ネイティブにもきちんと意味が通じる、英語のビジネスメールを書きたい!と思ったことはありませんか。
わからない単語や言い回しがあるときに、インターネットの翻訳機能を使うと便利です。
しかし、ニュアンスの違う翻訳が出てくることもあるので、使うときは注意が必要。
英語のビジネスメールは、翻訳機能に頼らなくても、ポイントをおさえて書けばそれほど難しくありません。
この記事では、英語のビジネスメールで使える実用的な例と、ついたよりがちな翻訳機能との違いについて解説!
英語ネイティブの人ともスムーズにやりとりできる「書き方のコツ」をご紹介します。
1.英語のビジネスメールに欠かせないポイント5つ
日本語のビジネスメールで、時候の挨拶や近況報告などを入れたことがある人もいることでしょう。
一方、英語のビジネスメールを書くときに重要なのが、短く簡潔に書くことです。
長く要領を得ないものは読んでもらえないことが多いので、分かりやすいビジネスメールを書くよう心がけましょう。
以下の5つをおさえておけば、英語のビジネスメール作成の難易度は低くなります。
【英語のメールで最低限必要な5つのポイント】
1)メールの宛名
2)用件
3)連絡事項
4)締めの言葉
5)署名
次の章からは、各項目を詳しく見ていきましょう。
2.これだけわかればOK!宛名の書き方
英語のビジネスメールでは、宛名の書き出しを相手との関係性によって使い分ける習慣があります。
初めて送るメールの相手や、何度も会議で顔を合わせた取引先へのメールなど、相手を知っているかどうかがポイントです。
この章ではまず、宛名の書き方について詳しく説明していきます。
2-1.定番の「〜様」
「〜様」に相当する英語は「Mr.」あるいは「Ms.」です。敬称の後は苗字だけをいれましょう。
日本語のメールの宛名のように、肩書きをつけたりすることは一般的でないため注意!
翻訳機能を使うと「〜様」が「looks」と表示されることがあります。
こちらは「物事や人のありさま」を指す言葉です。
「鈴木様」「山田様」などの敬称に変換されるわけではないので、使わないほうが無難です。
また、「Dear Mr. Smith」「Dear Mr. White」のように、名前の前に「Dear」をつけると丁寧な表現になります。
ビジネスメールを送るときは必ずつけましょう。
【例】
・Willam Smithさんにメールを送るとき
◎Dear Mr. Smith (目上の相手の場合)
◯Mr. Smith (顔見知りの相手の場合)
×Dear Mr. William Smith
2-2.名前がわからない相手への宛名
部署と役職はわかっていても、名前がわからない場合「Dear Sales Manager(営業部責任者様)」など、
Dearの後に部署名+役職をつけましょう。「Mr.」はつけません。
【例】
・名前がわからない、相手先の営業部長にメールを送るとき
◎Dear Sales Manager
×Dear Mr. Sales Manager
× Mr. Sales Manager
2-3.部署名しかわからない相手の宛名
「人事部」「総務部」など、部署名だけを宛先にする場合も、Dear+部署名で通じます。
日本語のビジネスメールでよく使う「御中」という表現は、英語にはありません。
代わりにDearを入れるのが、「御中」に最も近い言い回しです。
翻訳機能だと「Your」と出てくることがありますが、誤りなので使わないようにしましょう。
【例】
・名前がわからない、相手先の顧客サービス部にメールを送るとき
◎Dear Customer Service
【翻訳機能を使った例】
×Your Customer Service(あなたのカスタマーサービス部)
2-4.部署も名前もわからない相手の宛名
初めてメールを送る取引先など、相手の名前も部署もわからないときは「To whom it may concern,」や「Dear Sir or Madam」が使われます。
翻訳機能を使うと「To the person in charge」と出てくることも。
この言い方は、「担当部署の責任者」を指す意味合いが強いです。
会ったこともないような相手には、少々失礼に思われることもあるので、使わない方が無難でしょう。
【例】
・担当者の名前がわからず、「ご担当者様」としたいとき
◎To whom it may concern (アメリカ英語)
◎Dear Sir or Madam(イギリス英語)
◯Dear all (相手の部署全体に通知する場合)
【翻訳機能を使った例】
×To the person in charge(担当責任者様)
3.できるだけ簡潔に!用件の書き方
日本語のビジネスメールを作成するとき、簡単な時候の挨拶を入れると「丁寧なメール」と認識されることがあります。
しかし英語のビジネスメールでは、挨拶を入れる習慣がほとんどありません。
本題や用件と関係ない内容が入っていると、「長くてわかりにくい」と相手をイラつかせることも。
ここでは、すぐに目を通してもらえて、わかりやすい用件の書き方についてご案内します。
3-1.まず名乗る
最初に名乗り、直後に用件を書きましょう。
名乗らずにいきなり用件から始めるのは、「何年も取引していてよく知っている相手」
「プライベートでも親交のある相手」など、くだけた間柄の場合に限ります。
また、翻訳機能を使うと「I’m ○○〜」で表示されることがあります。
しかしこのフレーズは、病院の順番待ちのときなど「その場にいる誰が○○さんなのか」を確認したり、
その場で名乗ったりするときに使われることが多く、メールには向きません。
【例】
・BTHacks社の山田太郎さんが取引先にメールを送るとき
◎My name is Taro Yamada from BTHacks Corporation.
