デキる仕事人の出張報告書やレポートの書き方は?心得を解説

デキる仕事人の出張報告書やレポートの書き方は?心得を解説

出張後に提出する報告書や出張レポートは、会社に対して出張の内容や成果などを伝えるために必要な書類です。
今まで「なんとなく」で済ませていた出張報告書も、書き方・向き合い方を変えれば仕事の成果やビジネススキルアップにもつなげられます。今、テレワークなどで、より社内の仕事の進捗状況などを共有するための報告書作成を求められることも増えています。そんな中、読み手に伝わる、分かりやすい報告書はビジネスをよりスムーズに、効率的に前進させるためのツールとなり得ます。
今記事では、自身のスキルアップにもつながる出張報告書やレポート作成時のポイント、覚えておきたい考え方を詳しく解説します。

1.出張報告書を書くための心構え

出張報告書やレポートは、読み手である上司や同僚に、出張時の成果や出張中に得た情報・知見を伝えるために作るものです。同時に、あなたが出張で得た成果を残しておく大切な書類となります。
今まで「書かなければならないから」とあまり意識せずに報告書を書いていた方もいるかもしれませんが、報告書作成の時間は、読み手に伝わる技術を磨くチャンスでもあります。どうやって報告書作成を通じてスキルアップを図るかは記事後半で触れるとして、まずは、出張報告書にどんな内容を盛り込めばいいのか、そしてどんな基本姿勢で作ればいいかを知りましょう。

1-1.出張報告書の基本的事項を押さえよう

会社によっては提携の報告書フォーマットがあるところもあるかもしれませんが、おさらいとして、出張報告書に書く一般的な項目を見直してみましょう。

【出張報告書に書く内容】
(1)作成日
(2)作成者
(3)出張先と出張期間・スケジュール
(4)同行者
(5)出張の目的
(6)出張の成果ならびに決定事項、確認事項
(7)所感
※添付書類(あれば)

この基本項目の中で、次の仕事に生かす上で一番力を入れたいのが(5)〜(7)にあたる部分です。

なかでも「出張中の成果や決定事項・確認事項」は、とても大切な項目。
報告書やレポートの作成に慣れるまでは面倒なように思えるかもしれません。しかし出張中の行動や得た情報をきちんと整理して、今後のビジネスにつなげるためには欠かせない項目です。

1-2.出張報告書でPDCAを回してみよう

いうなれば、出張報告書作成の時間はビジネスの基本となるPDCA(Plan/Do/Check/Action)のCheckにあたる部分です。

(1)出張の目的・目標
(2)出張中にどんなことがあったか
(3)(2)を受けて、(1)はどの程度達成できた/できそうか
(4)課題と次のアクション・目標

この4つを整理しながら出張報告書を作ることで、携わっている仕事やプロジェクトのPDCAを回すのも、きっとスムーズになるはずです。

また、PDCAを意識すると、出張前に「今回の出張の目的・目標はなんだろう」とマインドセットできるため、より出張の成果も出しやすくなります。
例えば、市場リサーチのための出張に出かけるとすれば、目的(市場リサーチ)に向けてどこを周ればいいか、何を見ればいいかをより詳細にイメージできます。また、実際に現地で何を見るべきかもあらかじめ意識することができるので、帰国後に「見たはいいけれど、そこから何か得られることはあるかな?」と困ってしまうようなこともなくなります。

出張前・出張中の意識が変われば報告書作成もスムーズになり、書く時間も、今まで以上に有意義なものとなるでしょう。

2.出張報告書で「伝えるスキル」を磨こう

これから紹介するポイントを意識しながら出張報告書を書くことで、あらゆるビジネスシーンで必要となる「相手に伝える」スキルのトレーニングにもなります。
テンプレートの整え方から始まり、結論を明確にした文章の書き方、資料の添付方法など、読み手に伝わる報告書の書き方・作り方で盛り込みたいポイントはたくさんあります。
早速、一緒に見ていきましょう。

2-1.伝えたいことは簡潔に書く

ビジネス文書だけでなくどんな文章を書く際にも共通して言えるのが、読み手にとって伝わらない文章をいくら書いても意味がないということです。
伝えたいことほど、難しい言葉や修飾語は使わずシンプルに書くことが、一番大切。

