーシアの朝ご飯は街角で!絶品過ぎるお勧め5選」

1-7.焼き豚ご飯でがっつり朝食のカンボジア

カンボジアは、世界の米生産国ランキング10位にランクインするほど、古くから米作が盛んな国です。主食はお米で、日本のように白いご飯と合う塩系のおかずが朝ごはんの定番です。

その筆頭が、白いごはんに焼いた豚肉を乗せて唐辛子のソースを添えた「バイ・サイチュルーク」。国民食として広く食されています。どこの食堂でも食べられる料理ですが、お店独自の漬けダレに肉を漬けてから焼き上げる料理なので、お店によって味は変わります。

カンボジアでは外で朝食を食べる人が多く、店でテイクアウトし、始業前のオフィスで食べるという人も多いです。

参考:
たびこふれ「東南アジアのおすすめグルメ!〈カンボジアローカル朝食編〉」
スタディツアー.東京「カンボジアに暮らせば①〜現地の衣食住と生活文化〜」
米ネット「世界のどこの国でお米がとれるの?」

1-8.軽い食感の蒸しパンで朝ごはんの南インド

南インドの人々が朝ごはんに食べるのは、「イドゥリ」と呼ばれる蒸しパンです。チェンナイ、ハイデラバード、バンガロールなどの大都市があるインド南部や、スリランカで食べられています。

1000年以上前から食べられてきたイドゥリですが、ルーツははっきりしていません。一説では、13世紀のインドネシアへ移住したインドの人々が、現地の発酵食品と米を使って考案し、インドに持ち帰ったことが始まりと言われています。

米粉と豆粉を発酵させて焼くだけで、イドゥリには味つけがされていません。サンバルというスープ状のカレーや、野菜と果物で作ったソース、チャツネをつけて食べるのが一般的です。

参考:
TABIZINE「【気になる世界の朝ごはん】お米ベースの朝食メニューも多い、南インド編」
朝日新聞デジタルマガジン「ホッとする味 インドの定番朝食『エッグブルジ』」
LIVE HISTORY INDIA「Where did the Idli come from?」

2.オセアニアの朝ごはん4選

オセアニアはかつて植民地だった国がほとんどのため、旧宗主国から渡ってきた文化が現地の食文化に根付いています。その影響で、多くの国で甘い朝ごはんが食べられています。

また、島国で農作物が限られるため、あまり手を加えず素材の味がそのまま活かされている料理が特徴です。

ここからは、オセアニア諸国で食べられている朝ごはんについて見ていきましょう。

2-1.優しい甘さのドーナツを食べるフランス領ポリネシア タヒチ島

19世紀から現在に到るまで、フランス領ポリネシアの首都なのがタヒチ島です。タヒチの朝ごはんの定番として愛されているのは、「フィリフィリ」というドーナツ。8の字にひねった形が特徴的で、ココナッツミルクで練った生地を揚げたものです。味付けはあっさりしていて、ココナッツミルクのほんのりした甘さがあとを引きます。

フィリフィリは、朝早くから開いている専門店へ買いに行き、家でカフェオレと一緒に食べることがほとんどです。宗主国であるフランスの食文化が浸透しているタヒチでは、フランス本土の朝食「クロワッサンとカフェオレ」と同様に、主食を外へ買いに行くのが習慣となっています。

参考:
タヒチヌイトラベル「タヒチヌイトラベルがお届けするプチ情報」
TRAVELLER「Where to eat breakfast, lunch and dinner in Papeete, Tahiti」

2-2.レモンの葉のハーブティーが欠かせないフィジー

フィジーはかつてイギリスの植民地だったため、食文化もイギリスの影響を受けています。そのため、朝ごはんは、かなりシンプル。起きて身支度したら、バターつきトーストと飲み物で朝食を済ませて仕事や学校へ行く、という人は少なくありません。

トーストのお供として欠かせないのは、「ドラウニモリ」というフィジーのレモンの葉を使ったハーブティーです。苦味があるので、砂糖を多めに入れて飲むのが一般的。このハーブティーのために、フィジーの多くの家では庭にドラウニモリを植えています。