【翻訳機能を使った例】
×I’m Taro Yamada from BTHacks Corporation.(BTHacks社の山田太郎はここにいます)
3-2.言いたいことを最初に伝える
日本語のメールでは、まずメールを送った理由や背景から書き出す人も多いことでしょう。
しかし英語ではまず、一番言いたいことを先に言うのが習慣です。
「I’m writing you to〜(〜についてご連絡しております)」の言い回しは定番なので、覚えておくと良いでしょう。
くれぐれも「I want to〜」と書き出さないよう気をつけましょう。
翻訳機能で出ることがあるフレーズですが、子供がわがままを言うときなど「どうしても〜をしたい」という気持ちがこもった、かなり強い言い回し。
取引先への注文数を伝えるときなど、ビジネスメールで使う場合はフォーマル感が薄れ、感じの悪い書き方になりがちです。
「I want to〜」をあえてビジネスの場で使うなら、
I want to triple my sales by next year.(来年までに個人売上高を3倍にしてみせる!)
など「〜してみせる、〜したいと強く考えている」と前向きな強い希望を表現したいときがふさわしいでしょう。
面談相手の上司や、面接担当者に自分のやる気を伝えるときなど、シチュエーションをよく考えて使いましょう。
【例】
・6月20日14時に行われる会議について確認したいとき
◎I’m writing you to confirm our meeting at 14:00 on June 20.
【翻訳機能を使った例】
×I want to confirm our meeting at 14:00 on June 20.(どうしても、6月20日14時に行う会議の確認をしたいんだよ!)
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4.感じの良いメールを書くときに必須!連絡事項の言い方
英語には、敬語表現がありません。
しかし相手に対しての丁寧な言い回しは、不要なトラブルを避け誠意を表現する意図を含んでいます。
そのため、ビジネスでは使われる頻度が高く、覚えておくと損はありません。
ここからは、感じの良いビジネスメールを書くコツをご紹介します。
4-1.押し付けがましくないように依頼する
「〜をご検討頂けますでしょうか」など、日本語の丁寧な要望表現のように、英語にも柔らかい言い方があります。
その代表が「Would you like to〜」と「Could you〜」の2つ。
1)Would like you to〜=〜するつもりがあるか
2)Could you 〜=〜が可能かどうか
の違いがあるので、使い分けましょう。
日本では「please」をつけると丁寧な言い回し、と思われがちです。
翻訳機能でも見ることがありますが、pleaseには「お願いだから〜して欲しい」という、強いニュアンスが含まれる場合があります。
ビジネスメールで使うのは控えた方が良いでしょう。
【例】
・営業会議の開始時間を聞きたいとき
◎What time would you like to start the sales meeting?(何時に営業会議を始めたいかお知らせください)
◎Could you possibly start the sales meeting at 9:30?(9:30の営業会議に参加可能かお知らせください)
【翻訳機能を使った例】
×Please inform me what time you want to start the sales meeting.(お願いだから、一体何時に営業会議を始めたいのか教えてくださいよ!)
4-2.気持ちに近い英語で謝る
間違った内容のメールを送信してしまったときや、顧客や取引先からのクレームにメールで謝罪するときなど、
謝罪のメールを作成するときに「I’m sorry〜」と書いた覚えがある人もいることでしょう。
「sorry」を使うのが間違いではありませんが、ビジネスの場で使うシチュエーションは限られます。
会議の日程訂正など、深刻でない内容を謝るときに「very」もつけて
「I’m very sorry〜(失礼いたしました)」と切り出すと、丁寧な印象を与えます。
一方、会議への招待を断ったり、先方の申し出を辞退したりなど、
深い謝罪を表現するときは「I apologize〜」と言うと真剣さが伝わりやすくなります。
顧客からのクレームなどに最上級の謝罪を伝えたいなら「I regret〜」が良いでしょう。
誠に遺憾に感じている、と言うとても丁寧なニュアンスです。
【例】
I included the wrong address of our office in the previous e-mail. I’m very sorry for the mistake.
(先ほどのメールでお伝えした、当社オフィスの住所に誤りがありました。失礼いたしました)
Thank you for your kind invitation to your company’s celebration. I apologize for missing it.
(御社の式典にご招待くださいまして誠にありがとうございます。あいにく、出席できないことをお詫びいたします)
We very much regret that the product sent to you was damaged.
