ヘルスケア

2025.09.24

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イタリアの生理事情を在住者が解説!レビューや現地最新情報も紹介

イタリアへ出張するときや旅行中、生理になったらどう対処するべきでしょうか。
どんな生理用品があるのか、どこでナプキンなどを購入できるのかなど、イタリア滞在時に知っておくべき最新情報を、イタリア在住の筆者がご紹介!
イタリア女性に人気がある生理用品のレビューや、現地で購入できる鎮痛剤の種類、イタリア人が持つ生理への意識についての考察など、現地で役に立つ情報も合わせて解説しています。
イタリア出張や旅行の予定がある人が知っておくと、現地で生理になってしまっても安心です。
 

目次

1.イタリアでよく見かける生理用品とブランド


 
イタリアでは、下記の生理用品をよく見かけます。
 
【ポピュラーな生理用品】
・生理用ナプキン
・タンポン
・経血吸収ショーツ
・月経カップ
 
イタリアでは、生理中をより快適にアクティブに過ごしたい、というニーズが高いです。
そのため、このニーズにそったものが、サニタリー商品を扱う各社でたくさん展開されています。
使用率は低いものの、繰り返し使える月経カップも認知度が高くスーパーや薬局でよく見かけます。
近年では、経血吸収型水着なども一部アパレルでリリースされ、生理中でも夏のバカンスシーズンを海で過ごしたい女性に人気です。
 
次からは、イタリア国内でよく見かける生理用ナプキンとタンポンの主要ブランドを見ていきましょう。
 

1-1.【Le Lines(レ・リネス)】種類が豊富


画像出典:Amazon LINES販売ページ
 
スーパー、薬局、コスメショップなど生理用品を扱っている店でならどこでも見かけるのが、Le Linesのナプキンです。
経血量、使用時間帯、使用感、素材などいろいろなニーズに合わせて使い分けられるよう、他種類のラインナップがあり、イタリア女性に広く認知されているトップブランドです。
 
力強い目のマークと、ピンクや紫などの印象的な色使いが売り場でも特に目を引きます。
また、有名デザイナーとコラボした限定パッケージも、人気の一つです。
 

【製品情報】
Le Lines
参考価格:1.19〜17.90ユーロ(梱包個数によって異なる)
種類:Lines è、Lines SETAなど9種類
公式サイト:https://lines.it/

 

1-2.【Nuvenia(ヌベニア)】使用感重視の商品ラインナップ


画像出典:Nuvenia公式サイト
 
ヌベニアは、スウェーデン発の衛生・健康プロダクト製造メーカーが、世界中で展開している生理用品の一つで、イタリアではヌベニアという商品名で販売しています。
レ・リネス同様に、イタリアのお店でよく見かける生理用品ブランドとして高い知名度があります。
 
肌触りの良さと漏れ対策を重点にした商品を展開していて、イタリア国内でのシェアは第2位。
特に経血吸収ショーツの種類が多く、初潮を迎える若い世代向けのものもリリースされていて人気を集めています。
 

【製品情報】
Nuvenia
参考価格:1.74〜25.80ユーロ(梱包個数によって異なる)
種類:Pure Sensitive、V-Protectionなど4種類
公式サイト:https://www.nuvenia.it/

 

1-3.【Tampax(タンパックス)】使いやすさが人気


画像出典:Tampax公式サイト
 
Tampaxは、アメリカ発のグローバル企業P&G社がプロデュースするタンポンのブランド。
イタリアでは、Le・Linesを製造するメーカーが製造しています。
アプリケーターがついていて使いやすく、イタリア人女性から絶大な支持を集めるタンポンです。
 
プラスチックアプリケーターつきはノーマル、小型の2種類、紙アプリケーターつきは1種類の合計3種類が展開されていて、経血量ごとにサイズを選べます。
 
ちなみに、Amazonイタリアなどの通販では、204個も入った特大パックなども販売されています。
 

【製品情報】
Tampax
参考価格:3.29〜240ユーロ(梱包個数によって異なる)
種類:Compak、&Goなど3種類
公式サイト:https://tampax.it/

 

1-4.【o.b.(オビ)】低価格で手軽に試せる


画像出典:ob公式サイト
 
o.b.は、Tampaxに次いで、薬局やスーパーなどでよく見かけるブランド。
グローバル企業のkenvueから発売されているタンポンです。
こちらはTampaxと異なり、自分の指で膣内にタンポンを挿入するフィンガータイプなのが特徴です。
挿入時、ひっかかりや痛みなどが起こりにくく、敏感肌の人や初めてタンポンを使う人に向いています。
 
経血量別に、少なめ、普通、多め、とても多い日、と4種類のラインナップがあります。
低価格で購入しやすく、若い女性を中心に人気がある商品です。
 

【製品情報】
o.b.
価格:2.49〜22.95ユーロ
種類:Mini、Normalなど4種類
公式サイト:https://www.kenvuebrands.com/it/ob

 

2.実際に試してみた!イタリアの生理用品レビュー


Le Lines SETA ultraとNuvenia V-Protectionはよく見かける売れ筋商品(筆者撮影)
 
ここからは、筆者が実際に使った生理用品をレビュー!
3軒回ったスーパーのうち、全てのお店で売られていたナプキン2品とタンポン2種類を選んで、
・見た目
・使用感
・吸水力
 