特に出張報告書やレポートは文学作品やコラムではありませんから、長々と書く必要はありません。

【お手本例をチェックしてみよう!】

<お手本例>
・出張の目的:K国へ新商品Aを展開するための市場リサーチ
 主なリサーチ項目
 (1)競合他社の製品価格
 (2)販売環境
 (3)競合製品 購買者へのインタビュー
・出張成果
 (1)競合他社の製品価格:Hタウン内にある競合他社製品の販売価格は以下の通り
  O社:▲▲▲▲〜▲▲▲▲
  I社:▲▲▲▲〜▲▲▲▲
 (2)販売環境
  ・スーパーマーケットの陳列棚サイズは平均○〜○
  ・陳列方法:当初想定していた張り出しゴンドラよりもバスケット陳列が多数。
  ・競合他社のパッケージカラーはO社〜〜、I社〜〜。
 (3)競合製品 購買者へのインタビュー
  ・別紙資料・統計表参照
・今後の確認事項・検討事項
 (1)パッケージの再検討
  主たる販路であるスーパーマーケットは、陳列棚が〜〜。
  パッケージ素材をより頑丈なものにする必要あり(※資料A参照)
 (2)価格
  当社の予定していた価格よりも競合他社製品は30%低価格。価格は要検討。
<真似したいポイント>
何が書いてあるのかを項目でわかりやすく分け、要点のみを簡潔に記載。
詳細の情報は別紙資料などにまとめることで、読み手は要点をすぐに把握することができるようになりました。
読み手である上司やチームメイトの限られた時間を、報告書を読む時間で無駄にしないよう、簡潔に書くことを意識しましょう。

【NG例も見てみよう!】

先ほどご紹介したお手本例との比較のために、わかりにくい報告書NG例を見てみましょう。どんなところを改善したらいいのか、考えながら読んでみましょう。

<NG例>
当社新商品Aの市場リサーチで出向いたK国は暑い国だった。湿度の高さや空港に降り立ったときの香りから、日本とは全く違う文化圏の国であることが感じられた。
我々が最初に出向いたHタウンでは、道に屋台が並び、人々の着る服は原色のものが多かった。商品Aがどの程度受け入れられるのか、まず我々が向かったのは、Hタウンの中央部にあるスーパーマーケットであった。スーパーマーケットに並ぶ競合となりうるO、I社の商品はパッケージがいずれもグリーンで、袋入り。商品を棚に並べる際には乱雑でも気にしないというK国の国民性が〜〜〜(続く)。
<NGポイント>
一体どんなところがNGなのか考えてみましょう。
まず、1つ目がレポートを見たときに、何が要点なのかがひと目でわからない書き方が問題です。本題にいつ入るかわからない、小説のような書き出しも出張報告書には相応しくないでしょう。

2-2. 結論は先に書く

簡潔に書くのがなかなか難しいという方は、結論をまず先に書くよう意識してみると良いでしょう。
結論を書いて、その後に理由を書いていくようにすれば、読み手もわかりやすく読み進められます。また、書いている自分自身も思考を整理できます。

【お手本例をチェックしてみよう!】

<お手本例>
・パッケージの再検討について
パッケージはより頑丈で潰れにくい形状・素材へと見直しが必要。
K国の陳列方法はバスケット陳列が多いため、重ねて陳列した際にもパッケージを損傷しない形状を考えるべき。
ほぼ全てのスーパーで深さ○cm、横○cm、縦○cmのバスケットが主流であった。このサイズのバスケットに山盛りにした際にも耐えうるパッケージ再考が一番の課題。
<真似したいポイント>
先に何を言いたいかという結論を伝えてから、簡潔に理由を書いてあります。この書き方なら、理由の記述部分もすんなりと読み手の頭に入ってきます。

【NG例も見てみよう!】

結論が文章の最後にある報告書は読み手にどんな印象を与えるでしょうか?
実際に、結論が最後に出てくるNG例を見てみましょう。

<NG例>
K国のスーパーマーケットにおける商品陳列方法は、バスケット陳列が多く商品も乱雑に扱われているシーンが多々見受けられた。例えば、Aスーパーでは〜〜〜。Bスーパーでは〜〜〜だった。こうした扱いにも耐えうる(パッケージを損傷しない)素材や形状の見直しが必要である。
<NGポイント>
「(パッケージの)素材や形状の見直しが必要である。」という結論に至るまでの間に、陳列方法に関する記述が長々と続いています。
これでは、読み手が結論にたどり着くまでの間に、読むことに飽きてしまったり、何の話をしているのか分かりにくくなってしまったりする可能性があります。
【コラム】報告書作成にも役立つPREP
結論から話す方法論として、ビジネス書などでもよく紹介されているPREP法は報告書作成時にも役立ちます。

PREPとは、Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(締め括りとしての結論)の略。

結論から書かれている報告書は、読み手の時間も無駄にしませんし、書かれていることを分かりやすく理解できます。より説得力のある報告書にもなりますから、この機会にマスターしてみてはいかがでしょうか?

※参考『話すスキルUP すぐできる! 論理的な話し方 話の組み立て方が上手になるPREP法の使い方』(大嶋友秀著/日本能率協会マネジメントセンター)
https://honto.jp/netstore/pd-book_25552668.html

2-3.箇条書きや図・写真も適度に取り入れる

出張レポートや報告書なら、箇条書きや出張中に撮った写真なども適度に取り入れるといいでしょう。
例えば、出張中に得た情報やデータを記す際には、ポイントを箇条書きで入れてあげるとわかりやすくなります。また、図や写真は文章だけでは伝えられない情報を伝える補助にもなりますから、使えるものがある場合には積極的に活用してみましょう。
報告書もある意味で、プレゼン資料と同じです。読み手が読みやすくなるように工夫をしてみましょう。