参考:世界じゅうライフ「リアルなフィジーの食文化。メラネシア人とインド人が共存する独自な食生活の実際」

2-3.特産のカカオで朝ごはんのサモア

常夏のサモアの朝は早く、酷暑を避けるため朝4〜5時には起き始めます。朝の忙しい中でも手軽に取れる定番の朝ごはんとして愛されているのが、「ココサモア」というホットチョコレートです。
地元でとれるカカオ生豆をすりつぶし、練って固めたものをお湯でとくだけと、作り方はとてもシンプル。大量の砂糖を入れて飲むのがサモア流です。

日本ではあまり知られていませんが、サモアはカカオ豆の産地。19世紀、欧米諸国による入植をきっかけにカカオ豆の生産が始まりました。以来、サモアではカカオが食されています。

参考:
JICA海外協力隊の世界日記「サモアらしい朝食」
愛知県国際交流協会「世界の国を知る 世界の国から学ぶ 私たちの地球と未来 サモア独立国」
千葉大学学術成果リポジトリ「両大戦間期の太平洋植民地:アジアにおける帝国主義支配の強化」

2-4.発酵食品ベジマイトが欠かせないオーストラリアとニュージーランド

画像参照:ベジマイトオーストラリア公式HPレシピ「ベジマイトトーストのポーチドエッグ&トマト&フェタチーズのせ」より

オーストラリアとニュージーランドでは、ベジマイトという発酵食品が広く食べられています。忙しい朝でも簡単に用意できて栄養価が高い朝食として、絶大な人気があります。

ベジマイトには塩分が多く含まれているので、塩辛い味が特徴。バターを塗ったトーストに、ベジマイトをつけるだけと食べ方はとてもシンプルです。

両国の国民食ともいうべきベジマイトは、1923年から販売された比較的新しい食品です。ビールを製造する過程で残るビール酵母を主原料に作られていて、糖分の分解や脂質の代謝を促すビタミンB群を主に、多くの栄養素が含まれています。

かつては、オーストラリアとニュージーランドはイギリスの植民地でした。食文化もイギリスからやってきたものが多く、朝食にのぼるのもイギリスから輸入された同様の発酵食品「マーマイト」が主流でした。しかし、第1次世界大戦によってヨーロッパからの物流が遮断され、輸入が不可能になったのをきっかけに、オーストラリア独自の「ベジマイト」を開発した経緯があります。

当初は全く売れなかったベジマイトですが、第2次世界大戦でオーストラリア軍の携帯食として採用されたことから徐々に注目されるように。1956年のメルボルンオリンピック開催時に流されたテレビCMで、爆発的に普及しました。

参考:
ラララ・オーストラリア「オーストラリアの朝食4選。ホームステイの朝ご飯はこんな感じ!」
ナショナルジオグラフィック「世界魂食紀行第31回 見た目と味のギャップに仰天!オーストラリアの謎のペースト」

コラム:イギリスの影響を受けた「ビッグブレックファスト」

イギリスの植民地だったオーストラリアとニュージーランド。イギリスの食文化の影響が今も残り、イギリスの「イングリッシュブレックファスト」に似た「ビッグブレックファスト」というメニューが、休日に外で食べる朝ごはんとして人気です。

伝統的なビッグブレックファストには、トースト・目玉焼き・ベーコン・ウィンナー・ハッシュドポテト・焼きトマト・豆類・温野菜などが乗せられており、とてもボリュームのある朝ごはんです。

近年では新しいタイプも流行。消費者のヘルシー志向やインスタ映えなどのニーズに応えるように、サーモンや生ハムなどのフレッシュな素材が使われたり、オーガニック素材や海外の食材を使ったりしたおしゃれなタイプがその代表です。早朝から行列ができる人気店もあるほど、注目されています。

まとめ:朝ごはんから世界の国々が見えてくる!

世界各国の朝ごはんが生まれた背景からわかるのは、各国の歴史や風土、習慣そのもの。朝ごはんがわかれば、その国が見えてくるきっかけにつながります。
この記事でご紹介した朝ごはんを通して、世界に目を向けてみませんか。そうして自分の見識を広げることが、ビジネスのヒントにつながるかもしれません。

文:山﨑 梨惠(リベルタ)
編集:カワムラ ルイ (リベルタ)

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