の3項目を比べてみました。
 

2-1.【Le Lines SETA ultra(レ・リネス・セタ・ウルトラ)】プラス2個入りでお得感大きめ


期間限定パッケージのLe Lines SETA ultra。売り場でも紫色が目を引いた(筆者撮影)
 
まずは、イタリア女性人気NO.1と評価の高いLe Linesのナプキンから使ってみました。
 
SETA ultraは、べたつかずつけているのを忘れそうなほど薄いのが特徴。
羽付きでズレにくく、Le Linesのラインナップ中でも人気の一つです。
通常パッケージタイプは14個入りですが、今回はお得感があった+2個入りをチョイスしました。
 
【見た目】

限定デザインのパッケージがユニーク(筆者撮影)
 
ポップなデザインで、生理用品という感じが薄れ持ち運びやすそうな見た目です。
包装を開けると、ナプキンの中央部をメインに細かな穴がたくさん開けられていました。
現在は生産終了していますが、日本で以前発売されていた生理用品「ウィスパー」に近いイメージで、吸収力がありそうです。
羽のデザインが独特で、左右対称ではなく上下対称になっているのもユニークでした。
 
【使用感】

指で厚みを確かめると非常に薄型なのがわかる(筆者撮影)
 
商品名にある”seta”は日本語で絹の意味。
その名前のイメージ通りに使用感はとてもさらっとしています。
 
寝る前に装着し翌朝ナプキンの状態をチェックしたところ、染み出してくるような感触もなく表面はさらさらのままでした。
 
しかし、立ったり座ったりが多い昼間は、ショーツにしっかり貼りつけたつもりでもズレやヨレがあり、少量ながら経血の漏れがありました。
筆者はずれにくい羽付きタイプを愛用していますが、別メーカーの左右対称の羽の商品のほうがずれにくいように感じます。
 
つけていないような使用感、肌がさらさらな使用感が好みの人には特におすすめできるナプキンです。
 
【吸水力】
健康な成人女性の場合、一回あたりの経血量は20〜140mlと言われています。
最低量である20mlづつ、色水を数回に分けて含ませてみました。
 
1回目

予想以上にさらさらした感触(筆者撮影)
 
触っただけでは、水を含んでいることがわからないほどさらさらです。
強く押すと少し指が濡れますが、気にならない程度でした。
真ん中を中心に水が吸収されていますが、厚みを感じるほどではありません。
 
2回目
また20mlの色水を含ませると、
 

なでただけでも指先が青っぽく染まった(筆者撮影)
 
軽くなでても、押しても色水が少し手につきました。
また、真ん中を中心にかなり厚みを感じます。
しかし、片手で持ってヨレを再現しても、水が染み出してくることはありませんでした。
 
3回目
3回目の色水を含ませると、見た目にもわかるほど水を吸収しているのがわかります。
 

指で押すとかなりの量の水が染み出す(筆者撮影)
 
軽くなでても、押しても色水が染み出してきて拭きたくなる程度に指が濡れました。
裏から見ると、たっぷりと水を吸収しています。
 

裏面の生地ごしでもも吸水しているのがわかる(筆者撮影)
 
しかし、片手で持ってヨレを再現しても水が染み出さず、表裏反対にしても同様でした。
 
4回目
4回目も20mlの色水を含ませると、
 

80mlの水分量だと飽和状態になることがわかる(筆者撮影)
 
触らなくても表面に水分が浮き上がっているのがわかります。
裏返したところ、とうとう水が染み出して垂れ落ちました。
 

ここまで吸水する前に取り替えないと服に沁みてきそうだ(筆者撮影)
 
SETA ultraは、最大60mlまでなら漏れにくいことがわかります。
日常的に使うなら40ml程度でサラサラ感が薄らぎ、取り替えた方が良さそうです。
 

2-2.【Nuvenia V-Protection(ヌベニア・Vプロテクション)】ぴったりフィットしずれにくい


Nuvenia V-Protectionは外のパッケージ色とナプキンの包装色が対照的で取り出しやすい(筆者撮影)
 
次は、Nuveniaのラインナップの中からスーパーで特によく見かけるV-Protection(羽付き)をチョイス。
Nuveniaのナプキンは、体にフィットする立体設計で漏れにくく肌あたりが良い、とイタリアの評価サイトでも人気があります。
 
【見た目】

後半分に向けて広がる商品設計になっている(筆者撮影)
 
パッケージは白とアルファベットのVをかたどったシンプルなデザインで、清潔感があります。
羽の形は左右対称で、リネスより大きめでした。
少々本体が厚めですが、化粧ポーチに入れたりポケットに入れたりしても目立たない程度なので、持ち運びも楽でした。
見た目からはわかりませんが、指で触ると後ろ半分に厚みを持たせてあって吸収力が高そうなのもポイント。
 
【使用感】
日本製の生理用ショーツに取り付けると、しっかりフィットしてずれにくく安心感があります。
イタリアの女性は普通のショーツにとりつけるので、この安心感が高い人気の理由なのかもしれません。
 
寝る前に装着し、翌朝ナプキンの状態をチェックしたところ、全くずれていませんでした。
少々心配していた後ろ漏れもなく、中心部分でしっかりと経血を集めているという印象です。
立ったり座ったりが多い昼間でもズレやヨレは一切ありません。
イタリア旅行中にトレッキングなど運動をする予定の人や、イタリア出張中に長時間外回りをする、という人におすすめです。
 
