ビジネス基礎知識

2021.10.15

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アメリカのマナーを知っておこう!出張を成功させるための基礎知識

「自由の国」と形容されるアメリカ。だからと言って何もかも自由に振舞って良い、というわけではありません。日本とは異なる視点から作られた、守るべきマナーがいろいろあります。アメリカ出張へ行く前にその違いをあらかじめ知っておかないと、ビジネスが思ったように進まなくなる恐れも。

ここでは、アメリカへ出張したときに守るべき、現地のマナーについてご紹介します。

1.これだけは頭に入れておくべき!ビジネスシーンでの必須マナー3選


アメリカでのビジネスマナーは、日本のものとは全く異なることがあります。日本での習慣をそのままやってしまい、現地で通用しなかった…ということにならないよう、事前に確認しておきたいもの。ここでは、出発前に確認しておきたいビジネスマナーについてご紹介します。

1-1.名刺はサブポジション的存在

初対面の相手と話をするとき、日本ではまず名刺交換から始まることがほとんどです。しかしアメリカではお互いに名乗り、相手の目を見ながら握手するところからスタートするのが一般的。

「名刺は相手の象徴や顔」とされるのは日本独自の習慣と言えます。反対に、アメリカのビジネスマナー上、名刺はサブポジション的な位置づけです。日本のように名刺を大事に扱われることはあまりなく、相手の顔を覚えるためのメモ代わりに使われてしまうことも。そのように扱われても驚かないよう、心の準備をしておくと良いでしょう。

1-2.腕組みは拒否のサイン

相手の話を聞くとき、腕を組む仕草は控えておきましょう。日本では考えこんでいるときのサインに捉えられていますが、アメリカではあまり好意的に解釈されません。
腕を組むことが防御のサインと受け取られるため、「その考えには賛成できない」という印象を相手に与えてしまいます。会話中に腕を組まないよう、気をつけましょう。

1-3.残業は仕事ができないことの表れ

アメリカでは、定時に帰れるよう仕事の段取りをつけ、その日のうちに業務をこなしてスパッと帰宅することが一般的です。日本なら残業は珍しいことではありませんが、アメリカだと「残業とは定時に仕事を終わらせる能力のない人がすること」と見られることがあるので注意が必要です。

1-4.会議で即決せず持ち帰るのは失敗のサイン

会議で結論がでず一旦持ち帰り、社内で再検討するというスタイルは日本でよく見られます。しかし、アメリカでは、商談などで「一旦持ち帰ります」と日本のマナー通り結論を先送りしまうと、「やる気がない」「権限のない人を商談によこした」と解釈され、良い結果にはつながりません。

アメリカでは、会議の議題と検討事項があらかじめ設定されており、会議の場ですべて決定されることがほとんどです。

2.他人への気配りを忘れずに!生活の中のマナー


日本では「他人に迷惑をかけない」ことに主眼が置かれたマナーが多々あります。それに対して、アメリカでは「他者と良いコミュニケーションをとる」ために守るべきマナーがあります。マナーの違いを知っておけば、現地滞在中に恥ずかしい思いをせずにすみます。

2-1.レストランのスタッフを呼ぶときは小声で

日本なら、飲食店で「すみません」とスタッフを呼ぶことは普通のことです。しかしアメリカでは相当なマナー違反になり、顰蹙を買ってしまいます。

ほとんどのレストランでは、スタッフが自分の担当するテーブルを頻繁に見まわって、客の要望に答えるスタイルです。何か頼みたいときは、スタッフが自分のテーブル間近に来たときにできるだけ小声で言うと良いでしょう。

2-2.頼みごとに’please.’をつける

誰かに頼んで何かをしてもらいたいとき、最後に必ず’please.’をつけましょう。「〜をお願いできますか」というニュアンスで物を頼む意味になります。

アメリカでは、幼少期から丁寧な物言いをするよう習慣づけられることが多いため、この一言がないとあまり良い印象を持たれません。

2-3.トイレのドアは叩かない

アメリカのトイレは、下半分が開いていて中に人がいるかどうかがすぐわかるようになっています。個室のドアが閉まっていれば、使用中のサインです。

使用中かどうかがわからない場面に遭遇したら、ドアノブをひねったりドアを押し引きしたりして、開くか確かめましょう。日本のようにノックをするのは「早く出て!」と催促を意味することが多いので、なるべく控えるのが無難です。

3.スマートに利用しよう!公共交通機関を使うときのマナー3選

日本とアメリカでは、公共交通機関を利用するマナーがかなり異なります。日本で利用しているときのように振る舞うと、時には罰金の対象になるので、注意して利用しましょう。

ここでは、公共交通機関を利用するとき気をつけたいマナーについてご紹介します。

3-1.タクシードライバーにチップを忘れない
どんなサービスに対しても、アメリカではチップが必要です。バスや電車では不要ですが、タクシーでは運賃の15%程度を上乗せして払うのが常識とされています。

重い荷物をトランクに入れるのを手伝ってもらったり、寄り道中に待っていてもらったりなどのプラスアルファなサービスを受けた場合は、少々上乗せして20%ほどのチップを払うのが一般的です。

3-2.車内やホームで飲食しない

アメリカの多くの都市では、公共交通機関の中や駅のホームでの飲食を禁じています。ペットボトルの水をひと口飲んだだけでも注意されたり、場合によっては罰金を払わされたりすることも。

車内販売まである日本の鉄道を利用する感覚でいると、思わぬペナルティとなる可能性があるため、注意が必要です。

3-3.レディファースト、弱者優先を忘れない

アメリカでは、日本以上にレディファースト、弱者優先が根付いています。
例えば、電車やバスでは、女性客が先に乗り降りするのがマナーとされています。公共交通機関だけでなく、エレベーターやエスカレーターなどでも同様です。

また、優先席は日本と同様に「身体に不自由がある人、老人、乳幼児、妊婦」が優先される席です。どんな場合でも、健常者が座るべき場所ではありません。座らないように心がけましょう。

コラム:マナーを守らなかった失敗例2つ
「郷に入っては郷に従え」の言葉通り、現地のマナーを知ってその通り振る舞うことに越したことはありません。それを知らずにアメリカへ行き、筆者が体験した失敗例をご紹介します。

1.タクシードライバーを怒らせた
タクシーでホテルへ向かったときのことです。細かいお金を持っていなかったので、相場より少ないチップをドライバーに払いました。事情を説明しても納得してもらえず、物凄い剣幕で文句を言われしばらく降ろしてもらえませんでした。一部始終を見ていたドアマンの人が助け舟を出してくれ、改めて小銭がないことを説明し、フロントで両替。再度チップを支払い、やっと納得してもらいました。

2.地下鉄で怖い思いをした
ニューヨークの空港に到着したばかりで、チップにできるような少額紙幣を持っていなかったので、地下鉄を利用してホテルへ向かいました。
乗り換えの途中駅改札で、薬物の影響を受けているらしき挙動不審な方に遭遇したり、ぷらぷら歩いて車両間を何度も往復する人がいたりと、少々怖い思いをしました。移動中は「タクシーで行けばよかった」と後悔し通しでした。

アメリカでは「自分の身は自分で守り、それでも守りきれないとき誰かに助けを求める」という考え方が根強く、自分の身を守ることが共通マナーとして解釈されることもある…ということを後から知りました。

マナーを守って快適なアメリカ出張を!

文化や習慣が違えば、マナーも変わります。現地事情を知った、スマートなビジネスパーソンとして振る舞えば、相手にも好印象です。どのように振る舞うべきかを事前に予習しておけば、自分のビジネスに後々良い影響を与えてくれるでしょう。

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