(お送りした製品に破損がありましたことを、心よりお詫び申し上げます)
5.最後も抜かりなく!締めの言葉
「sincerely」は、「敬具」や「よろしくお願いいたします」に相当する英語の結語として多くの人が使っていることでしょう。
そこから一歩踏み込んで、結語を使い分けてみませんか。定番の単語は3つほどで、これだけ覚えておけば十分です。
5-1.フォーマルな表現「sincerely」
まず「sincerely」は最も使われ、かしこまった表現。日本語で言う「敬具」に当たります。
上得意の顧客や、取引をしたことがある相手など、少しでも知っている人へのメールに使うのがピッタリです。
「Yours」をつけるとさらにフォーマルな言い回しです。
【例】
◎Sincerely,
◎Sincerely yours, (アメリカ英語)
◎Yours sincerely,(イギリス英語)
5-2.初めてメールを送る相手に使う「faithfully」
同様のニュアンスで、「faithfully」と言う言い方もあります。
こちらは、相手に一度も会ったことがなかったり、初めてメールを出す相手だったりするときに使うのが一般的です。
謝罪のメールなどには「Yours」をつけ、もっとあらたまった言い方にしても良いでしょう。
【例】
◎Faithfully,
◎Faithfully yours, (アメリカ英語)
◎Yours faithfully,(イギリス英語)
5-3.親愛を込めた「regards」
また、ビジネスメールで「regards」を目にすることも多いもの。
こちらは「sincerely」より柔らかい言い方で、「どうぞよろしく!」といった親愛のニュアンスがこめられています。
よく知っている取引先や顧客に使うと好印象です。
なお、翻訳機能で「敬具」と入れたとき、「very truly yours」と翻訳されることがあります。
とてもフォーマルな言い方ですが、時代劇の主人公のような、古い言い回しです。
使わないようにしておきましょう。
【例】
◎Best regards,
◎Kind regards,(ややフォーマルな言い回し)
【翻訳機能を使った例】
×Very truly yours,(よろしくお頼み申しあげ候)
6.日本語のビジネスメールと違う!署名の書き方
ビジネスメールを書くときは、本文の一番最後に「署名」として、自分の名前や役職、所属する会社名などを入れるのが一般的です。
英語でも同様ですが、書き方に少しコツがあります。
ここでは、英語の署名欄について詳しく見ていきましょう。
6-1.自分の名前を一番上に書く
日本語メールなら、社名・部署名と役職名・自分の名前・メールアドレス・会社のURL、の順に書くのが一般的です。
しかし英語では、署名の順番が異なります。
1)自分の名前
2)役職と部署名
3)社名
4)住所と電話番号
5)自分のメールアドレス
6)あれば、自社のHPのURL
最低限、この6項目ははずさないようにしておきましょう。
メールソフトの自動署名機能には、この順番で入力されるよう設定しておくと便利です。
【例】
・株式会社BTHacks社の営業係長、山田太郎さんが取引先にメールを送るときの署名
Taro YAMADA (Mr.)
Team Manager / Sales Department
BTHacks Co.,Ltd
1-2-3, Ginza Chuo-ku,Tokyo,Japan
TEL:+81-3-123-4567
E-mail:Taro-Yamada@BTHacks.co.jp
Website:https://52.196.159.221/
6-2.間違えやすい肩書きに注意
President(社長)やOfficer、Director(執行役員や取締役)など、名詞が1つしか無い肩書きなら、間違えることも少ないでしょう。
しかし、「部長」「課長」を翻訳機能で検索すると、同じ「Manager」と表記されることがあります。
部長は「General Manager」、課長は「Senior Manager」とする方が通じやすいので、覚えておきましょう。
ちなみに、アメリカの企業でCEOがいるような組織では、部長の職位を「Vice President」と呼ぶことがあります。副社長とは異なりますのでご注意を!
参考: https://blog.cimplexmarketing.com/2022/05/officer-2/
【例】
会長 Chairperson
専務取締役 Executive Managing Director, Senior Managing Director
常務取締役 Managing Director, Executive Director
部長 General Manager
課長 Senior Manager
係長 Team Leader
主任 Supervisor
CEO(Chief Executive Officer 経営最高責任者)という役職を耳にした人もいることでしょう。
この単語に含まれている「Exective」とはどういった立場の人を指すのでしょうか。
「Executive」には「重役」という意味が含まれ、「組織の経営陣」にいる人のことを指す言葉です。
executiveの後に続く名詞は、組織や会社によって異なり、Executive Director、Executive Officer(執行役員、取締役)などで表記されます。
また、「senior」がつく肩書には「上級」という意味があります。
しかし、組織によって職位の分け方は異なるため、senior managerでも「部長」以上の上級管理職に相当することがあります。
いずれの場合でも、相手の名前に肩書をつけるのは、名前が分からない一番最初のメールの宛名だけにとどめておきましょう。
うっかり多用してしまうと、相手によっては「バカにしているのか」と怒らせてしまうこともあるので、ご注意を!
まとめ:わかりやすい英語のビジネスメール作成を心がけよう
英語のビジネスメールは、書き方のルールやポイントさえわかれば、いっそう内容が伝わりやすくなります。
付き合いが長い取引先や大口の顧客など、大事にしたい相手へのメールならなおのこと、意図する内容を誠実に伝えたいものですね。
この記事でご紹介したコツは、英語でのメールのやりとりで実際に使えるものばかりです。
ビジネスシーンでぜひ、活用してみてください!
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