【吸水力】
今回も20mlずつ色水をたらして試してみました。
 
1回目

Le Linesのように水分を中に閉じ込めるという感触はなく水がすぐしみてくる(筆者撮影)
 
軽くなでても、押しても色水が手につき、手を洗いたくなるほどでした。
また、真ん中から羽部分にかけて水がしみわたり、特に羽は触ると水気が手につきます。
 
2回目
また20mlの色水を含ませると、

受け止めきれない水分が羽部分へ伝っていった(筆者撮影)
 
羽部分へ伝い漏れが起き、前後の部分へも水がしみていきました。
また、真ん中を中心に盛り上がっているような厚みを感じます。
ところが、片手で持ってヨレを再現しても、水が染み出してくることはありませんでした。
 
3回目
3回目の色水を含ませると、見た目にもわかるほど水の吸収量が限界に達しているのがわかります。

パンパンな状態が一目でわかる(筆者撮影)
 
ひっくり返すと、吸収しきれなかった色水がボタボタと垂れるほどでした。
 
Nuveria V-Protectionは、最大40mlまでなら漏れを食い止めてくれそうです。
しかしサラサラ感は劣るため、日中使うならマメに取り替えた方が快適でしょう。
夜用として就寝時に使うなら、生理が終わりかけた時期に使うのが無難のようです。
 

2-3.【Tampax COMPAK SUPER(タンパックス・コンパック・スーペル)】なめらかな肌触りが使いやすい

 
Tampaxでは、アプリケーターつきタンポンを商品展開しています。
プラスチックと紙の2種類があり、どこでも手に入るアプリケーター式のTampax COMPAKを、経血が多めの生理2日目、就寝時に試してみました。
 
【見た目】

通常タイプの半分程度の大きさ(筆者撮影)
 
グリーンのパッケージがかなり目を引きますが、知らなければ生理用品だとはわかりにくそうなデザインです。
とても小さいので化粧ポーチにも楽々入りました。
 
実際に取り出すと、プラスチックのアプリケーター部分はかなり厚みがある印象です。
 
【使用感】
挿入前に、アプリケーターを完全に引き出す手間があります。
また、強く引っ張りすぎると本体がぬけ抜けてしまい挿入不可能になるので注意が必要でした。
実際に挿入すると、なめらかな肌触りでとてもスムーズなのが快適でした。
異物感もなく、手が汚れないので使いやすいです。
 

本体はo.b.より長め(筆者撮影)
 
寝る前に装着後、ナプキンと併用し就寝しました。
翌朝はなんとなく、物がはさまっているかなという程度の異物感のみ。
しっかり経血を吸収していて、ナプキンが吸収した経血はわずかでした。
紐を引っ張って取り出すとき手が汚れるのが多少気になりますが、タンポンの快適さに比べたら小さいことかもしれません。
ちなみに、筆者は日本にいたとき、日本のメーカーのタンポンを愛用していました。
そのときに感じたサイズ感と比較すると、Tampaxのほうがかなり大きいです。
 
メーカーHPによると最大使用時間は8時間まで、と注意喚起しています。
多い日の日中に試しているため、4時間経過した時点で使用後のタンポンは最大限に経血を吸収していたようで、交換する必要を感じました。
量が多いときは3〜4時間おきに取り替える手間がありますが、漏れる不安が全くないので快適です。
 
経血量が多く漏れ対策をしっかりしておきたい人や、電車での長時間移動などなかなか生理用品を取り替えるチャンスがない人には重宝します。
 
【吸水力】
1回目

水を吸うそばから膨らみ吸収力はバツグン(筆者撮影)
 
ナプキンとは異なり、触れるとすぐ水気を感じます。
縦横のサイズは、水を吸う前の1.5〜2倍ほどになりました。
 

長さは1.5倍程度に伸びた印象(筆者撮影)
 
かなり吸収している割には、ぶら下げてもポタポタ雫が落ちません。
 
2回目
また20mlの色水を含ませると、
 

10ml水を含ませた時点で受け止めきれなくなった(筆者撮影)
 
半分ほど色水を垂らした時点で漏れはじめました。
ぶら下げるとポタポタと雫が落ちます。
 
Tampaxの吸収力は最大30ml程度。
普通量用のナプキンと併用すると、漏れを気にせずに使えそうです。
吸水するとすぐに倍の大きさにふくれるため、少しでも圧迫感を感じたらすぐ取り替えるのが良いでしょう。
 

2-4.【o.b. Super(オビ・スーペル)】初心者でも安心して使える

フィンガータイプのo.b.も、薬局やスーパーなどでよく見かけます。
低価格で購入しやすく、さらにスーパーのセール対象品となっていたため試すことに。
 
【見た目】

見た目の清潔感にはやや欠ける(筆者撮影)
 
セロハン状の透明な包装のため、ぱっと見るとすぐタンポンだとわかります。
包装自体はかなり薄く、開けやすいです。
しかし、化粧ポーチの中でやぶれそうな印象を受けました。
 

紐が水色で長く引っ張るのが楽そうだ(筆者撮影)
 