※詳しくは「海外出張後のもう一仕事! 報告書の作成に使えるテクニック&おすすめアプリ」(BThacks)を参照
https://www.bthacks.com/2943

3.報告書作成にも生かせる出張中や出張前の心がけ3つ

出張レポートや報告書を書く際に覚えておきたいのが、ここから解説する出張中の心掛けです。
きちんとこの3つのポイントを押さえて行動しておけば、いざ出張報告書を書く際にも「何を書けばいいのかわからない!」と頭を悩ませることもなくなります。また、ここでご紹介する3つのポイントは日々の仕事にも活かせる考え方。是非、覚えておきましょう。

3-1.常に目的を意識する

出張に行く際には、必ず目的や目標を持っておくことが大切です。
出張と一言で言ってもその目的は様々。商談やリサーチ目的の場合もあれば、研修や知見を広げるための出張もあるでしょう。
交通費も時間もかかる出張ですから、自分はなぜ行くのかを考えて、目的意識を持つことが大切です。

3-2.得た情報や知見を次につなげられるかを考える

出張中に商談を成立させるなど明らかな目的がある場合には、全力で成果を出すために準備もしていることでしょう。
とはいえ、なかなか商談がうまくいかない場合もありますし、市場リサーチなど分かりやすい答えがない目的・目標がある場合もあります。

出張を少しでも、成果に生かすためには、「今回の出張でどんな情報を得られたか」「次につなげるとしたら、それをどう生かすか」を常に考えてみましょう。

<例>
O社との商談決裂の要因
・タイミング:O社の決算は10月のため、決算直前の新たな取り組みには慎重な様子。
・競合B社の動き:現在クライアントOにB社がアプローチをかけている。条件は不明だが、契約金額面で当社よりも条件が良い。一方で保証については当社が好条件(情報元/担当N氏)

3-3.出張前の準備も怠らない

いい出張報告書やレポートを書くのはもちろんのこと、出張を仕事に生かすためには出張前の準備も大切です。
例えば、リサーチ目的の出張なら、インターネットでも見つかる情報を得るだけでは意味がありません。そこにいかなければ得られない情報は何かを見極め、どんな視点や項目でリサーチするべきなのかを考えてみましょう。

海外進出を検討していて、現地の反応を見たいなら、展示会以外でも街の人の声を聞く機会が持てないか探してみてもいいでしょう。

<出張準備でやっておきたいことの例>
・リサーチすべき項目の整理
・リサーチ先となる候補地の選定/スケジュール組み
・インタビュー対象者の手配

4.上手に出張報告書を書きたい人向けオススメ書籍

出張の移動中に本を読む時間があるなら、出張報告書作成にも生かせる本を選んでみてはいかがでしょうか。最近では電子書籍やオーディオブックなど、物理的に本を持ち歩かなくても本を読める時代です。隙間時間もスキルアップに生かしてみましょう。

4-1.ベストセラー『コンサル一年目が学ぶこと』

Amazonのビジネス書カテゴリーでトップセールスを記録しているこちらの1冊は、出張報告書やレポート作成にも役立つ考え方や仕事の仕方などのエッセンスが詰まっています。
仕事のあらゆるシーンで使えるスタンスが学べるので、次の出張のお供に選んでみるのも良いでしょう。

・『コンサル一年目が学ぶこと』(大石哲之 著)

画像出典:amazon
https://www.amazon.co.jp/コンサル一年目が学ぶこと-大石-哲之/dp/4799315323/ref=tmm_pap_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=&sr=

定価:1,650円
https://www.amazon.co.jp/コンサル一年目が学ぶこと-大石-哲之/dp/4799315323/ref=tmm_pap_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=&sr=
※Kindle版あり

4-2.『マッキンゼーで叩き込まれた 超速フレームワーク 仕事のスピードと質を上げる最強ツール』

出張中にどんなことを意識すればいいのか、そしてどう思考を働かせればいいかが学べる1冊です。PDCAなど既に当たり前になっているビジネスのフレームワークを実践で活かすためのエッセンスがわかりやすく解説されているので、出張移動中に読んですぐ、仕事に活かせます。

・『マッキンゼーで叩き込まれた 超速フレームワーク ――仕事のスピードと質を上げる最強ツール』(大嶋 祥誉 著)

画像出典:amazon
https://www.amazon.co.jp/超速フレームワーク-仕事のスピードと質を上げる最強ツール-単行本-大嶋-祥誉/dp/4837927971

定価:1,650円
https://www.amazon.co.jp/超速フレームワーク-仕事のスピードと質を上げる最強ツール-単行本-大嶋-祥誉/dp/4837927971
※Kindle版あり

まとめ:出張報告書作成もポイントを抑えてスキルアップ!

今までなんとなく書いていた出張報告書。今回ご紹介した書き方のポイントを意識して、報告書を作成してみてはいかがでしょうか?報告書を書く時間を通じて、相手に分かりやすく物事を伝えるスキルやプレゼンスキルも磨けることでしょう。
ぜひ、明日からの仕事に生かしてみてくださいね!

文:オナイ ウイコ
編集:山﨑 梨恵(リベルタ)

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