ビジネス基礎知識

2022.07.06

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実例も交えて企業信用調査・反社チェック・身体検査について紹介

みなさんは、企業信用調査や反社チェックという言葉を聞いたことがありますか?
これらは、企業がトラブルを防止するために欠かせない調査なのです。今回は企業が取り入れるべき3つの調査について紹介します。調査を行うべき対象企業や具体的な費用に関する情報をまとめました。人事担当者や法務担当者の方はぜひ、チェックしてみてくださいね。

企業信用調査とは


企業信用調査はその名の通り、企業の債務状況や支払い能力など、金銭に関する信用の調査です。取引を行う上で十分な支払い能力がなかったり、債務超過に陥っていることは大きな問題ですが、直接は聞きにくいもの。企業信用調査は、専門の組織が企業の代わりに相手企業の信用度に関する情報を集めるというサービスです。

反社チェックとは

反社とは、暴力団などの反社会的勢力のこと。企業が取引を開始する前に、相手側が反社でないか調査する作業を、反社チェックと言います。

法務省は平成19年に「企業が反社会勢力による被害を防止するための指針について」という、反射に対する具体的な対応を発表しました。

指針には以下の基本原則が定められています。

【反社会勢力による被害を防止するための基本原則】
・組織としての対応
・外部専門組織との連携
・取引を含めた一切の関係遮断
・有事における民事と刑事の法的対応
・裏取引や資金提供の禁止
(法務省HPより:https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji42.html

反社チェックは、相手企業が反社に関わりがあるかを見極め、基本原則を遂行するために欠かせない調査です。

身体検査とは


身体検査とは、個人を対象にした身辺調査のこと。企業が取引を行うタレントや、社内重要ポスト、取引相手の経歴や犯罪歴など、バックグラウンドを調査します。

対象となる重要人物の起用には多額の費用が発生するケースが多く、早期に身体調査を行うことで、トラブルを未然に防ぎます。

企業信用調査・反社チェック・身体検査の実際

続いては各調査が必要な職種や、調査で軽減できるリスク、調査にかかる実際の費用を紹介します。

調査を行うべき職種について

調査を行うべき職種は限定されず、全ての企業が調査を行うべきだと言えるでしょう。全ての業種が取引先の信用調査や顧客、仕入先の与信管理を必要とします。

特に金融業、建設業、不動産業などの取引では、反社チェックは必須です。宿泊業、サービス業などでも、簡易的な信用チェックを行うに越したことはありません。また、インフルエンサーマーケティングの発注先に対しては、炎上リスクを避けるために信用調査を実施したほうが良いでしょう。

調査で軽減できるリスクとは

契約や取引を開始する前に調査を行うことで、詐欺、恐喝、不当利益等のロスを防ぐことができます。また、反社の関わりによる企業イメージの悪化も防ぐことができ、イメージダウンを回避できるでしょう。

調査の費用は?

調査の費用はおおよそ3万円から15万円程度です。調査内容により、料金は変動します。

調査の実例紹介

最後の調査の実例を見ていきましょう。調査の実際の内容や、調査結果を紹介します。

※イニシャルなどは、プライバシーに配慮し、仮名での記述となっております。また、料金は調査内容によって異なります。

業績に関する企業信用調査の実例

【依頼者】Aさん、53歳、中堅商社A社の常務取締役
【対象者】Bさん、44歳、半導体メーカーB社の代表取締役

【調査内容】
中堅商社のA社は、半導体系メーカーのB社と取引していますが、B社の業績が悪化しており、背後で反社会的勢力の影響があるとの噂を聞きつけました。B社の代表取締役であるBさんは、ヘッドハンティングで引き抜かれた人物。経営者としての詳細は不明です。今回、反社チェックも含めた徹底した企業信用調査を依頼することになりました。

【調査結果】
調査の結果、Bさんを含むB社の役員に反社会勢力の登録者はいませんでした。ですが、過去の役員に逮捕歴のある金融プローカーの運営する会社の役員に就任している人物がいました。現在確認可能なオンライン記事や過去の新聞記事では逮捕歴は削除されていますが、特殊データベースから、黒幕の株式ブローカーは過去に証券取引法違反容疑で逮捕歴があることが判明。また、黒幕の株式ブローカーは、反社会的勢力から融資を受けていることも判明しました。ただし、今回の調査ではBさんを含む現役役員の問題点は見つからず、取引は継続されることになりました。

【費用】
特殊企業信用調査+反社チェック ¥200,000(+消費税)

ベンチャー企業社員の身体検査の実例

【依頼者】Cさん、45歳、企業経営者
【対象者1】Dさん、46歳、ベンチャー企業経営者
【対象者2】Eさん、年齢不明、ベンチャー企業経営者でDさんのビジネスパートナー

【調査内容】
依頼者のCさんは、出資先のベンチャー企業経営者に対しての身辺調査を検討していました。出資先は起業家のDさんが創業した仮想通貨系の IT ベンチャー企業。本店はシンガポールにあり、Dさんはシンガポールと日本を拠点に活動しています。海外での活動内容は不明であり、またパートナーのEさんについて、詳細な情報もありません。バックグラウンドや反社会勢力との繋がりがないか、調査を依頼することになりました。

【調査結果】
日本とシンガポールでの商業登記簿や企業信用データの取得を行いました。さらに、日本語、英語、中国語での集中的なメディアサーチを行い、基礎情報を集めました。

その結果、Dさんは他の日本法人やシンガポール法人そして台湾法人の役員を兼任しており、過去の役員記録や勤務先の情報が判明しました。その情報をもとに取材を継続し、日本国内や海外での元同僚や取引先から、Dさんについてのコメントが集まりました。Dさんの評価は発想力が豊かで、他ジャンルの業務に関与している一方で、起業ジャンルが多岐にわたり過ぎていて、特定のジャンルに集中すべきではないかという内容でした。

Cさんの企業はこの情報をもとにDさんへの投資を再検討することになりました。

【費用】
会社役員の身辺調査 ¥150,000(+消費税)

人事担当者・法務担当者は調査依頼を検討しよう


今回は企業信用調査、反社チェック、身体検査について紹介しました。
企業の人事担当者や法務担当者は、必要に応じた調査の依頼を検討しましょう。
早期に対応することで、大きなトラブルを未然に防ぐことができますよ。
日本全国対応、世界基準の調査を依頼するなら「JAPAN PI」
法人、個人共にさまざまな調査を依頼できます。詳細は公式ホームページよりご確認ください。

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