取り出すための紐はかなり長く、Tampaxの2倍ほどあります。
 
【使用感】

フィンガータイプのタンポンは指でじかに押し込む(筆者撮影)
 
アプリケーターがないので、写真のように親指と人差し指で本体を持ち、残りの指で紐をおさえて挿入しました。
膣の入り口に少し入ったら、中指で一気に奥へ押し込むように使う必要があり、指も手もかなり汚れます。
とはいえ、指で押し込む分どこまで挿入できたかがわかりやすいため、初心者には安心感がありそうです。
 
昼過ぎに装着し、4時間経過した夕方に取り出しましたが、特にナプキンに漏れていることもなくしっかり経血を吸収していました。
気になっていた異物感はほとんど感じず、取り出すときもスムーズにはずせて快適でした。
 
【吸水力】
 
1回目

すごい吸収力なのがすぐわかる(筆者撮影)
 
あっという間に水分を吸収しました。
Tampax同様に、触れるとすぐ水気を感じます。
水分を含んでも長さはほとんど変わっていませんが、直径と高さは水を吸う前の3倍近くまで膨らんだ感じがします。
この時点でぶら下げても、ポタポタ雫が落ちることはありませんでした。
 
2回目
また20mlの色水を含ませると、
 

Tampaxほど長さがない分吸収量が少ないのかもしれない(筆者撮影)
 
5mlほど含ませた時点で漏れ始めました。
見た目は1回目とほとんど変わっていません。
紐を持ってぶら下げると、ポタポタと雫が落ちます。
 
o.b.の吸収力は最大25ml程度であることがわかります。
筆者は日中に使ったため、普通量用のナプキンと併用しても漏れはなく、特に問題はありませんでした。
しかし、使用後はすぐ手を洗う必要があります。
後述しますが、外出先のトイレでハンドソープを使えない場合があるので、使うならホテルの部屋でくつろぐときなどに利用するのが良さそうです。
 

コラム:トイレに行けなくても不安感が少ないアイテム

画像出典:https://lines-specialist.it/pants/pants-discreet

イタリアに出張しているときや旅行中、急に生理になってしまいしかも量が多い、と困ってしまうときがあるかもしれません。
ましてイタリアでは、日本のように無料で使うことができるトイレはなかなか見つからないものです。
長時間トイレに行けなさそうな状況で、漏れたらどうしようと不安になる人に役に立ちそうなのが、履くタイプのナプキンです。

イタリア在住の筆者が愛用しているのは、Le Linesからリリースされている尿漏れ対策用ショーツ。
尿漏れ対策用だけあり、吸収できる量はかなり多めです。
生理2〜3日目ごろの多い経血でも、タンポン無しで余裕で吸収してくれるのが魅力です。
La Linesならではの、表面がさらっとしている使用感もとても快適でおすすめの逸品です。
大きなスーパーなら、ほぼどこでも入手できるのも嬉しいところ。
または薬局なら確実に手に入るので、小さい街に滞在する予定があるときにも心強いですよ。

日本では、ユニ・チャームからリリースされている「ソフィ 超熟睡ショーツ」が使用感も近いです。

 

3.イタリアで生理用品を買える場所


 
生理用品を購入するとき、男性の店員にレジを打ってほしくない、購入するのを見られたくないと考える女性は多いかもしれません。
しかしイタリアでは、生理用品も洗剤や石鹸などと同様に生理用品は日用品の一つ、と捉えている人が男女問わず多いです。
そのため、生理用品を購入することは恥ずかしいことではありません。
筆者も、生理用品を買い忘れたり切らしたりした場合は男性の家族に頼んで買ってきてもらうほどです。
スーパーや薬局でも、食料品や飲料同様にオープンな陳列棚にずらりと並べられ、日本と同様に好きな種類を購入できます。
ここからは、どんな場所で生理用品を購入できるのかを詳しく見ていきましょう。
 

3-1.スーパー


スーパーCONAD(コナド)はイタリア国内だけでなく一部のEU加盟国にも進出するチェーン(筆者撮影)
 
中〜大都市には必ず、市内に数軒あるのがスーパーです。
出張や旅行で何日か滞在するなら、まずスーパーをチェックして生理用品を入手するのが、最も効率良い方法です。
なお、イタリアにはコンビニがありません。
例外的に、ローマやミラノなどの一部の大都市で24時間営業しているスーパーが数えるほどあるだけです。
スーパーの営業時間は7:00〜20:00までのところが多く、需要が高い都市部のお店のみ深夜0:00まで開けていることがあります。
夜突然生理になった、というときにも立ち寄りやすいです。
 
もし夜遅い時間帯に買いに行く場合は、治安を考慮して最低限の現金だけを持ち、買いに行くことをおすすめします。
 

esselunga(エッセルンガ)はイタリア中〜北部に展開する大手スーパーチェーン(筆者撮影)
 
また、前述した大手メーカーの商品以外にも、スーパー独自のPB商品生理ナプキンがあります。
大手メーカーよりさらに価格が安く、量もたくさん入っているため、長期滞在する人は狙い目ですよ。
 

3-2.薬局


緑十字が目印の薬局(筆者撮影)
 
小さな街でも見かけるのが薬局です。
生理用品は衛生用品として、薬局に常備されています。
確実に買いたい、というときは薬局に行くと良いでしょう。
 
当番制で24時間開けている薬局もあります。
出張で仕事がなかなか終わらず、スーパーの営業時間に間に合わなかったが急いで生理用品を買いたい、というときは特に、利用価値が高いです。
また、規模の大きい薬局では自動販売機を設置していることがあります。
自動販売機にもよりますが、生理用品も買えることがあるので、薬局もスーパーも閉まっているという緊急時は頼りになります。
 

3-3.コスメセレクトショップ


化粧品や香水を始め洗剤などの日用品を購入できるのがコスメセレクトショップ(筆者撮影)
 
化粧品や香水、洗剤などの生活雑貨を扱うのがコスメセレクトショップです。
日本でいうとドラッグストアに近く、薬品と食品以外のものはほぼ取り揃えられています。
ここでも生理用品を購入できるので、出張先のホテル周辺にスーパーも薬局も見当たらない、という場合に利用しましょう。
 
スーパーや薬局と比べると生理用品の種類は少なめですが、大手メーカーの売れ筋商品を置いていることが多いので、安心して利用できるでしょう。
 

3-4.オンライン通販


画像出典:Amazon
 
アマゾンイタリアや、大きな薬局で独自に立ち上げている通販サイトなど、近年では生理用品がオンラインで購入できます。
 
スーパーなどの小売店ではまず見かけない、100個近い数が入っている徳用ナプキンなどもあり、人気が高いです。
 

コラム:じわじわ支持率が増えている経血吸収ショーツ

Mutandine Mestrualiは直訳すると「生理用ショーツ」だが日本の生理用ショーツとは仕組みが異なる(筆者撮影)

防水機能を兼ね備えた日本式の生理用ショーツは、イタリアにありません。
イタリア女性がナプキンを使うときは、普通のショーツにセットして使います。
一方、近年登場し注目を集めているのが、スーパーや薬局で見かけるのが経血を直接吸収するショーツです。

ショーツに生理用ナプキンが合体しているような見た目で、使用者が増えていると話題になりました。
生理用品の使用による環境負荷への懸念や、経済的負担の軽減を重視する消費者が増えていることの表れと言われています。
値段は20ユーロ程度するものが多く初期投資はそれなりにかかりますが、洗えば繰り返し使え、すぐに元が取れるところが人気のようです。
ちなみに、連続使用時間は12時間程度、洗濯可能回数は100回程度の製品が大半です。

なお、生理用品だと外からわからないよう紙袋に入れる、などの日本式サービスはありません。
購入した生理用品は、他の購入物と一緒にスーパーのビニール袋に入れて持ち帰るのが一般的です。

 

4.生理痛を和らげてくれる薬の種類


 
生理痛を緩和するための薬が欲しいときは、薬局へ行きましょう。
日本と同様、イタリアでも処方箋無しで買える鎮痛剤が何種類かあります。
ここからは、イタリアでポピュラーな鎮痛剤をいくつかご紹介します。
 
日本の市販薬と比べると、同成分でも含有量が多い薬がほとんどです。
副作用が気になる場合、最初は控えめの量で試すのをお忘れなく。
 

4-1.【Tachipirina(タキピリーナ)】どこの家庭にもある常備薬


画像出典:Tachipirina公式サイト
 
イタリア製薬会社大手のAngelini社で製造しているのが、Tachipirinaです。
Paracetamolo(パラチェタモロ、英語はアセトアミノフェン)が主成分で、鎮痛および解熱薬として広く知られています。
副作用が少ないとされ、イタリアのどの家庭にもある常備薬の一つ。
日本で言うタイレノールAやノーシンなどの市販薬に近く、どこの薬局でも手に入るので利用しやすいですよ。
 
成人向けは2種類あり、処方箋無しで買えるのはparacetamoloの含有量が500mgのタイプです。
錠剤と顆粒に分かれていますが、子供向けの500mg坐薬タイプなどもあります。
薬局で購入するときは「大人向けか子供向け、どちらが必要か」と聞かれるので、買い間違えないよう注意しましょう。
 

【製品情報】
Tachipirina 500mg compresse
参考価格:約2.50〜9.40ユーロ
主成分:アセトアミノフェン
タイプ:錠剤、顆粒
公式サイト:https://www.tachipirina.it/prodotti/compresse/

 

4-2.【Buscofen(ブスコフェン)】最もよく知られた生理のための鎮痛剤


画像出典:Buscofen公式サイト
 
生理痛を緩和する鎮痛剤としてイタリア女性に支持されているのが、Buscofen。
Ibuprofene(イブプロフェネ、英語はイブプロフェン)が主成分で、日本で言うと、イブA錠やバファリンなどの市販薬に近いです。
Tachipirinaのように錠剤ではなく、ソフトタイプカプセルのため鎮痛作用が早いのが特徴です。
どこの薬局でも手に入り、筆者も生理痛がひどいときはこちらを使用しています。
また、大きなスーパーに入っていることがある、parafarmaciaという小規模薬局でも取り扱っていることがあります。
 
Ibuprofeneの含有量が200mg、400mgのソフトカプセルタイプ、水無しで飲める400mgの顆粒タイプの3種類があり、出先ですぐ必要なら顆粒タイプが便利です。
 

【製品情報】
Buscofen
参考価格:約7〜18ユーロ
主成分:イブプロフェン
タイプ:ソフトカプセル、顆粒
公式サイト:https://www.buscofen.it/

 

4-3.【Brufen(ブルフェン)】強めの鎮痛剤


画像出典:Brufen公式サイト
 
Tachipirinaと並び、広くイタリア人に認知されている鎮痛・解熱剤がBrufenです。
子供用のラインナップも多く、常備薬として有名です。
Ibuprofene(イブプロフェネ、英語はイブプロフェン)が主成分で、Buscofen同様に、日本で言うイブA錠やバファリンなどの市販薬に近いです。
 
Ibuprofene含有量が200mg、400mgと2種類あり、200mgは錠剤の通常タイプ、400mgは液体タイプで、水無しで服用できます。
どの薬局でも手に入りますが、400mgは我慢できないほどの強い痛みがある人向けのため、購入前に薬剤師に相談すると良いでしょう。
 

【製品情報】
Brufen
参考価格:約2.8〜7ユーロ
主成分:イブプロフェン
タイプ:錠剤、液状
公式サイト:https://www.brufendolore.it/

 

4-4.【Okitask(オキタスク)】頑固な痛み向けの鎮痛剤


画像出典:Okitask公式サイト
 
Okitaskは、成人用に特化した鎮痛剤として知られています。
頑固な痛みを感じる人に人気が高い鎮痛剤です。
Ketoprofene含有量40mgのものが、錠剤と水無しで飲める顆粒タイプの2種類あります。
 
主成分はKetoprofene(ケトプロフェネ、英語はケトプロフェン)。
この成分は日本国内では市販薬に使われておらず、処方用の外用薬として認可されているものがあるのみです。
光線過敏などの副作用があるとされているため、気になる人は他の鎮痛剤を使いましょう。
 

【製品情報】
Okitask
参考価格:約3.4〜15ユーロ
主成分:ケトプロフェン
タイプ:錠剤、顆粒
公式サイト:https://okiinfiammazioneedolore.it/it/prodotti/okitask

 

5.生理にまつわるイタリア語単語とフレーズ


 
海外へ行ったとき言葉がわからなくても、最近は翻訳アプリなどを使って手軽にモノを購入できるようになりました。
しかし、うっかりスマホをホテルの部屋に置いてきてしまったり、電波が入らなかったりして、いつでもスマホを使えるとは限らないもの。
万一に備えて、イタリアのスーパーや薬局で生理用品を探すときに使えるフレーズを覚えておくと心強いです。
 
〇〇をください:「〇〇, per favor(〇〇、ペル・ファボーレ)」
XXの〇〇が欲しいです:「Vorrei 〇〇 di XX(ヴォッレイ 〇〇 ディ XX)」
例:夜用の羽根つき生理用ナプキンが欲しいです:「Vorrei gli assorbenti con ali per la notte.(ヴォッレイ リ アッソルベンティ コン アリ ペル ラ ノッテ)」
 
イタリア語は、巻き舌で発音するRから始まる単語など一部の単語を除いて、カタカナ読みでも通じることが多いです。
そのため、下記で取り上げている単語を上の例文に当てはめて、お店で応用してみるのもおすすめです。
 
【イタリア語生理用品用語】
生理:mestruazione(生理)
生理用ナプキン:assorvente mestuale(アッソルベンテ メストゥアーレ)/ 注文時は複数形 assorventi mestuali(アッソルベンリ メストゥアーリ)
タンポン:tampone(タンポーネ)/ 注文時は複数形 tamponi(タンポーニ)
普通の日用:normale(ノルマーリ)
多い日用:super(スーペル)
夜用:per la notte(ペル ラ ノッテ)
羽根つき:con ali(コン・アーリ)
羽根なし:senza ali(シン・アーリ)
アレルギー成分無配合:ipoallegenico(イポアレルジェニコ)
防臭:anatomico(アナトミコ)
薬:medicina(メディチーナ)
イブプロフェン:Ibuprofeno(イブプロフェノ)
パラセタモール:Paracetamol(パラチェターモル)
200mg:200mg(ドゥエチェント ミリグランマ)
400mg:400mg(クアットロチェント ミリグランマ)
 

6.イタリアのトイレ事情


 
日本では、生理中でもすぐ利用でき、無料かつ安心して利用できるトイレがどこにでもあります。
しかし、イタリアのトイレ事情は日本ほど恵まれていません。
街歩きするときや移動中など、外にいるときにトイレを使いたくなった場合はどうすればいいのでしょうか。
ここからは、イタリアのトイレ事情を詳しく解説します。
 

6-1.トイレ利用は原則有料


 
日本でよく見る、アパレルやドラッグストアなどが入った商業ビルは、イタリアでほとんど見かけません。
そのため、無料で利用できるトイレを探すのは日本より難しいです。
 
一部の大型スーパーやデパート、郊外型の大規模ショッピングセンターなどがある場合は、無料トイレがあるので見かけたら利用しましょう。
生理用品を入れるサニタリーボックスも、大型のものが備え付けられているので安心して使えます。
また、博物館や美術館はほぼどのフロアにもトイレが設置され無料で使えることが多いですが、長蛇の列になっていることもあるので注意が必要です。
 
街中でトイレに行きたいときは有料と心得ておきましょう。
最も利用しやすいのは、どんな街にも必ず1軒はあるバールやカフェです。
イタリア式コーヒーのエスプレッソか、水のボトルを注文するついでにトイレを使わせてもらえます。
 

トイレには日本同様にサニタリーボックスがあるので生理時でも安心して使える(筆者撮影)
 
ごくまれに、トイレットペーパーが切れたり無かったりするトイレがあります。
念のため、流せるティッシュペーパーを日本から持参すると安心です。
 
また公共交通機関でイタリア国内を移動するときも、トイレ事情は日本ほど良くありません。
以前は特急以外の電車にトイレはついていないことの方が多かったのですが、最近では各駅に停車する電車の中にもトイレがあります。
トイレ内にサニタリーボックスはありますが、トイレットペーパーは特急や新幹線でもついていないことの方が多く、また総じてかなり汚れています。
生理のために移動中トイレを利用する予定がある人は、流せるティッシュペーパーや除菌用アルコールジェルなどを持ち歩くと、移動中も安心です。
 

6-2.ビデを使用すると快適


ビデの近くにはビデ用の小さなタオルも必ず常備されている(筆者撮影)
 
イタリアでは、ほぼどこの家庭でもホテルでも、バスルーム内にビデがあります。
就寝前や生理中に局部を清潔にしたいときなど、イタリアの人たちはビデを日常的に使います。
筆者も、寝る前には必ず使っています。
夏場は特に、かゆみや匂いが気にならなくなるので、快適に過ごせます。
 
ビデを使うときは、普通の石鹸やボディーソープを使うという人もいますが、しみることがあるのでSapone Intimo(サポーネ インティモ、日本語訳は局部用ソープ)という専用のソープがあり、こちらを使う人がほとんど。
スーパーや薬局で売っているので、見かけたらトライするのも良い旅の思い出になりそうです。
 

スーパーのSapone Intimo売り場にはずらりと商品が並ぶ(筆者撮影)
 
ちなみに、日本でポピュラーなシャワートイレは、通販サイトや一部の専門店では取り扱われているものの、まず見かけません。
 

6-3.ゴミの分別に注意

SDGsがイタリアでも叫ばれ始めてから、ゴミの分別が厳しくなりました。
このことに追随するように、生理用品メーカー各社でも「プラスチック削減」「植物性由来原料のみ使用」を重視した商品のラインナップが増えています。
生理用品のパッケージには必ず、どの部分をどのように捨てるのかが記入されていますが、すべてイタリア語での表記です。
そのため、下記を参考に分別し捨てましょう。
 
ナプキン:
本体 / 燃えないゴミ(indifferenziato)
包装 / プラスチックゴミ(multimaterialeまたはplastica)
商品全体の包装 / cartaと書かれている場合は紙ゴミ(carta)
plasticaと書かれている場合はプラスチックゴミ(multimaterialeまたはplastica)
 
タンポン:
本体 / 燃えないゴミ(indifferenziato)
包装/ プラスチックゴミ(multimaterialeまたはplastica)
アプリケーター / plasticaと書かれている場合はプラスチックゴミ(multimaterialeまたはplastica)
cartaと書かれている場合は紙ゴミ(carta)
 
自治体にもよりますが、分別がきちんと行われていない場合警告の張り紙が貼られ、回収してもらえないことがあります。
悪質と見なされた場合は罰則が適用されることも。
知人や友人の家に泊まったりAirbnbを使ったりするときは、宿泊先に迷惑をかけないためできるだけ分別することを心がけましょう。
 

7.イタリア人の生理に対する意識とは?


 
カトリックの教義を基礎とする価値観からくるのか、イタリアでは生理に関する話題は長年タブーとされてきました。
ところが近年では、このようなタブー視をやめるべきだという世論が大都市を中心に高まっており、ミラノやローマでは、デモや啓蒙運動を行う団体が活発に活動している状況です。
 
生理に関わるムーブメントとしてイタリアで最も有名なのは、生理用品にかかる税率の引き下げです。
日本でいう消費税は、イタリアではVAT(付加価値税)と呼ばれています。
品目によって22%・10%・5%・4%と課税される仕組みですが、生理用品の課税率は、宝飾品などと同じ22%。
最高の消費税率がかかることへ異議を唱える世論が高まり、その結果2022年には10%まで、2023年には5%とEU諸国と同水準に引き下げられました。
しかし2024年からは10%と、再び上昇しています。
 
ここからは、イタリア人がもつ生理への意識について考えてみましょう。
 

7-1.イタリア男性が持つ生理への意識

日本では、女性の生理を理解している、または理解したいという男性は少数派かもしれません。
2021年に日本財団が行った調査によると、生理について女性の友人や知人と話すのに抵抗を感じるという人の割合は39%でした。
また、生理について知りたいと考える男性の割合も高くはなく、30.4%という結果に。
このことから浮かび上がってくるのは、日本人男性が生理に対して関心が薄めであり、話題にするのも抵抗を感じている、ということかもしれません。
 
それでは、イタリアの男性の意識はどのようなものでしょうか。
nuveriaを製造しているessity社がイタリア人男女を対象に行った、2019年の意識調査の結果から紐解いてみましょう。
 
まず、女性から見た男性の印象は、
 
【イタリア女性から見た生理に対する男性の印象】
女性と生理について話すときの男性に対して、興味がなく自分には無関係という印象を持ったことがある女性の割合 / 62.5%
男性が生理の話題を恥ずかしく不安そうに話す印象を持つ、という女性 / 60.7%
 
という結果が出ています。
 
この印象を裏付けるように、生理に対する誤解を持つ男性が一定数いることが下記の調査から判明しています。
 
【イタリア人男性が持つ生理への誤解例】
生理中は性交渉ができないと考える男性の割合 / 60%
入浴を避けるべきだと考える男性の割合 / 56%
生理中の女性は仕事を遂行する能力が下がると考える男性の割合 / 43%
 
なかなか話題にしづらい分、誤った知識が定着してしまう人も少なくないのかもしれません。
 
一方、イタリア男性全体の意識は下記の結果となり、高い関心を持つ人が多いことが浮かび上がります。
 
【イタリア男性全体が持つ生理への話題意識例】
生理についての話題が重要だと感じている男性の割合 / 70.1%
実際に生理を話題にする男性の割合 / 14.5%
 
後述しますが、政府や自治体、企業が行う生理用品の無料配布キャンペーンが少しづつ一般に浸透した結果、生理用品も日用品の一つとして受け入れ抵抗なく買える、というイタリア男性は増えています。
反面、イタリア人男性が持つ生理への話題意識からは、買い物程度なら協力できるものの生理を実際に話題にすることへの抵抗がすくいとれます。
ここから推測できるのは、関心がありオープンに話したい人も多いところから見えてくるのは、恥ずかしいけれど学びたい、というイタリア男性の前向きな姿ではないでしょうか。
 

7-2.イタリア女性が持つ生理への意識

前述した日本財団による調査からは、日本女性の生理への意識も、日本男性と同様にあまりオープンとは言えない結果が出ました。
 
【生理を話題にすることに対する日本女性の意識】
生理について男性の友人・知人と話すことに抵抗がある / 54%
生理について男性の家族・親戚と話すことに抵抗がある / 52.4%
生理について恋人・パートナーと話すことに抵抗がある / 34.6%
生理について女性の友人・知人と話すことに抵抗がある / 23.2%
生理について女性の家族・親戚と話すことに抵抗がある / 26.2%
 
ここからわかるのは、生理を話題にできるのは同性の方が良い、と考える日本女性が圧倒的に多いということです。
 
一方、イタリア人女性はどのように生理をとらえているのでしょうか。
 
essity社が行った、女性が持つ生理への意識は下記の結果となりました。
 
【イタリア女性の生理への意識】
生理を普通のこととして受け入れているイタリア女性の割合 / 51.9%
不快で嫌なものととらえているイタリア女性の割合 / 27.4%
 
【イタリア女性が生理を話題にする場所】
家庭内で同じ女性の家族に相談する人 / 55.9%
 
【イタリア女性の初潮への対処】
準備や事前知識が不足していた / 49.8%
 
生理の話題は同性の家族が中心であり、生理についてオープンに話さない、行動できないイタリア女性が一定数いることも浮き彫りになりました。
とはいえ、日本女性ほど生理への意識がネガティブではなく、前向きにとらえている人が多いことがうかがえます。
 

7-3.生理に対する社会意識

EU内で唯一、法律で生理休暇を認めているのがスペインです。
同様に、女性への生理休暇を認めるべきだという世論もイタリアの一部では活発ですが、イタリアではまだ生理休暇の制度がありません。
 
とはいえ、先述したタンポンの税率に関する動きからわかるよう、少しづつではあるがイタリア政府が具体的に生理への対策を行い始めています。
近年では、生理に関する学校での教育活動や、都市部を中心にした公共施設などで生理用品の無料配布が行われています。
 
しかし、イタリア人にとってより身近なのはメディアを通じて、生理についてのイメージを向上させる動きでしょう。
イタリアでは賛否両論あるものの、特に有名なのがessity社の啓蒙活動です。
同社では「Blood Normal(血は普通のこと)」と銘打った自社の製品CMの中で、経血同様の赤い液体を使ったことが話題となり、イタリア人の生理に対する意識向上を促す流れとなりました。
それまで生理用品のCMでは、日本同様に青い液体を使うことが慣習となっていましたが、タブーを打ち破りジェンダーの平等を推進すると評価が高まり、世界3大広告賞の一つと言われるカンヌライオンズ賞を2018年に受賞したほどです。
 

まとめ:イタリアの生理事情や習慣を知って滞在や生活に役立てよう

日本と異なるイタリアの生理事情や習慣を知っておくと、現地での滞在に役立ちます。
ご紹介した生理用品やビデなど中には日本に戻ってからもできるものがあるので、良いと感じたものを取り入れてみると毎月の生理期間をより楽しく、快適に感じられるかもしれません。
 
イタリアでは、近年から生理にポジティブな意識を持ち、より深い知見を得て生活に役立てようとするイタリア人が少しずつ増えてきています。
その理由は、過去最低を更新し続けているイタリア国内出生率の減少や、歯止めのかからない晩婚化を始めとする、イタリアの社会問題に通じていると言えます。
 
イタリアで生理になっても、憂鬱に感じる必要はありません。
現地でしかわからないイタリアの生理事情を実際に体験できるチャンスととらえ、知見や知識を日本でも活かしてくださいね。

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